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夜間照明でお出迎え!~日没時間が早くなってきました。~

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町田です。 9月になり日に日に日没時間が早くなることを感じています。 群馬県ドクターヘリは日没時間までに基地病院に帰還する規定で運航されていて、また要請受付時間は最大18時までで日没30分前がしめきりとなります。 今日は日没時間が18時8分・・・つまり待機終了時間は17時38分となります。 でも人がよく動く時間である夕方にドクターヘリの要請が比較的多い傾向にあり、この時期の夕方の出動はいつも以上に時間を気にしながらの活動となります。 夕方ぎりぎりの出動では、医療スタッフのみ現場に送り込みヘリだけ日没時間までに帰ってくる、通称「ポトン」も増えます。それでも早期医療介入のために「ポトン」覚悟で医療スタッフは現場に向かいます。 ところで天気のあまり良くない日は日没前でもあたりはかなり暗くなります。 ヘリが安全に帰還するために、そのような時はヘリポートに照明をつけて待っています。 新病院になり院内のドクターヘリ通信センター(CS室)の中からスイッチであっという間にヘリポートを明かりが照らしてくれます。 日没前でも空はこの暗さ・・・ ヘリポートの明かりを照らしてヘリの帰還を待ちます。 病院の周りがあまりにも真っ暗なため、夜の空港みたいな雰囲気を醸し出しています。 新病院になってドクターヘリ活動がかなりやりやすくなったところがありますが、この夜間照明設備の設置も一つの大きな進歩です。 さらに明日朝一からでもすぐ出動できるように、照明のもとでヘリに給油を行ってから格納庫にしまわれました。 日没ぎりぎりまでお疲れさまでした。(ちなみにこの日の医療スタッフは日没1時間半後に病院に帰還・・・)

新病院移転から1年が経ちました!

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昨年6月1日に新病院に移転してからあっという間に1年が過ぎていました。 本来であれば今月1日に“1周年”と書きたかったところですが、そんなお祝いムードを醸し出すことができないほどバタバタした日々が続いていました。 不思議と梅雨に入り涼しくなって先月末よりすこし救急搬送が落ちついたところで、「あっ、1年たっていたんだ・・・」という感じです。 新病院の周りは豊かな田畑が広がっていて、ちょうど新病院に移転した時は小麦の収穫が終わり田んぼに水を張り始めた頃でした。夜になると帰るの大合唱でしたが、不思議と通勤路で帰ると遭遇することなくほっとした記憶があります。 夏には稲が青々と育ち、秋には田んぼは黄金色に染まり、冬には麦が植えられて、またこの時期がやってきました。 新病院のいいところをいろいろ書きたいところですが、まだたった1年です。 旧病院にいいところがたくさんありました。新病院を語るにはまだ1年では足りない気がします。 いくらハードが良くなっても、それを活かすソフトとが育たなければ宝の持ち腐れです。新病院の良いところをしっかり自慢するためにはまだまだやらなくてはいけないことがたくさんあります!

“Gunma Doctor-Heli since 2009.2.18”~格納庫のペイントが完成!~

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旧病院には格納庫や給油施設がなかったためドクターヘリは長い間にわたって群馬ヘリポートにお世話になっていました。 新病院は格納庫や給油施設を有した巨大な地上ヘリポートが設置されたため、6月1日の新病院移転に先立って5月30日に待機場所を新病院にうつしています。そして早いもので新病院での待機をはじめて3か月がたち、270件を超える事案に出動しています。 そんな新病院の格納庫ですが、念願のペイントが完成しました!一般的なデザインと変えたところが群馬のこだわりです!! 8月29日よりペイントが始まりましたが、途中の雷雨や夕方の立て続けの出動により何度も作業が中断となってしまいました。そして31日朝に続きの作業が行われ足かけ2日で終了しました。 本ペイントのためにいろいろ調整いただいた病院建設室、施工業者の皆様に心より感謝いたします。 8月29日朝から作業開始。 途中で雷雲が接近・・・ 夕方は出動が立てつづき・・・ 8月31日に完成しました! デザインの中に描かれたJA6910とともに・・・ 病院西側から正面に見ることができます。 いつもドクターヘリ出動時に子どもたちをはじめ多くの方々に手を振っていただいたりなど応援を頂きありがとうございます。皆様の声援がスタッフの大きな力となっております! これからもよろしくお願いします。 大人の皆様へお願いです。 ドクターヘリが病院に戻ってきて患者さんを院内まで搬送中の写真・動画撮影は、患者さんやそのご家族のお気持ちにご配慮いただき遠慮していただくようお願いいたします。

新病院での体制vol.4 「集中治療室(Intensive Care Unit:ICU)」

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集中治療科部長の宮崎です。 新病院開院から 1 ヶ月が過ぎようとしております。   旧病院では 12 床で運営をしておりましたが、新病院では集中治療室 (ICU : Intensive Care Unit )は 2 病棟合わせて 24 床 (1 病棟あたり 12 床ずつ ) 構成となっております。現在はまずは 18 床で運営しております。     新病院 ICU の特徴をいくつか紹介します。   まずは全室個室での設計とし、ベッドの頭側にコード、配管が行かないように、シーリングペンダントを設営しました。   またER が1階、 ICU は 3 階と旧病院に比べ階層が離れましたが、 ER と ICU のドアの前のエレベーターでほぼ直通に近い設計になっておりますので、患者様の移動には大きな支障になりません。   さらに手術室は ICU と直通の廊下があり、手術室からの帰室もすぐに行えます。 ICU の前には血管造影室、 CT 室がありますので、血管造影、心カテーテル、画像検査にも移動距離が少ない設計になっております。     今後も倍増した ICU 、県内の他施設と共に、前橋市民・群馬県民の皆様の生命を守るべく、皆で今後とも精進して参ります。     ☆「新病院での体制」バックナンバー(全4回) vol.1 前橋ドクターカー日赤   https://drheli-gunma.blogspot.com/2018/06/vol1.html vol.2 群馬県ドクターヘリ   https://drheli-gunma.blogspot.com/2018/06/vol2.html vol.3 救急外来   https://drheli-gunma.blogspot.com/2018/06/vol3-emergency-roomer.html vol.4 集中治療室

新病院での体制vol.3 「救急外来(Emergency Room:ER)」

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町田です。 われわれ前橋赤十字病院 集中治療科・救急科は、主に救急外来(ER)での診療、集中治療室(ICU)での診療、ドクターヘリ・カーによる病院前診療、当科入院患者の病棟管理を行っています。 中村センター長・部長を筆頭に、集中治療室は宮崎部長、病院前診療・救急外来は町田、病棟管理は藤塚先生をリーダーとして、スタッフ一同で病院前から病棟までシームレスな診療を意識して活動しています。 新病院になっても旧病院の時と行うべき活動はまったくかわりませんが、とにかく施設が広く新しくなりました。逆に言うと今までの狭い環境の中で「よくここまでやっていたな!」と思ってしまいます。もちろん旧病院の救急外来に思い入れがあり「あのコンパクトさが懐かしい!」と懐かしく思うこともありますが、処置室が広くなったり診察室が増えたことでよりスムーズな活動ができたり患者さんを待たせる時間が以前より少なくなったことを感じます。 救急外来で行うことはほとんど変わっていないため、大きく変化した救急外来の様子を少しだけ画像で紹介させていただきます。 救急外来救急車搬入口です(冬の強風対策でシャッター付き)。 この周囲は救急車専用道路となっています。   救急車から昇降する部分が屋根に覆われているので 雨に濡れずプライバシーも保護されます。 救急外来に入るとすぐに重症対応の2部屋の処置室 (ともに陰圧室)が控えています。 重症患者の対応するスペースが1ベッドあたり 旧病院の4倍近くあります。   スタッフステーション(ナースステーションのこと)を囲んで さらに4つの処置用ベッド、12のリカバリーベッドがあります。   処置室に加えて診察室は7部屋(うち2部屋は感染症対応)に 増えて、さらに説明室が2部屋ついています。 さらに救急車搬入口に救急ワークステーションが設置され、 前橋市消防局の職員が平日日中ここに常駐しています。 ドクターヘリ通信センターは救急外来に設置され、 出動時は当科医師のMedical controlもしやすくなりました。 救急外来から地上ヘリポートへのアクセスは走って1分以内! まだまだいろいろありますが、この続きは...

新病院での体制vol.2 「群馬県ドクターヘリ」

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町田です。 小橋先生から新病院でのドクターカー体制を紹介してくれましたので、続いて僕からドクターヘリ体制の紹介をします。 まず一言・・・『ドクターヘリの運用は大きく変化なし!』です。 今まで通り119番を受けた消防の通信指令課員や現場に向かう救急隊の判断で、“救急隊現着前にドクターヘリ要請”が原則となっています。そして要請と同時に出動態勢に入り、現場到着とともに初期診療を始める・・・今までとまったく同じです。  大きく変わったことは、『地上ヘリポートでの運用』です。 旧病院の屋上ヘリポートは景色はとてもよかったのですが、夏の高温&冬の強風のために年の半分も屋上に待機できず、また強風の日は病院に直接患者搬送ができなかったデメリットがありました。 しかし新病院の地上ヘリポートは救急外来からとても近く、離陸までの時間短縮、速やかな患者の処置室への搬送につながっています。 また『格納庫&給油施設の整備』により、連続出動への迅速な対応や機体への負担軽減に大きく寄与しています。 そして一番の特徴は『とにかく大きいヘリポート!』です。 新病院の地上ヘリポートはドクターヘリ・防災ヘリが5機に加えて、大型の自衛隊ヘリ(CH-47)が着陸することができます。この大きさの理由は大規模災害が発生した時に、当院で被災地より重症患者を多数受け入れ、当院で治療を加えたうえで直接当院に入院したり、さらにヘリを使って県内各病院と連携していくことを考えています。 でかい!! さらに屋上にもヘリポートを準備してさらに多数のヘリを受入れられようにしています。 とにかく今までの運用よりとてもシンプルでやりやすくなったことは間違いありません。 しかしながら群馬ヘリポートにいく機会がすっかりなくなってしまいましたが、近日に県警ヘリ・防災ヘリ・ドクターヘリ連携ワーキンググループを開催したり、以前行っていた「群馬県ヘリコプター合同勉強会(警察航空隊、防災航空隊、陸上自衛隊、赤十字飛行隊、ドクターヘリおよび関係各消防が参加)」も再開しようと考えています。 群馬ヘリポートの夕日 旧病院屋上ヘリポート 新病院地上ヘリポート

新病院での体制vol.1 「前橋ドクターカー日赤」

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小橋です。 新病院への移転が無事に終わり通常業務と同じ体制に戻りつつありますが、まだ新病院の環境に慣れておりません… 今回は「前橋ドクターカー」についてのお話をさせていただきます。 前橋市では 2013 年 2 月から前橋市消防局と連携し、「ドクターヘリ補完的事業としてのドクターカー運用」を開始しました。 当時は荒天などの運航時間外のみにドクターカーの運用を行っていましたが、 2016 年 3 月からはドクターヘリの運航時間内もドクターカーの運用を開始、さらに 2018 年 3 月からは群馬大学医学部付属病院もドクターカー(前橋ドクターカー群大)の運用を開始しました。 そして 6 月、新病院への移転と共に当院ドクターカー(前橋ドクターカー日赤)も新たな体制に変わりました。 ○ピックアップ方式からステーション方式へ ドクターカーの運用方法はピックアップ方式とステーション方式に分けられます。 ピックアップ方式は近隣の消防署などから救急車を出してもらい、それに同乗して現場進出する方法、ステーション方式は病院内に救急車・消防職員が駐在し、要請と同時に現場進出する方法です。ピックアップ方式は人的資源・金銭的資源の節約になるという利点がある反面、出動までに時間を要するという欠点があります。一方、ステーション方式の利点・欠点はその逆になります。 旧病院ではドクターカー要請と同時に約 500m 離れた前橋市消防局から救急車を出してもらっていた(ピックアップ方式)のですが、新病院では日中、常に救急隊員と救急車が院内に控えており、要請とほぼ同時に出動することが可能になりました(ステーション方式)。 これにより、ドクターカー要請から出動まで、 2-3 分の短縮が実現しました。この時間短縮によりさらなる早期の医療介入が実現され、また、今まではドクターヘリに頼っていたちょっと遠距離の事案でもドクターカーが有効に活用できるのではないかと考えています。 ○ドクターカーが現場に先着する可能性も ドクターカーの活動は現場救急隊との連携が必要不可欠です。傷病者がどのような状態か、どのような処置が必要か、先着した現場救急隊と連絡を取り合って作戦を立てながら現場に向かいます。現場では先着救急隊と協力しながら診療・病院選定・搬送を行っていくため、先...