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外傷初期診療を学ぶ!~今年もJATEC前橋コースを開催しました。~

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町田です。 新型コロナウイルスでは南関東を中心とした各医療機関、DMATをはじめ多くの関係者が日々戦っているところです。本当に頭が下がる思いです。当院としてはまだ何もお役に立てていませんが、後方支援を含めて何らかの貢献ができるように心構えをしています。 毎年恒例の「JATEC前橋コース」を2月1,2日に当院で開催しました。 「JATECコース」は、「外傷初期診療ガイドライン」に基づいて標準初期診療手順が実践できるようになることを目標としたトレーニングコースです。 毎年度全国で30回近く(ほぼ毎週末) 開催されており、群馬では毎年この時期に当院を会場に開催されています。 時期が時期だけに、今回は病院の協力をいただき講師、受講生に十分なほどのマスクとアルコール消毒を準備させていただき、幸いコース中に体調不良となる方は発生せず無事にコースを修了することができました。 本コースではシナリオをベースに指導する時間が始まる1日目の途中で、外傷初期診療の‟デモンストレーション”が行われます。前橋コースでは毎年恒例で当科OBおよび群馬県内の講師の先生方にご協力をいただいています。 今年は急な都合でまさかのコースディレクター自らがデモンストレーションを担当させていただきました。   このような教育研修コースのデモンストレーションで大切なことは、「完璧」を目指すことです。 受講生にとっては未知なる内容を学ぶときに、その概要および目指すべきゴールを知る大切な機会です。受講生から笑いを取ろうとするのは2の次です。 とはいえあまりお堅いとみる受講生の興味も失われる・・・ このバランスをいかにとり受講生のモチベーションを高めることで、この先に続くコース指導にも大きく影響します。 今回は2人のコースコーディネーター(金畑先生、吉野先生)と県内2名の先生の見事なアシストがあり、受講生から適度な笑顔をいただききながら正しい用語を用いた手技の抜けがないデモンストレーションを行うことができました。(あくまで自己評価です(笑)) 急にこのような役を担当しましたが、平時の診療からきちんと行っていれば問題なくできるとあらためて感じました。やっぱり日々の診療は大切ですね! 最後に懇親会に参加された先生方から「この時期にここで皆さんと顔を合わせるのが楽しみ...

「PEMECコース」を受講しました。

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町田です。 現在当院ではJATECコースを開催しています。交通の便が悪い中、全国から多くの受講生・講師の先生方にお集まりいただき心より感謝いたします。 ところで今年初めに「PEMECコース」を受講しました。 現在行われているJATECもそうですが、医療関係者が学ぶコースでは「〇〇EC」と名の付くものが多いです。JPTEC、JATEC、JETEC、PCECなどが挙げられますが、この「EC」は‟Evaluation and Care”の略で「しっかり観察して状態を評価して適切な治療をはじめとしたケアを行いましょう」という内容を示唆しています。 ちなみにPEMECとは「Prehospital Emergency Medical Evaluation and Care」の略で、救急隊員による疾病の観察・処置のための標準アルゴリズムを学ぶコースです。 PEMECの目的は、内因性疾患傷病者の「防ぎ得た死亡と後遺症」を防ぐことにあり、本コースを受講することで内因性疾病傷病者の病態理解および正確で迅速な重症度・緊急度判定が推進されるとともに、評価に基づいた適切な救急救命処置が可能となる、とホームページにかかれています。 *PEMECホームページ →   https://www.pemecsubcommittee.com/index.html 本コースに関しては昨年秋にセンター長に受講するように言われるまで正直知りませんでした。 JPTECコースを受講することで、外傷患者に対して救急隊が現場でどのような活動をしているか知り、我々医療が救急隊からシームレスに活動を引き継ぐことができるように、PEMECも内因性患者に対して救急隊の現場活動を知ることが大切であることを本コースを受講して実感できました。 また救急隊員向けのコースですが今回は僕と城田看護師、滝沢看護師も受講しており、実際にドクターヘリ・カーで現場で我々が活動している内容の振り返りにもなりました。 ご指導いただいたインストラクターの皆様、ありがとうございました。 先日ドクターカーで救急隊より先に現場に到着して活動することがありましたが、外傷患者ではJPTEC、内因性疾患ではPEMECで学んだEvaluation and Careの概念がとても役立ったことを実感することが...

事故にあった子供たちを助けたい!~「ITLS Pediatric Course」指導報告~

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町田です。 9月に北海道釧路市で開催された「ITLS Advanced Course」について土手先生から本ブログで紹介させていただきました(  https://drheli-gunma.blogspot.com/2019/10/itls-advanced-course.html  )。そのコースの懇親会中に「そういえば北海道でしばらく小児外傷のコースやってないですよね・・・」とちょっとつぶやいてしまったら、あっという間に2か月後に「ITLS Pediatric Course」が北海道帯広市で開催されることとなり、今週末はそのコースにもインストラクターとして参加させていただいたので報告します。 「ITLS Pediatric Course」とは、“ 外傷を負った子供のかけがえのない命を守るため、小児に特化した外傷初療を学ぶコースで、小児に対する正しい観察の方法や観察手順、小児の外傷処置や固定方法を学ぶ(ITLS日本支部ホームページより) ”です。 日本には救急医療や外傷診療に関する様々な教育・研修コースがありますが、実は小児の外傷患者に関わるコースはほとんどなく、僕自身も平時の病院前診療や救急医療で小児の重症外傷患者や虐待を受けている児の対応にここのコースが学んだことがとても役立っており、そのためにこのコースの指導者として定期的にコース参加して知識のブラッシュアップを行っています。 今回の会場は帯広厚生病院でした。 2年前にJA北海道厚生連の初期研修医セミナーに講演させていただきましたが、実は当院と同じ時期に新病院に移転していて、今回はその新病院でのコース開催となりました。 JA北海道厚生連帯広厚生病院(救命救急センター側から)。 土手先生が初期研修を受けた病院です! 日本の食糧自給を支えている地域の病院ということもあって、コース会場の壁に十勝名物の小豆や大豆が飾ってあったのが印象的でした。 小児の重症外傷は成人に比べて頻度がとても少ないです。そのために実際に対応する救急隊員や医療スタッフが苦手意識を持っている場合が多いのが現状です。 小児の場合は成人よりももともとが元気であるため、病院前や病院での初期対応がしっかり行われればどんな重症患者さんであっても、奇跡的に元気になってくれることがあります。しかしな...

北の大地で病院前外傷診療を学ぶ!~「ITLS Advanced Course」受講報告~

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後期研修医の土手です。 2019/9/15-16 に北海道は釧路で開催された「 ITLS Advanced Course」 を受講して参りましたのでご報告致します。 当院、町田先生もインストラクターとして参加されていました。   ITLS(International Trauma Life Support) は世界発の病院搬入前の外傷処置教育訓練コースであり、パラメディック ( 救急救命士 ) や救急医療関係者向けに 1982 年より開始されたコースです。 今回は Advanced ということで、緊急脱気や骨髄路確保、対面挿管や瓦礫の下での挿管、喉頭蓋触診に基づく盲目的挿管など発展的な内容も含んでいました。対面挿管や瓦礫の下で挿管はめったにないことだと思いますが、今回の研修でイメージがつき、有意義でした。 2 日目は熱傷、高齢者、妊婦外傷と、身構えてしまうような、シミュレーションもあり、勉強になりました。   JPTECではどちらかというと 「お作法」を学ぶような印象をうけたコースでしたが、こちらはより実践的な内容で、ある程度の基礎知識があることを前提に、チームとして無駄を省いて診療していくことを強調しているように感じました。 具体的な内容は書ききれませんが、基礎知識をある程度身に着けた段階で、ぜひ受講しておきたい教育コースだと思います。 ER もそうですが、より時間の限られた病院前でも、過不足なく活動することが大事だと感じます。自分の日々の診療に無駄がないか、何を優先すべきだったか、今後も振り返って行くつもりです。   町田先生も「循環」の講義を担当されており、スライドの内容のみならず、「輸液・輸血だけ入れて止血をおろそかにするな !! 」と、実践的なレクチャーをされていました。 最終試験には無事合格し、 IP( インストラクターポテンシャル ) も取得し、インストラクターコースに進む資格も得ることができました。インストラクターもとろうと思います。       <余談> これは申し込んだ当初、想定していなかったことですが、毎年、「釧路大漁どんぱく花火大会」がこの時期に開催されており、懇親会は炉端焼きをしながらの花火鑑賞となり...