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他の専門領域との仲間作り!~「災害時小児周産期リエゾン養成研修」参加報告~

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新型コロナウイルス感染対策において、神奈川県をはじめ多くの関係者の方々が尽力されています。当院も微力ながら様々な形でサポートできるように院内対策本部を設置して活動しております。 患者さんの容態が1日も早く良くなること、現在隔離されている方々が1日の早くご自宅に戻れること、そして支援活動をされている方々の健康を心より祈っております。 町田です。 先週末に東京医科大学で開催された「災害時小児周産期リエゾン研修」に今年度2度目の講師として参加させていただきました。 ‟災害時小児周産期リエゾン”について簡単に説明します。 現在は大規模災害が発生した際に、被災県の都道府県庁では災害医療コーディネーターを中心に集まったDMAT、日赤など各医療チームが被災地の病院支援や医療搬送を展開していますが、小児や周産期についてはその専門性や特殊性により思うように支援が入れられないことがありました。その際に調整役として都道府県庁に設置された医療対策本部に、小児周産期に関わる相談に乗って調整する役割を担うコーディネーターのことです。 あの話題となった「コウノドリ」にも登場していました。 ちなみに僕は小児科医でも産婦人科医でもありませんが、本講習の「災害医療の基本的考え方-CSCATTT-」という講義を担当させていただいており、自称「救急枠」の講師として仲間に入れさせていただいています。 実際に研修中は小児科・産婦人科の先生方や助産師さん、行政の担当者の方々のテーブルディスカッションをファシリテートする役割もいただいているため、「救急枠」を超えた小児周産期領域の様々な仕組み(医学知識というより地域の医療体制、学会・医会、医師会との関係など)を知る必要があります。 講師という立場で参加していますが、参加するたびに新たな発見とともに小児周産期領域の方々と顔の見える関係が作られることに、この研修に参加することの意義を感じています。そしてこれからもリエゾンになる受講生の方々に、災害医療の基本的考え方をしっかり伝えさせていただきながら、様々な領域が“ONE TEAM”で災害に立ち向かえるように力添えをしていきたいと思います。 ちなみに今回の研修では以前に当院に支援に来られている先生、以前一緒に働いていた先生、大学の後輩との再会もありました。 会場の西新宿は大都...

妊産婦救急!~「BLSOコース」の受講報告~

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後期研修医小松です。 10 月 14 日に受講した BLSO について報告させていただきます。 BLSO とは Basic Life Support in Obstetrics の頭文字をとったもので、病院外・病院前での妊産婦救急を想定したトレーニングコースです。 ドクターカーやドクターヘリなど病院前での場面で妊産婦救急に接する機会があるため、当科の医師も積極的に参加しています。 内容としては分娩介助や新生児蘇生など院内ではなかなか出会うことのない内容から、群馬県をモデルとした机上シミュレーションもあり、非常に盛り沢山の内容でした。 病院以外での出産に出会わないに越したことはありませんが、出会った際には今回のコースで学んだ事を活かしていきたいと思います。     コース中にドクターヘリとの記念撮影もありました!  

母体救命!~「J-MELSコース」の講師参加報告~

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 どうも金畑です。 先日 11 月 3 日に群馬大学医学部附属病院で開催された、 J-MELS ベーシックコースに補助アシスタントとして参加してきました。 以前 7 月 1 日に、同じく群馬大学医学部附属病院内で開催された講習と同じで(詳しくは https://drheli-gunma.blogspot.com/2018/07/j-mels.html )、今回は補助ですが、講師側としての参加でした。   以前にも書きましたが、この講義は産科有床診療所といった一次医療施設で、妊婦さんに何かしらの異常が出てしまった場合に、近くの高次医療施設に速やかに搬送するために、覚知、処置等を学ぶものです。主にそういった場面に遭遇する産科医、看護師、助産師を主な対象とし、私たち救急医も「全身管理医」として参加できます。 受講の目的、講師として参加する目的として、疾患の再認識、行える処置や投与できる薬剤の再確認、立ち回りの訓練、スキルの維持といったことの他に、私たち救急医にとっては大切な役割があります。 Vital の崩れた(崩れそうな)妊婦さんが搬送されてくる場合、多くは救急外来を通過し(いわゆる“病棟直入”でなければ)、実際手術や処置を担当される産婦人科医や助産師が診察をしている間、 vital の維持を努めるのが救急医です。また、群馬県、前橋市ならば転院時にドクターヘリやドクターカー要請となって、搬送に携わるかもしれません。 その時にどのような背景で搬送という決断となったのかを理解するために、決断を下す方と同じ講義を受けるのは大変有意義です。むしろ知らないといけません。   今回(立場は違うにしろ)、もう一回参加し、そういったことを強く意識しました。     これからもスキル、知識維持はもちろんのこと、さまざまな方と関わることの多い救急医だからこそ、意識していきたいと思います。

「災害時小児周産期リエゾン養成研修」に講師で参加しました。

町田です。 今年度は災害対応に追われて北海道胆振東部地震の対応以降はしばらく災害対応から避けたい思いに襲われていましたが、皆様の励ましのおかげで自分のやるべきことをあらためて考えて再び災害医療に関わる力をいただいているところです。   そしてそのスタートとして10月27-28日に国立病院機構災害医療センターで行われた「災害時小児周産期リエゾン養成研修」にスタッフとして参加しました。 本研修は 「災害時に適切な判断を行う災害時小児周産期リエゾンを要請すること」を目的としていて、対象は「自地域の小児・周産期医療体制に熟知している医師等」となっています。 尚、当科においては中林先生が群馬県から災害時小児周産期リエゾンとして任命されており、また中村センター長と町田が本研修の講師となっています。   昨年度も本研修にこ講師として参加しましたが、今年度の研修は昨年度からバージョンアップしていました。 具体的には、 小児周産期リエゾンの急性期・亜急性期の活動内容の机上訓練を中心に行っていた 1 日研修から‟さらに本部総合演習が加わって 1.5 日研修となった”ことが大きな変更点です。   僕自身は小児周産期の専門的な知識や医療連携に関しての指導ができるわけではなく、おもに災害医療の概念やそれに合わせて必要な様々な調整などの指導を主に行いながら本研修にかかわっていますが、その中で感じたことがいくつかあります。 まずは小児周産期リエゾンの先生方にいかに災害対応の概念を理解していただけるかその方策を常に考えないといけません。 リエゾンの先生方がそこを理解していないと、災害時の行政の医療本部や活動中の医療救護班救護班とうまくつながることができません。 逆に医療救護班も 「日本産科婦人科学会大規模災害対策情報システム」など小児周産期リエゾンの方々が持っている災害時のデバイスを知っておかないと、情報の重複や錯綜の原因になるリスクがあると感じました。 そして実際に大規模災害発生時にリエゾンの方が1人で県庁に入っても ロジスティック業務が過多となってしまうため、そこに医療救護班がサポートに入り協働する仕組みが絶対に不可欠である印象を受けました。 実際に群馬県で災害が起こった時に我々が群馬県災害医療コーディネーター...

「J-MELSコース」を受講しました。

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どうもこんにちは。金畑です。 先日 7 月 1 日に群馬大学医学部附属病院で行われた J-CIMELS 主催の母体救命講習会に参加してきました。 内容としては、「有床産科医院で急変が発生した時にどのように対応するか」で、産科医院では限られた検査しか行えないこともあり、母体救命のためには、「少しでも状態が悪くなった時には、大きな病院に搬送し検査・治療を行いましょう、それまでは可能な範囲で酸素投与や点滴や薬剤投与はしましょう」という流れを学ぶものでした。 産婦人科医師、看護師、助産師、救急科医を対象とした講習です。全身管理医(救急科医や麻酔科医)は本来見学という形だったようですが、偶然にも欠席者が出たので受講者として参加することができました。 母体救命ですので、急変する疾患としては産科特有の疾患ばかりでしたが、疾患毎に特殊な治療は行わず(実際にも行えることはそれほど多くない)、病態に対して対応を行うという内容でした。 特殊な対応より、早期から異常であることに気付き、治療や搬送の手続きなどをチーム(医師、看護師、助産師)で協力して行うこと重視していました。産科的な知識が国家試験から更新されていない、金畑のような人でも参加に問題はありませんでした。むしろ、普段接しない開業医の助産師さんとチームを組むといった貴重な体験ができました。 我々救急科医、特に前橋赤十字病院の救急科のようなところで働いている限り、転院要請を受ける側であり、この講習で学ぶように妊婦さん、褥婦さんを転院させることはありません。しかし、どのような状態であれば転院を考えるのかを知っておくためにはいい勉強になりました。

“災害時小児周産期リエゾン”を知っていますか?~「コウノドリ」にも登場!~

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町田です。 先週末に災害医療センターで開催された「平成29年度災害時小児周産期リエゾン養成研修」に、中村センター長とともに講師として参加させていただいました。   “災害時小児周産期リエゾン”という名称を聞いたことがあるでしょうか? 現在は大規模災害が発生した際に、被災県の都道府県庁では災害医療コーディネーターを中心に集まったDMAT、日赤など各医療チームが被災地の病院支援や医療搬送を展開しています。 今までも多くの災害対応を乗り越えてこのような仕組みはだいぶ整ってきていますが、どうしても小児や周産期についてはその専門性や特殊性により思うように支援が入れられないことがありました。   その際に調整役として都道府県庁に設置された医療対策本部に、小児周産期に関わる相談に乗って調整をしていただけるコーディネーターがいるととても心強く感じますよね。 その役割を担っていただくのが“災害時小児周産期リエゾン”になります。 あの話題の「コウノドリ」にもすでに登場しているのですよ!! このリエゾンを養成するための研修が昨年度より開催されており、各都道府県で災害時にリーダーシップを発揮していただくべく小児科・産婦人科の先生方を中心に研修会に参加していただいています。 僕は小児科・産婦人科の専門ではありませんが、災害医療における基本的に仕組みや医療搬送などのことを伝えることにお手伝いする形で参加させていただきました。 研修プログラム 研修中には何回かテーブルディスカッションがありましたが、いつも災害研修とはまた違った小児周産期領域の特殊性を感じたり、実はこの領域に平時より存在している素晴らしいネットワークがあることを知りました。 平時に救急医療に関わっているDMAT隊員養成研修や日赤救護班研修の講師の皆様もぜひ知っておくべき話題があふれており、講師という立場で参加しましたが逆に僕自身も多くの学びを得ることができました。  センター長と僕は厚労科研費研究の中の小児周産期リエゾンに関わる研究班のメンバーにも入らせていただいており、災害時にさらにおりよい活動ができるように平時の救急医療から小児周産期領域との連携を強化していきたいと考えています。