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『第43回日本熱傷学会総会・学術集会&熱傷講習会』に参加しました。

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藤塚です 5/25 ~ 26  新宿で『第 43 回日本熱傷学会総会・学術集会・熱傷講習会』があり参加、発表してきました。 それに先立ち、前日 24 日には熱傷講習会もあり、知識リフレッシュのため参加してきました。 内容は、「病院前救護・熱傷初期治療・機能再建からみる熱傷治療」でした。 個人的には、機能再建を考えた創閉鎖 Plan を考えるよい機会になりました。顔・頚・手など社会復帰を考えたうえで重要な部位であり、救命は大切だけれども、如何にこの部分をうまく初期治療から考え治療できるか、今後社会復帰を見据えて管理する我々への大きな課題となりました。     翌日の熱傷学会では、 当院からは ・ 藤塚  口演『重症熱傷における早期社会復帰を目指した当院のチーム医療体制』 ・ 小倉  ポスター『前橋赤十字病院熱傷センター: 10 年間の治療成績』 ・形成外科の林先生  パネルディスカッション『前橋赤十字病院における培養表皮治療の変遷について』  口演『バーサジェットを用いた熱傷治療について』 がありました。 林先生のお話は、組織や電顕を用いた根拠あるわかりやすい培養表皮治療戦略の話であり、今後当科との合同勉強会を企画しています。 培養表皮をどのようにすると生着しやすいのか、色々な討論がありました。 また『救命』をするために徹底した治療戦略を実践している施設もあり、(超早期デブリ・可能な限りの創閉鎖、培養表皮を使用した閉鎖)勉強になりました。 さらに、台湾粉塵爆発事故から日本での重症熱傷患者の大量発生時の救急対応なども取り上げられ、東京オリンピックも控えた今、災害対応にも話が広がっています。 スキンバンクも再度活動範囲が徐々に広がり、同種皮膚の確保体制が整備されつつあります。 また熱傷患者においては、災害時によく用いられる START トリアージ法がなかなか適応しにくく、気道熱傷を持った人は刻々と時間で変化していきますが、気道熱傷だけなら歩けるので軽症扱いになるなど、どのように考えていくか今後の課題でもあります。 熱傷治療は、チーム医療による戦力戦となるため、今後も救命をしつつ、機能予後が良好となるように、社会復帰を目指した管理を形成外科・リハビリテーション科、

「スキンバンク摘出・保存講習会」に参加しました。

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こんにちは、佐々木です。 5 月 24 日、スキンバンク摘出・保存講習会に参加してきました。 場所は新宿の東京プラザホテル  42 階… 「 おーなんと久々。こんな高いところからの眺め!」 窓からは東京都庁と真正面から対峙する形でした。噂の誰かが出てこないかなーと思いながら覗き込む、怪しいミーハー田舎者の私…黒塗りタクシーが行き来するものの、人がごみのように小さくて見えやしませんでした。   皮膚移植は歴史を遡ると 2500 ~ 3000 年前に皮膚移植が行われたところが始まりで(ヒンズー教典)、その後 1950 年以降にアメリカの熱傷センターを中心に同種皮膚移植が一般的に行われるようになったようです。 日本にスキンバンクが設立されたのは、 1990 年代になってからです。   同種皮膚移植は心停止した患者さんから皮膚を採皮し、熱傷などの患者さんに移植します。同種皮膚移植と自家皮膚移植(自分の皮膚から採皮し培養)を併用すると、上皮化が促進される効果があるそうです。 実際に、ろうそくの皮膚が服に引火し、 3 度 85% と広範囲の重症熱傷を受傷した患者さんに同種皮膚移植と自家皮膚移植を行い救命した症例を提示して頂き、そのすごさを実感しました。     皮膚を提供して頂く場合、大事なポイントは 3 つ   ①     家族に対するインフォームドコンセントは主治医以外が行う! 患者家族の主治医に対する感情(「先生に良くしてもらったし…」等)が入ってしまう。主治医は臓器提供のオプション提示は行えるが、実際にインフォームドコンセントを行い、承諾を得るのは主治医以外となっている。 ②     ドナースクリーニングをクリアしている 年齢、不詳の死ではない、悪性疾患既往なし、感染症なし ③     採皮は心停止後 12 時間以内が望ましい。 以上のポイントを押さえ、適応を見極めて、機会があれば行っていきたいと思いました。

「ABLSコース」を受講しました。

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堀口です。 5 月 23 日に東京で、日本熱傷学会 ABLS 特別委員会主催の第 12 回 ABLS プロバイダーコースを受講しました。 「 ABLS = Advanced Burn Life S upport」 で、熱傷治療のトレーニングコースです。もともとはアメリカ熱傷学会( ABA )が開発したコースで、日本では今のところ年 1 回のペースで開催されています。今回は救急医、形成外科医、皮膚科医など 32 名が参加していました。 http://ameriburn.org/education/abls-program/ コースは前半に講義、後半は模擬患者を使ったシミュレーション、そして最後に実技試験と筆記試験という構成です。 主な内容は、初期診療、 primary survey 、 secondary survey 、熱傷面積の算定、輸液量の設定、輸液量の調整方法、創部の処置、熱傷センターへの転送判断、吸入損傷、電撃傷、化学熱傷、小児の熱傷、多数傷病者の対応などでした。 コースの目的として、熱傷の専門施設でない病院でも、熱傷の重症度を評価し、適切な輸液療法を開始し、合併している外傷なども見逃さないように観察して、熱傷専門施設へ紹介できるようにということを目指しているように感じました。 コンパクトに 1 日のコースにまとまっており、勉強になりました。 朝一の講義で、講師の先生が “Good morning everybody, I am …” と話し始めたときは「むむむっ」と身構えてしまいました。 3 分ほどしたら日本語に戻してくださったのですが。。。 アメリカから移植しているコースでもあり、テキスト、スライドは全て英語表記でした。筆記テストも英語です。実技テストは日本語 (^^;) 。 次回以降受講される方は英語に慣れておいたほうがいいと思います。 今年に入って当院でも重症熱傷症例が続いておりましたので、今回コースを受講する機会が得られて良かったです。今後の診療に生かしていきたいと思います。 余談ですが、 3 月まで前橋赤十字病院で仲間だった白戸先生と会場で再会し、驚きました。お元気でご活躍のようで良かったです。

「平成29年度群馬ヘリポート保安連絡協議会」に参加しました。

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町田です。 なんだかすっきりとしない天気が続いています。梅雨の走りなのでしょうかね? 体調を崩さないように気を付けないといけませんね。 昨日は年に1度の「群馬ヘリポート保安連絡協議会」が開催されました。 群馬県ドクターヘリは群馬県警ヘリ、群馬県防災ヘリの基地であり、群馬県ドクターヘリも夜間・荒天時の駐機や給油を行わせていただいている、群馬県の空の要となっています。 群馬ヘリポート管理事務局(日本空港コンサルタンツ)の方々が主催で、群馬県交通政策課、群馬自動車燃料販売(燃料屋さん)、群馬県警察航空隊、群馬県防災航空隊、東邦航空(防災ヘリ運航担当)、朝日航洋、そして当院から僕が参加しました。 夕方に霞が関で行われた会議に出席しており会への参加は1時間遅れてしまいましたが、参加していた皆様とたくさんの交流を図ることができました。 ほとんどの皆様が顔なじみの関係になっており、来年度に新病院が完成してドクターヘリが群馬ヘリポートに行く機会がほとんどなくなった後もずっとこの関係が続けられるかは、中村センター長や町田以外の新しいヘリスタッフにかかっていることを強く感じました。 遅れての参加であまり食事がとれなかったので、延長戦で防災航空隊2年目同期飲みに参戦しました!公私含めてディープな話で盛り上がりました。 先日防災ヘリが就航20周年を迎えました。今までの活躍に感謝するとともに、これからもさらに協力して活動していきましょう。ちなみにその記念式典が来月群馬ヘリポートで行われるとのことで、ドクターヘリ出動がなければヘリスタッフも会場横から一緒にお祝いをしたいと思います。

“ぐんまちゃんバナナ”がドクターヘリを支えています!

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日本で流通しているバナナは、まだ成熟していない状態で輸入され、日本で成熟させて出荷しています。実はそのバナナを成熟させる工場が群馬にあることを知っていましたか? 高崎市吉井町にバナナを成熟させる高崎加工場がありますが、昨年1月9日よりドールさんと群馬県がコラボして「ぐんまちゃんバナナ」が発売されました。 *詳細はこちら → http://drheli-gunma.blogspot.jp/2016/01/blog-post_7.html              https://www.dole.co.jp/company_info/news/2016/news_0109.html なんとそのバナナの売り上げの一部を群馬県ドクターヘリ事業に寄付していただけることになっていて、先日ドールさんより群馬県へ寄付金の授与をいただきました。   ☆寄附授与式の様子☆ https://youtu.be/d3mndV8YkHo 皆様から様々な形で群馬県ドクターヘリをサポートしていただけることに心より感謝いたします。皆様のその気持ちを救命・社会復帰率のアップという形でお返ししていきますので、これからも応援のほどよろしくお願いします。 ちなみに大学の部活時代に(尊敬する修造先生と同じ競技です)、試合が長くなるとゲームとゲームのインターバルにバナナのお世話になっていました。休む暇がない日当直中や暑い時期の出動のインターバルに、感謝の気持ちを込めてバナナで栄養補給をすることにします!

患者のもとに医療スタッフを送り込め!~「平成29年度第1回群馬県ドクターヘリ症例検討会」を開催~

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町田です。お久しぶりです。5/8ぶりの投稿です。 急に夏のような猛暑になったと思ったら、梅雨の前触れのようなジメジメした天気になったりと、寝不足の僕にはきつい気候の変化です。でもそれに負けないように毎日筋トレして体力を維持しようと思います!それよりも寝た方がよさそうですが。。。(笑) 昨日、今年度初の「群馬県ドクターヘリ症例検討会」を開催しました。 今回も会場の用意した席に全く空きがないほど多くの方々にお集まりいただきました。   平成28年度の活動実績の報告に続いて、今年1~3月に出動した5事案について症例検討(事案検討)を行いました。前回に続いて埼玉県ドクターヘリのフライトドクター、そして今回は信州ドクターヘリ佐久のヘリチームの皆様にも参加していただきディスカッションに加わっていただきました。 1事案は消防の現場活動に警察官が協力したおかげで速やかな初療に結びついた症例で、警察とさらに連携強化するためにこれから何ができるかを考える良いきっかけとなりました。(群馬県の警察の皆様とは様々な場面で連携して活動ができてきている印象があります。) 他の4事案はすべて「医療スタッフ派遣」となった事案を取り上げました。 「患者が動かせなければ医療が動けばよい」という先輩基地病院からの教えを実行した重症呼吸不全の転院搬送事案、搬送先が決定しているバイタル不安定な患者の搬送中救急車にヘリスタッフを送り込んだ事案、多数傷病者発生現場に複数の医師を送り込んだ事案など、医療スタッフを患者のもとに派遣するメリット、そのメリットを生かすための上手な運用法について活発な意見交換がありました。  また日本ではまだまだ少ない銃創に関して、以前にアメリカ合衆国のTrauma centerで働いていた先生より貴重なコメントを頂くこともできました。 本当に多くの方に参加していただき、今年度は第1回から様々な意見交換をすることができました。参加していただいた皆様に心より感謝いたします。

北毛地域の医療の要・・・~渋川医療センター支援~

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こんにちは、藤塚です。 今回は北毛地域の医療の中核を担う「渋川医療センター」について、我々も少し救急医療のお手伝いをしているためご紹介します。 まず、北毛とは… 群馬県は地域区分として、大きく4つの地域に分けることがあります。 その4区分の一つ、北部(沼田市・渋川市・北群馬郡・吾妻郡・利根郡 *時に渋川は中毛に含まれる場合があるそうです)をまとめて『北毛』と呼ぶことがあります。 その中核を担うのが、渋川医療センターです。 もともとは、国立病院機構西群馬病院と渋川総合病院が再編統合し、平成 28 年に開院されました。現在、診療科も 26 科となり、渋川医療の中心かつ北部から中部地区まで足を運ばざえるえなかった患者さんのための病院としても活躍されております。     我々も少しでも北毛医療の力になれるよう、救急外来のお手伝いをさせて頂いております。 重症患者を中心に扱う当院と違い、地域のために活躍されている病院だなと感じております。病院ヘリポートも整備されており、ドクターヘリとの協同もスムーズに行われております。今後も少しでも皆さんの力になれるよう、努力していきます。     All Gunma で、消防・医療(病院間)ともに協力していきたいですね。 *当科がスタッフ支援を行っている過去の報告はこちら・・・ ・原町赤十字病院  http://drheli-gunma.blogspot.jp/2017/04/blog-post_22.html ・高崎ドクターカー  http://drheli-gunma.blogspot.jp/2017/04/blog-post_28.html

『第632回日本内科学会関東地方会』に参加しました。

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集中治療科・救急科の丸山です。 平成 29 年 5 月 13 日に開催されました『第 632 回日本 内科学会関東地方会』で発表させていただきましたので報告します。     『 繰り返す嘔吐・下痢を主訴に来院した成人発症の神経核内封入体病の1例 』   症例は研修医時代に経験したもので、入院中に神経内科で担当させていただいた患者様でした。 神経内科の針谷先生のご指導の元、症例報告をまとめさせていただき無事この日発表を終えることが出来ました。 当会の演題分野は呼吸器に始まり、アレルギー・消化器・循環器・感染症・腎臓・神経・血液・内分泌代謝まで多岐に渡り、若い先生方の発表を拝聴し大変刺激を受けました。また、珍しい症例報告や臨床においてピットフォールとなるような演題も多く、明日からの診療に活かしたいものばかりでした。   今後もこのような研究会や医学会には積極的に参加し日々の診療に還元できればと思います。

『18th ECTES 2017 in Bucharest』に参加しました!vol.2

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昨日の報告の続きです。 http://drheli-gunma.blogspot.jp/2017/05/18th-ectes-2017-in-bucharestvol1.html 翌日は朝から ECTES 参加です!   事参加登録表を片手に滞りなくレジストレーションを済ませた先輩・小倉は、ドヤ顔で後輩相手に得意気なグー 👍 サインを披露。苦笑いの Dr. 内海も無事にレジストレーションを済ませ、真っ先に向かう先はポスター会場。 1 分で貼り付けて 1 分で写真を撮り…終了のゴング ‼ カンカンカァーン ‼ ︎ フィニーーッシュ ‼ ︎ ポスター発表ではプレゼンテーションがない ECTES 。 何て楽なんだ!…とは言っても、今年の発表「 Nonoperative management of blunt traumatic aortic injury 」も、良くできていたと思います。 後輩よ、来年はオーラルプレゼンテーションに通すぞ ‼ ︎ 一方の小倉はオーラルプレゼンテーション。 今年は「 Modified Traumatic Bleeding Severity Score (M-TBSS): the perspective for the prediction of the need for the massive transfusion in pre-hospital setting 」という演題名での発表でした。 TBSS を開発・発表してから六年。 TBSS はプレ・ホスピタル領域への応用に舵を切っています。 これから日本で開催される学会 では、 Pre-Hospital TBSS を披露できそうです。どうぞ、お楽しみに☆ ECTES 最後の夜はルーマニア市内のアテネ歌劇場で開かれた、 ECTES オフィシャルディナーに参加しました。 ルーマニアン・クラシックを堪能し、ルーマニア料理を嗜みました。 日本を代表する Acute Care Surgeon である、東京医科歯科大学の大友教授御一行様とも交流させていただき、楽しい夜を過ごしました。大友教授とは毎年のように ECTES で良くしていただいており、感謝 & 感謝です。また来年もバレンシアで御一緒させていただけたらと思います。