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“これからのドクターヘリー課題と解決策ー”~「HEM-Net創立20周年記念シンポジウム」参加報告~

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町田です。 11月25日に東京の霞が関ビルディング35階にある東海大学校友会館で開催された「HEM-Net創立20周年記念シンポジウム」にパネリストとして参加してきました。 HEM-Netとは“認定NPO法人 救急ヘリ病院ネットワーク”のことで、これからもドクターヘリの全国配備に尽力をしていただき、ここ最近は「D-call Net」や「ドローンとドクターヘリとのコラボ」など新しい取り組みを始めています。 今回のパネルディスカッションは「これからのドクターヘリー問題と解決策ー」というテーマで、以下のメンバーがそれぞれの得意(?)分野で発表を行いました。 <夜間運航> ・全日本航空事業連合会ドクターヘリ分科会 辻 康二 氏 「ドクターヘリ夜間運航に向けてーこうすれば飛べます!」 ・航空自衛隊航空救難団司令部 西村 修 氏 「航空自衛隊航空救難団の立場から」 <地域医療> ・宮崎大学医学部附属病院救命救急センター 金丸 勝弘 氏 「Doc-Heli for All, All for MIYAZAKI」 <周産期医療> ・長崎みなとメディカルセンター地域周産期母子医療センター 平川 英司 氏 「ドクターヘリを活用した周産期母子医療」 <広域運用> ・前橋赤十字病院高度救命救急センター 町田 浩志 「空から見えない県境との戦い~首都直下地震を見据えたドクターヘリ広域連携に向けて~」 <高度新技術の活用> ・日本医科大学千葉北総病院救命救急センター 本村 友一 氏 「救急・災害時のドローンの利活用と課題と展望」 ・株式会社ウェザーニューズ 高森 美枝 氏 「ドクターヘリ安全運航の為のニューテクノロジー」 何度目か忘れるほど同じ舞台に立つことの多い本村先生(写真右)とともに・・・ 災害時のドクターヘリ運用に関する盟友(戦友)です。 そして同じく長いことお世話になっているHEM-Net事務局の小山さん(写真中央)! 僕の発表は災害時のドクターヘリの連携について、今一度原点に立ち返り被災地外のドクターヘリが困っている被災地のためにすぐに動けるような広域連携を平時から築くことの意味について話をさせていただきました。 1998年にドイツで発生した高速列車の脱線事故では「発災直後よりドイツ全土から30機近くの医療ヘリが...

「HEM-Netシンポジウム」に参加しました。

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町田です。 今日の昼間は汗ばむような陽気でしたが、当直に入り一気に冷え込んでいます。温度差に体がついていくかどうか心配ですが、明日は長野にお邪魔して講演を行う予定です。のどを傷めないように気を付けながら朝まで頑張って働きたいと思います。ちなみに12月1日は愛知で3時間の講演があり、一生懸命講演資料を作成中です。 11月26日に都内で開催された「HEM-Netシンポジウム」に参加しました。 HEM-Netとは“認定NPO法人 救急ヘリ病院ネットワーク”のことで、ドクターヘリにかかわる様々なことで支援していただいています。そのHEM-Netが主催するシンポジウムが毎年秋に開催されており、以前には自分のパネリストとして発表、討論させていただいたことがあります。 今年は「マスギャザリングとドクターヘリ」というテーマで、僕は聴講者として参加しました。 最初に東京オリンピック・パラリンピッ競技大会組織員会チーフ・セキュリティ・オフィサー(CSO)である米村 敏朗 氏から、「オリンピックと危機管理~想像と準備~」というテーマで基調講演がありました。 自分自身は“医療は常にリスクとの戦い”と考えていて、「危機管理」に関する話をとても興味深く聞かせていただきました。 『「危機管理に成功はない、どれだけ失敗を抑えるか」、そのためにどれだけ「創造と準備」をするかが大切である』という言葉に、とても強く感銘を受けたとともにしっかり自分の中でも実行していきたいと思いました。 ほかにもとても印象深い内容がたくさんあり、本当に大切なことを学んだ素晴らしい講演でした。 続いて「『東京2020大会』における多数傷病者ヘリコプター広域搬送体制をどのように構築し、隣県と調和させるか」というテーマで、パネルディスカッションが行われました。 近隣県のドクターヘリ基地病院としては他人事の話ではなく、とても注目しながら話を聞かせていただいたり、当県ドクターヘリや自分自身がどのように関わっていけるかかなり真剣に考えました。 東京オリパラまでもう2年を切っています。その前に来年はラグビーW杯も行われ、お隣埼玉県も会場になります。それ以外でもいつどこでマスギャザリングへの対応に迫られるかわからない時代です。 いろいろ考えさせられたとても重要な時間となりました。

ヘリコプター救急の飛行安全策~「HEM-Net国際講演会」参加報告~

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町田です。 いま日本では1年間にドクターヘリだけで約2万5千件出動しています。昨年8月にドクターヘリの着陸事故が起こりましたが、それ以外は今のところ死傷者が発生する事故は起きていません、しかしながらここのところヘリコプターの墜落事故のニュースを残念ながらよく耳にします。 11月13日に認定NPO法人救急ヘリ病院ネットワーク(HEM-Net)主催の国際講演会に参加させていただく機会を頂きました。 テーマは「欧州ヘリコプター救急の現状と飛行安全策」で、ヘリコプター救急の先進国であるスイス、英国から講師を招いて基調講演をいただきました。 Dr. Stefan Becker(欧州航空医療学会EHAC理事長) 「欧州ヘリコプター救急の現状とスイスREGAの飛行安全策」 Captain Neil Jeffers(ロンドン救急ヘリコプター首席機長) 「大都市ロンドンにおけるヘリコプター救急と飛行安全策」 一言でいうと「ソフト面でもハード面でも安全対策にかける割合が大きい!」ということでした。 安全に関しては日本よりもコストを惜しまない感じがありますね。日本はすでに平時の運用でのコスト面の負担が大きく、そこのところを改善していかないとなかなか欧州には追いつけない気がしました。 個人的には運航クルーや医療スタッフのメンタルヘルスが安全に及ぼす影響やストレスを受けたものへの対応法について質問させていただき、両講師にとても丁寧にご回答を頂くことができました。 当院では2か月ごとに「ドクターヘリ基地病院スタッフ会議」を行っていて、毎回必ず安全にかかわるテーマを取り上げてディスカッションしていますが、今回の両講師にアドバイス頂いたことを実践する予定です。 講演の後の懇親会でも少しだけお話しさせていただきました。 もっと英会話ができれば・・・ 常にリスクを評価して、その対策をしっかり考えながら、安全最優先の活動を続けていこうと思います。

被災県の負担を減らした迅速なドクターヘリ参集にむけて・・・~「HEM-Netシンポジウム」参加報告~

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町田です。 先週末の関東ブロックDMAT訓練に引き続き日本DMAT隊員養成研修にインストラクターとして参加させていただきました。今回は先輩インストの参加が少なかったためかなんと7コマも担当しましたが、受講された全国の皆様が研修終了後に隊員資格を得られるようにいつもより一段と高い緊張感を持って臨むことができました。 隊員養成研修の最終日だけ早上がりさせていただき、12月1日に全国町村議員会館で開催された「HEM-Netシンポジウム」にパネリストとして参加しました。 今回のテーマは「大規模災害時におけるドクターヘリ運用体制の構築と連携協力」で、僕は平成28年熊本地震を遠く離れた東京でドクターヘリに関わる調整業務を行った経験をもとに強く感じたことをお話しさせていただきました。 (*鹿児島の野口先生より写真を拝借しましたm(__)m)   災害時においてドクターヘリが活躍する場面が増えています。熊本地震においても多くの医療搬送が行われました。 しかし他機関の公共ヘリと異なりドクターヘリは多くの道府県、様々な民間企業との交渉事が多く、それを被災県にすべて任せてしまっては被災県の負担が多すぎるとともに迅速な初動はかなえることができません。これはこの1年で2つの大きな訓練の空路搬送調整の企画をしましたが、1か月近くかけて行う調整を実災害時は発災直後から1日レベルで行わないといけないという体験をしたからわかる実感です。 “すべては被災県の負担を減らすために”、被災地外でドクターヘリ運用主体である厚生労働省と連携を取りやすい立場での『ドクターヘリリエゾン』のような組織は、特に大規模災害時には不可欠ではないかと強く感じました。 まもなく厚生労働省から「災害時におけるドクターヘリ運用体制の指針」が発布されます。 もちろん指針が出たらそれでOKではなく、その指針に沿って各地域でどのようにうまく運用できるか調整しなくてはいけません。 しかしあらためて考えていただきたいことがあります。(ここからはあくまで私見ですが・・・) 東日本大震災の時は本当に困っている被災地のために全国のドクターヘリが被災地にやってきました。その後ドクターヘリが全国にさらに増えましたが、増えるに従って「被災地に向かうことよりもどのヘリが残ってその地域を守...

HEM-Netシンポジウムに参加しました。

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町田です。 昨日は都内で開催された『HEM-Netシンポジウム』に参加しました。 ちなみに“HEM-Net”とは“認定NPO法人「救急ヘリ病院ネットワーク」(Emergency Medical Network of Helicopter and Hospital)”の略称で、非営利法人としてヘリコプターによる救急医療システムの普及促進を目的として活動しいます。 ☆HEM-Netホームページ ⇒ http://www.hemnet.jp/ 今年度のシンポジウムのテーマは「ドクターヘリと消防防災ヘリの協力体制の強化」ということで、ドクターヘリ運航開始当時から良好な関係である熊本県防災航空隊、関西2府4県で形成されている関西広域連合、通信環境の発展に関してJAXA,Weathernews、そして総務省,厚労省のパネリストの方々からの発表を聞かせていただき、同テーマに沿ってディスカッションを行いました。  防災ヘリの管轄は総務省でドクターヘリの管轄は厚労省という縦割りの関係ですが、実際の現場で協働しているときは同じベクトルを向いて活動できていて、それを都道府県や国レベルでも同じような気持ちでいることが重要に感じます。 群馬県は消防防災ヘリとドクターヘリが迅速かつ強固な連携をしていることが自慢です。“消防機関のヘリだからこそ消防本部が要請しやすい環境を整えていく”ために、「ドクターヘリ側に入った情報を素早く防災航空隊と共有する」、「防災ヘリでもドクターヘリと同じような動きをしていただく(医師派遣、キャンセルなど)」、「多数傷病者事案、重複要請時に次の手段をどうするか医療クルーは常に考えておく」という群馬県が行っていることをフロアから紹介させていただきました。 今回は群馬県防災航空隊の隊長もいらっしゃっており、災害時だけではなく平時からこのような連携を続けていくことが大切であることをあらためて確認しました。 2014年度上半期で、ドクターヘリ的運用や協働が30件を超しています。 また基調講演では「新潟県におけるドクターヘリの運用について」というタイトルで、新潟県の泉田知事より貴重なお話を聞かせていただきました。新潟県ドクターヘリ運航開始前に講演をさせていただいたこともあり、日本海側の厳しい気候を抱えながらも活躍している様子を聞いてう...