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「第49回救急医学会総会」へ参加しました。

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 船戸です。 2021年11月21~23日に東京で開催された「第49回救急医学会総会」へ参加しました。今年参加して自分のなかで印象に残ったことが2つあります。1つ目はやはり昨年に引き続きCOVID19関連の発表の多さ、2つ目は臨床研究関連の教育講演の多さです。 COVID19については現時点(11月下旬)ではようやく落ち着きを取り戻したようにも思えますが、まだまだ油断できない状況が継続しております。今年一年で流行の波を数回経験し、先生方は常に患者さんをよくするための方法を考え、新しい研究の結果を探し続けていたことと思われます。複数の施設や時には国を跨いだ大規模な研究も行われ、有用な情報が続々と出てきました。大規模な研究というと華々しいですが、その裏に数多の基礎研究、症例報告、観察研究が存在するからこそ大規模な研究が成り立ちます。今年も多くの先生方がCOVID19関連の発表をされておりました。一つ一つは小さな研究ですが、それらが積み重なって世界を変える発見が産まれることを考えると、学会で積極的に発表していくことの重要性を感じます。 COVID19関連の研究には負の側面もありました。昨年、いわゆる四大医学誌の一部で、論文が撤回されるという事件がありました。これは論文の掲載間近になって研究データの整合性がとれなくなり、論文の正当性が保証できなくなったことで医学誌が論文を撤回した、というものです(この裏には査読が甘かった説、論文の捏造があった説もありますが、ここでは触れません)。この際は何とか出版前に食い止められましたが、論文というものが人間が書いて人間が確認しているものである以上、100%正しいと言い切れる論文は一つもない、という認識が重要であると考えます。その中で私たちは論文に関するリテラシーを身に着ける必要があります。それはつまり論文を読む際のリテラシーであり、論文を書く際のリテラシーでもあります。この流れの中で臨床研究関連の講演の多さは、私たちに改めてその重要性を示唆してくれたのではないかと、勝手に深読みしております。 以上雑多になりましたが今年の救急医学会総会について思ったことなどでした。

第28回日本航空医療学会総会に参加しました。

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 前橋赤十字病院 集中治療科・救急科の水野です. 2021/11/19-20に熊本で開催された,第28回日本航空医療学会総会に参加してきました.当院からはCOVID-19関連のテーマを2題の発表しております. 昨今のCOVID-19流行に伴い,感染暴露を懸念して,学会からもCOVID-19が疑われる患者の搬送は行わないよう提言されており,当院でもドクターヘリでの搬送件数が減少しています.特に山間部などでは医療機関への搬送に時間がかかり,根本治療に遅れに繋がる重大な問題です. そこで,「コロナ禍においてドクターヘリで搬送するにはどうすればよいか?」と題して,意識障害により呼吸器症状や濃厚接触歴などの病歴が十分に聴取できない患者さんにおいて,直近医療機関でコロナ検査を行った上でドクターヘリによる早期搬送を試みた症例について報告しました.本症例では,救急車による陸路搬送とドクターヘリによる空路搬送を比較した結果,およそ30分も早く根本治療が行える可能性が示唆されました. 今後,ヘリによる早期搬送を増やしていくには,ドクターヘリスタッフが常に患者さんにとって最善の方法を考えながら診療にあたることに加え,一人一人が感染予防を心がけ今後の感染拡大を抑えることで学会の提言が徐々に緩和されていくことに期待をしたいです. コロナ禍で各学会もWeb形式で開催されることが多かったですが,感染者数が減少し,緊急事態宣言が解除され,本学会は現地で参加することができました.やはり対面で発表することで,ストレスなく質疑応答ができ,議論が活発であった印象を受けました.今後は第6波に備えつつも,このままコロナが終息していってくれることを心より願っております.

『第25回日本災害医学会総会・学術集会』に参加しました。

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町田です。 COVID-19の感染拡大を防ぐために、政府や各行政、そして所属組織から様々な見解や指針が発出され、様々なイベントの中止、延期のニュースが飛び交っています。自分自身も今週初めの段階で3つの会議や研修会の開催可否の選択を迫られていましたが、1つは開催、1つは中止、1つは開催予定から土壇場で中止となっています。 大切なことは、イベントの開催、中止、延期の是非を問うのではなく、きちんと主催者、イベント運営事務局、会場提供者、そして参加者の意向を確認し、その判断理由を参加者にきちんと説明することだと思っています。そして最終的には一人一人の感染予防対策にかかっていますので、引き続きうがい、手洗いの徹底をよろしくお願いします。 先日神戸で開催された『第25回日本災害医学会総会・学術集会』の参加報告です。 本学会参加予定者の中で学会期間前から期間中もCOVID-19対応が並行して進行中であり、残念ながら参加できない同士の方々もたくさんおられました。当科からも4人が参加予定でしたが、そのような都合もあり町田が4人分の座長と発表を背負って、本会に参加させていただきました。 <当院からの参加者> ・中野院長 座長(一般口演:多職種連携) ・中村センター長(町田代行) 座長(一般口演:受援) ・高寺看護師長 座長(一般口演:教育・研修 1Hspレベル、取り組み+α) ・中林先生(町田代行) 一般口演:災害に関連する傷病  「被災から子どもを守るには -政府訓練が示した実務上の課題-」 ・藤塚先生(町田代行) 一般口演:災害に関連する傷病管理 小児・周産期への対応  「局地災害時の遺体・遺族対応」 ・町田 座長(一般口演:法・検視・検案・広域医療搬送) パネルディスカッション:惨事ストレス対策を考える  「『墜落したヘリに友人が乗っていた。』~友人を死亡診断する覚悟と救援者ストレス~」 一般口演:DMAT、コーディネーター、赤十字  「いまのDMATは災害超急性期に本当に戦えるのか?」 災害医療では一人でも多くの命を救うことを目的に活動しますが、災害によっては残念ながら亡くなられる方もいらっしゃいます。特に僕と藤塚先生の発表は発表者も聴講された方々も心が重くなる内容であったかもしれません。しかし多くの方々より貴重なア...

『第25回日本脳神経外科救急学会』に参加しました。

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当院で初めて脳死判定からの臓器移植が行われたのが平成20年9月になります。 その後も当院では生前の患者さんの意思やご家族のご意向に沿った形で脳死判定が行われることがあります。 そのような当院での経験をお話しする機会をいただき、中村センター長が「第25回日本脳神経外科救急学会」にシンポジストとして参加しました。    ・中村センター長 幹事会企画シンポジウム:「脳神経外科救急と臓器提供 - いかに関わるべきか?」  『集中治療医・救急医から見た臓器提供の現状』 脳死判定からの臓器移植に関して、大事なことは生前から意思表示をすることだと感じています。これは移植を希望することだけではなく、移植を希望しないという意思表示も行うことができます。 意思表示カードだけではなく運転免許証などにも記載欄がついています。家族や大切な人とこのことを少し話してみませんか?

現場主義!~『第70回日本救急医学会関東地方会学術集会』&『第57回救急隊員学術研究会』開催報告~

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太平洋南岸に発生した低気圧と前線の影響で、群馬県も今日の夕方から明日にかけて降雪の予報が出ています。今年は雪が降ることがほとんどなく特に冬道の運転の心構えがあまりできていない印象がありますので、どうしても運転される方は雪道用のタイヤの確認を行い、雪道での多重クラッシュ事故の引き金にならないように十分注意してください。 1月18日に前橋で行われた『第70回日本救急医学会関東地方会』および『第57回救急隊員学術研究会』の報告です。 本学術集会および研究会は当院中野実院長を会長として、「現場主義ーPre-Hospitalから社会復帰までー」をテーマに開催させていただきました。 この日も今日のように朝から底冷えするような日和で、また会場が前橋駅より通りロケーションであったにも関わらず、1000名を超える多くの方々にお集まりいただきました。 外の寒さに負けないほどの活発な議論が各セッションで行われており、座長を担当していただいた方々、そして発表者、聴衆者のすべての皆様に心より感謝いたします。また本会には全国から著明な先生方にお集まりいただき、各種分野での最新の知見や興味深いお話を聞かせていただきました。 当科からは以下のメンバーが参加しました。 <中村医師> ランチョンセミナー  座長 <町田医師> ランチョンセミナー  座長 一般演題:調査・研究・検証(資機材、活動)  助言者 <鈴木医師> 教育講演  座長 <藤塚医師> パネルディスカッション:局地災害 こうすればうまくいく  座長   「迅速さと連携が局地災害で重要である」 パネルディスカッション:本白根山噴火対応救急医療活動報告  座長  「草津本白根山噴火災害 医療本部活動」 <小橋医師> 一般演題:調査・研究・検証(医師出場、多数傷病者対応)  助言者 <金畑医師> パネルディスカッション:ECMO管理 こうすればうまくいく  「前橋赤十字病院 ECMO センターとしての取り組み」 <永山医師> パネルディスカッション:外傷初期診療 こうすればうまくいく  「高度救命救急センターとしての外傷診療における当院の取り組みについて」 また本会を運営にするにあたり、長期にわたって準備に奔走していただいた当院スタッフ、県内消防の皆様、また当...

『第14回日本病院前救急診療医学会総会・学術集会』に参加しました。

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昨年12月に当科スタッフが参加した学会報告で忘れていたものがあったので、時間が少し経ってしまいましたが報告します。 12月上旬に富山で開催された「第14回日本病院前救急診療医学会総会・学術集会」に小橋先生、金畑先生が参加しました。 11月にも同じ会場で日本航空医療学会総会が開催されており、ドクターヘリ・カーなど病院前診療に関する熱いディスカッションで昨年末の富山は熱かったようです。 当科からの参加状況は以下の通りでした。 <小橋先生> ・シンポジウム:ドクターカーで活動する看護師の役割とその教育 「病院前診療に携わる看護師に必要な能力とその教育体制を考える」 <金畑先生> ・シンポジウム:在宅医療と病院前救急の連携 「往診医と連携し意識障害を発症した在宅管理中の大腸がん末期患者を救急搬送せずに引き継いだ症例」 先日当院が事務局となって開催させていただいた「日本救急医学会関東地方会&救急隊員学術研究会」について、寒い前橋まで1000名を超える多くの方々にお集まりいただきありがとうございました。心から御礼申し上げます。(詳細は後日報告予定です。)

『第26回日本航空医療学会総会』に参加しました。

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後期研修医の西村です。 今回は 11 月 8 日~ 9 日に富山県で行われた「第26回日本航空医療学会総会」の参加報告です。 この学会は名前のとおり、ヘリコプター・飛行機などを使った医療に関する学会で、ドクターヘリ基地病院の医療従事者のほか、運航会社のスタッフなどが参加され、活動報告や今後の課題、新たな取り組みなどについて発表・議論がされていました。 当院からは僕のほか、町田先生、小橋先生が発表、中村先生が評議員として参加、また当院救急外来・ ICU 看護師さんも発表していました。 当院からの発表演題は以下のとおりです。 町田先生 ・パネルディスカッション 「大規模災害時の東京都におけるドクターヘリ活動案と今後の課題」 ・一般演題 「フライトナース育成におけるフライトドクターの影響」 小橋先生 ・一般演題 「脳卒中における病院前救急診療の意義」 ・ポスター発表 座長 滝沢看護師 ・ポスター 「ドクターヘリストレッチャー搬出時チェックリストの作成」 関山看護師 ・シンポジウム 「群馬県ドクターヘリ-ICTを活用した新たな取り組み-」 西村 ・一般演題 「病院前での早期医療介入により適切な TTT が行えた多数傷病者事案」 また今回の学会では、ドローンを活用した医療の取り組みに関しても発表があり、また企業展示でもドローンの紹介がされており、医療界でも今後ドローンが登場する機会が増えてきそうな印象を受けました。 僕はこの学会に参加したのは初めてで、規模はそれほど大きくはなかったですが、逆に小規模だからこそ同じ志をもった先生方や看護師、運行会社などの方といろいろお話ができ、知り合いになれたのが今回参加して最もよかったと感じた点でした。 最後に、富山情報です(笑)。 今回僕は初めて富山行きましたが、一緒に学会参加した小橋先生が富山事情に詳しく、いろいろ案内してもらいました。 ・世界一美しいス〇ーバッ〇スコーヒーの店舗 みなさん、世界一美しい某コーヒーショップの店舗が富山にあるのをご存知ですか?僕は初めて知りました。早速行ってみました。が・・・、なんと店内改装中でした。 あちゃーーー。なので、外観の雰囲気のみ味わってきました。それでも噂通りの美しさでした。富山に行かれた...

『第21回日本救急看護学会学術集会』に参加しました。

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お久しぶりです、小橋です。 『第 21 回日本救急看護学会学術集会』に参加してきました。 日本救急看護学会は救急領域に関わる看護師の多くが所属する学会です。 本学術集会は看護師対象なのですが、今回は病院前医療関連のシンポジウムへの依頼をいただき、発表を行ってきました。 今回、私が発表させてもらったのは、パネルディスカッション「高齢社会に向けた病院前救急診療活動の現状と展望」というテーマで、「病院前救急診療の目的を改めて考える 〜プレホスピタルケアの向かう先はどこか〜」について話をさせてもらいました。 群馬県の病院前救急診療体制について、また、いかにして早期医療介入・医療搬送を行うかについて考察し、現在の高齢社会で病院前医療はどのようにあるべきか、また、病院前医療に関わる看護師として求められることは何か、について他の発表者の方々とディスカッションをさせていただきました。 今回、発表をさせていただいて、やはり医師の目線と看護師の目線は違う、ことを実感しました。 医師は「医学的適応」を基に活動することがほとんどですが、看護師はどちらかというと「患者背景」などを重視しながら活動することがすることが多いように感じます。病院前医療に携わる人間として、看護師の目線も大事にしないといかんな、と思いました。 日本救急医学会学術集会の翌日で体力的につらかったですが、勉強になりました。