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『第25回日本脳神経外科救急学会』に参加しました。

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当院で初めて脳死判定からの臓器移植が行われたのが平成20年9月になります。 その後も当院では生前の患者さんの意思やご家族のご意向に沿った形で脳死判定が行われることがあります。 そのような当院での経験をお話しする機会をいただき、中村センター長が「第25回日本脳神経外科救急学会」にシンポジストとして参加しました。    ・中村センター長 幹事会企画シンポジウム:「脳神経外科救急と臓器提供 - いかに関わるべきか?」  『集中治療医・救急医から見た臓器提供の現状』 脳死判定からの臓器移植に関して、大事なことは生前から意思表示をすることだと感じています。これは移植を希望することだけではなく、移植を希望しないという意思表示も行うことができます。 意思表示カードだけではなく運転免許証などにも記載欄がついています。家族や大切な人とこのことを少し話してみませんか?

静岡済生会病院へ“移植医療”の講演に行ってきました。

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鈴木です。 去る 2 月 16 日(金)、当院 ICU の卯野看護師とともに静岡済生会病院へ移植医療の講演に行ってきました。 当院は臓器提供委員会(委員長:朝倉副院長)を中心に脳死下臓器提供の院内システムが確立されており、 2008 年の群馬県初となる脳死下臓器提供から、これまでに 7 例の脳死下臓器提供を経験してきました。 今回、「移植医療の実際~我々の経験より~」というタイトルで、鈴木は脳死判定医の立場から、一般的な移植医療の知識の整理や当院での脳死下臓器提供の流れを解説し、卯野看護師は院内移植コーディネーターの立場から、当院での 7 例について家族との関わりを中心にお話ししました。卯野看護師の経験談は、 7 例すべてがドラマ以上にそれぞれのドラマがあり、その話に僕も引き込まれました。 静岡済生会病院は脳死下臓器提供の院内システムを構築中とのことで、我々の経験が少しでも参考になればうれしいかぎりです。 ちなみに、静岡済生会病院救命救急センター長の小柴先生は、かつて福井県立病院で一緒にけっこう過酷(?!)な ER 研修をしていた仲間で、講演後には昔話に花が咲きました。仲間っていいものです。あれからすでに 10 年以上……時がたつのは早いなぁ。

「脳死下臓器提供シミュレーション」に参加しました。

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みなさま、こんにちは。堀口です。 先日、当院で臓器提供に関するシミュレーションを行いましたので、報告いたします。 1997 年に「臓器の移植に関する法律」が施行され、患者本人の意思に基づいて脳死下の臓器提供が認められるようになりました。 2010 年には法改正で、本人が提供を拒否する意思を表示していない場合は、家族の同意があれば臓器を提供できるようになりました。この法改正をきっかけに、また自国の患者は自国で治療するべきであるという国際的な流れもあって、 2010 年を境に脳死下の臓器提供は増加しております。 当院には重症患者さんが多く搬送されてくることもあり、残念ですが治療の甲斐なく臨床的に脳死に近い状態に至る患者さんもおられます。もし臓器提供のお申し出があったときには、その貴重なご意思を最大限に生かすことが出来るように私たちは準備しておかなければならないと思います。 そうは言っても実際に経験することはなかなかありません。当院のこれまでの脳死下臓器提供はまだ片手で数えられるほどです。経験を共有するための事例報告会などに加えて、今回は臓器提供のシミュレーションを行いました。 参加者は、脳外科・救急集中治療科などの医師、 ICU ・救命センター・手術室・検査室のスタッフ、院内および県の移植コーディネーター、事務職員など、見学者を含めて数十人が集まりました。また、群馬県内の他の病院からも見学に来て頂きました。 今回のシミュレーションは「臓器提供の選択肢提示と家族の代理意思決定を支援するための関わりを考える」ということに主眼をおき、「 40 歳の男性が脳幹出血のために昏睡状態になり集中治療室に入院した、妻や娘がいるが別居している」という想定で始まりました。 医師、看護師、家族などの役割を決め、あらかじめ決められたおおまかな流れに沿ってロールプレイ形式で進めていきました。入院直後でまだご家族が受け入れられていないところ、数日経って臨床的に脳死とされうる状態となったところ、臓器提供の選択肢を提示するところ、ご家族からの返答を頂いて実際の臓器提供への説明を行うところ、などのシーンを設定して、合間にはカンファレンスを開いて対応を実際にディスカッションしていきました。 シミュレーションを通じて、難しいと思うことがいくつかありました。 1 つは...

“移植医療”に関わる医療スタッフのあり方を考える。~日本赤十字社医療センター 林宗博先生ご講演~

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町田です。 先日当院にて『移植医療講演会』が開催(主催:前橋赤十字病院、共催:群馬県健康づくり財団)され、日本赤十字社医療センター救命救急センター長の林宗博先生にご講演をいただきました。 日本赤十字社医療センター救命救急センター長 林 宗博 先生     移植医療に関して法律の改定が行われてからはいまでは珍しい治療ではなくなっていますが、それでも一般市民のみならず現場で命と対峙している医療スタッフもまだまだ抵抗感がないわけではありません。 林先生からは移植医療のことのみならず家族と向き合う医療スタッフの思いや役割、そして日々の診療からの取り組みの大切さを教わりました。  ちなみに林先生は僕が大学病院の初期研修医の時の医局の先輩であり、月に何度もオールナイトで集中治療室のベッドサイドにいながら多くのことを教えていただきました。 今回のご講演の中でも研修医時代に教わったことが何度も出てきており、懐かしい思いとともにあらためて恩師より医師として大切なことを教えていただきました。 15年たっても教わることだらけです。