「MIMMS群馬コース」に参加しました。~Hospital-MIMMSコース編~

中林です。 「H ospital-MIMMSコース」 はイギリス発祥の災害時の医療に関する教育コースで、今回このコースを 2 日間に渡って受講してきました。 JATECに続きMIMMSも新病院で初開催となりました。 災害は平時に提供可能な資源・サービスの量を、必要とする患者のボリュームがこれを超えた時に定義されます。 そのときの活動の基本に「 CSCATTT 」という概念があります。これは災害関係者の業界用語としてはいろはの「い」に当たります。この概要を説明すると以下のとおりです。 < C : command & control> 一番大切! 指揮命令系統を理解すること。 ( 全体の中で自分が担う役割を理解すること、スタンドプレーではなくチームプレーで! ) < S : safety> 自分と活動場所と傷病者の安全確保を行うこと。 ( これを間違えると救助者も被災者・傷病者に早変わりしてしまって本末転倒! ) <C : communication> 良好なコミュニケーションで効率的に活動すること。 <A : assessment> 困った状況や課題を繰り返し評価すること。 <T : triage> 診療の優先順位を決めること。 < T : treatment> 命を守る安定化 ( 蘇生 ) と根本治療を提供すること。 < T : transport> 対応できないものはできるところへ搬送すること。 Hospital-MIMMS コースではこれを徹底して駆使し、自然災害・人為災害に限らず発症からの時間帯 (「 プレホスピタル期」、「受入期」、「根本治療期」、「回復期」 ) に分けて机上演習を行います。 演習でいつも痛感しますが、情報の取扱如何が現場活動に大きく影響します。また、テロのような特殊災害や公衆衛生的観点から災害時の医療の役割を考えるセッション等もあり、災害時の医療体制を理解し、自らが担う役割を考えて行動する時に、まさに骨格となる内容だと思います。 災害が発生したとき、医療従事者はその立場によらず多かれ少なかれ役割を担うことになります。現場での瞬発力と組織としての総合力の両立が求められます。 そのため、災害に関する知識は決して院内の災害担当者だけが知っていればい...