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徹底して全例検証を行います!~「前橋ドクターカー事案検証会議(症例検討会)」~

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町田です。 少し間が開いてしまい申し分けありません。今の世の中の状況を勘案してお許しいただけると幸いです。皆様におかれましては引き続き“手洗い、うがいの徹底”をお願いします。確実にインフルエンザによる受診者は減っています! 今年度のドクターカー出動数は昨年度よりさらに伸びています。いまではドクターヘリの出動数を追い越す勢いです。出動数が増えるとともに心配されることはやはり質を維持することと、本当に適した要請数なのかどうか考えなくてはいけません。 そこで「前橋ドクターカー」では、前橋市消防局、群馬大学医学部附属病院、前橋赤十字病院がタッグを組んで、毎月2回(偶数日と奇数日に開催;多くの消防職員が参加できるように)ずっと事案検証会議(症例検討会)を行っています。 以前は町田が司会をすることが多かったのですが、最近は小橋先生、金畑先生、吉野先生を中心にこの会を進めてくれています。また多くの若手スタッフも遅い時間にもかかわらず参加しています。  前橋ドクターカーの基本的考え方としては、 ・要請のハードルは上げないこと(アンダートリアージを避けるため) ・ただし救急隊でドクターカー継続かキャンセルかしっかり判断すること が挙げられます。 出動した事案について、現場救急隊が傷病者と接触して観察を行った結果、ドクターカーを継続する場合は医療スタッフに何を求めたか(早期医療接触が必要な根拠)、キャンセルした場合はその根拠を説明してもらいます。その判断が正しいか間違っているかを問うのではなく、そのような判断をした考え方についてディスカッションします。 また医療スタッフに対しても、現場滞在時間や選定した搬送先医療機関、病院到着までに行った処置について、ドクターカー継続と判断した救急隊のリクエストに応えられていたかを評価しています。 消防の考え方、医療の考え方を様々な症例を通じて意見を交えることで、それぞれが大きな知識の共有をすることができています。 その結果、ドクターカー運用時間のアンダートリアージ症例は激減し、またドクターカー継続・キャンセルの判断の精度もかなり高くなっています。 問題があるとすると出動数が増えていいることで会議時間が延びる傾向にあり、今の時代の働き方改革の流れに逆らっていることです。せっかくの実り多きこの会を継続するた...

高速道路事案を考える!~「館林地域メディカルコントロール協議会症例検討会」参加報告~

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こんにちは。金畑です。 先日の 10 月 30 日に、町田医師と館林地域 MC 協議会 症例検討会に参加してきました。 当院は前橋市にあり、館林地域は車で 1 時間程度離れている地域です。しかし、館林地域で発生した交通事故に対してドクターヘリが出動した事案があったため、そのヘリスタッフとして、症例検討会に参加してきた、というわけです。 事故内容の詳細は書けませんが、高速道路上で発生した複数台がからむ交通事故でした。 通信指令課( 119 番を受けたり、現場の隊とやりとりをしたりする部署)からの問題点とドクターヘリ側の問題点をそれぞれ提示し、症例検討を行いました。 高速道路上という特殊な環境や多数傷病者事案であること、他県の消防同士がやりとりをしないといけないといったいくつもの難しさがありました。 東北道 館林IC→羽生IC ドクターヘリ活動案 ・高速道路は一方通行なので、救助しに行く隊は事故現場の上流側の IC から進入し、搬送する隊は下流側の IC からでないといけない。ドクターヘリも同じで現場に行く場合と、救助された傷病者を受け取る場合で、ランデブーポイント(ヘリの着陸地点)が変わる。 ・多数傷病者事案であると、医療の供給不足になりがちで、マネージメントが一段と難しくなる。 ・群馬県館林市を通る東北道は、北側の IC は栃木県佐野市、南側の IC は栃木県羽生市と県が変わってくるため、消防は他県の消防とのやりとりもしないといけない。ランデブーポイントの選択肢が増えれば、その分、調整も複雑になるため通信指令課の負担となる。 と、このような問題点、課題が多くあげられました(本当はもっと多いのですが、細かいことを書くときりがないので、このくらいで…)。 現場では長く話している時間は無く、かつ立場や求められる役割も異なるため、消防側が考えていること、医療側が考えていることを(残念ながら)完全に理解し合えていません。しかし、救急科は消防と密に関わる科ですので、これも大切な業務の一環です。 今後も機会があれば参加していきたいと思います。

“鉄は熱いうちに打て!”~「富岡甘楽地域MC協議会症例検討会」参加報告~

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町田です。 いつもの気象ネタからの始まりですが、この時期にまさかの「台風になる?ならない?」という話題が上がっています。群馬県も午前中は陽が射す時間もありましたが、妙に蒸し暑く夕方になって土砂降りが降っています。「曇り時々晴れ、夕方から土砂降り、湿度最悪・・・」という天気が連日続いており、天気予報の表示もおもいきって「空のご機嫌次第」とか「?」とかにしてほしいくらいです。 5月10日に南牧村でマイクロバス転落事故ありました。 今まで群馬県では局地災害が起こった際に、管轄の消防内、地域のメディカルコントロール(以下MC)協議会内での検証は行われていたとしても、それに関わった多機関・多職種の検証会がなかなか行われることがありませんでした。群馬県ドクターヘリ症例検討会でなんとかそのような事案をピックアップすることはあっても、その事案に関わった方々の参加が限られていたり、ドクターヘリが関わらないとピックアップもできないような状況が10年近く続いていました。(本白根山噴火災害対応の検証会でさえ1年後に検証・・・) *地域メディカルコントロール協議会とは?(総務省消防庁ホームページより) 地域メディカルコントロール協議会は、都道府県消防主管部局・衛生主管部局、消防機関、郡市区医師会、救急医療に精通した医師等で構成され、病院前救護にかかる消防機関と医療機関の連絡調整、業務のプロトコール、マニュアル等の作成、常時指示体制の整備、検証医の選定及び事後検証票の作成等を含めた事後検証体制の確保、並びに救急救命士の資質向上のための研修機会の確保に関する支援等の役割を担うこと。 しかしながらようやくここにきて各地域での検証に関わった多機関・多職種を交えた検証会を積極的に開く傾向となってきて(しつこく言い続けたせいかも?半ば強引??)、今回の事故対応に関して地域MC協議会主催の症例検討会に多くの関係者を招集して開催されました。 昨日6/26、公立富岡総合病院で開催された「令和元年度 富岡甘楽地域MC協議会 第1回症例検討会」にお招きいただき、当院からは僕のほかに救急災害事業課全員が参加しました。またドクターヘリで応援出動していただいた佐久医療センターの救命スタッフの方々、応援出動した隣接消防の救急隊、共同指令センターの方々も集まりました。 今回の症例検討会...

顔の見える関係強化!~「新潟県ドクターヘリ症例検討・勉強会」参加報告~

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町田です。 梅雨時期の晴れの日は日中は蒸し暑いのですが、急に朝夕は涼しいなりその温度差で風邪をひきそうになります。また晴れている間にいろいろ作業をしようとして、高温多湿の環境で熱中症をおこす危険性も高まります。 はやく梅雨が明けてきりっと晴れた日が続いてほしいですが、昨年のような酷暑は勘弁してほしいと願っている今日この頃です。 今年4月より新潟県と群馬県はドクターヘリ広域連携の運用を開始しています。群馬県ドクターヘリはまだ新潟県からの要請はありませんが、新潟県西部ドクターヘリ(基地病院:長岡赤十字病院,以下長岡ドクターヘリ)には群馬県から4回要請をしており、実際に1回は当県に応援出動していただきました。 連携も始まりさらにその関係を強化するためには“相手のことをよく知る”ことが大切だと考えており、その一環として昨日長岡赤十字病院で開催された「第27回新潟県ドクターヘリ症例検討・勉強会」に参加させていただきました。 基地病院担当事務さんからの実績報告に続いて、長岡赤十字病院救命救急センター長の江部先生が進行で3事案に関する症例検討、および、ドクターヘリは出動しなかった事案に関する勉強会が行われました。 今回の症例検討では「救助事案」「現場医療スタッフ派遣」「多数傷病者事案」などが取り上げられていて、“やっぱり問題になる点は当県と同じなんだな~!”と思いながら拝聴していました。 他県のやり方から学ぶことや新しいアイデアをいただくことがあり、今回参加した会でもたくさんの多くのことを学ばせていただきました。 また最後に両県間のドクターヘリ連携におけるコツや想定などをお話させていただき、新潟県の各消防の皆様に群馬県ドクターヘリの活動理念についてお話させていただきました。 そしてさらに夜の意見交換会にも参加さえていただき、新潟県の行政担当者、運航会社、基地病院、消防の皆様とさらに顔の見える関係の構築を図りましたが、すでに新潟県には知っている(お世話になっている)方々が多くいらっしゃることを改めて認識し、この連携は必ずうまくいくという確信が持てました。 今日は群馬大学開催の前橋ドクターカー事後検証会に参加、来週は佐久医療センターで信州ドクターヘリ事後研修会議に参加する予定です!直接顔を合わせて話すことが一番です!!

“令和最初”の「群馬県ドクターヘリ症例検討会」を開催しました。

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町田です。 ブームに乗ってタイトルに“令和最初”とつけてしまいましたが、5月28日に今年度第1回目の「群馬県ドクターヘリ症例検討会」を開催しました。 毎回100名を超える参加者がいらっしゃいますが、今回は160名もの県内外の消防関係者、隣県基地病院の先生にお集まりいただきました。いつもありがとうございます。 今回も5事案を取り上げて、消防、フライトドクター・ナースより活動報告を行った後に、傷病者にとって有効な診療かつ迅速性な活動につながる情報の共有を行いました。 <今回の検討事案> ○ 気道緊急に対して外科的気道確保を行い自己心拍再開を得られた事案 ○ 緊張性気胸に対して胸腔ドレナージを行いショックを離脱した事案 ○ キャンセル基準、無線統制の必要性について検討すべき事案 ◎ 多数傷病者、要救助者対応時の現場消防各隊と良好な連携ができた事案 ○ 強酸温泉水の誤嚥による重症呼吸不全に対して ECMO を導入した事案   事例検討では医療・消防でそれぞれ疑問に思っていることをぶつけて、明日からの活動にすぐに生かせるような解決方法を探ったりもしています! またここのところ複数の傷病者が発生する事故・事件が立て続いており、本症例検討会でも必ず毎回多数傷病者事案をとりあげて、医療と消防がつねに同じ活動方針で対応できるように心がけています。 会議と違って物事の最終決定をできる場所ではありませんが、そこで意見を出し合って得た答えがすぐに現場で役立つことをいつも実感しており、また隣県ドクターヘリ基地病院の先生からもいつも貴重なアドバイスをいただいており、3時間という長丁場ですがとても貴重な機会になっています。

他から多くのこと学ぶ!~「高崎ドクターカー症例検討会」~

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町田です。 5月14日の前橋ドクターカー事後検証会議(症例検討会)の開催に続いて、16日は高崎総合医療センターで開催された「高崎ドクターカー症例検討会」に参加しました。 本症例検討会では2例の事案について現場で活動した救急隊よりプレゼンテーションがあり、それに対しての質疑応答があり、最後に基地病院からコメントをおこなうスタイルで行われていました。 昨年度までは当科スタッフも高崎ドクターカーに時々搭乗させていただき、群馬県の病院前診療ができるだけ同じ共通認識で行えるように調整したり、また高崎総合医療センターのスタッフと一緒に活動することで当院にはないより良い方法やアイデアを教えていただくこともありました。 患者さんにとって大切なことは、その時最も早く医療介入ができるドクターヘリまたはドクターカーが要請され、どの医療チームが来ても共通の概念のもとでの質の高い医療を提供することです。 残念ながら今年度から当院の都合により高崎ドクターカーに搭乗する機会はなくなりましたが、症例検討会に参加させていただき意見交換することで群馬県の病院前診療がより高いレベルに向かっていくと考えています。 症例検討会の後は、高崎総合医療センター救急科の小池先生、新里先生と一緒においしいお酒と肴をつまみながら、患者さんの救急外来の滞在時間を短縮する方法(他科との連携、入院病棟との連携など)や地域連携のあり方など、とても有意義となるアドバイスをたくさんいただきました。 前橋ドクターカー、前橋赤十字病院のやり方に固執することなく、他から多くのことを学びそれを活かしていくことがとても重要だと再認識した良い夜となりました。

確実にレベルアップしています!~月2回の「前橋ドクターカー事後検証会議」~

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町田です。 院内では“働き方改革プロジェクト”を立ち上げる動きがあるようですが、今日は18時半から21時15分までという長丁場の症例検討会を行ってしまいました。 明るいうちになかなか帰れない日々です・・・ 毎月2回、前橋市消防局、群馬大学医学部附属病院、前橋赤十字病院のドクターカーに関わるスタッフが集まって「前橋ドクターカー事後検証会議(症例検討会)」を開催しています。 群馬大学も基地病院となって1年が過ぎてから、毎月開催のうち3か月ごとに群馬大学でも行うようになっています。 毎月2回行っている理由は、消防職員の勤務がほぼ1日おきであるため、2日間行うことであらゆる職員が参加できるようにするためです。そして要請をいただいた全症例を取り上げて、ドクターカーの要請や活動に関わる内容に加えて、その患者さんの経過をフィードバックする大切な機会になっています。 全例検討を始めてから3年目に突入しましたが、確実にドクターカーの活動の質が向上するとともに、より適切な処置、適切な搬送先選定が行われ、また確実に成績の向上も認められるようになっています。 一般市民の声から要請を判断する通信指令課の思い、現場救急隊の活動状況、ドクターカーが提供できる医療について、消防、医療がそれぞれ共有することで、よりシームレスな活動をおこなうことができます。 また群馬大学と前橋日赤が同じコンセプトで活動することによって、どちらのドクターカー(ドクターヘリも!)が来ても前橋消防は内容を変えることなく同じ活動方針をとることができます。 時間外に長時間にわたる症例検討会を行うことは時代に反しているかもしれませんが、患者の救命・社会復帰のために真剣にディスカッションするこの時間は、確実に市民のためになっていると確信しています。 ちなみに救急部門の働き方改革を達成するためには、院内全体や地域の医療連携の仕組みからメスを入れないかぎり「命の最前線で戦う面々」の環境はそう簡単に変わらないでしょうね~~

初めて隣県のドクターヘリ症例検討会に参加しました!~「信州ドクターヘリ事後検証会議」~

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お久しぶりです,吉野です. 2 月 25 日に佐久総合病院 佐久医療センターで開催された,『信州ドクターヘリ事後検証会議』に町田先生と参加してきました. 時間は午後 2 時から 2 時間,町田先生も自分も当直明けでしたが時間に余裕をもって現地入りし(前橋から車で 1 時間ちょっとで到着!),各所に挨拶もしてからの参加でした. 内容は当病院で行われている『群馬県ドクターヘリ症例検討会』よりも更に症例を絞り, 2 時間で 2 症例をじっくりと症例を検討するスタイルで,各症例とも①要請元,②ドクターヘリ,そして③搬送先病院それぞれの発表があり,各々の活動内容や考え方,そしてその後の活動内容(+最終的な診断や診療内容)をしっかりと把握する事ができ,事案の当事者でなくとも深い部分まで状況を俯瞰する事ができました. 佐久 医療センターは普段空路で患者を運ぶのみでしたが,今回伺ったことで改めて佐久医療センターの基地病院としての立ち位置や周囲の消防機関・医療機関との関係性も学ぶこともでき,非常にいい経験となりました. 隣県の『顔の見える関係』として,これからも勤務の都合がつけば参加していきたいです.