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県を超えた情報交換!~ようこそ、済生会横浜市東部病院スタッフの皆様。~

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町田です。 台風が日本を横切り(正確には南北に縦切り?)、各地で大きな被害をもたらしています。台風の影響で群馬県も昨日から3日間はずっと雨の予報でしたが、なぜか今日は午後から日差しが見える時間もあり、とても予想しにくい天気になっています。いずれにしてもまだまだ予断は許さない日々が続きます。 今日は午後2時半過ぎから運航開始でしたが、 終了時間ギリギリまで立て続けに4件の出動がありました。 群馬県で運用中の『救急医療搬送支援システム(現・群馬県統合型医療情報システム)』についての視察で、今日は群馬県庁に済生会横浜市東部病院の医療連携に係るスタッフの方々が訪ねてきました。 済生会横浜市東部病院といえば、今年2月に救急科副部長の船曳和弘先生に当院でDCIRについて貴重なご講演をいただきました。また同院の先生方とは災害講習で講師としてご一緒させていただいたり、先日の外傷学会や連合外科学会では同じセッションで発表させていただいたりと、ここのところ何かとご一緒して多くのことを学ばせていただいております。 ☆船曳先生のご講演 → http://drheli-gunma.blogspot.jp/2015/02/dcirivr.html 本当は当科スタッフも参加する予定でしたが業務の都合で足を運ぶことができず、丁寧に対応していただいた群馬県庁医務課の皆様に心より感謝しております。 また県庁での視察を終了後に当院までわざわざ足を運んでいただき、実際にそのシステムをどのように活用しているか確かめていただきました。また当院救命センターを案内しながら済生会横浜市東部病院のお話を伺い、それぞれの良いところの情報交換を行うことができました。来ていただいたにもかかわらず僕の方がたくさん刺激を頂きました。 医療連携センター、地域医療連携室、療養福祉相談室の方々が いらっしゃいました。 ご一緒にハイチーズ! 自分からいろいろな病院を見学することももちろん勉強になりますが、当院に来ていただいた方にご案内させていただくことでもっと多くのことの刺激を頂くことがわかりました。 このような交流はこれからもどんどん広げていきたいですね! 最後は皆様に見送っていただけながら、 ドクターヘリは群馬ヘリポートに帰還しました。

“たらい回し”をなくせ!(番組宣伝です。)

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町田です。 救急車の搬送先がなかなか決まらず何件も病院に断られることを、よく一般的に“たらい回し”と言われます。しかし勤務医の人員や待遇が厳しいこのご時世、実際には対応したくても「救急患者を何人も抱えている」「緊急手術中」などでどうしても対応できない場合があります。それをひとまとめに“たらい回し”と言われることに医療側はとても不快感を覚えることがあります。しかし実際には「医療側の勝手な都合で断っていることがゼロではない」ことも事実です。 重症患者さんにすぐに医療の手を差し伸べてあげられないことほど不幸なことはありません。当科でも積極的なドクターヘリ・ドクターカーの活用、隣県との連携を拡げて、病院前に積極的に医療スタッフを派遣する手段を講じているとともに、受け入れに関してもどうしても救急車が受け入れられなかったときに「受け入れ困難書」を提出し、その判断が妥当であったかどうか病院に評価してもらっています。 さらに「救急車が24時間でどの病院に搬送しているか?」、「各病院がどれくらいの救急車を受け入れているか、また受け入れられなかったか、そしてその理由は?」など、実際に行われている救急搬送の実態を『見える化』させた「救急搬送支援システム」が導入されています。このシステムの導入によって群馬県では受け入れ不応需件数の減少、救急搬送時間の短縮が可能になってきています。 このタブレット端末に入っています。 今回そのシステムの開発に携わった佐賀県庁の方をテレビ番組の特集で放映されることとなりました。実際に佐賀で導入されたシステムを群馬県で取り入れることとなったのですが、その際にシステムの使用方法、群馬にあったアレンジなどのために群馬県庁、各病院、各消防本部にわざわざ足を運んでいただき直接説明していただきました。 いまは埼玉県と連携した「統合型医療情報システム」にバージョンアップして、患者さんにさらに医療の手を早く差し伸べるためにさらに進化しているところです。 今回の番組ではそのシステムがどのように運用されているか、『見える化』をきっかけに現場の意識がどのように変わっていくか、実際に本システムを活用している群馬県内の様子も放映される予定です(当院でもERスタッフの密着取材が行われました)。 ☆放送予定☆ 平成27年2月1日(日) 18:3...

今年のキーワードは『埼玉県との連携』です。

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町田です。 2年前の春の高校野球で初出場初優勝で群馬県に歓喜をもたらした前橋育英高校が、準決勝でPK戦の激戦の末に勝利を収めて決勝に進出しました。決勝もぜひ頑張っていただきたいですね! 仕事の一休みに・・・のつもりが見入ってしまいました。 ところで国立競技場の改修工事に伴い準決勝、決勝は『埼玉県』で行われています。 そうです、今年は群馬県の救急医療にとってなにかと『埼玉県』とは連携が深まる年になります! 利根川と神流川を挟んで北に群馬、南に埼玉と、橋1本で隣り合っている関係にあります。 昨年末には「群馬県救急医療搬送システム」が『群馬県統合型医療情報システム』とグレードアップして、救急車の搬送状況、病院の受入れ状況などに関して群馬県と埼玉県の情報が同時に見られるようになりました。 もともと埼玉県北部の救急車を群馬県内の病院で相当数受け入れていたことは周知していましたが、その数が実際に見られるようになり県境と医療圏が必ずしも一致していないことをあらためて確信しました。それ以上に驚いたのは、やはり埼玉県は群馬県に比べて救命センターが2.3倍に対して人口は3.5倍いるので、一つの救命センターが受けている救急車の数が群馬県よりも平均的に高いことでした。 まだまだ当院の救急車受入れ数で“忙しい、忙しい”と言っている場合じゃないですね。 埼玉県の各病院の救急車受入れ状況もモニターできます。 そして群馬県ドクターヘリにとっても、北関東(茨城県・栃木県・群馬県)広域連携に続き、今年は埼玉県と広域連携を締結する予定です。すでに広域連携運用要領作りも大詰めを迎えており、1日も早い運用開始を待つばかりです。 先ほども書きましたが、県境と医療圏は必ずしも位置していません。気軽に隣県にも出動できるような体制になれば、県境関係なくその時最も早く患者さんのもとにたどり着けるドクターヘリを要請できるようになるでしょう。それが僕の目指しているところでもあります。 左:茨城県・栃木県・群馬県ドクターヘリ広域連携のマニュアル 右:群馬県・埼玉県ドクターヘリ広域連携マニュアル(作成中) ともに表紙はゆるきゃらが飾っています・・・  これからは以下のような動きは当たり前の時代になってほしいと感じています。  群馬県ドクターヘリと栃...

『救急搬送支援システム』のさらなる展開のために・・・

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町田です。 まずは美しい写真から! ここ2週間、ドクターヘリは日没間際の出動がとても多いのですが、出動の帰りは美しい夕景に出会え心が安らぎます。 県北の山間部から長野県方面を望む! 県央の平野部から山梨方面を望む! 本日当院に総務省より円城寺さんという方が訪れました。 以前ブログで書きましたが、昨年12/26から群馬県で『救急搬送支援システム』が導入されました。 http://drheli-gunma.blogspot.jp/2012/12/blog-post_29.html 実はこのシステムを最も早く導入したのは佐賀県で、そのシステムの導入に尽力したのが佐賀県庁の円城寺さんです。ちなみにドクターヘリにも導入されており、各病院の救急車の受入の現状や、疾患毎にに搬送先病院の選定のサポートととして利用しています。 群馬県で導入されて1ヶ月を過ぎましたが、県庁、病院、消防がもっと有効に活用できるように、群馬県にきていただいてバージョンアップを含めてアドバイスをしていただきました。 左下が『救急搬送支援システム』です。 その他、ERには緊急度判定システム(右下)、ERベッド使用状況(上)があります。 ものすごい電子化していますね~! 佐賀県では本システムが導入されてから、病院の救急車不応需が減少傾向あるとのことです。 群馬県はまだ1ヶ月しかたっていないのでまだその効果は判定できませんが、救急車出動が1日で300件近くあることや、救急車不応需が1日で100件を超す日があるなど、とても残念な数値が目に飛び込んでいます。 この数値を一般市民、消防、病院がどのように感じて、そしてどのように改善していくかがこれからも本システムの運用にかかっているかもしれません。 下の列左から2番目が円城寺さんです。 貴重なお話をたくさんありがとうございました。 夜に群馬県庁や当院の担当者の集いに飛び入り参加しました。 佐賀県の様々なお話やプレゼンテーションのコツなど、いろいろ役に立つ話を楽しく聞かせていただきました。今後ともアドバイスのほどよろしくお願いします。 群馬の思い出に、ドクターヘリ運航終了後に屋上ヘリポートから群馬の景色をバックにドクターヘリの群馬ヘリポートまでの帰還を見届けていただきました。佐賀県も今年にドクターヘリ...

『救急搬送支援システム』が導入されました!

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町田です。 昨日は仕事納めでしたが、救命救急センターは今日からが本当に多忙になります。救急車の受入数も救急外来の受診者数もどんどん増えてきています。普段とは違い受診できる病院が限られていますので、救急病院が忙しくなるのは仕方ないことです。 皆さんにおねがいです。混雑とともに待ち時間も長くなってくることが予想されるので、インフルエンザやノロウイルスなどがうつらないよう病院受診の際はマスクなどしっかり自己防衛のほどよろしくお願いします。帰ってからのうがい、手洗いも忘れずに! 12月26日から群馬県にも『救急搬送支援システム』が試行段階ではありますが導入されました。 県内11消防本部と全救急車104台にタブレット端末を配布し、その端末からは予想される疾患などからどの病院が対応できるかを検索できたり、各病院が直近24時間で何台救急車を受け入れしたか(受入不可も!)がわかります。 このようなタッチパネルで病院検索ができます。   【写真左】直近24時間の各病院の救急車の受入数、受入不可数が一目でわかります。 【写真右】救急隊が受入要請した病院、受入不可の理由もわかります。    ドクターヘリに関してはまだ試用中ですが、現在のドクターヘリの運航状況や受入もわかります。   実際にドクターヘリでもこのシステムを使用してみましたがなかなか良い印象を持ちました。 フライトドクターは群馬県内の医療状況を把握していることも一つのスキルとして持ち合わせていなくてはいけませんが、10分ごとに自動更新されるためリアルタイムで今その病院が対応可能か、救急車であふれかえっていないかなどを手に取るようにわかることができ、そのタイミングでベストな搬送先の選定の助けになると感じました。   このシステムを有効に活用することで、患者さんのより早い病院収容やドクターヘリ接触による医療の早期介入に大いに役立つ可能性がありそうです。       今日の群馬ヘリポートはにぎやかでした。 群馬県では毎年元日に社会人日本一を決める『ニューイヤー駅伝』が開催されますが、その準備のために東京から報道用の大型ヘリがやってきました。また年末ですが群馬県警察ヘリ...