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ACP(Advance Care Planning)講義 @ER

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ブログ担当永山です。 今回は当科の高橋先生にACP(Advance Care Planning)に関して救急外来で講義いただいたのでそれの記事になります。 ACPとは、患者様ご自身が今後の医療に関する希望や価値観を事前に明確にし、医療チームやご家族と共有するプロセスです。救急現場では、意識がはっきりしない患者様が多く、その意思を事前に確認できることは、適切な治療方針を決定する上で非常に有用です。 ACPという概念は医療現場で注目されておりますが、救急科、集中治療科に所属する医師として、急変時における迅速な意思決定の必要性を痛感しており、ACPが果たす役割は極めて大きいと考えています。 高橋先生の、具体的な症例を交えながら、救急外来で勤務される看護師、医師に向け、どのように患者様との対話を通じてACPを実践していくか、その具体的手法を丁寧に解説していただきました。 講義では、患者様との信頼関係の構築や、緊迫した状況下での冷静な判断力の向上、多職種連携の重要性についても触れ、実際の現場で即戦力となる知識と技術を学ぶ貴重な機会となりました。 今回の講義で得た知見を活かし、日々の診療に反映させることで、より質の高い医療提供に繋げてまいります。

医療ソーシャルワーカー(MSW)との朝カンファレンス

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こんばんは、ブログ担当の永山です。 これまで研修に関する記事が続いておりましたが、今回は診療現場の日常についてお伝えいたします。 当科では、救急外来を経由して入院された患者様について、毎日カンファレンスを実施しております。 チーム内で情報を共有し、その日の治療方針について協議しています。 その中で、医療のみならず、社会的サポートが必要な患者様も多くいらっしゃいます。 医療ソーシャルワーカー(MSW)は、こうした患者様やご家族のご相談に応じ、社会福祉の視点から問題解決を支援する専門職です。 日々MSWの皆様には大変お世話になっており、週に一度、朝のカンファレンスにご参加いただくことで、より円滑な情報共有が図られています。 今年度から始まったこの取り組みは、以前と比較して社会的サービスの介入が一層スムーズになったと実感しております。 今後も当科における他職種連携の成果や新たな取り組みについて、積極的にご報告してまいります。 どうぞご期待ください。

JATEC前橋コース開催しました!

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集中治療科・救急科の杉浦です。 2月8日と15日16日にJATEC前橋コースを当院で開催しました。群馬県を中心に全国のインストラクターの先生にご協力いただき、無事に終了できました。改めて御礼申し上げます。 まず8日にZoomでWEB講義を行いました。WEB講義ではショックや頭部外傷など半日かけて全部で5講義受けます。ご経験ある先生方からお話をお伺いでき、非常に濃密な時間となっております。 1週間後の実技では外科的気道確保や心嚢穿刺など普段なかなか経験することのできない手技をシミュレータを用いて何度も実施します。午後には実診療に基づき、症例を経験してもらいます。実施していただく症例は全て良く練られており大変勉強になります。 また、前橋コースのオアシスは定評があり、ドリップコーヒーや炭酸やお菓子など非常に充実しております。 外傷に興味があり、一度体系的に勉強してみたい先生には非常にお勧めのコースになっております。 また、当科には多数のJATECインストラクターがおり、日常から外傷診療を勉強できますので当院での研修もご検討いただけると幸いです。

ERトラウマシミュレーション

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こんにちは、ブログ担当の永山です。 今日は、救急外来における外傷診療のシミュレーションについてご紹介します。通常業務で忙しい中、シナリオ作成から日程調整まで行ってくれた増田先生に感謝します。そして、プレイヤーとして参加してくださった萩尾先生、上田先生、研修医の吉見先生、さらに救急外来の看護師の皆さんにもお礼を申し上げます。 外傷診療といえば、1月の記事でも紹介した JATEC(Japan Advanced Trauma Evaluation and Care)というコースがあります。これは、外傷診療の手順を標準化し、総合的に診療できるようにするための教育プログラムです。 今回のトラウマシミュレーションでは、重症外傷患者が搬送された際に、外傷診療をチームで行い、情報を共有し、蘇生・止血を効率的におこなうことで、患者さんを救命することを目標としています。 まず、救急隊からの連絡を受けた時点でチームブリーフィングを行います。ここで、各部署(放射線科、検査・輸血部)への連絡、役割分担、感染予防対策、治療方針の確認を実施します。その後、患者さんが搬入されてからは、JATECのプロトコルに沿った全身評価を行い、適切な処置を施したうえで、各科専門医へコンサルトを行います。 止血が必要な場合には、当科でバルーン挿入による止血処置を行ったり、輸血によって止血しやすい状態を整えたりします。また、血圧が低下すると全身の酸素供給が不足するため、気道管理を含めた酸素投与も適宜行います。 白熱したシミュレーションの後、デブリーフィングでは診療の質向上につながる意見が活発に交わされました。その中で、「診療スタッフが時間を共有しやすくなるよう、大きなデジタル時計を設置するとよい」という提案があり、今後のシミュレーションにぜひ取り入れたいと考えています。 今後もシミュレーションを充実させ、定期的に開催し、ブログでも随時報告する予定です。楽しみにしていてください。

上田先生の院外研修 報告会

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おはようございます。ブログ担当永山です。 今回は当科の後期研修医3年目の上田先生の院外研修報告会の記事となります。 当科の救急専門医プログラムでは3か月~6か月の他院での院外研修が組まれています。 研修に行く病院は様々で、「東京の3次救急を勉強したい」という先生もいれば、「地域をささえる離島救命センターに行って勉強したい」という先生もいます。 後期研修医の数だけ、研修先と、研修先での経験は異なるため、研修で得た経験や知識を、他の後期研修医やスタッフにも共有してもらうための報告会です。 上田先生は、墨田区にある 東京都立墨東病院 で3次救急医療と、集中治療室での3か月間の研修について報告してくれました。 東京の救急搬送システム(2次医療と3次医療が明確化)についてや、自己完結(救急科のなかに内科、外科、整形外科のスタッフがいて診療が救急科だけで成立する)の医療に関して報告してくれました。 ICUではclosed ICU(ICUスタッフだけで管理するICU)で心臓血管外科の術後の管理を多く経験できたとのことでした。 憧れの東京暮らし(?)も堪能できたとのことです。定期的な勉強会も充実していたとのことで、そういうところは当院も取り入れていければと思っています。 早朝にもかかわらず大盛況の報告会でした。上田先生ありがとうございました。

「令和6年度DMATロジスティックチーム隊員養成研修」に参加してきました (by 水野先生)

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令和7年2月6〜7日に大阪のOMM展示ホールで開催された「令和6年度DMATロジスティックチーム隊員養成研修」に参加してきました.今年度は2回開催され,当院からは合わせて11人ものDMAT隊員が参加しました. この研修では,災害時に被災都道府県DMAT調整本部や活動拠点本部等での指揮支援をするための能力を養うことを目的としており,1グループ8人による机上演習が主体でした. 受講資格にあるように,参加者はインストラクターやタスクのため,テーブル付きファシリテーターはなく,個々のグループで各設問についてdiscussionしました.それぞれのグループには,ベテランの隊員も配置されており,実際の経験談も聞けてとても勉強になりました. たまたま当院に在籍していた宮崎先生や奥田先生と一緒のグループだったので,とてもよい雰囲気で議論ができ,実際に本部活動を支援する際に大変参考になる有意義な研修となりました.

レクチャー:多施設レジストリで臨床研究をやってみよう

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おはようございます!ブログ担当の永山です。 先日、河内Drに「多施設レジストリで臨床研究をやってみよう」というレクチャーを開催してもらったので、ご報告です。 日々臨床をしていると、臨床疑問(Clinical Question: CQ)にぶつかることがあります。 臨床疑問とは、医療現場で患者に接する医師や医療者が抱く疑問のことです。病態、評価、治療、リスク、予防など、さまざまなテーマがあります。 当科の例でいうと、心肺停止後の低体温療法の有効性、敗血症における輸液の最適化、外傷性脳挫傷の気道管理など、どのように対応すれば患者さんにとって最良の結果を残せるかは、長年議論されていますが、いまだに議論の余地があるところです。 こうした疑問を解決するために臨床研究が行われますが、単施設(一つの病院)のデータを用いた研究では限界があります。そのため、日本全国(研究によっては世界中)の施設でデータを集める研究が数多く行われています。このように、複数の施設で集めたデータのことを「多施設レジストリ」と呼びます。 しかし、多忙な勤務の合間を縫って臨床研究を行うのはなかなか大変です。いざ研究を始めようと思っても、研究デザインの考え方、統計手法、結論の導き方などを組み立てるのは、かなり骨の折れる作業になります。 今回、河内先生が多施設レジストリを用いて、「どのような経緯で研究を始めたのか?」「どのような苦労があったのか?」「 後輩たちが研究を行う際に躓きやすいポイントについて」抜群のトーク力で講演してくれました。 学会等で同様の講演会がありますが、雲の上のひとと感じてしまうので、身近な人の経験談はすごく新鮮で、心に響くものがあります。 キースライドを数枚掲載させていただきました。 自分たちの仕事は診療が主だとおもいますが、臨床研究をすることで、臨床疑問を明確化することで、論文を検索し、それが自分たちが直面している問題にあてはまるか?適応できるか?を考えて最適な医療を提供することが必要です。臨床研究をおこなうとそういった、論理的思考のスキルアップにもなるので、今後も積極的にとりくんでいけたらと思います。

寒波到来・・・

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ブログ担当の永山です。 2月に入り、緩徐に暖かくなるとおもいきや、急激な寒波が襲来し、今週末まで寒い日がつづきそうです。 積雪で大変な地域も多いとおもいますが、前橋は比較的雪が積もることは少ないようです。先日はドクターカー出動時に雪が降ってきました(写真は非活動時ですが・・・) 。 気温の変化により、脳や心臓血管疾患に注意が必要ですし、積雪、視野不良等で事故も多発する時期です。 インフルエンザやコロナは、1月とくらべて落ち着きつつありますが、それ以外でも体調を崩しやすい時期ですので、皆様健康に気をつけつつお過ごしください。