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またまた外傷症例検討会! ~今度は外科・看護師とコラボ~

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  お疲れ様です!前橋日赤にきて 4 年目になりました西村です! 先月の河内先生の「産婦人科との合同症例検討会」に引き続き、 8 月は外科(消化器外科)と合同で外傷症例検討会を開きました。重症外傷にて当院に搬送され、外科に緊急開腹術を施行してもらった症例の振り返りをしました。 当院では重症外傷が搬送されると、救急科だけではなく外科や呼吸器外科、整形外科、脳外科などの先生方にコンサルトし、救急科が全体のマネージメントをしつつ、各科と相談し治療戦略を立てていきます。今回は腹部外傷がメインであったため外科の先生方に協力してもらい治療にあたりました。その症例を振り返り、より早く開腹術にいくためにはどうすればよかったか、どうしてその治療法を選択したかなどを話し合い、次回の症例に活かそうというのが症例検討会の目的でした。先月の産婦人科との症例検討会のブログにもあるように、専門科の意見を聞き、より高度な知識を我々救急科も身につけるためにやっています。今回も非常に勉強になる会でした。 また今回は救急外来の看護師さんにも参加してもらいました。救急外来の看護師さんたちはベテランぞろいなので、やはり現場を非常に客観的に見ております。また普段から救急科と関わることが多いので、日頃外傷診療で思っていること(不満 !? )を今回の会で(優しく)ご指摘いただきました。会の終了後には「症例検討会をやってよかった」との意見もいただきました。やはりチーム医療が大切ですね! 以上、症例検討会の報告でした。 ほかにも最近話題の ECMO の症例検討会も先日行いました。「症例検討会やってますよ、後期研修にぜひ来てください」アピールでした!僕自身、前橋日赤で 3 年間後期研修をやり、良かったと思っています!症例が多いので大変勉強になります!中堅以降での研修も大歓迎です。僕が伝えたかったのは以上です。前橋日赤でお会いできるのを楽しみにしております!     以下は症例検討会の画像です。ガラガラのように見えますが 3 蜜を避けるために広い講堂でビデオ会議システムを併用して行っております。

専門科とともに学ぶ vol.3 ~「心臓血管内科」との合同勉強会を開催~

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吉野です.   7 月 13 日に当院心臓血管内科と当科,合同で行われた勉強会の報告となります.     心臓血管内科からは,星野先生より『たこつぼ型心筋症』についてのレクチャーとなりました. たこつぼ型心筋症は,超音波上の形態から名称が名付けられましたが,発生機序は未だ謎のままです. 70% の症例で発症前に何らかのストレス負荷があり,その背景として『冠動脈の多枝同時攣縮仮説』,『カテコラミン過剰産生仮』,『微小血管狭心症仮説』などの病態が推察されているらしいです.   症状・所見としては ・突然発症の胸痛,胸部絞扼感 ・心電図検査での ST 上昇,陰性 T 波( -aVR で認めるも V1 で認めなければかなり有用) ・心筋逸脱酵素の上昇( CK/CK-MB 上昇も伴う事もあるが壁運動低下に比し変動は軽微) ・心臓超音波・左室造影検査での心基部過収縮+心尖部無収縮 ・冠動脈造影検査での冠動脈病変の否定 が非常に有用とのこと.   治療としては多くの場合,一般の心不全に準じた治療を行う事が多いそうです. 予後は急性期を過ぎれば良好であり,多くは 1-4 週間で心機能は病前までの回復が望めます. 具体的な治療法は本図をご参照ください。 それに対して当科からは,吉野が『腎代替療法のトラブルシューティング』についてのレクチャーを行いました. 腎代替療法とは種々の要因で自身の腎臓が働けなくなった際,体外循環を通してその働きをサポートする治療となります. 5 月の勉強会ではその基礎についてレクチャーを行い,今回は『応用編』としてトラブルシューティングについて話をしました(星野先生と違ってあまり学術的なものがなく,ほぼ経験則によるレクチャーだったため,お恥ずかしい限りです … ). トラブルにおいて急を要するものの要因は大きくは①脱血不良,②気泡混入,③圧異常の 3 つがあると考えます. 具体的なトラブルシューティングは本表をご参照ください。 長々と書きましたが,自分たちの専門外でよく分からない,けれどもそれなりの頻度で遭遇する疾患や治療は非常に多いです. そんなものに遭遇したとき,全てを専門家に任せるのではなく,...

専門科とともに学ぶ vol.2 ~「脳神経外科」との合同勉強会を開催~

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増田衛です. 8 月 4 日,当院の脳神経外科合同と当科(集中治療科・救急科)の合同勉強会が開催されました.   今回は頭部外傷について,特に穿頭・ ICP モニター挿入の基準について話し合いました. 重症・多発外傷患者が多く搬送される当院では,脳神経外科の先生方の協力が欠かせません.知識だけでなく,院内事情を考慮した最大の治療効果を出すための共通認識をもつために,非常に重要な会となりました. ちなみに前回は超急性期脳梗塞に対する t-PA 及び血管内治療について開かれ,いかに発症から血管内治療完遂までの時間を短縮できるか,その戦略についての共通認識が得られました.     当院では,根本治療は各科専門の先生に依頼し,当科はプレホスピタル, ER での蘇生・安定化, ICU での全身管理に力を入れる,というスタンスをとっています.そのため,各科とのつながり,コミュニケーション,共通認識が患者の予後に強く関係する,と私は考えています. このため,他科の先生方と勉強会を通して普段から顔の見える関係を作り,共通認識をもつように努めています.   心臓血管内科(次回アップ予定)・整形外科(前回参照)とも同様な勉強会を開いています.詳細は吉野先生・佐々木先生の記事をご参照ください.

専門科とともに学ぶ vol.1 ~「整形外科」との合同勉強会を開催~

佐々木です。 7 月 25 日、第 1 回整形外科・救急科合同勉強会を行いました。 第 1 回は整形外科安藤先生から、「切断指」について講義して頂きました。 講義では、再接着の適応や、群馬県内の各病院の手の外科専門医の数や受け入れ状況などを教えて頂きました。これらの点はドクターカー・ドクターヘリで対応する際に非常に有用でした。 また、整形外科にコンサルトした後の患者さんの経過についても教えて頂きました。 まず、私達救急科がコンサルトした後に最初の手術を行い、術後は手を心臓より高くした状態で絶対安静、その後再手術も経ながら機能回復まで約 2 年間、お付き合いをするそうです。   患者さんは基本的には指以外は元気なので、喫煙者の方は指の血流を保つために禁煙を強いられ、しかも絶対安静という患者さんの苦労と、それを口酸っぱく指導する主治医の先生の苦労、そして外来での付き合い 2 年間と、私達が知らないところでの様々な大変さを思い知りました。     講義後には意見交換も行われ、整形外科の先生からは、救急隊への切断指のレクチャーを行いたい要望や、所見の共有方法としてこれまで通りの電話相談に追加して、写真で共有する方法について提案などがありました。 このほかにも今後に繋がる建設的な意見が挙げられ、非常に有意義な勉強会となりました。     整形外科の先生方、ご協力頂き、本当にありがとうございました。  

久しぶりにできました・・・~「基幹災害医療センター・渋川広域消防本部合同勉強会」を開催~

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町田です。 昨日から新年度が始まりましたが土日スタートのため、まだ当院新入職員のオリエーテーションも行われていないためか、なんとなく静かな新年度の始まりです。新年度の挨拶やスタッフ紹介などは明日以降にあらためて行わせていただきます。     当院は群馬県ドクターヘリ基地病院であり群馬県基幹災害医療センターとして、救急医療や災害医療において県の中心となって関係機関と密な連携を取っていかなくてはいけません。 そのためにドクターヘリが運用開始当時より各消防局・本部との定期的な勉強会や検証会を行うように声をあげてきましたが、実際には11消防局・本部と同じ数だけある地域MC協議会の壁を超えられず、2010年に桐生市消防本部通信指令課、2011年に前橋市消防局と合同勉強会を行ったのみで今までほとんど行われていませんでした。  ☆桐生市消防本部通信指令課との合同勉強会   http://drheli-gunma.blogspot.jp/2010/12/blog-post_11.html ☆前橋市消防局との合同勉強会   http://drheli-gunma.blogspot.jp/2011/09/blog-post_14.html   ドクターヘリ基地病院主担当として自分の力のなさや全県にわたる影響力のなさをただただ嘆く日々が何年も続いていましたが、ここにきて消防側から合同勉強会開催のアプローチを頂き、本当に久しぶりに消防本部に出向いておこなう「基幹災害医療センター・渋川広域消防本部合同勉強会」が行われました。平時より消防本部の枠を超えて関係機関と積極的に連携したり、様々な合同訓練を行っていることもあり、久しぶりながらここの消防本部で行うことに違和感はありませんでした。   勉強会の内容は、 1.ドクターヘリの現状と課題について 2.自由討論 3.局地災害における連携活動について  でした。 会場は消防の皆様が意見を言いやすいように消防本部で行い、当院からは中村センター長、雨宮先生、町田の3人が参加しました。 今回の勉強会には救急救命士だけではなく消防隊員、救助隊員など現場やヘリ支援でご活躍されている皆様も集まっていただいており、ドクターヘリの実際の活動内容...

1年ぶりに群馬県ヘリコプター合同勉強会を開催しました!

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町田です。 「群馬県ヘリコプター合同勉強会」という自主勉強会を主催しています。 もともと群馬県防災ヘリとドクターヘリがコラボする活動が増えてきたことから「防災ヘリ・ドクターヘリ合同勉強会」から始まりましたが、それから群馬県警ヘリから傷病者の引継ぎを行うようになったので「防災ヘリ・県警ヘリ・ドクターヘリ合同勉強会」と名称を変更しました。 さらに災害訓練などで陸上自衛隊第12旅団や赤十字飛行隊の方々との交流も増えたため、“一層のこと医療・救助・災害対応に関わる全ての群馬県内のヘリコプター関係者が一同に集まる勉強会にしよう!”ということで現在の名称になりました。 ここ数年は年2回の定期開催(6,12月)となっていますが、今年度は災害対応などで中止があったりして、12月10日に1年ぶりの開催となりました。 今回は県警、自衛隊が所用のため参加できませんでしたが、群馬県防災航空隊、赤十字飛行隊群馬支隊、朝日航洋ドクターヘリスタッフ、前橋赤十字病院救急科・救急外来スタッフ、群馬県内各消防関係者、そして群馬県庁の方々が集まっていただきました。このような自主勉強会にもかかわらず多くの方々にお集まりいただき本当にありがとうございました。 今回の勉強会の内容は、以下の通りです。 ①各機関ヘリの連携活動 本勉強会や群馬県ドクターヘリ症例検討会で定期的に各機関の横のつながりを紹介しています。 こんな感じで活動実績を紹介しています。 ②連携事案の検討 「ドクターヘリ&防災ヘリドクターヘリ的運用」  ・ 2 機ヘリの着陸場所が異なる際の情報共有方法 「局地災害対応での防災ヘリ・ドクターヘリの連携」 ・管轄消防外への防災ヘリ搬送 ・管轄消防外からの医療スタッフ派遣 上記のテーマをもとに防災ヘリ、ドクターヘリから活動を報告し、さらに消防本部の方々より意見をいただきながら今後さらに良い活動をするためにみんなでディスカッションをします。 時系列や地図なども利用して情報を共有します! ③群馬県防災航空隊から「茨城県常総市における災害救助活動報告」 またこのような機会を利用して、各機関の活動を紹介していただきます。 過去には陸上自衛隊第12旅団から御嶽山噴火における災害救助活動につ...

顔と“心”の見える関係!(平成27年6月群馬県ドクターヘリ&前橋ドクターカー活動実績速報付)

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町田です。   「顔の見える関係が大切!」ということは皆さんもご承知のことだと思います。 6月も防災ヘリやドクターカーとの連携活動が多くありましたが、現場で活動している方々が散っている顔ばかりだととても安心感があるとともに、普段は別々の機関で働いているにも関わらずすぐに阿吽の呼吸で活動できることがあります。 顔を知っているだけではなく、相手の気持ちも分かり合える“心”の見える関係から得られるこのようなスムーズな活動は、必ず患者さんにとって良い方向に働きます!   また消防や病院関係者のみならず、警察、自衛隊の方々と有効な関係を保つことは、平時の救急医療のみならず災害時の対応で大きな力を発揮することとなります。 群馬県には民間機が離着陸する飛行場はありませんが、陸上自衛隊相馬原基地に飛行場があり、なんとそこを平時のドクターヘリの活動でランデブーポイントとして利用させていただけています。ドクターヘリは急なミッションであるにも関わらずすぐに使用させていただけるのは、自衛隊、消防、ドクターヘリの平時からの連携が良好であることの証です。 またドクターヘリを相馬原飛行場で誘導していただいたのは、半年に一度開催している「群馬県ヘリコプター合同勉強会」に毎回参加していただいている自衛隊の方でした。ここでも知っている顔に出会えて安心して安全にかつどうすることができました。   今月も半年ぶりに『群馬県ヘリコプター合同勉強会』を開催して、情報交換とさらなる「顔と“心”が見える関係」の強化を図る予定です!    <2015年6月 群馬県ドクターヘリ活動実績速報> *表をクリックすると拡大してみることができます。    ☆要請・出動数   ☆搬送先病院   ☆疾患分類   ☆ランデブーポイント数(運航開始から)        <2015年6月 前橋ドクターカー活動実績速報>   ☆要請・出動数  ☆搬送先病院   ☆疾患分類   ...

壁を突破する!vol.2 ~組織を超えた連携~

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町田です。 爆弾低気圧の影響で全国で大きな被害が出てしまい、犠牲者も出てしまったことがとても残念です。心よりご冥福を申し上げるとともに、これから冬の寒さが厳しくなる中で皆様が健康に過ごしていただけるよう心より願っております。 群馬県では前橋市内を含めて平野部ではまったく雪が降り積もっていませんが、北部や山沿いではすっかり雪景色になっています。同じ県内ですが雪が全くない基地病院からヘリコプターで5分飛んだだけでいきなり雪景色に変わってしまいます。 屋上ヘリポートから赤城山を望む・・・ ヘリでたった5分の山頂付近はすっかり雪山です。 「壁を突破する!」シリーズの第2弾は“組織の壁”です。 救急・災害医療においては医療チームだけでは対応しきれないことばかりです。そもそも救急搬送事案であれば救急隊との連携、ドクターヘリ事案であれば支援隊との連携、そして救助事案であれば救助隊・航空隊との連携を当たり前のように行っている日々です。また交通事故・事件などであれば警察との連携、大規模災害であれば自衛隊との連携、そして特に当院では赤十字やボランティアとの関係性もとても重要であります。 「組織間の壁」がいつもおおきな問題になりますが、群馬県は比較的組織間の連携が良い(良くなっている?)と感じています。 ドクターヘリの場合、防災ヘリとドクターヘリの連携活動は日常茶飯事であり、さらに県警ヘリで救助した患者さんをドクターヘリで引き継ぐことも行っています。県警ヘリの方から「この事案はドクターヘリにすぐ引き継ぎたい!」と管轄警察署を通じて消防本部に進言することもあり、医療チームとしては本当にうれしい限りであります。 前橋管内の救助事案であれ接防災ヘリから直接受け入れることも行っており、 将来的には県警ヘリの救助事案も直接受け入れられるようにしたいです。 ドクターヘリ・防災ヘリ・県警ヘリのさらなる連携強化のために、半年に一度で『群馬県ヘリコプター勉強会』を開催しています。 今回もドクターヘリ関係(朝日航洋、前橋赤十字病院)、群馬県防災航空隊、群馬県警察航空隊、そして陸上自衛隊第12旅団、赤十字飛行隊群馬支隊の方々に集まりました。またヘリ同士の引継ぎ事案で中枢を担っていただく消防本部の方々、そしてあらゆる組織の連携において協力にバックアップしていただ...