壁を突破する!vol.2 ~組織を超えた連携~

町田です。

爆弾低気圧の影響で全国で大きな被害が出てしまい、犠牲者も出てしまったことがとても残念です。心よりご冥福を申し上げるとともに、これから冬の寒さが厳しくなる中で皆様が健康に過ごしていただけるよう心より願っております。
群馬県では前橋市内を含めて平野部ではまったく雪が降り積もっていませんが、北部や山沿いではすっかり雪景色になっています。同じ県内ですが雪が全くない基地病院からヘリコプターで5分飛んだだけでいきなり雪景色に変わってしまいます。
屋上ヘリポートから赤城山を望む・・・
ヘリでたった5分の山頂付近はすっかり雪山です。


「壁を突破する!」シリーズの第2弾は“組織の壁”です。

救急・災害医療においては医療チームだけでは対応しきれないことばかりです。そもそも救急搬送事案であれば救急隊との連携、ドクターヘリ事案であれば支援隊との連携、そして救助事案であれば救助隊・航空隊との連携を当たり前のように行っている日々です。また交通事故・事件などであれば警察との連携、大規模災害であれば自衛隊との連携、そして特に当院では赤十字やボランティアとの関係性もとても重要であります。

「組織間の壁」がいつもおおきな問題になりますが、群馬県は比較的組織間の連携が良い(良くなっている?)と感じています。
ドクターヘリの場合、防災ヘリとドクターヘリの連携活動は日常茶飯事であり、さらに県警ヘリで救助した患者さんをドクターヘリで引き継ぐことも行っています。県警ヘリの方から「この事案はドクターヘリにすぐ引き継ぎたい!」と管轄警察署を通じて消防本部に進言することもあり、医療チームとしては本当にうれしい限りであります。
前橋管内の救助事案であれ接防災ヘリから直接受け入れることも行っており、
将来的には県警ヘリの救助事案も直接受け入れられるようにしたいです。


ドクターヘリ・防災ヘリ・県警ヘリのさらなる連携強化のために、半年に一度で『群馬県ヘリコプター勉強会』を開催しています。
今回もドクターヘリ関係(朝日航洋、前橋赤十字病院)、群馬県防災航空隊、群馬県警察航空隊、そして陸上自衛隊第12旅団、赤十字飛行隊群馬支隊の方々に集まりました。またヘリ同士の引継ぎ事案で中枢を担っていただく消防本部の方々、そしてあらゆる組織の連携において協力にバックアップしていただいている県庁の方々も参加していただきました。

今回は各機関のヘリ同士の連携マニュアルの草案に対していろいろご意見を頂きました。ドクターヘリ側で思っていることが防災ヘリ、県警ヘリの立場では全然違うように感じていたり、現場での消防や警察の情報のやり取りの実際を知ることができたりなど、今回もとてもまさにリアルな現場の声を聴くことができて有意義な時間となりました。
また先日群馬県で開催された関東ブロックDMAT訓練でご協力いただいた陸上自衛隊第12旅団方より、自衛隊の立場から災害時の医療対応、ヘリの運用に関して貴重なご意見を頂くことができました。本当にいつもまさに明日から生かせる内容をお話ししていただいいます。
ドクターヘリ・防災ヘリ・県警ヘリ連携活動の実績
「県警ヘリの救助事案を直接当院屋上に降ろす時の連携は?」
このような提案(題材)をもとに各機関から様々な意見を頂きました。
 
このような勉強会などでまた顔を合わせることでさえあ仲良くなれることもとても大切なことです。防災航空隊、警察航空隊、陸上自衛隊の方が、勉強会の後に寒い廊下ので熱くディスカッションしている姿を見た時に、「現場レベルにはすでに壁はなくなるつつある」ことを実感しました!

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