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院外広報誌「博愛」が「HAKUAI+(はくあい プラス)」に進化しました!

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丸山です。 当院では年に3回程、院外の医療従事者・一般の方向けに院外広報誌を発行しているのをみなさんご存知でしょうか。 タイトルは「博愛」。1877年の西南戦争の時に設立された日本赤十字社の前身である「博愛社」に由来するもので、赤十字の精神を体現している単語でもあります。 そんな当院の院外広報誌も2000年に第1号が発行され、早20年。この度、「HAKUAI +」にリニューアルしました!平成から令和、旧病院から新病院へと私たちの環境が変化したことも踏まえ、「博愛」から「HAKUAI+」へと進化を遂げ、デジタル媒体メインの広報誌になりました。冊子での配布は患者さん向けに院内で数十部のみとし、職員への配布をなくすことでエコ・フレンドリーになり、職員が毎日目にする電子カルテのログイン画面(ポータルサイト)に掲載することでいつでもどこでも見られる環境になりました。   この「HAKUAI+」ですが、一般の方々も当院ホームページからも閲覧することができます。当院ホームページを下にスクロールしていただくと「一般の方」と書いてあるボックスの中に、院外広報誌「HAKUAIプラス」と記載されているところがあるかと思います(写真②をご参照ください)。こちらをクリックしていただくと当院の最新版の院外広報誌が表示されます。またバックナンバーもございますので是非ご一読ください。 今回の特集は「コロナと戦う情報システム」です。 当院には情報システム課という部署があり、この部署の方々が病院情報システムを全て管轄しています!詳細は特集をご覧いただければと思いますが、当院では新病院への移転に当たりIT(information technology)を多く導入し、今も尚新しいシステムを導入し続けています。例えば、with コロナ時代の必須アイテム「オンライン会議システム」も今年の初めに導入されました。当院ではCisco Webex meetingというものを採用しています。それぞれが自身のパソコンから参加できるため、現場への滞在が不要になるだけでなく、広い会議室に広角カメラを設置し、院内の参加者においても3密を避けながら会議を行えるようになりました。 また、Cisco Jabberという電話アプリも導入されました。それぞれの医療スタッフが内線番号を持っていて電話ができる点は今まで同様ですが、さ...

もし群馬県が被災したら?~阪神淡路大震災から22年~

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阪神淡路大震災から22年がたちました。 この震災の対応から多くのことを学び日本の災害医療は大きな発展をしてきました。いまでは災害時にDMATやドクターヘリは欠かせないものになっていますが、その当時の現場で戦った医療関係者の皆様のご苦労ははかり知ることができません。その方々の思いを引き継ぐべくこれからも日々努力していく次第です。 当院では院外向けに「博愛」という広報誌を定期発行しています。 時々当科にも原稿の依頼が来ますが、昨年末に中村センター長より「群馬で災害が起こったときにどのように対応するか」とく記事を書きました。今日この日に改めて自分たちがきちんと活動できるかどうか振り返る意味を込めてその記事を紹介します。 ~~院外広報誌「博愛(平成28年12月発行)」より~~ 『熊本地震の救護活動から見えてきたもの』 -もし群馬県が被災したら? 前橋赤十字病院としての役割と課題- 南海トラフ地震は,内閣府より 防災対策推進基本計画が示されている. 「具体的な応急対策活動に関する計画の概要」 では,熊本県は「被害が想定される地域」に分類されているが,大分県や宮崎県の被害が甚大であるため,政府総合防災訓練では熊本県は九州の統括的な立場で被災者や傷病者の受け入れを行う想定とされていた.そんな中, 2016 年 4 月 14 日, 21 時 26 分,熊本県を震源とするマグネチュード 6.5 ,最大震度 7 の地震が, 16 日, 1 時 25 分には本震となるマグニチュード 7.3 の地震が発生し,死者 133 人(災害関連死を含む)に及ぶ甚大な被害をもたらした( 2016 年 11 月 4 日現在). まさにこの状態は群馬県と同じである.南海トラフ地震の 防災対策推進基本計画で, 群馬県は「被害が想定されない地域」とされている. では, 群馬県では災害が起きないのか?実は,群馬県にも 3 つの断層がある. 関東平野北西縁断層,太田断層,片品川左岸断層である.最も大きな被害をもたらすものは,関東平野北西縁断層であり,最大でマグネチュード 8.1 ,死者数 3,000 人,負傷者数 18,000 人と想定されている.もし,この地震が起きたら,当院は何をしなければならないのかを考えておかなければならない. まず,院内...

前橋赤十字病院DMAT、日本APECに出動・・・~前橋日赤だより「博愛」より vol.2~

今日は天気は穏やかなでした。屋上へリポートにドクターヘリを迎えに行きましたが、風がほとんどなくひさしぶりに日差しを暖かく感じることができました。ERはそんなに混雑はしていませんでしたが、救急搬送された重傷患者さんの緊急手術が並列で行われています。麻酔科の先生や手術室の看護師さんが、穏やかな日曜日の中を病院に駆けつけていました。 前回に引き続き、“前橋日赤だより「博愛」”に当科医師が書いて掲載された記事を紹介します。 11月19日の本ブログですでに掲載させていただいた話題のため若干古い話ではありますが、ブログにはあまり詳細が書かれていませんので是非ご覧ください。 ~前橋日赤だより「博愛」より vol.2~ 『前橋赤十字病院DMAT、日本APECに出動』 集中治療科・救急科 中村光伸 11月7日から14日まで、横浜市で2010日本APECが開催されたことは皆さんご存知のことと思いますが、今回、同会議にCBRNE(*)災害対応DMATとして、当院のスタッフ(医師3名・看護師4名・調整院3名)が11月11日から15日まで救護活動を行いました。 (*)CBRNE:化学(Chemical)、生物(Biological)、放射線物質(Radiological)、核(Nuclear)、爆発物(Explosive)の頭文字で、これらによって発生した災害をCBRNE災害と称します。 厚生労働省・外務省の要請のもと、CBRNE災害に対応できるDMATとして私たちの班を含め全国から18チームが選ばれ、横浜8チーム、成田空港5チーム、羽田空港5チームが配置されました。私たち前橋赤十字病院は、最もテロが起きる可能性のあった“横浜”に配置されました。 本部はAPECメイン会場近くの「けいゆう病院」に設置され、DMAT事務局を中心に,、自治体や消防、警察などとの調整、各DMAT部隊の管理を行いました。 私たち横浜部隊は、同じく「けいゆう病院」に本部を置き、当院DMATが本部の副リーダーとしてAPEC会場周辺や横浜市周辺での災害時の対応や会場内の救護所の医療活動を行いました。また変わった活動としては、オバマ大統領の鎌倉観光やファーストレディ達の横浜観光にあわせて、その場所へ救護班を派遣するといった活動も行いました。 会場前で異臭さわぎ(マンホールの汚水から硫化水素が自然発生)があ...

日没まであと30分・・・~前橋日赤だより「博愛」より vol.1~

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集中治療科・救急科&フライトドクターの町田です。 今日は群馬にも春一番が吹き荒れました。暖かい日と思いきやあまりにも風が強く、春の気配はまだ先に感じました。ドクターヘリも14時頃に地上へリポートの群馬ヘリポートに緊急退避となりましたが、群馬ヘリポート退避後もさらに風が強くなりそのまま運休になりました。 前橋赤十字病院は地域医療支援病院です。地域支援病院の活動の中のひとつに広報活動があり、近隣の医院、クリニックに“前橋日赤だより「博愛」”を定期的に配布しています。ちなみに当院広報委員会の委員長は当科高橋医師で、時々当科スタッフにも原稿の依頼が来ます。2011年新年号では、当科中村医師が“10月の日本APECへのDMAT出動”、私が“日没ギリギリのドクターヘリ出動”についての記事が掲載されました。 今日から2回にわたってこれらの記事を本ブログで紹介させていただきます。 ~前橋日赤だより「博愛」より vol.1~ 『日没まであと30分・・・それでもドクターヘリは傷病者のもとへ向かいます!』 集中治療科・救急科 町田浩志 12月某日の日没時間は16時29分、ドクターヘリ要請受入時間は15時59分であった。この日はすでに3件の出動があり、ドクターヘリは群馬の空を西へ東へ飛びまわっていた。フライトスタッフはドクターヘリ運航終了時に毎日デブリーフィングを行い、その日の反省とスタッフ全員への周知事項の確認を行っている。安全かつより有用なドクターヘリ運航のためだ。3件目の出動が終わりこの日も15時50分頃よりCS室でデブリーフィングを行っていた。時計の表示は15時58分、“この日はこれで終了だな”と思っていたところでCSのホットラインが鳴り響いた。 夕闇迫るランデブーポイント “要請だ!” 機長、整備士、フライトドクター&ナースは迷うことなく1階から屋上ヘリポートまで駆け上がり、要請から4分後の16時2分にドクターヘリは離陸した。離陸してからCSから無線で傷病者情報が入る。 “交通事故、顔面に挫傷あり、JCS 2・・・”。 交通事故で頭部外傷により重症の可能性が高い。ドクターヘリは日没時間までに帰還するルールがあるため、機長から “16時25分にはエンジンスタートです!” と時間の確認あり。ランデブーポイントの位置から考えると現場活動時間は10分しかない...