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2012年を振り返って!

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2012年もあっという間にかけぬけて、大みそかの日を迎えました。 群馬県内は明日のニューイヤー駅伝に向けて、いろいろな準備が始まっています。選手の皆さんもすでに群馬県入りしていて、通勤中に高崎市内や前橋市内を朝早くから走っている姿を見かけました。毎年このようなシーンを見ながら年の瀬を感じています。 道路沿いにニューイヤー駅伝関連の看板やのぼりが立ち並んでいます。 明日は沿道に多くの方があふれかえると思いますが、事故やけがに十分注意してください。 今年は夏のオリンピック開催年であったため、例年より1日多い366日ある1年でした。 前橋赤十字病院高度救命救急センターにとっても今年も多くのことがありました。 4月、当院の初期研修プログラムから2名の医師が当科に入職!地元出身の若手救急医の誕生は群馬県にとって大きな財産になるでしょう。そのような中、月末におこった『関越道大型バス事故』が発生・・・局地災害における対応の難しさを痛感しました。 5月、中野センター長が群馬県災害医療コーディネーターを委嘱!また、バス事故の経験から警察からのホットラインの増設、消防からの直接のDMAT要請など新たなシステムが誕生しました。 6月、集中治療科・救急科スタッフスクラブが完成! 11月、ドクターヘリが2000件出動を達成! 12月、小倉先生が AHA Resuscitation Science Synposium 2012 in L.A. において Young Investigator Award を受賞!!当科が世界に近づいた瞬間です! 他にも各スタッフそれぞれにもっともっと様々なことがありましたが、すべては多くの病院スタッフ、関係各機関の皆様がいなければ何一つなしえないことでした。皆様のこの1年のご協力に心より感謝いたします。そしてまた来年もどうぞよろしくお願いいたします。 今年は念願の全員集合写真が撮れました。 来年度はさらにスタッフが増える予定です! ~最後に番組宣伝です~ 11月中旬からドクターヘリと当科若手医師に密着取材が入っていて、本日大みそかも撮影が続いています。年明け1月にドクターヘリ基地病院の大先輩である日本医科大学千葉北総病院とともに番組として取り上げていただけるようです。 ☆放送予定日 20

『救急搬送支援システム』が導入されました!

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町田です。 昨日は仕事納めでしたが、救命救急センターは今日からが本当に多忙になります。救急車の受入数も救急外来の受診者数もどんどん増えてきています。普段とは違い受診できる病院が限られていますので、救急病院が忙しくなるのは仕方ないことです。 皆さんにおねがいです。混雑とともに待ち時間も長くなってくることが予想されるので、インフルエンザやノロウイルスなどがうつらないよう病院受診の際はマスクなどしっかり自己防衛のほどよろしくお願いします。帰ってからのうがい、手洗いも忘れずに! 12月26日から群馬県にも『救急搬送支援システム』が試行段階ではありますが導入されました。 県内11消防本部と全救急車104台にタブレット端末を配布し、その端末からは予想される疾患などからどの病院が対応できるかを検索できたり、各病院が直近24時間で何台救急車を受け入れしたか(受入不可も!)がわかります。 このようなタッチパネルで病院検索ができます。   【写真左】直近24時間の各病院の救急車の受入数、受入不可数が一目でわかります。 【写真右】救急隊が受入要請した病院、受入不可の理由もわかります。    ドクターヘリに関してはまだ試用中ですが、現在のドクターヘリの運航状況や受入もわかります。   実際にドクターヘリでもこのシステムを使用してみましたがなかなか良い印象を持ちました。 フライトドクターは群馬県内の医療状況を把握していることも一つのスキルとして持ち合わせていなくてはいけませんが、10分ごとに自動更新されるためリアルタイムで今その病院が対応可能か、救急車であふれかえっていないかなどを手に取るようにわかることができ、そのタイミングでベストな搬送先の選定の助けになると感じました。   このシステムを有効に活用することで、患者さんのより早い病院収容やドクターヘリ接触による医療の早期介入に大いに役立つ可能性がありそうです。       今日の群馬ヘリポートはにぎやかでした。 群馬県では毎年元日に社会人日本一を決める『ニューイヤー駅伝』が開催されますが、その準備のために東京から報道用の大型ヘリがやってきました。また年末ですが群馬県警察ヘリも群馬県消防防災ヘリもわれわれドクターヘリも今日も活動していました。

寒い日・・・感染症や事故にお気を付けください!

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町田です。 連日寒い日が続いており、ノロウイルスやインフルエンザウイルスが猛威を振るっています。 手洗い、うがい、マスク装着など自分の身は自分でしっかり守ってくださいね! 群馬県の2大都市である前橋市と高崎市は世界でも珍しいところです。 冬にほとんど雪が積もらないのに、車で30分も走ればスキーリゾートがある人口30万人以上の都市は世界でもここくらいとのことです。 ドクターヘリの出動も、平野部のゴルフ場の事案に対応したかと思えば、次は一面銀世界のスキー場に出動したりしています。   雪のない前橋市を離陸し、15分後にスキー場に到着です!   それにしても今日はものすごく寒く、どうやら夜に平野部でも雪が降りそうです・・・特に車の運転する際には事故などに十分お気を付けください。

風との戦い!~基地病院が遠い・・・~

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町田です。 北日本や日本海側は今年も大雪で大荒れの天気のようです。本当に大変だと思いますが事故やけがのないようにお気を付けください。その反面で群馬県の平野部はずっと晴れの日が続いています。しかし北日本や日本側で天気が大荒れの時は、群馬もいつものからっ風以上に猛烈な北風が吹き付けています。 本日も朝から風が強い日でしたが、午前中にドクターヘリの出動がありました。しかし昼頃から風がさらに強くなり、強風のため待機している地上ヘリポートである群馬ヘリポートの風速計が40ノットを超えてしまいました。安全第一のためドクターヘリはやむを得ず運休となりました。 それにしても群馬の冬の晴天率の高さと北風の猛烈さには驚かされたばかりです。 今日はこんなに晴天でしたが、風は右肩上がりに強くなり、 午後からずっと運休でした。  風との戦いは思わぬところにも・・・ このように風の強い日は、基地病院である当院屋上ヘリポートには着陸できません。そして当院には地上ヘリポートがないため、基本的には群馬ヘリポートに着陸してそこから救急車で当院に搬送となります。 群馬ヘリポートから当院までの距離は約8Km・・・ヘリだと3分ですが救急車では15分ほどかかります。さらに病院に傷病者を搬送後に群馬ヘリポートに戻る時は基本的には一般車(時々当院の救急車)で戻るため、緊急走行ができず約20分ほどかかります。つまり往復+申し送り時間で50分ほどの空白時間ができます。 いまは前橋市消防局の協力もあり、特に傷病者の重症度・緊急度が高いときは、群馬ヘリポートではなく近くの公園やスポーツセンターに着陸させていただけるようになりました。 しかし近くといっても病院まで約3km、走行距離では約4.5Kmもあり緊急走行でも7,8分かかります。またヘリは群馬ヘリポートに戻るため医療スタッフは当院に申し送りをした後に、群馬ヘリポートに一般車で戻らなくてはいけません。結局40分近い空白時間は発生してしまうのです。 現在要請数が増えていて重複要請による未出動を減らす努力をしている僕たちにとって、屋上ヘリポートが使えない時に基地病院に傷病者を搬送することが逆に大きな足かせとなっています。 ちなみに比較的搬送数の多い同じく屋上ヘリポートしかない大学病院や県立病院は、病院周囲の自治体のドクタ

Merry Christmas !!

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2012年も残り1週間を切りました。 この連休も連休明けも、病院のER,ICUともに混雑が続き、ドクターヘリも出動しっぱなしの日々が続いています。他の病院も同じようにとても忙しそうです。 救命センターは、ゴールデンウィーク、年末年始、そして夏休みなど、人が多く動く時期に最も忙しくなる傾向があります。 クリスマスもあっという間に過ぎてしまいましたが、年末年始も皆さんの健康と入院されている患者さんが1日でも早く退院できることを心よりお祈りいたしております。 昨日も今日もいろいろありだいぶ遅くなってしまいましたが、☆Merry Christmas !!☆

教育・研修コースの紹介。

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町田です。 ここ9日間でドクターヘリの未出動が9件あり、すべて重複要請が理由でした。 しかし最初の7件は救急隊の現着前要請で、現着時にドクターヘリ不要という判断で救急隊のみでの対応になっています。積極的なオーバートリアージの結果であり、このことは全く問題になりません。あとの2件も群馬県防災ヘリに対応していただき、うち1件は防災ヘリが当院屋上でフライトドクターをピックアップして現場に向かうドクターヘリ的運用でした。 オーバートリアージを恐れない消防の姿勢、そして様々な手を尽くして早期に患者さんのもとに向かう姿勢が、命の危機にさらされている傷病者の救命と社会復帰に大きく貢献しています。救急医療は『待ったなし』の姿勢が大切です! 僕の所属している『前橋赤十字病院 高度救命救急センター 集中治療科・救急科』でホームページを運営していますが、そのなかに☆教育・研修コース☆というコーナーがあります。 http://www.gunma-redcross-icuqq.com/seminar/index.html 当院で主催したり当科のスタッフがコースディレクターとして参加している、外傷対応、蘇生、脳卒中対応などのコースを紹介しています。 数日前からあらたに“病院における緊急度判定(院内トリアージ)が安全にできることを目標”としている『JTASコース』のページを設けました。 http://www.gunma-redcross-icuqq.com/seminar/jtas.html 尚、各コースとも当科スタッフがインストラクターとして参加しておりますが、このページの作成に当たっては本ブログのWeb担当の方が自ら受講生となって作った渾身のページになっております。しかも各コースの写真やロゴなどの使用にあたっても、コースの主催者にきちんと許可をいただいています。 各コースともとてもわかりやすくまとめていますので是非ご覧ください。

スプリンクラー作動!~学校の先生の機転~

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町田です。 今年も残すところあと10日ほどになりました。年々時間が過ぎるのが早く感じる今日この頃です。 12月に入り日本海側は大雪に見舞われているようですが、群馬の平野部はほとんど晴れの日が続いています。しかし北日本の天気が悪いときは、県北の山間部は雪が舞い、平野部はものすごい強風が吹き荒れます。ドクターヘリも今月は1日平均3件以上の要請をいただいていますが、強風による運休や重複要請などで1日平均1件は未出動になってしまっています。大変申し訳ありませんが、1件でも多くの要請にこたえられるよう今年残りわずかの日々も一生懸命頑張ります。 ドクターヘリが着陸するランデブーポイントは、あらかじめ消防から候補地をあげていただき、実際に航空会社の検地が入り安全な着陸に問題がなければ採用されます。 ランデブーポイントは、ヘリポートだけではなく公園、工場敷地内の芝生、駐車場等が候補地としてあげられることが多いのですが、最もよく使用する場所として学校のグランドがあります。 自分が学生時代に『ヘリコプターが自分のグランドに降りてくる 』なんてことは想像もしていませんでしたが、今は全国で毎日どこかの学校にドクターヘリが着陸している時代です。 群馬県でも運航して約3年10カ月で、廃校跡地を含めて幼稚園1園、小学校52校、中学校37校、高等学校12校(うち1校のみスケートリンク)、大学4校に着陸しています。合わせて100校を超えています。 学校のグランドに着陸する際は、砂が舞い上がることで機長の視界が失われないように、また学校や周辺住民にご迷惑をかけないように、消防の支援車(ポンプ車)で着陸前に水をまいてもらいます。水撒きが終了して安全確保ができたら着陸可能になります。 スプリンクラー作動中! 今日もとある高等学校のグランドがランデブーポイントに指定されました。ドクターヘリは病院を離陸して5分で上空到着。いつもこの時間で着くと消防の支援隊による水撒きが終了するまで上空で待機しています。 今日は上空についたらすでにグランドに水がまかれていました。ポンプ車は到着したばかり・・・!?実は学校の先生が機転を利かせて、ヘリコプターがグランドに降りることを見越してグランドに設置されているスプリンクラーを作動させていたのです!上空待機時間はほとんどなく着陸でき、すぐに傷病者

眠らない夜・・・~午前3時、ERに医師8人~

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町田です。 前回のブログでは夜中のICUの様子を書きました。 今日は夜中のERの様子です。 午前3時・・・ こんな時間でもERには小児科医師2人、泌尿器科医師1名、消化器外科医師1名、初期研修医2名、ホットラインを持っている新人救急科医1名、そしてオンコールの僕の8名が、救急車の対応、重症患者の処置、転院搬送の手続きなどで、昼間のERと変わらない雰囲気でせわしなく動いています。もちろん他科の当直の先生も何度もERに足を運んでいました。看護師さんも休みなく働きっぱなしです。 夜中のERで消防、警察、医療の協働活動。 ICUとともにここは24時間眠りません! 現在重症ベッドがすべて埋まっていますが、積極的に救急車の受入を行っています。『早く受けてあげないと容体が悪化する可能性がある』という症例が多く、ドクターヘリで現場に早く行けない分は早く受け入れてあげることが重要になります。 重症患者さんに対してはなんとかベッドコントロールをしてICUへ入室させていますが、病院中のベッドをどんなに動かそうと頑張っても空かない時もあります。 そんな時は3次対応可能な病院(救命救急センター、大学病院)へ転院搬送をお願いしたり、それでも難しいときは当院ERでICUのベッドが空くまで重症管理をします。というわけで今宵は主治医当番の僕はその患者さんにつきっきりで診ています。この状態の時はもちろん処置室のベッドが1つ埋まってしまいますが、それでも関係なしに急患はやってきています。新人救急科医が各科当直医師の協力を仰ぎながら奮闘中・・・もちろんじっとしていられない先輩救急科医師も参戦! ICUの当直の先生も少しでも患者さんが早く良くなるように、夜中もICUで診療を続けています。 その間ERでも重症管理を開始。当科が 『集中治療科・救急科』である強みです! そのような中、次の重症患者を受け入れる準備です! いつの間にか午前5時・・・ 処置室はすべて埋まっていますが、比較的落ち着いてきました。看護師さんもようやく交替で休憩・・・ERにいる医師も3人まで減りました。この時期まだ外は真っ暗で、興味冷たい北風が吹き付けています。そろそろ転院搬送から帰ってくる初期研修医、新人救急科医師と先輩救急科医師、そして泌尿器科医師の4人は一睡もできないまま朝を迎えそ

絶対負けられない戦い・・・~マンツーマン!~

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町田です。 タイトルから、話の内容がサッカー・・・選挙・・・ではありません。 重症な入院患者さんが集中治療室(ICU)に入室すると、ICU専従医(当科&麻酔科)が主治医の基本方針のもとで全身管理を行います。当科はドクターヘリ、救急外来、集中治療室、入院(主治医)当番の4つの仕事をローテーションしていますが、人数配分から集中治療室のICU専従医をする割合が多いです。 ☆当院ICUの紹介⇒ http://www.gunma-redcross-icuqq.com/icu/index.html 現在僕は集中治療科・救急科で入院した患者さんの主治医当番・・・もしICUに当科の患者さんが入院すると、主治医も全身管理をするのもそれぞれ同じ科、もしくは気の知れた麻酔科の先生です。同じ科ということもあり“あうん”の呼吸で、こちらの思った意図の通りテキパキと指示をしてくれます。 そのような中でもやはりICUに入室してもなかなか状態が落ち着かない超重症な患者さんもいます。そのような時は主治医もベッドサイドに貼り付きになると、患者さんの変化にいち早く対応できるとともに、ICU専従医の先生もすぐに指示を出しやすい環境ができます。 当院ICUには術後の患者さんも入室してきますが、特に大手術や緊急手術後の患者さんのそばにずっと主治医が付き添っていることがあります。特に当科がなかなか経験しない管理などに関しては、その先生からベッドサイドで多くのことを教えて頂く良い機会になります。 そういえば僕も若いときはほぼ毎日大学病院のICUのベッドサイドにいて、患者さんのちょっとした変化に一喜一憂しながらも患者さんや先輩医師から多くのことを学ばせていただきました。 どんな重症な患者さんでもなんとか救命したい・・・だから今晩はベッドサイドでマンマークです。 絶対負けられない戦いは24時間続いています!  夜中・・・ICU前は静かでも中は熱い治療が続いています。

研修医2年目のドクターヘリ同乗!Part 2

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先日行われた防災ヘリとの合同シュミレーションでの一コマ・・・ 防災ヘリの後ろに密かにドクターヘリがうつっているのがわかりますか? 初期研修医2年目の選択科目で当科を選んだ研修医にドクターヘリ同乗研修を行っていることを先日記載しました。 ☆11/30のブログ ⇒  http://drheli-gunma.blogspot.jp/2012/11/2.html 今年度は多くの研修医が当科を選択してくれており、今週も2名の研修医の同乗を行いました。もちろん外傷診療の基本や救急車同乗実習を行っていただき、現場で指導医の補助のもとで活動がきちんとできるようにしています。 写真左:右が佐々木先生(雨宮兄貴とともに!) 写真右:右から2番目が小澤先生(ナース、機長、整備士とともに!) 傷病者への治療は現場から始まっています。このことを感じながら将来進んだ道で病院での診療に生かしていただければうれしい限りです。

星に願いを・・・~ふたご座流星群~

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町田です。 今日はあまり高度救命救急センターとは関係ない話です。 今年は流星群の当たり年なのでしょうか、10月21日のオリオン座流星群に続いて、今晩はふたご座流星群がピークを迎えるようです。しかもちょうど新月で条件もばっちりとのこと。 オリオン座流星群の時は当直のため、夜中に屋上ヘリポートに上がってようやく流れ星を1個だけ見られました。今晩はすごいですね。街の明かりがあっても東の空を見れば流れ星がいくつも流れています。 皆さんはどんなお願い事をしたでしょうか? 救急外来や集中治療室で1人でも多くの命を救うことができること、この先もドクターヘリの無事故運航が続くこと、そして何よりも皆さんが健康な日々を過ごすことができますように!

2012年11月度群馬県ドクターヘリ活動実績更新しました。

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Web担当の伊藤です。 毎日寒い日が続いています。空気も乾燥してますので、皆様風邪などひかぬよう、ご自愛下さい。 2012年11月度群馬県ドクターヘリ活動実績を更新させていただきました。   ☆ここをクリック⇒ 群馬県ドクターヘリ11月度活動実績 本日の日没16:29、要請受付終了15:59。 明日からまた日没時間が伸び始めます!   ★★★ 先日、Hospital-MIMMS横浜コースを受講してきました。 大事故災害とはいつ何時起きるか知れません。わが国でも阪神・淡路大震災、東北大震災と多くの犠牲者を出した地震を経験しました。 医療機関としては大事故災害が起こると、どの程度の傷病者が出たとか、どれくらいの災害だったのかが非常に重要となります。災害の規模によって、傷病者の数によって、院内は傷病者受入の準備をしなけらばばらないからです。例えば100人の傷病者が出たとする。その中の50人が当院に運ばれてくるとする。その人たちをどのように受け入れ、どのように治療し、災害後の病院機能を回復して行くかを指揮、コントロールするための災害本部を立ち上げる。 Hospital-MIMMSとは、そういった大事故災害による多数傷病者病院受入から根本治療、回復期計画を学ぶコースです。 通常、病院には、診療部、看護部、事務部などと仕事内容が異なるスタッフが働いています。ところが多くの傷病者が運ばれてくると、通常の業務を行うのが困難になってきます。まず押し寄せてくる傷病者へのトリアージが医師・看護師だけでは間に合わず、時には事務部も診療部に関わりトリアージに参加することも考えられます。 ふるい分けトリアージは、ある程度のスケールがあれば事務員でも出来る可能性があります。事務は事務だけやっていればいい、というわけには行かなくなるのです。 大事故災害対応においては、こういった通常業務と異なる業務をしなければならなくなることを病院スタッフ全員が認識を持つために、各部門が合同で訓練を行い、常に訓練を省察、検証し改善していくことまでをこのコースで学ぶことができました。   今年3月に当院で開催したHospital-MIMMSでの一コマ。 筆者はDMAT隊員でもなく、災害計画に関わったことは皆無です。 しかしながら

知ってもらうことの大切さ!~講演活動~

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町田です。 今週末、群馬県の平野部は晴れ間が広がっていましたが北西の山間部には雪雲がかかっており、冬の名物の“上州のからっ風”が吹き荒れていました。ドクターヘリも土日で10件の要請を頂きましたが、山間部の雪雲や強風の影響などで4件が未出動でした。 講演活動・・・特に一般市民向けの講演会は実はとても重要です。 今は様々なメディアを通じて救急医療、災害医療、ドクターヘリなどが紹介されるようになりましたが、実際に活動していて認知度が上がったにもかかわらず活動内容の理解が進んでいないことを感じます。 例えば『ドクターヘリ』に関しても、一番の目的が『患者さんを病院に早く運ぶ手段』といまだに多くの方が思っているように感じます。ちなみにドクターヘリの最大の目的は『現場から早期医療開始するためにドクター・ナース・高度の医療機器を搬送する手段』です。 でもこのような内容の理解が進まないのは僕たち医療者に責任があると感じています。明らかに一般市民への広報活動が少ない現状があります。活動に中身を知っていいただければ、もっとご協力を得られたり、時には一緒に活動することができると思います。 というわけで講演第1弾・・・ 12/8(土)に多野藤岡広域消防本部主催の『藤岡市市民健康講座』でお話させていただきました。 ここでのテーマは「事故やけがから身を守る!~救急車の到着までにできること~」でした。昨年の日本の119番通報から救急車現着までの平均時間が“8.1分”という驚くべき数字が出ています。年々長くなっています。 その時間に一般市民の方でもできることについて会場の皆さんと消防関係の方と考えていきました。 ちなみに会場はよく使用するランデブーポイントの隣りであったことから、ドクターヘリについてもお話させていただきました。   救急隊よる心肺蘇生法の寸劇もなかなか好評でした!! 続いて講演第2弾・・・ 12/9(日)に『群馬若手薬剤師の集い』で「ドクターヘリ、救急・災害医療」についての講演でした。参加者の多くが調剤薬局の薬剤師さんであり、なかなかドクターヘリや救急・災害医療に接する機会がないとのことで、災害時のドクターヘリ対応の経験談をもとにお話させていただきました。講演だけではなく、実際にヘリポートや災害備蓄倉庫の見学も行いました。強風のため屋上ヘ