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6月, 2025の投稿を表示しています

前橋市でも猛暑続く!熱中症予防で命を守ろう

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こんにちは、ブログ担当 永山です。 ここ数日、全国的に記録的な暑さが続いていますが、群馬・前橋市も例外ではありません。 ★6月14日~20日の前橋暑さ指数(WBGT)推移★ 21 → 30 → 28 → 30 → 28 → 28 → 27 複数日が「厳重警戒〜警戒」ゾーンに達しています。 夏本番を前に、急激な暑さに体が追い付いていない今こそ、熱中症のリスクが高まっています。 こまめな水分補給・室内の温度管理・無理しない行動で、健康を守りましょう。 ■ 熱中症の深刻な現状 全国の搬送状況(週別) 総務省消防庁によると、2025年6月9日~15日の全国の熱中症による救急搬送者は 966人 (速報値)でした。 全国の搬送例と傾向(2024年夏) 2024年7月29日~8月4日の1週間では、熱中症による救急搬送が 12,272人 に達し、前年同期(11,284人)から8.8%増加。65歳以上の高齢者が60.3%を占め、死亡は21人(0.2%)、重症(3週間以上入院)は386人(3.1%)という深刻な内容でした。 ■ 熱中症になるとお金がかかる? 重症熱中症では入院が必要となり、1件あたり数万円〜数十万円の医療費が発生することがあります。 死亡や後遺症が残った場合、長期的な医療費負担や家族への影響も発生します。 ■ 熱中症を予防する3つのポイント 暑熱順化(暑さに慣れる)は1〜2週間が目安 環境省「熱中症環境保健マニュアル」では、暑熱順化には1〜2週間の時間が必要とされています。 運動や外出も、涼しい時間帯から徐々に強度を上げていきましょう。 喉が渇く前のこまめな水分補給を 日本スポーツ協会の指針では、運動中は15~20分おきに150~250mlの水分補給を推奨。 起床時や就寝前、1時間おきの水分補給や塩分入り飲料を取り入れるようにしましょう。 体調に変化を感じたら、すぐ休む めまい、けいれん、意識障害など初期症状が出たら、涼しい場所への移動・体を冷やし・水分補給が最優先。 重症の場合はすぐに救急車を呼びましょう。 ■ 特に注意したい人 65歳以上の高齢者(搬送者数の約60%) 乳幼児や持病を持つ人(糖尿病・心疾患など) 肥...

ICUってどんなところ? 〜当院の集中治療室をご紹介〜

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おつかれさまです。ブログ担当の永山です。 本日は当院の集中治療室(ICU)についてご紹介させていただきます。 ■ ICUとは? ICUとは「Intensive Care Unit」の略で、命の危機にある重い病気やケガの患者さんを、24時間体制で見守る特別な病室です。 ここでは、心臓や呼吸の動き、血圧、意識状態などを細かくモニターしながら、医師・看護師・リハビリスタッフなど、専門チームが一丸となって治療にあたっています。 ■ どんな患者さんが入るの? 大きな手術のあとにしっかり回復を見守る必要がある方 脳出血やくも膜下出血など、急な脳の病気で意識が悪くなった方 敗血症などで全身状態が不安定な方 交通事故や転倒などで重いケガをされた方 心肺停止(心臓が一時止まってしまった)後に救命された方 どの方も、今この瞬間の判断と治療が命を左右する状況です。 ■ 前橋赤十字病院ICUの特徴 前橋赤十字病院のICUは24床で、集中治療医が常勤する Closed ICU です。 年間患者数:847人(2022年) → 1073人(2023年) 術後管理だけでなく、敗血症、熱傷、外傷など多様な疾患に対応 全国と比較しても多くの重症患者を受け入れており、専門チームが連携して診療にあたっています。 地域の方が安心して診療を受けられるように、チーム一丸となって患者さんの回復を支えられるよう、これからも努力を重ねてまいります。 Facebookページはこちら Instagramページはこちら X(旧Twitter)はこちら

ECMOを対応したときに困らないために~ECMOことはじめ~

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お疲れ様です。ブログ担当の永山です。 6月に入り、新しく当院に加わったスタッフの皆さんも、徐々に日々の業務に慣れてきた様子がうかがえます。 この時期は、実際の現場での経験を積みながら、知識や技術を深めていく大切なタイミングでもあります。 ただ、現場で突然重症の患者さんを受け持つことになった場合、「どんな点に気をつけて観察や評価をすればよいのか分からず、不安になってしまう」という話もよく耳にします。もちろん、上級医がすぐに相談できるような環境をこころがけていますが、常に全員に目を配ることは難しいのが現実です。 こうした背景もあり、当科では積極的に勉強会を開催しています。あらかじめ知識を整理し、仲間と一緒に疑問点を解消しておくことで、いざという時に落ち着いて対応できる力を身につけてもらいたいと考えています。現場経験と勉強会での学び、両方をうまく活かして成長していただければ嬉しいです。 さて、今回は藤塚先生による「ECMO実践編」とめいうって、ECMOの担当になったときに、どうやったらいいのか?をとりあげた勉強会が行われました。 ECMO(体外式膜型人工肺)は、カニューレという管を使って体外に血液を循環させ、重症患者さんの心臓や肺の働きを一時的にサポートする装置です。 患者さんの命を守る重要な治療法ですが、大量の血液を体外で管理するため、機器トラブルや出血といったリスクも大きく、慎重な取り扱いが求められます。 今回の勉強会では、以前のブログでも紹介したサーキットチェック(回路の問題がないか全体をチェックする方法)や、急な回路停止時のハンドクランク、圧モニターなどの機器の役割、膜やポンプの評価方法についても、短い時間の中で分かりやすく解説していただきました。藤塚先生の豊富な経験に基づく具体的なアドバイスもあり、大変実りのある勉強会でした。 今後はさらに一歩踏み込んだ設定の工夫やトラブル対応など、より実践的な内容の勉強会も予定しています。 みんなで一緒に成長し、安全で質の高い医療を提供できるチームを目指していきましょう!

死戦期帝王切開 勉強会

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こんにちは。ブログ担当の永山です。 当科では、水野先生を中心に、ERで経験した症例をもとに定期的な勉強会を行っています。 今回は、産婦人科の先生方にもご協力いただき、「 死戦期帝王切開 」について学びました。 聞きなれない言葉かもしれませんので、簡単にご説明します。 皆さんがよく知っている 帝王切開 とは、赤ちゃんをお母さんのお腹から手術で出す方法です。 死戦期帝王切開 は、妊娠中のお母さんが急に心臓や呼吸が止まってしまった場合など、非常に緊急な状況で行われます。お母さんと赤ちゃん、両方の命を救うため、時間との戦いで手術が行われます。 赤ちゃんを外に出すことで、赤ちゃん自身の呼吸や心臓の動きを助けたり、お母さんの救命のチャンスが高まることもあります。 少し怖い話に感じるかもしれませんが、命を救うための大切な医療行為です。 通常の帝王切開も緊急性が高いことがありますが、死戦期帝王切開はさらに一秒を争う状況で行われ、産婦人科・麻酔科・ER・手術室など、多職種のスタッフが連携して対応します。 今回の勉強会では、産婦人科の先生方による症例紹介や、他院でのシミュレーション内容の共有、そして当院でどのように対応することが一番有益かについて、活発なディスカッションが行われました。 今後方針をかためつつ、スムーズな対応ができるように当院でも実際にシミュレーションを行っていく予定です。 最期になりますが、朝早くからご参加くださった産婦人科の先生方、ご多忙のなかご講演いただきありがとうございました。 今後ともよろしくおねがいいたします。 Facebookページはこちら Instagramページはこちら X(旧Twitter)はこちら

前橋消防局・救急車同乗実習に参加して

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救急車同乗実習レポート こんにちは、塩谷です。 先日、前橋消防局にて救急車同乗実習に参加させていただきました。 救急要請を受けた救急車に同乗させていただいたり、通信司令室での通報者とのやり取りを見学させていただきました。 要請を受けてから現場に向かうまでの間の司令室とのコミュニケーションや現場活動、病院への受け入れ依頼など、普段あまり見ることができない 消防の方々の活動を知る、とても良い機会となりました。 prehospitalやERでの業務に活かしていければと思います。 前橋消防局の皆様、お忙しい中実習をさせていただきありがとうございました。 今後も何卒よろしくお願いいたします。 Facebookページはこちら Instagramページはこちら X(旧Twitter)はこちら

手技シミュレーション(DC・ペーシング)

こんにちは、専攻医の上田です。 当科では毎年、専攻医向けに救急科でよく使用する手技をシミュレーターを用いて練習する機会を設けています。特に 緊急時に必要となる手技 は、実際の現場で落ち着いて確実に実施できるよう、事前の訓練が欠かせません。 今年度からは新たな取り組みとして、 5年目の医師が3・4年目の医師に指導 を行い、学びの循環を促す仕組みを導入しました。この取り組みにより、指導する側も改めて基本に立ち返り、より深い理解を得ることができます。 自分にとっても、日常的に行う手技の準備や細かな手順を見直す良い機会となりました。 今回のテーマは 「電気的除細動、カルディオバージョン、経皮ペーシング」 で、除細動器とシミュレーション人形を使用して実践的な訓練を行いました。 各手技について、 適応となる不整脈の種類 や、 実施時の注意点 なども詳しく確認しました。 特に除細動時の 正確な手順と安全管理 について重点的に確認を行いました。たとえば: パドルの位置や圧着の程度 周囲への安全確認の手順 エネルギー設定値の選択基準 これらはすべて、緊急時に必要不可欠な知識と技術です。参加者には 落ち着いて確実に実施できるよう繰り返しシミュレーション を実施してもらいました。 また、実施後には 参加者同士でフィードバック を行い、お互いの技術向上に努めました。 今後も定期的に、こうした手技シミュレーションを開催していく予定です。 講義の様子はFacebookやInstagramで公開中です。そちらもぜひ御覧ください。 Facebookページはこちら Instagramページはこちら X(旧Twitter)はこちら