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「平成30年度政府大規模地震時医療活動訓練」に企画から参加しました。

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町田です。 以前は9月初旬に行われることが多かったのですが、ここ数年は7,8月の境目あたりに行われるようになった「政府大規模地震時医療活動訓練(旧称・内閣府広域医療搬送訓練)」に、今年度も当院から3人の医師、1人の看護師、1人の業務調整員が参加しました。 ☆平成30年度の本訓練の趣旨 「南海トラフの地震を想定し、南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画(平成29年6月改定)等に基づく大規模地震時医療活動に関する総合的な実動訓練を実施して、当該活動に係る組織体制の機能と実効性に関する検証を行うとともに、防災関係機関相互の協力の円滑化を図ることです。(内閣府防災担当)」 当院からの5人ですがなんと企画段階・・・訓練半年前から参加させていただいていました。 最近の災害対応ではヘリ等による空路搬送は欠かせないものになっています。患者さんの搬送のみならず、医療チームの派遣、医療資器材の調達など様々なニーズがあります。 町田はヘリを中心に空路搬送に関わる全体企画を担当させていただいたとともに、今回の訓練で被災県にあたる宮崎県の空路地域医療搬送の企画・調整を行いました。また数年前までは空路に関する全体企画に関わっていた中村センター長が徳島県&香川県担当、今年度初めて企画に参加する藤塚先生が大分県担当として、全体企画をしているDMAT事務局担当者や各県のヘリ関係者と何度も話し合いや現地を訪ねながら、より実践的で実りのある訓練になるように頭をひねり続けていました。 地震の発災が訓練前日でしたが、宮崎県では前日にも関わらず発災想定時間に合わせて県庁に災害対策本部の立ち上げ訓練を6時間にわたって行いました。ここまで訓練前日に熱を入れた訓練は初めての経験で、このおかげで訓練当日はさらに充実した訓練となりました。 訓練当日の僕は宮崎県庁内に設置された『航空運用調整班』という部門にコントローラー兼プレヤー(訓練企画者として訓練の調整をしながら実際に訓練参加者として活動する者)として参加しました。 航空運用調整班では県にあがってくる様々な医療や救助ニーズのなかでヘリ運用が有効と思われるものヘリを保有する機関のリエゾンが集まって話し合いを行い、最もその時有効なヘリの運用を調整する部門です。 医療搬送をメインとする訓練ではなかなか各機関のリエゾンが集...

年に一度の「群馬ヘリポート歓迎会」に参加しました。

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「群馬ヘリポート」は、群馬県の前橋市に位置する公共用ヘリポート(ヘリコプターの離着陸場)です。昭和63年の8月25日にOPENして以来、「警察活動」、「救難活動」、「消火活動」、そして「医療活動」に使用され、地域の航空拠点として利用されています。 もともと群馬県警察航空隊、群馬県防災航空隊の基地でありますが、群馬県ドクターヘリも前橋赤十字病院に格納庫、給油施設がないために、夜間・強風時の駐機や出動後の給油に毎日この群馬ヘリポートを利用しています。 群馬の皆様の命と財産を空から守る人たちが集う群馬ヘリポートですが、毎年5月に群馬ヘリポート関係者が集まって交流をさらに深めるための「群馬ヘリポート歓迎会」が開催されました。 この会は群馬ヘリポートの管理業務を行う㈱日本空港コンサルタンツが音頭を取り、㈱群馬自動車燃料販売(燃料屋さん)、群馬県庁、群馬県警察航空隊、群馬県防災航空隊、赤十字飛行隊群馬支隊、そして群馬県ドクターヘリの関係者が参加しました。 いろいろな方々とお話しさせていただいて、防災ヘリとドクターヘリのさらに強力なコラボ、県警ヘリの当院ヘリポートへの着陸など、さらなる空の連携の可能性を高めていく良い機会になりました。 2年後に新病院が完成予定です。新病院は地上ヘリポートになり、さらに格納庫、給油施設が設置されます。群馬ヘリポートへの給油のための空輸や強風時の退避がなくなるので、ドクターヘリの運用としてはとても効率的、経済的になります。しかし毎朝群馬ヘリポートで皆さんと顔を合わせて「おはようございます!今日も何かあったら一緒にがんばりましょう!」という挨拶ができなくなるのがとても寂しくなります。 これまでの年月で築き上げてきた関係があるので、群馬ヘリポートを使用する機会が激減しても各機関との連携が弱くなることは絶対ないと思っていますが、今回の歓迎会でも基地病院からの参加者が1人しかいなかったり、自分から積極的に警察航空隊、防災航空隊とコミュニケーションをとろうとするスタッフが減ってきているさびしい現実があります。現在、当院ではドクターヘリ・カーに搭乗するドクター・ナースの育成を行っていますが、他機関とのコミュニケーションも重要な能力であることを改めて指導しなくていけませんね。

壁を突破する!vol.2 ~組織を超えた連携~

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町田です。 爆弾低気圧の影響で全国で大きな被害が出てしまい、犠牲者も出てしまったことがとても残念です。心よりご冥福を申し上げるとともに、これから冬の寒さが厳しくなる中で皆様が健康に過ごしていただけるよう心より願っております。 群馬県では前橋市内を含めて平野部ではまったく雪が降り積もっていませんが、北部や山沿いではすっかり雪景色になっています。同じ県内ですが雪が全くない基地病院からヘリコプターで5分飛んだだけでいきなり雪景色に変わってしまいます。 屋上ヘリポートから赤城山を望む・・・ ヘリでたった5分の山頂付近はすっかり雪山です。 「壁を突破する!」シリーズの第2弾は“組織の壁”です。 救急・災害医療においては医療チームだけでは対応しきれないことばかりです。そもそも救急搬送事案であれば救急隊との連携、ドクターヘリ事案であれば支援隊との連携、そして救助事案であれば救助隊・航空隊との連携を当たり前のように行っている日々です。また交通事故・事件などであれば警察との連携、大規模災害であれば自衛隊との連携、そして特に当院では赤十字やボランティアとの関係性もとても重要であります。 「組織間の壁」がいつもおおきな問題になりますが、群馬県は比較的組織間の連携が良い(良くなっている?)と感じています。 ドクターヘリの場合、防災ヘリとドクターヘリの連携活動は日常茶飯事であり、さらに県警ヘリで救助した患者さんをドクターヘリで引き継ぐことも行っています。県警ヘリの方から「この事案はドクターヘリにすぐ引き継ぎたい!」と管轄警察署を通じて消防本部に進言することもあり、医療チームとしては本当にうれしい限りであります。 前橋管内の救助事案であれ接防災ヘリから直接受け入れることも行っており、 将来的には県警ヘリの救助事案も直接受け入れられるようにしたいです。 ドクターヘリ・防災ヘリ・県警ヘリのさらなる連携強化のために、半年に一度で『群馬県ヘリコプター勉強会』を開催しています。 今回もドクターヘリ関係(朝日航洋、前橋赤十字病院)、群馬県防災航空隊、群馬県警察航空隊、そして陸上自衛隊第12旅団、赤十字飛行隊群馬支隊の方々に集まりました。またヘリ同士の引継ぎ事案で中枢を担っていただく消防本部の方々、そしてあらゆる組織の連携において協力にバックアップしていただ...