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北海道胆振東部地震から1年が経ちました…

町田です。 昨日昼前に本当に衝撃的な映像が飛び込んできました。神奈川県に12年間住んでいた僕にとっても見慣れた光景でのまさかの電車事故・・・ 亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、けがをされた方の1日も早い回復を願っています。また近隣の消防や医療関係者の皆様、本当に災害対応お疲れさまでした。 9月6日といえばちょうど1年前に「北海道胆振東部地震」が発生した日です。 午前3時台という時間に起こった大地震で地元北海道ということもあり急いで病院に駆け付けましたが、情報がなかなか入ってこないなか日が明けてきてテレビで映された土砂崩れの映像に本当に胸が苦しくなりました。 そしてさらに北海道全体がブラックアウトするという今までなかった事態が発生しました。 僕はこの災害では″日赤災害医療コーディネート”して派遣させていただきましたが、北海道全体に関わる対応と局災害対応の同時進行、そして様々な医療班が集まった際の思わぬ問題発生など、本当にこれらのコーディネートに翻弄され続けながら過ごした5日間で、地元に思ったより貢献できなかったといまだに申し訳ない気持ちでいっぱいです。 いまだに大きな傷跡が残っている地域もあります。だからこそこれからも自分がいまできる範囲で 地元にきちんと貢献したいと考えています。 とはいえ下を向いている場合ではありません。 今日から首都直下地震を想定した「令和元年度大規模地震時医療活動訓練」が始まります。今年度も藤塚先生とともに空路による医療搬送に関わる部分での訓練を運営する側での参加ですが、一つでも多くの訓練の成果物を残せるように気を引き締めていきたいと思います。

『第24回日本災害医学会総会・学術集会』に参加しました。

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町田です。 3月18-20日に鳥取県米子市で開催された『第24回日本災害医学会総会・学術集会』に参加してきました。 昨年までの“日本集団災害医学会”から名称変更をして初めての学術集会でしたが、昨年は西日本豪雨災害や北海道胆振東部地震など大きな災害がたて続き、かなりたくさんの演題登録とともに多くの方々が米子の地に集結しました。(行きの飛行機の中から知り合いがたくさん・・・) 当院からの参加者は以下の通りです。 ・中野院長 教育講演:病院の災害対応におけるICTを活用した情報管理システム  座長 ・中村センター長 ワークショップ:災害時の航空機運用  座長 要望演題:局地災害の教訓(成功例・失敗例)  「局地災害でも県庁災害対策本部での組織間情報共有は必要である」 ・藤塚医師 ワークショップ:火山噴火災害時の医療  「草津白根山噴火災害対応から学ぶ」 ・小倉医師 日本熱傷学会合同シンポジウム  「WHO Emergency Medical Team Technical Working Group on Burns」 ・城田看護師 一般演題(ポスター):マスギャザリング  「大規模市民マラソンにおける医療救護体制の再構築」 ・町田 パネルディスカッション:被災地域の保健医療における連携  「大規模災害により壊滅的被害を受けた地域の保健医療復興に向けての取り組み」 ワークショップ:災害時の航空機運用  「災害訓練時のヘリ運用をより実戦的にするための政府訓練での取り組み」 その他群馬県内から1名の医師、2名の看護師、1名の業務調整の方々が座長や演題発表で参加されていました。  昨年は西日本豪雨災害や北海道胆振東部地震に「災害医療コーディネーター」という立場で岡山、北海道にお邪魔させていただきましたが、実際に岡山や北海道の方々の発表を拝見して支援者の立場では決して気が付かないような被災地からの貴重なご意見を聞かせていただき、自分自身の経験はまだまだ災害対応の神髄の部分にたどり着いていないことを実感しました。 そして来年度の本学会総会・学術集会は阪神淡路大震災から25年を迎える神戸で「これでいいのか、災害医療!」をテーマに開催...

「平成30年胆振東部地震災害救護活動報告検討会@日赤北海道支部」に参加して…

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町田です。 一昨日晩に最大震度6弱の地震が北海道胆振地方を中心に起こりました。ちょうど病院にいたので5か月前のことを思い出しながら情報収集チームを立ち上げて活動を開始しました。幸い大きな被害がなくほっとしたところですが、やはり地元で起こったことなのでとても心が痛みました。けがをされた方々の1日も早い回復をお祈りします。 ところで昨年9月に発生した「平成30年北海道胆振東部地震」では、日赤災害医療コーディネーターとして5日間にわたって日本赤十字社北海道支部と北海道庁で活動させていただき、そのこともあって本震災の活動を振り返る会にいろいろ参加させていただいています。 昨年12月には札幌で開催されたDMAT技能維持研修に、今年1月には日赤本社、2月には日赤北海道支部で開催された日赤の活動の検証会に顔を出させていただきました。 特に2月13,14日に日赤北海道支部で開催された「平成30年胆振東部地震災害救護活動報告検討会」では、北海道・東北および本社の日赤関係者が【現地災害救護実施対策本部機能について】【医療救護活動について】【被災者支援(支援者支援)について】という3つのテーマに関して、それぞれの部会に分かれて2日間かけてグループワークを行い、今後の展望について発表を行っていました。 いままで災害対応に関する振り返りに関しては、災害救護活動に参加したメンバーが発表を行っうだけで終わる印象しかありませんでしたが、今回は次にどうするか徹底的に話し合っている参加者の北海道・東北地区の日赤支部・各日赤救護班の皆様の姿をみて、ただ助けてもらうだけではなく災害救護も自助共助が大切であることを改めて感じました。 いろいろな振り返りの会に参加させていただきとても勉強させていただくことばかりでしたが、ロジスティック強化、システムの確立という話が全面に出すぎていて、熱い思いをもって現地に駆け付けてきた各救護班の立場を考える必要性を改めて感じました。 特に日赤救護班の多くのメンバーは平時は地域医療を支えていて、必ずしも救命救急センターに勤務していたりしているわけではありません。それでも平時の活動が災害時にも被災者への心が通った対応ができる素晴らしい土壌があると感じています。 僕自身は日赤、DMAT、日本災害学会など様々な立場で現地にこーディネーターとして派...

平成30年北海道胆振東部地震の活動報告② 『日赤医療救護班』

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藤塚です。 この度は、本震災により、被害にあわれた方々のお見舞いをお申し上げます。 町田先生に引き続き、現場で活動する医療救護班として、私、津久井医師(初期研修医)、石栗看護師長、滝沢看護師、小宮山看護師、友野主事、髙麗主事(薬剤師)、中島主事、唐沢主事(日赤群馬県支部)の9名による班員で、本災害の救護活動を行ってまいりました。 現地での医療活動を行うため、診療器具等を持参し、車・フェリーでの移動となりました。同時期に一緒に活動する2ブロック(関東圏と考えて下さい)の他隊員とともに移動となりました。 私たちは、成田赤十字救護班の方と一緒に、安平町の支援をさせて頂きました。 安平町役場にて・・・ 避難所の巡回診療を中心に活動し、避難所で活動されている方々と共同しながら、診療を行い、衛生管理・感染症発生動向などを確認しながら病気の発生予防につとめました。 また、保健師さん達を中心に医療保健活動が行われており、そこに多くの医療チームが支援にきている状況でありました。そのため、町の総合庁舎で複数チームが共同できるよう会議を行い、そして私たちの活動を報告、避難所の情報を共有し、今後どのような対策をとっていくかを話合いました。そして、被災に遭われたにもかかわらず、地域のために働いている方々を支援する方法、ケアも考えていきました。 私達ができたことは少なかったかもしれませんが、被災に遭われた方々の健康管理や復興支援に貢献できていたら幸いです。 衛生管理のために、土足エリアなどに仕切りを・・・ 個人的には、『人のつながりの大切さ』を改めて強く感じました。 個々で活動するにしても、チームで活動するにしても、そこに『つながり』がなければ大きな力にはならず、むしろマイナス面に働くこともあります。『つながる』ことで何倍にも力が大きくなるのだと感じました。そしてその『つなぎかた』がもっとも大切であることに気がつきました。 様々な発展を遂げた中でも、最終的には人であること、それを実感しました。 思いがけないところで、私的なつながりがあったとことに驚きもありました。 最後に今回の活動に関してサポートして頂いた、当院の皆様、日本赤十字社の方々、ほか多くの皆様、本当にありがとうございました。 一日も早い復興をお祈り致します。

平成30年北海道胆振東部地震の活動報告① 『日赤災害医療コーディネートチーム』

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9月に入り“台風21号”そして“北海道胆振東部地震”に伴う大きな災害が続いて起こりました。日本列島に大きな爪痕を残すだけではなく、かけがえのない命が多く失われてしまいました。 亡くなられた方のご冥福を心からお祈りするとともに、被害にあわれた方々のお見舞いをお申し上げます。 台風21号に関しても当院では情報収集を行いながらいつでも支援できるように心構えをしていました。実際には直接お手伝いができないまま「平成30年北海道胆振東部地震」が発生し、最初の最大震度6弱の情報(のちに7と更新)からすぐに院内災害対策本部を立ち上げて本地震に対する活動を開始しました。 僕は地元が北海道ですが、まさかこれほど大きい地震が起こるとは思っていなかったのと同時に約25年前の北海道南西沖地震の際の大きな被害を思い出し、すぐに病院に駆けつけました。 実家にはなかなか連絡が取れず、そしてまさかの北海道全停電・・・何をしてよいかわかりませんでしたが、当院から急な救護班派遣の可能性が低かったことやちょうど北海道に出張予定(その予定は中止)であったこともあり、センター長の許可のもと翌日に地元札幌に帰省させていただき、実家の両親が無事であることを確認できました。ご心配頂いた皆様、心より感謝いたします。 そして日本赤十字社の指示のもと9月8日からそのまま札幌に残り、「日赤災害医療コーディネートチーム」として日本赤十字社北海道支部で活動させていただくこととなりました。チームということで同日当院から高寺看護師、田村主事が駆けつけてくれて、さらに同じくこの日から参加する清水赤十字病院院長 藤城先生とともに、発災当日より日赤北海道支部で日赤災害医療コーディネーターとして活動していた旭川赤十字病院救命センター長 小林先生より任務を引き継ぎました。     日本赤十字社北海道支部に入る災害医療コーディネーターの任務は、日赤の現地での活動状況を把握し、また北海道庁での会議に参加し他の医療救護組織や保健医療に関わる機関と情報共有し、それらをもとに日赤本社に今後の赤十字医療救護活動が現地のニーズに合わせて行えるように情報提供そして日赤の資材(救護班、物資)の提供を依頼することにあります。 被災都道府県の赤十字支部はとても重要な役割を担っているため、支部職員の負担はとてつも...

「平成30年北海道胆振東部地震」における当院の対応。vol.2

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この度の平成30年台風21号、および平成30年北海道胆振東部地震により、被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げますとともに、被災地の一日も早い復旧をお祈り申し上げます。 昨日、日本赤十字社群馬県支部 医療救護班第1班(医師2名、看護師3名、主事4名(薬剤師1名、事務3名))が前橋赤十字病院より北海道勇払郡厚真町へ出発しました。9月10日から現地で活動を開始します。 休日にも関わらず、多くの職員に見送られ、中村センター長の激励を受けての出発となりました。 尚、すでに9月8日より日赤災害医療コーディネートチーム(医師1名、看護師1名、主事1名)が日本赤十字社北海道支部で活動を行っています。

「平成30年北海道胆振東部地震」における当院の対応。vol.1

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町田です。 まさか地元の北海道で“震度7”の地震が起こると思いませんでした。本地震で亡くなられた方々に心よりお悔やみ申し上げます。また余震などこれ以上被害が広がらないこととライフラインの1日でも早い復旧を願っています。 十勝沖、千島沖などのリスクが高まっているという話題は気にしていましたが、内陸のこのような大きな地震が起こったことに驚いたとともに、テレビから日の出の時間に近くなるとともに大きな被害の映像が目に入ってきてとてもショックでした。 当院でも発災後すぐに当直中であった中村センター長を本部長に災害対策本部設置およびDMAT待機をかけて、すぐに救護班の人員選定および情報収集を開始しています。 地元では停電や断水という環境下で医療スタッフの方々が患者さんのために一生懸命頑張っています。DMATや日赤救護班は道外からの医療チームの派遣が始まりました。 当院も当直勤務を行いながら災害対策本部の活動を継続し、いつでもすぐに動けるようにスタンバイしています。