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高度救命救急センター 2018年度活動実績報告

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いよいよゴールデンウィークの10日間が始まりました。 もちろんゴールデンウィークは救命救急センターが最も混雑する時期の1つであり、あまり喜んでいるスタッフは少ないのですが・・・今年に関しては「一つの時代が終わり、新しい時代を迎える大切な節目」として、仕事をしながらも心穏やかに過ごしたいと思います。 新年度に入ってすでに1か月を過ぎようとしていますが、ようやく2018年度の高度救命救急センターの実績をまとめました(当科調べの速報値です)。 2018年度の一番の大きな出来事は新病院への移転です。移転に伴い数日間の入院制限や外来制限が必要となり、多くの皆様にご迷惑をおかけしました。しかし新病院になってそろそろ1年となり、救命救急センターは前病院に比較してさまざまな導線が良くなり、とても活動しやすくなった印象を持っています。 残念ながら昨年度の実績はあまり振るわなかったのが本音ですが、新病院でも運用もすでに慣れてきたところであり、今年度は一昨年度以上の実績を残すことが我々に課された責務だと感じています。 ☆高度救命救急センター 2018年度活動実績☆ (図をクリックすると拡大表示されます)  

ようこそ、神宮司先生!~藤田医科大学から「ICU短期研修」でやってきました。~

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2月の小川先生に続き、藤田医科大学の神宮司成弘先生がECMOの勉強の ために、今日から当院へ研修に来られました。 「 ECMO の研修」が目的ですが、 ICU の一員として日勤業務を行って頂けるとのことです。さっそく初日からICU入室中の患者の受け持ちとして活躍していただいております。 神宮司先生にはECMOのことを多く学んでいただくとともに、我々スタッフも神宮司先生から多くのことを教えていただきたいと思います! 5週間、どうぞよろしくお願いします。

ようこそ、小川先生!~藤田医科大学から「ICU短期研修」でやってきました。~

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今週初めの2 月 25 日から、藤田医科大学 小川広晃先生がECMOの勉強の ために当院へ来られています。 「 ECMO の研修」が目的ですが、 ICU の一員として日勤業務を行って頂けるとのことです。 小川先生にはECMOのことを多く学んでいただくとともに、我々スタッフも経験豊富な小川先生から多くのことを教えていただきたいと思います! 1か月間、どうぞよろしくお願いします。

新病院での体制vol.4 「集中治療室(Intensive Care Unit:ICU)」

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集中治療科部長の宮崎です。 新病院開院から 1 ヶ月が過ぎようとしております。   旧病院では 12 床で運営をしておりましたが、新病院では集中治療室 (ICU : Intensive Care Unit )は 2 病棟合わせて 24 床 (1 病棟あたり 12 床ずつ ) 構成となっております。現在はまずは 18 床で運営しております。     新病院 ICU の特徴をいくつか紹介します。   まずは全室個室での設計とし、ベッドの頭側にコード、配管が行かないように、シーリングペンダントを設営しました。   またER が1階、 ICU は 3 階と旧病院に比べ階層が離れましたが、 ER と ICU のドアの前のエレベーターでほぼ直通に近い設計になっておりますので、患者様の移動には大きな支障になりません。   さらに手術室は ICU と直通の廊下があり、手術室からの帰室もすぐに行えます。 ICU の前には血管造影室、 CT 室がありますので、血管造影、心カテーテル、画像検査にも移動距離が少ない設計になっております。     今後も倍増した ICU 、県内の他施設と共に、前橋市民・群馬県民の皆様の生命を守るべく、皆で今後とも精進して参ります。     ☆「新病院での体制」バックナンバー(全4回) vol.1 前橋ドクターカー日赤   https://drheli-gunma.blogspot.com/2018/06/vol1.html vol.2 群馬県ドクターヘリ   https://drheli-gunma.blogspot.com/2018/06/vol2.html vol.3 救急外来   https://drheli-gunma.blogspot.com/2018/06/vol3-emergency-roomer.html vol.4 集中治療室

「新病院落成記念式典・内覧会・祝賀会」が執り行われました!

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集中治療科部長・救急科副部長 宮崎です。 去る 4 月 21 日に当院新病院落成記念式典、内覧会、祝賀会が執り行われました。県内外から多数の来賓の方々にいらしていただきました。誠にありがとうございました。 落成記念式典では来賓の皆様にご挨拶を頂戴しました。 続く内覧会では、皆様に新病院での病棟、 15 室もの手術室、サイバーナイフ装置、拡大した救急外来と倍増した ICU をご見学いただきました。 私は ICU におりまして、全室個室仕様と、青を基調にした色調で患者様の居住性を重視した設計コンセプトの説明をいたしました。 祝賀会では、新病院での新調理システム“ニュークックチル”を使用して、当院栄養課の総力を結集した料理を提供いたしました。栄養課の皆の腕がよく、皆様にご満足いただけましたようですね。 22 日にも内覧会を開催いたしました。医師会・歯科医師会の先生方、各病院の職員の方々など、 1000 名を超える方々にご見学を頂きました。皆様から随所で大変高い評価を頂きました。誠にありがたい限りです。 来る 5 月 3 日、今度は一般市民の方々を対象に内覧会を行います。私は ICU におりますので、よろしければ、お会いしましょう。 当院はますます機能を整備し、地域の方々の健康と生命を守るために邁進して参る所存にございます。それには市民、県民の皆様や、市内県内あるいは県外の医療機関の皆様の協力が不可欠です。今後ともよろしくお願い申し上げます。

新病院建設現場にお邪魔しました!~ICU&格納庫編~

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町田です。 新病院の外壁に「前橋赤十字病院」のロゴが付いたようです。いよいよ感が漂ってきましたね。 (☆詳細は新病院建設ブログで → http://kensetsu-maebashi.blogspot.jp/ ) でも古いものが好きな僕にとっては今の建物で診療できる時間が少なくなっているのもさびしく感じています。 先月のERに引き続いて、今回はICUを見学しに新病院建設現場をお邪魔しました。 (☆ER編はこちら → http://drheli-gunma.blogspot.jp/2017/06/er.html ) 今の病院と異なって新病院のICUは3階に配置となっています。しかし、救急外来とエレベーターで直結していることや同じフロアに手術室や血管撮影室が隣接していました。今の病院では救急外来から手術室まで病院の両サイドを移動しなくてはいけなかったことを考えると、これは本当にうれしいことですね。 今回の感想も・・・「広い!」 広いということはそれだけ効率的に動かないといけなさそうです。新病院のICU運用に関しては集中治療科部長の宮崎先生を中心に話し合いが始まっています。 ICUを見渡せるカウンター設置予定場所 患者ベッドが入る部屋 熱傷患者用の浴室 帰り際に格納庫も見させていただきました。 すでに外枠は完成しています。このから内装やいろいろな資器材の調整が必要です。 ここにドクターヘリが格納されるまでにやることはまだまだありますね! 内装はこれから ドクターヘリがここに入ります! それにしても連日の蒸し暑い中、新病院建築に携わっている皆様には感謝の言葉しか思い当りません。本当に熱中症に気を付けていただきたいと思います。夏の期間だけでも現場救護所を設置できないかどうか考えてしまいました。 本来なら作業中止くらいの環境になっています・・・ 昨日の見学もあまりの暑さでたった30分で引き揚げさせていただきました。案内してくれる事務スタッフの方は「見学の付添いのたびに痩せる・・・」と言っていました。

「2016年度高度救命救急センター活動実績」の報告

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町田です。 今年は桜の開花が遅いと思ったらあっという間に散ってしまいました。毎年同じことを思うのですが、このはかなさが桜が人々を魅了する理由なのでしょうか・・・ 群馬県では今度は山間部で桜の開花しています。前橋市内はすでに葉桜になってしまっていますが、ドクターヘリで10分飛ぶと桜が満開ということもあり、群馬県は比較的長い期間桜を楽しめます。ちなみに僕の故郷の北海道はGW明けに本格的な桜のシーズンを迎えます。   本ブログではここ何回かで昨年度のドクターカー・ヘリの実績を報告させていただきましたが、今回は高度救命救急センターの活動実績の報告です。 救急外来受診数 約18,000名、救急搬送数 約6,000名と全体的に例年と大きな変化がありませんでした。スタッフが徐々に増えてきている分もっと受入するためのソフトのキャパシティーがあるのですが、病床数の制限や急性期をのり切った患者さんの転院先の確保不足などもありハード的に限度があるように感じています。また当院ICUで管理が必要な超重症患者の紹介も増えており、ICU滞在日数が延長傾向にあります。しかし最後の砦として重症患者さんの当院への集約は群馬県の救急医療において避けられないことです。   今回の報告は数値だけですが、重症患者の救命例や当院での取り組みについては様々な関係学会や論文等で積極的に報告していく予定です。   これからも前橋赤十字病院高度救命救急センターの活動へのご理解とご協力のほどよろしくお願いします。     ☆☆前橋赤十字病院 高度救命救急センター 2016年度活動実績☆☆ この建物での救急集中医療の日々もあと1年わずかとなりました。 新病院建設の状況・・・ 基礎工事が終了後は一気に建物の建築が進んでいます!

前橋赤十字病院 高度救命救急センターの2015年度実績です(速報値)。

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ただいま中村センター長、滝沢看護師、太田主事が阿蘇医療圏で、小倉医師が熊本赤十字病院で支援活動中です。医療救護班、小倉医師ともに来週初めまでの支援の予定ですが、当院では引き続き派遣チームの準備をしています。当院以外からも、当院OBの高橋先生がDMAT事務局の支援に入り、群馬県の医療派遣チームとして群馬大学医学部附属病院チーム、DMATロジスティックチームとして館林厚生病院の放射線技師さんが熊本で活動中です。オール群馬で熊本をサポートしていきます! 小倉医師からの報告では、ご自宅が被災されているにも関わらず患者さんのために病院スタッフの方々が働き続けているとのことです。少しでも病院スタッフの方々が休息できるように支援スタッフの皆様も安全に気を付けてガンバってください。 2016年度も早いもので3週間が過ぎました。 新しく来たスタッフに空き時間を使って「病院前外傷診療(救急隊が何を行ってくるか)」「重症外傷初期診療(救急外来で救急隊から引き継いだ患者を院内ルールにのっとりいかに迅速な診療を進めていくか)」などのシミュレーションを行いながら、ER,ICUですでにいちスタッフとして活動してもらっています。 3月からドクターヘリと同時待機可能となったドクターカーは、4月に入っても1日1件以上のペースで要請を頂き、今最も伸びていく領域だと感じています。また学生実習やたすき掛け初期研修など、積極的に未来の医療を担う若者との交流も盛んに行っています。 カー・ヘリドクター・ナースの育成も同時進行中! 実習・研修生のドクターヘリ見学! 2015年度の当院救命救急センターの実績報告です。(あくまで速報値でこれから病院ホームページや年報などで正式に発表されると思います。) <高度救命救急センター実績> (クリックすると大きく表示されます) 救急外来患者数、救急車搬送人数、救急入院患者数などは昨年度も増加していましたが、プレホスピタルの活動実績は減少しました。 <基幹災害医療センター実績> ①関東・東北豪雨:常総市水害対応  ・日赤医療救護班 第1班 : 9/13-16  ・日赤災害コーディネートチーム 第1班 : 9/13-16  ・日赤災害コーディネートチーム 第2班 : 9/19-21 ...

第37回日本呼吸療法医学会学術集会に参加しました。

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劉です。   7 月 17-18 日、台風直撃のなか京都で行われた『第43回日本呼吸療法医学会学術集会』に参加してきました。 本学会と同時開催で、『2th Asia Pacific ELSO 2015』 も開催されており、人工呼吸器管理および膜型人工肺による体外循環を中心とした話題で盛り上がりました。       当院からは医師3名、臨床工学技士1名からの演題発表があり、うち Extracorporeal membrane oxygenation(ECMO) 演題が 3 つ、早期離床演題が1つといかに当院が ECMO に力をいれているかがわかります。 VV-ECMO の経験症例数が 1 年間で約 10 例あるということはやはり伊達ではありません。   中野 院長(評議員) ・座長:一般ポスター「ECMO」 鈴木 医師(評議員) ・座長:一般口演「ECMO」 ・一般口演「ECMO」 「ECMO 治療成績向上の鍵はECMO プロジェクトの推進と患者の集約化である」 小倉 医師 ・一般口演「ECMO」 「ECMO 導入時における経食道エコーガイド下カニューレ挿入」 劉 医師 ・一般口演「ウイニング」 「重症呼吸不全に積極的な早期リハビリテーションプロトコール導入により早期離床および人工呼吸器離脱を達成した症例」 関 臨床工学技士 ・一般ポスター「ECMO」 「成人VV-ECMO を施行した患者に異なる人工肺を使用した経験」 そんな中、私の発表は「 ICU における早期離床」についてです。 早期離床は今現在世界的な大きな流れとなりつつあります。 1990 年代から人工呼吸器患者を中心とした、安静管理をされた ICU 患者の合併症に注意が向けられるようになりました。 ICU 患者は深く鎮静をされ、筋肉は萎縮し、社会復帰が困難となる、そんな流れがとても問題視されるようになったのです。そんな中、 ICU 患者における運動療法・リハビリテーションに注目があつまり、早期離床の安全性、有用性が証明され、現在では確固たるエビデンスとして世界中の施設から離床の現状が発信されるようになりつつあります。 しかし日本ではどうでしょ...

たまには息抜きを・・・~『ICU歓送迎会』を開催しました!~

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みなさんこんにちは。救急科の白戸です。 5 月 29 日に ICU 歓送迎会が行われました。今回、わたくし白戸が幹事を務めさせていただきましたので、ご報告させていただきます。 街中の韓国料理屋にて、 40 人超の大人数で行われました。看護師、医師合同の歓送迎会は今年度は今回が初めての試みでしたが、大盛況でした。職場でのクールな振る舞いとは違った一面を見れた人がたくさんいました。 二次会も開催されましたが、わたくしの記憶がいまいちなく、報告ができません。ごめんなさい。 ICU は 24 時間運営ですが、時には息抜きも大事ですね。 さて、今回の歓迎者は看護師の清水さん、医師の内海先生、橋本先生、伊藤先生でした。 これから ICU でも居酒屋でもよろしくお願いします。

2014年度高度救命救急センター活動実績報告!

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広島空港での飛行機事故のニュースが飛び込んできました。 幸い重傷者はいなかったとの報道ですが、一歩間違えれば大災害に発展していた可能性があり、なかなか心中穏やかではありませんでした。 しかし広島には土砂災害の対応などで活躍した優秀な医療チームがそろっています。おそらく今回も現場での情報収集や病院での患者対応に一生懸命頑張っている仲間たち、そして関係各機関に皆様にエールを送ります!       前橋赤十字病院高度救命救急センターにおける2014年度の実績がまとまりました。(あくまで当科で管理している手元にあるデータをまとめたものですので、最終的に正確な数値がそろい次第あらためてお伝えする予定です。)   2014年度で特筆すべきことは、年間の救急車受入れ台数が5000件前後であったのが、2013年度より伸び始め昨年度にようやく6000台を突破しました。 また16日間にわたる長期運休がありましたがドクターヘリ出動数も運航開始より連続して出動数の増加を記録し、さらに防災ヘリドクターヘリ的運用、ドクターカーによる出動を合わせると、年間1000件を超える症例に対して病院前から高度の医療が開始されるようになりました。 そして救急車受入れ台数や病院前医療の増加に伴ってより重症患者に対応するようになってきており、それにあわせて当科の入院患者数の増加とともにICUに入室する患者数も激増しました。 毎年度記録として公表している数値(上記表中の項目)に関しては、2014年度はすべて前年度より増加傾向を認めましたが、それは当科スタッフの増員もありある意味当たり前の結果であったと感じています。 しかしながら実績の上昇に関しては、当科のみの力では決してありません。 積極的に病院前に医療チームを引っ張り出していただいている消防本部、当院を信頼して搬送していただく救急隊、そして多くの救急患者にいつも協力して診療していただく各病院、各専門科医師、スタッフの皆さんの力なしでは成し遂げないことだと思っています。平時からの救急医療へのご協力のほど心より感謝いたします。 それでは治療成績に関してですが、ずばり“当院の成績はけっこう良いですよ”と言えると思っています。もちろんこの治療成績に関しては、今年度はより積極...

1日も早くICUから一般病棟に送り出すために・・・

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町田です。 ここ数日はめずらしく風が穏やかで(昨日は雨でしたが)、「いよいよ春はもうすぐ」と思いましたが、今日は朝から群馬はかなり強風です。山間部に出動したドクターヘリも、風の影響を考慮して安全おためにランデブーポイントの変更などを行いながら対応しています。 ちなみに冬の群馬の晴天率は高く、このような日はたいてい北日本から日本海側は大雪になっています。風や雪の被害がに事を願っています。 現在ICUの勤務体系は当科より研修医含めてほぼ毎日7名を日勤帯に配置し、うち1名がリーダーとして指揮命令&各科・各病棟・各職種のスタッフと連携をとってチーム医療を展開しています。 ちなみに当院はclosed ICUというスタイルをとっており、主治医は各科のままでICUでの全身管理を当科のICU当番(ICU専従医)が担っています。毎日夕方にはICUチームと主治医の合同カンファレンスを行い、患者さんの経過や今後の方針について意思統一を図っています。 当院のICUは術後や病棟急変に対応する通称「病棟ICU」が6床、救急外来からの入院患者に対応する通称「センターICU」が6床あります。夜間は各ICUに1名ずつ専従のICU夜勤医師を配置して、引き続き重症患者の全身管理を行っています。 ここのところ各コースの指導や救急外来の夜勤が多く続いていましたが、今週と来週は久しぶりにICUでの勤務を行っています。そして今週は月曜日からリーダーを任されていますが(勤務表でもともと決められています)、とにかく重症患者がヘリや救急車、まれに自力で当院救急外来に集まっていて、ICUの入室依頼がとても多くなっています。リーダー5日目の半ばにしてすでに17件の入室依頼を頂いていて、ベッドコントロールやスタッフの配置に毎朝頭を悩ませている日々です。 といいつつも、今週は術後の予定入室合わせて17件すべての入室依頼を今のところすべて受け入れることができています。 新入室を受け入れるためには、「患者さんの状態が安定していること」が絶対条件です。しかしそれ以外にも「転棟先の空床があること」「複数科にまたがっている病態があるときに各科が病棟管理を受諾してくれていること」など、様々な要素をクリアしなくてはいけません。 もちろんICU専従医やICU看護スタッフは患者さんの病状回復のために全力を尽くして...

「ベッドサイドに張り付いて見ていろ!」~研修医制度へのちょっとした苦言・・・~

町田です。 本日から3日間、東京のお台場で第42回日本集中治療医学会学術集会が開催されています。当院からも中野センター長、宮崎先生が座長として、また宮崎先生をはじめ医師7人、看護師1人より演題を発表させていただきます。会場で見かけましたら何なりとご質問、ご意見をよろしくお願いします。 僕はもともと外科系の医師をしていました。当院のICUのシステムと違い僕が学ばせていただいた大学病院は各科で術後ICUに入室した患者さんの管理を行っていたので、特に開心術後はずっと朝まで張り付いて患者さんを見ていた記憶があります。 いまは医学も発展し様々な病態のメカニズムがより詳細にわかってきています。今回の学会の抄録集を読んでいても、15年前に自分がしっている知識の何百、何千倍もの発展があるように感じます。治療法もより高度でより洗練されてきていて、15年前には治療困難と言われていた患者群が、今では普通に救命、社会復帰を得られています。 でも残念なことがあります。すべての病院にあてはまるかどうか知りませんが、ICUのベッドサイドに張り付いてみている研修医が減っています。自分がローテーションしている科の術後患者がICUに入っても、全員とは言いませんが入室時とカンファレンスの時に顔を出すくらいな印象しかありません。 どんなにモニターが発展しエコーなどの画質が良くなっていても、理論通りに必ずしもいかないところが重症患者管理の難しいところです。しかし重症患者さんは常に身体所見から様々なサインを発しています。それを見逃さずにすぐアクションを起こすことで、より早い回復が得られるものです。研修医時代の僕は決して知識は豊富ではなく(今もですが)、夜中ずっと患者を「診る」というよりも「見ている」という感じでした。しかし誰よりもICUの患者の変化に対応していました(正確には『サインに気が付いた看護師の報告にすぐ反応した』ですね)。そばで見ていることはとても大切なことなのです。 いろいろ書きましたが、当院の初期研修医はみんなまじめで勉強熱心で、そしてしっかり患者を診ています。当科のローテーションをしていると、何度も患者さんを診察して頭を悩ませながら真剣に良くするための努力をしています。 困ったことに「時間外は働かせるな!」「当直は月〇回以内にしろ!」など、いまの研修医制度のしばりが厳しい現状が...

集中治療を学びたい!~ようこそ、田上先生!~(群馬県ドクターヘリ11月活動実績速報付)

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昨日は雨でしたが今日は朝から青空が広がっています。しかし北日本が大荒れの天気の時は必ず群馬県はものすごく強い北風が吹きつけており、今日はドクターヘリの運航が厳しいほどの強風が吹き荒れています。     師走に入って短期間ですが新たな仲間が増えました。   以前に当院集中治療室の支援に来ていただいた先生がいらっしゃいましたが、その先生のご紹介で上尾中央総合病院麻酔科より田上大祐先生が3か月間の研修にやってきました。 田上大祐先生です。九州男児です! 当科はECMOプロジェクトをはじめ集中治療管理にもかなりの精力をつぎ込んでいます。集中治療を学びたい希望があり、これから3か月間みっちりと集中治療室での研修を予定しています。 短い期間ですがどうぞよろしくお願いいたします。     当院集中治療科・救急科での研修は随時募集しております。 詳細は ⇒  http://www.gunma-redcross-icuqq.com/recruit/index.html ☆群馬県ドクターヘリ11月活動実績速報☆  〇要請:106件(3.53件/日)・・・先月-27件、昨年同月+13件 〇出動:72件(2.40件/日)・・・先月-27件、昨年同月+3件  ・現場出動 55件  ・施設間搬送 2件  ・出動後キャンセル 15件(キャンセル率:20.1%)  ・その他 0件 〇未出動:34件  ・重複要請 18件  ・救急隊現着後キャンセル 6件  ・天候不良 2件  ・待機時間外 7件  ・その他 1件   ☆未出動に対する代替出動:8件  ・栃木県ドクターヘリ 1件  ・足利ドクターカー 2件  ・高崎ドクターカー 1件  ・前橋ドクターカー 4件 月別要請数(上)・出動数(下) <要請消防本部>要請/出動:106/72件  ・前橋市消防 26/16件   ・渋川広域消防 20/16件  ・高崎市等広域消防 12/7件  ・吾妻広域消防 9/5件  ・館林地区消防 8/2件  ・伊勢崎市消防 7/6件   ・桐生市消防 7/...

ICU夜勤体制に少しずつなじんできました!

町田です。 サッカーW杯の日本代表の戦いは終わってしまいましたが、国の代表として遠いブラジルの地で奮闘していましたね。本当にお疲れ様でした。それにしても世界各国のレベルの高さに驚くばかりです。 今年に入ってICUの夜勤体制が始まっています。「どんなに夜中が忙しくても必ず朝から1日が始まる」リズムが染みついた体には、まだ朝起きて病院に向かわずに、夕方出勤して翌朝まで働いて、昼には帰宅できる生活リズムがなれません。 とは言いつつも、若いころは体力に任せて連続勤務ができていましたが、今はなかなかそうもいかなくなってきており、仕事中のリスクなどの軽減にも時代の流れを受け入れることはそんなにむずかしことではありませんでした。 ただし今まではICUの日勤の中からそのまま当直医がいたのと変わって、夕方から夜勤専門の医師2名が登場します。つまり日勤のスタッフの申し送りがとても大切になります。診る医師が変わっても、基本的方針は必ず同じでないといけません。いかに効率よくわかりやすく申し送りできるか、若手スタッフのプレゼンテーション力が試されています。 夜も夜勤できているスタッフは比較的体力的にも余裕があり、夜中にも今までより必要な治療を進めることができます。 余談ですが、朝の日本vs.コロンビア戦の30分前までずっとICUの重症患者の管理でベッドサイドを行ったり来たりしていました。ちょっとだけ仮眠のために横になったら、気が付いた時には試合終了15分前・・・年齢とともに徹夜ができなくなってきました。ちなみに僕が仮眠した2時間はナースと一緒に夜勤であった若手スタッフがきちんと診てくれていました!

めったにない光景!(各科・各病棟のご協力に感謝)

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町田です。 実は週末にICU内で工事がありました。 壁を取っ払う工事でした! 工事の影響で先週末からICUを減床して対応させていただいたため、一般市民の皆さんや関係各機関の方々には少なからずともご迷惑をおかけしたと思います。心よりお詫び申し上げます。 尚、かなり前から通知していたこともあり、各科で大手術の日程を調整していただいたり、各病棟で患者さんを積極的に受け入れていただいたりなど、皆様のご協力に心より感謝いたします。 こんなにがら~んとしたICUははじめて見たかもしれません!?めったにない光景です!! もちろん今朝から通常通りの運用を再開しています。

時間との闘い!~30分以内、60分以内を目指して~

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町田です。 僕の出身は群馬ではありません。他県出身者から見て群馬の特徴的なところはたくさんありますが、その中の一つに「かるた好き」ということがあります(あくまで個人の独断と偏見ですが・・・)。 皆さん『上毛かるた』を知っているでしょうか?群馬の名物、名産、歴史をカルタで紹介しているもので、先日世界遺産の最終推薦を受けた「富岡製糸場」は『に:日本で最初の富岡製糸』として紹介されています。小学生では全県大会もあるようです。 実は当院正面玄関にもこのようなものがありました。 これは上毛かるたではありませんが、このように当院は紹介されています。地元の期待にますます応えないといけないですね。 ゴールデンウィークが明けて、救急外来の受診者数は少しばかり落ち着いてきたようですが、まだまだ重症患者さんが多く搬送されてきています。 ドクターヘリにより早期医療介入に関しては、今月8日までの現場出動に関わる28件の要請のうち約8割にあたる22件が救急隊現着前要請となっています。先日重症外傷に対して早期要請による救命事例があり、まさに早期医療介入が功を奏しています。 そして早期医療介入だけではなく当院に搬送された重症患者さんに迅速に決定的治療を開始することも重要であることも今まで以上に意識するようになっています。病院前でいくら効果的な初期診療が行われていても、搬送された病院で迅速かつ適切な治療が行われていなければ意味がありません。 ドクターヘリや救急隊からの情報に対して、病院では患者さんの到着前に万全の準備をしておいて、患者さんが来た瞬間から根治的治療に向けて最短時間で進めていく、まさに時間との闘いです。それには当科のみならず各専門科の協力が必要ですが、当院は各科の力強いバックアップがついており、このゴールデンウィーク中も休日にもかかわらず搬送されてきた重症患者さんに対して、速やかに決定的治療が施されていました。治療後にはもちろん当科スタッフが控えている集中治療室でしっかりとした管理が行われています! 『時は金なり』です。失われた時間は後悔しても戻ってきません。患者さんにとってその1分がプラチナの時間です。これからもっともっと多くの患者さんの救命・社会復帰に貢献できるように、各機関、病院間、病院内との連携をもっともっとスムーズにしていこうと思います。 ...