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「伊勢崎四ツ葉学園中等教育学校進路指導講演」を行いました。

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中林です。 昨年11月下旬に伊勢崎四ツ葉学園中等教育学校において、医師看護師をはじめ進路として医療系を目指している 30 人くらいの中高生を対象に、‟医療現場の実際とそこで求められるもの”についてお話ししてきました。 大学受験や国家試験をクリアする自体はその時点だと目標ですが、あくまでスタート地点であって、それからずっと終わりなく学びながら仕事を続けていくことや、自分ではなく相手となる患者さんや家族がどうかという視点で技術やサービスを提供すること等をテーマにして、生徒さんたちのモチベーションアップに繋がってもらえたらといいなと思いました。 講演の後には複数の生徒さんから質問をいただき、校長室に場所を移してお話ししてきました。 働いてからの様子が多少なりとも想像できたでしょうか? 地元で人々の健康を支える仲間がひとりでも増えるように、本来の臨床業務に勤しみつつ活動していきたいと思います。

“こんなとき どうしよう?”~「こどもの救急」について講演しました。~

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中林です。 保護者の方々を対象に依頼を受けてこどもたちが急な病気やケガをしたときの応急処置や家での手当についてお話してきました。 重症な病気やケガに向き合うことも必要ですが、そもそもそうならないように、また日々のこういった病気やケガで悩んだり不安に思ったりする機会は圧倒的に多いです。そうしたときに少しでも不安を減らし、お子さんの様子をしっかり看ていただく参考になるよう、発熱や嘔吐下痢をはじめ、身近なテーマでお話しする内容を組んでみました。 最後にはお子さん連れのご家庭もいましたため、人形を使った胸骨圧迫と人工呼吸のトレーニングも行いました。実際の現場では蘇生処置に関する受講経験の有無がいざ行うときの障壁を乗り越えるための要素として大切だと言われていますので、事ある毎に話題提供していきたいなと思います。

“保健室における応急処置”~「伊勢崎・佐波地区養護教諭部会研修会」で講演しました。~

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中林です。 昨年10月に行われた「伊勢崎・佐波地区高等学校・中等教育学校・特別支援学校養護教諭部会研修会」での講演の報告です。   高等学校の保健室を担当する養護の先生たちを対象に、保健室を利用する生徒さんの理由に注目して、それぞれの対処方法や、医療機関への受診が必要なときにどんなことを準備してもらえたら助かるかといったことについて一緒にお話する機会をいただきました。   ケガしたとき、おなかが痛いとき、災害が起こったときの役割から万一生徒さん ( 先生!? ) が倒れて心肺蘇生が必要なときの初期対応 (* 参照; NHK News Web Easier 「女性にも迷わず AED を使ってほしい」 : https://nhkeasier.com/story/2782/   これはオススメの記事です ) まで、幅広く情報提供と意見交換を行うことができ、あっという間の 2 時間でした。     医療機関で勤務していると、病気やケガといった暮らしのうち「非日常」とばかり接しているので、生徒さんたちの日常と、そこで生じる悩みや困ったことを養護の先生たちからお伺いすることができて、私自身人への関わりとしての医療への携わり方を見返すいい機会になりました。  

‟大災害発生!いざ、どう行動するか?”~「愛知県立大学 看護実践センターセミナー」報告~

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町田です。 5日間で3回のトークタイムの報告の最終回です。 小学校PTAセミナー、大阪蘇生シンポジウムに続いて、12/8に名古屋で開催された「愛知県立大学 看護実践センターセミナー」の報告です。 このセミナーには昨年度も講師として参加させていただき「局地災害」と「広域災害」についてそれぞれ1時間半ずつの講演でした。 *昨年度のセミナーの様子 → https://drheli-gunma.blogspot.com/2018/12/2.html そして今年度は講義だけではなく机上訓練をとりいれ、受講者の皆様と一緒に考えながら進める3時間とさせていただきました。 今年度もとても多くの自然災害が発生し、多くの病院が災害対応を請け負うことになったと思います。 災害拠点病院や急性期病院だけではなく、いつご自身が勤めている病院に患者さんが殺到するかわかりません。そのような多数傷病者対応をしないといけない状況が地域で発生した時に、病院はどのような動きをしなくてはいけないか、また個人としてどのような心構えが必要か、避けられない現実に立ち向かうためのきっかけを与える時間としました。 特により迅速な対応が必要な交通災害の局地災害を題材に、病院に第一報が届いてから1人目の患者さんが来るまでの短時間での準備を中心に、おおよし6人1グループでテーブルディスカッションを通して参加者同士の情報交換も行うことができました。 今年もこのような貴重な時間を提供していただいた愛知県立大学看護学部教授の清水先生をはじめ関係者の皆様に心より感謝いたします。

‟「いのち」について考えよう” ~「小学校PTAセミナー」でお話ししました。~

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町田です。 この1週間は3か所(高崎、大阪、名古屋)でお話する機会をいただきました。テーマも「命」「蘇生」「災害」とバラバラですが、どれもいままでの経験をもとに感じたことや伝えたいことばかりです。 これらについて少しずつ紹介させていただきます。 さっそく第一弾は、自分の娘が通学している小学校のPTAセミナーでの講演です。 僕の家族のことに関わる内容のため本ブログでは学校名を伏せさせていただきますが、家族が長年お世話になっている地域の小学校から講演の依頼をいただきました。 今回は小学3~6年生とその保護者を対象に「いのち」に関するお話をしましたが、セミナーの最初に校長先生から「仕事を知る良い機会にもなります!」というキャリア教育も期待するご挨拶をいただいたため、話す内容を途中で調整しつつ脱線しすぎないように自制しながら「生きることの大切さ、素晴らしさ」について、小学生に語り掛けていきました。 目の前に娘や娘のお友達がたくさんいたり(講演中は娘の顔は一度も見られませんでした・・・)、それ以上に知り合いの保護者の方々がたくさんいらっしゃって、今まで以上に緊張した時間でしたが、子供たちの反応がとっても素直で盛り上がったおかげで楽しい時間を過ごすことができました。 最も心配していた保護者の方々からもおおむねご好評をいただき、何よりも子供たちから「〇〇ちゃんのお父さん、面白い人だね~」というコメントが僕にとって最もうれしい誉め言葉でした! 以前にも紹介させていただいた「命をつなげ!ドクターヘリ2~前橋赤十字病院より~」(青い鳥文庫、文・岩貞るみこ氏)も同校に寄贈させていただきましたが、子供たちに大人気で貸し出しがずっと続いているとのことです。子供たちは大人が思った以上に「いのち」について好奇心を持っています。だからこそ大切な命を守るために大人は子供たちと「いのち」について語りあうことが必要だと感じています。 僕自身ももっと若い救急医の皆さん方にもっともっとこのような活動の重要性を理解してもらい、地域の子供たちを「命をつなぐ大切な仲間」にしていくための活動も頑張ってほしいと考えています。 今回このような貴重な機会を提供していただいた、校長先生をはじめ教職員の皆様、PTAの皆様に心より感謝いたします。

“これからのドクターヘリー課題と解決策ー”~「HEM-Net創立20周年記念シンポジウム」参加報告~

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町田です。 11月25日に東京の霞が関ビルディング35階にある東海大学校友会館で開催された「HEM-Net創立20周年記念シンポジウム」にパネリストとして参加してきました。 HEM-Netとは“認定NPO法人 救急ヘリ病院ネットワーク”のことで、これからもドクターヘリの全国配備に尽力をしていただき、ここ最近は「D-call Net」や「ドローンとドクターヘリとのコラボ」など新しい取り組みを始めています。 今回のパネルディスカッションは「これからのドクターヘリー問題と解決策ー」というテーマで、以下のメンバーがそれぞれの得意(?)分野で発表を行いました。 <夜間運航> ・全日本航空事業連合会ドクターヘリ分科会 辻 康二 氏 「ドクターヘリ夜間運航に向けてーこうすれば飛べます!」 ・航空自衛隊航空救難団司令部 西村 修 氏 「航空自衛隊航空救難団の立場から」 <地域医療> ・宮崎大学医学部附属病院救命救急センター 金丸 勝弘 氏 「Doc-Heli for All, All for MIYAZAKI」 <周産期医療> ・長崎みなとメディカルセンター地域周産期母子医療センター 平川 英司 氏 「ドクターヘリを活用した周産期母子医療」 <広域運用> ・前橋赤十字病院高度救命救急センター 町田 浩志 「空から見えない県境との戦い~首都直下地震を見据えたドクターヘリ広域連携に向けて~」 <高度新技術の活用> ・日本医科大学千葉北総病院救命救急センター 本村 友一 氏 「救急・災害時のドローンの利活用と課題と展望」 ・株式会社ウェザーニューズ 高森 美枝 氏 「ドクターヘリ安全運航の為のニューテクノロジー」 何度目か忘れるほど同じ舞台に立つことの多い本村先生(写真右)とともに・・・ 災害時のドクターヘリ運用に関する盟友(戦友)です。 そして同じく長いことお世話になっているHEM-Net事務局の小山さん(写真中央)! 僕の発表は災害時のドクターヘリの連携について、今一度原点に立ち返り被災地外のドクターヘリが困っている被災地のためにすぐに動けるような広域連携を平時から築くことの意味について話をさせていただきました。 1998年にドイツで発生した高速列車の脱線事故では「発災直後よりドイツ全土から30機近くの医療ヘリが...

‟僕が救急医になった理由”~みどり市立笠懸小学校「キャリア講演会」~

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町田です。 ようやく秋らしい青空が広がるようになりましたが、朝晩の冷え込みから紅葉が鮮やかになる前に少しずつですが冬の足音も近づいてきているようです。 みどり市の小学校の先生との出会いをきっかけに、その先生からのご依頼でみどり市の小学校で特別授業を10年間行ってきました。 笠懸東小学校に始まり東小学校、そしてここ何年間は笠懸小学校で、「命」「ドクターヘリ」「災害」{体の仕組み」「差別と偏見」など様々なテーマで講演、時には理科や道徳の特別教師として授業も行いました。 そして10年目の今年は“キャリア講演会”とのことで、「その命、絶対に助けるんだ~僕が救急医になった理由~」というタイトルで小学校5,6年生にお話させていただきました。 僕が救急医になった理由はここでは書きません。あえて一つ書けばアメリカのドラマ「ER」の影響はめちゃくちゃ受けました。 子供たちに伝えたかったことは、あわてて‟職業”を決めるのではなく、「このようなことをしたい」「こういう夢がある」という強い思いを持ち続けることで、そのひとに最適な職業が見つかることがあるということです。 僕自身は「人とのかかわりを持ちたい」「チームワークで難敵に立ち向かいたい」という思いを持っていたので、小さいときに見たドラマ「ER」の印象がずっと残っていたのだと思っています。 そして講演の最後に、「仕事でも生きていく中でもうまくいかないことがあったとき、‟できななかった言い訳を考える前に次はどうしたらできるか考えよう”。」とメッセージを送って10年間の集大成とさせていただきました。 僕は救急医として働いています。それを支えている基本的な考えは「攻めの医療で命を守る」ことです。いまは救急外来やドクターヘリ・カーで戦っていますが、自分の立場、年齢に応じてきっと「攻めの医療」の形は変化するかもしれません。 自分自身も数年後はどこで何をしているかわかりませんが、どんな形であれ「攻めの医療で命を守る」という思いは変わらずに医師人生を進んでいこうと思います。

『第21回日本救急看護学会学術集会』に参加しました。

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お久しぶりです、小橋です。 『第 21 回日本救急看護学会学術集会』に参加してきました。 日本救急看護学会は救急領域に関わる看護師の多くが所属する学会です。 本学術集会は看護師対象なのですが、今回は病院前医療関連のシンポジウムへの依頼をいただき、発表を行ってきました。 今回、私が発表させてもらったのは、パネルディスカッション「高齢社会に向けた病院前救急診療活動の現状と展望」というテーマで、「病院前救急診療の目的を改めて考える 〜プレホスピタルケアの向かう先はどこか〜」について話をさせてもらいました。 群馬県の病院前救急診療体制について、また、いかにして早期医療介入・医療搬送を行うかについて考察し、現在の高齢社会で病院前医療はどのようにあるべきか、また、病院前医療に関わる看護師として求められることは何か、について他の発表者の方々とディスカッションをさせていただきました。 今回、発表をさせていただいて、やはり医師の目線と看護師の目線は違う、ことを実感しました。 医師は「医学的適応」を基に活動することがほとんどですが、看護師はどちらかというと「患者背景」などを重視しながら活動することがすることが多いように感じます。病院前医療に携わる人間として、看護師の目線も大事にしないといかんな、と思いました。 日本救急医学会学術集会の翌日で体力的につらかったですが、勉強になりました。

「利根川新橋シンポジウム」で講演をさせていただきました!

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町田です。 ありがたいことに毎年度いろいろな講演の依頼をいただいていますが、今年もこの時期から講演ラッシュが始まります。 本日夕方、今年度の第一弾である「利根川新橋シンポジウム」で基調講演をさせていただきました。 ‟何十年も前から前橋市と玉村町を新橋で結びたい”という話があり、新橋が医療に与える影響にについて、「新しい橋によって前橋市と玉村町の医療はこう変わる!」というタイトルで医療からの切り口で話をさせていただきました。 会場には500名近い方々が集まっていました。 今回のシンポジウムは主催が前橋市、玉村町、後援が前橋商工会議所、玉村町商工会ということで、救急医療やドクターヘリ・カーの話もいつもと違う切り口で話さなくてはいけないところがある意味新鮮でした。 基調講演の後のパネルディスカッションには 中野院長が参加しました。 スライドも数日かけて作りましたが、玉村町が利根川をはさんで南北に分かれていること、前橋市と玉村町を直接結ぶ橋はないことなど地理的条件や交通の歴史など新たな発見もありました。また伊勢崎市消防本部のご協力をいただき、玉村町管内の救急搬送の実績からバイパス道の開通や新病院移転による搬送先の動態を知ることができました。 今回のシンポジウムの講演の依頼をいただくことで、いつもとは違う切り口で地域の救急医療や病院前診療について考える良い機会となりました。 貴重な機会を提供していただいた前橋市、玉村町の関係者の皆様に心より感謝いたします。

“小児救急看護のスキルアップは成人救急看護から学べるか?”~「第14回小児救急医療ワークショップ」で講演しました。~

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中林です。 先日小児救急のメッカとも呼ばれる北九州市立八幡病院からお声掛け頂き、「第14回小児救急医療ワークショップ in 北九州」 に参加してきました。 私に与えられたお題は、 「小児救急看護のスキルアップは成人救急看護から学べるか?」 でした。 エビデンスのないナラティブな内容に対して、私が辿ってきた“小児科→小児救急・集中治療→公務員→成人救急・集中治療”という回り道ばかりの実務経験を元に、現在一緒に働くスタッフの声も参考にさせて頂きつつ、今の道を突き進むも良し、視野を広げたり新しいことを取り入れたりするなら他の領域の仕事を経験してくるのも良し、としてお話しさせて頂きました。 私自身も成人主体の救急医療に身を置きつつ、専門としている小児救急や、それを背景に働く存在意義について改めて考える、貴重な機会を頂けました。 ワークショップには看護師・医師を中心に 100 人以上の参加者が北九州だけでなく中四国や近畿からも集まって来られ、ワークショップの人気具合を感じました。 2 日にわたって行われた内容は小児医療にまつわる社会保障制度の解説に始まり、小児救急と基礎研究、児童虐待を疑うケースの模擬検証、スタッフのお子さんから協力を得たエコーハンズオンや、保護者への指導を目的とした家庭看護力サポーター養成講座など、多彩で盛りだくさんでした。 児童虐待の模擬検証を当日割り振られたグループに分かれて行い、順番に発表する様子。 皆さん熱心に取り組んでいます。 毎年少しずつ内容を変えながら毎年開催されているワークショップとそれを支える八幡病院のスタッフのパワーに敬意を表し、その一席を担わせて頂けたことに感謝しながら、群馬でもこれを見習ってみんなで小児救急を学べる機会が設けられたあらいいなと思いつつ帰路につきました。

“意外と多い「高齢者てんかん」の話”~群馬大学 山崎恒夫先生ご講演~

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後期研修医の西村です。 3 月 6 日に当院で「第 140 回地域連携学術講演会」があり、今回は「救急とてんかん」というテーマで、群馬大学 保険医療学科 教授の山崎恒夫先生をお招きしご講演いただきました。 最初に私のほうから一般演題として「当院 ER における高齢者非けいれん性てんかん発作の特徴」という題で話をしました。 “てんかん”と聞くと、手足をガクガク震わせるけいれん発作をイメージしますが、実際にはそういった体の動きを伴わないてんかん発作があります。具体的には、突然発語がなくなったり、同じ動作を繰り返したり、うろうろ動き回ったりします。そのような“非けいれん性”のてんかん発作が、当院 ER にどのくらい来院されているのかを調査し、結果を発表しました。 後半は、山崎先生から『意外と多い「高齢者てんかん」の話:はじめから丁寧に』という題の講演をいただきました。 群馬大学 保健医療学科 教授 山崎 恒夫 先生 そもそも「てんかん」とは何かという話から始まり、典型的な大発作や先ほど述べた“非けいれん性”のてんかん発作の動画を見て、そして実際に先生がこれまでに経験した「高齢者てんかん」の症例を提示していただき、非常に分かりやすく、そして具体的にてんかんのお話をしていただきました。 今回のテーマであった「高齢者てんかん」ですが、タイトルのとおり、意外と多いということがあらためて再認識されました。 そしてやっかいなのが、発作が起こっても気づかれにくく、認知症と誤診がされやすいという点です。山崎先生からも、手足をガクガクさせるてんかん発作ではなく、目が合わずぼーっとし、開眼はしてるが反応はなく、口や手足が同じ行動を繰り返したり、発作後にもうろうとするのが高齢者てんかんの特徴でもあり、これを「てんかんだ!」と気づくのは難しく、また「歳のためだろう。認知症だろう」と思われがちで、なかなか診断にたどり着くのは難しいとのことでした。 しかし、てんかんであれば、薬がよく効き、症状の改善が期待されるため、まずはこういった高齢者てんかんの特徴を知ってもらい、「てんかんかも?」と疑うことが大切であるとのお話でした。 今回の講演会は当院の職員だけでなく、市内の病院から先生や、救急救命士さんも参加されており、みなさん熱心に話を聞いておられまし...

“呼吸ECMOの将来性”~広島大学 大下慎一郎先生ご講演~

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増田です. 2 月 13 日,当院で恒例行われており今回 138 回目となる地域連携学術講演会が開かれました.今回は,当科・呼吸器内科合同での企画で,間質性肺疾患に対する ECMO を含めた集学的治療に焦点を当てた会でした. 僭越ながら一般演題を増田が担当させていただきました.当院で間質性肺疾患による重症呼吸不全に対し,ステロイド投与に加え深鎮静筋弛緩・ ECMO ・ PMX + CHF ・ rTM ,といった手段を用いて寛解へ導けた 2 症例の報告と,当院 ECMO センターの取り組みの紹介をしました. その後の特別講演に,広島大学から大下慎一郎先生をご招きして ,『呼吸 ECMO の将来性』と題した最新の知見をお話いただきました. 大下先生は呼吸器疾患のみならず救急・集中治療をも専門とされており,広島県ドクターヘリのフライトドクターでもあります.そして国内の ECMO プロジェクトにも関わり,今年 3 月に広島で行われる ECMO シミュレーションのディレクターとなられています. 広島大学 救急集中治療医学 准教授 大下 慎一郎 先生   従来,間質性肺疾患による重症呼吸不全は主に緩和の方針となることが通例でした.しかし,ダメージを受けた肺を“休める”ために ECMO を用いて生命を維持し,その間に上記のような治療を行う.これにより,もう一度患者が自宅に帰って穏やかに過ごす時間を作れる可能性が広がる,と思いました.     終了後は懇親会が開かれ,ワインをお嗜みになるという大下先生を囲み,赤ワイン片手に盛り上がりました. “前橋日赤の若手の先生 は臨床,学会発表,論文作成など非常に生き生きと頑張っている”とのお言葉をいただきました.うれしく感じたと同時に,これに甘んじず,当科・当院が救急・集中治療を学びたい医療者にとってさらに好ましい環境となるにはどうすべきか,今後も考え続けていかなければと思いました.