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消防と医療チームが共通の戦略で事案対応するために。~平成27年度第4回群馬県ドクターヘリ症例検討会報告~

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今日もものすごい風が吹き付けていました。群馬は強風で有名ですが、実は当院のある場所が一番強い気がしています。 ドクターヘリで強風の前橋を出動してランデブーポイントのある違う場所に行くと意外と風が穏やかに感じます。ただし群馬県ドクターヘリになれると穏やかのレベルも怪しいですが・・・ 今日も強風の中で6件の要請に対して5件出動しました。しかし未出動になった1件はやはり強風のためでした。機長にお話を伺うと「風の判断はとても難しい」とのことです。群馬のように難しい風の条件のなか、いつも的確な判断で運航可否を判断していただいている朝日航洋のクルーの皆様に感謝です。 先日の群馬県ドクターヘリの誕生日(2月18日)に『群馬県ドクターヘリ症例検討会』が開催されました。今回も100名を超える関係者の皆様にお集まりいただき、いつも以上に熱いディスカッションが行われました。 ================================= 『平成27年度第4回(通算26回目)群馬県ドクターヘリ症例検討会』 ・日時:平成28年2月18日(木)   14-17時 ・場所:前橋赤十字病院博愛館(東館2F) 1.活動実績報告    2.症例検討 ☆事案1 『 脳血管疾患:救急隊から血管内治療までの連携 』 ・脳梗塞の治療の幅は広がっています! ・脳血管疾患を疑った際は1秒でも早い要請を! ☆事案2 『 心大血管疾患:ゴルフ場での Vf に対して現場直近に着陸した症例 』 ・社会復帰を目指した CPA 対応を! ・心大血管疾患を疑った際は1秒でも早い要請を! ☆事案3 『 多数傷病者事案:消防職員以外の RP 安全確保でヘリ着陸した事案』 ・早期医療介入のために早期着陸できる体制を拡げていきましょう! ☆事案4 『転院搬送:転院搬送の際の流れの確認』 ・転院搬送は実は緊急度、重症度ともに高いので要注意! ☆事案5 『高崎ドクターカーコラボ事案:カーとヘリの連携がうまく取れなかった事案』 ・積極的な連携を図って現場に着くまでにCSCA確立を目指せ! 3.群馬県ヘリコプター合同勉強会報告 『ヘリコプター墜落事故:傷病者をいかに早く医療に引き継ぐか?』 ・現場に医療...

群馬県ドクターヘリ1月度活動実績を更新しました。

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Web担当の伊藤です。 群馬県も明日から雪の予報が発令されており、去年の教訓もあってか、職場の仲間は皆、長靴はしっかり購入、雪かき用シャベルも売り切れる前に購入と、準備万端備えているようです。 皆様も、積雪の際には転倒、雪かき中の屋根から転落事故にはお気をつけ下さい。 前橋赤十字病院・新病院建設に向け、院内も各部署が準備に追われていますが、今年群馬県で第22回航空医療学会開催が決定されており、こちらの準備も進められているようです。 すでに公式ホームページが立ち上がっておりますので、参加予定の方、興味のある方は是非ご覧になってみて下さい。 公式ホームページ   群馬県ドクターヘリのホームページにも1月度活動実績を更新しております。 また、先日ご紹介した 堀口真仁先生のプロフィール 、 フライドドクターのプロフィール 更新も行っております。 こちらもよろしくお願いいたします。 さらに、2月17日火曜日15時より、前橋赤十字病院博愛館で「群馬県ドクターヘリ平成26年度第4回症例検討会」を予定しております。 多くの関連部署の方々の参加・ご意見をお待ちしております。 群馬県ドクターヘリ症例検討会の様子

満員御礼!~群馬県ドクターヘリ症例検討会~

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町田です。 僕のヘリ当番日は雨の日が多いです。今日も雨が降り「やっぱり自分は雨男だ」と毎回がっかりしていますが、今週末の関東ブロックDMAT訓練でドクターヘリが参集する日の天気予報にも雨マークが・・・いまからテルテル坊主を作って、より充実した訓練が行われるように祈ることとします。 昨日は当院において『平成26年度第3回群馬県ドクターヘリ症例検討会』が開催されました。   今回は会場に入りきれないほどの関係者の方々に集まっていただきました! 今回は実績報告、症例検討に加えて、最近のトピックスなども交えながらの会となりました。 まずは毎回恒例の『実績報告』です。 今年度は夏よりも秋に入ってからのほうが出動数が増えています。 残念ながら行楽地に向かう車の交通事故が増えている印象です。 覚知から要請までの時間、現場滞在時間が年々短くなってきていることで、 少しずつですが全活動時間がみじかくなってきています。  特に早期医療接触時間と決定的治療開始時間の短縮を目指して、前者は30分以内、後者は60分以内を目標にさらに全県をあげて取り組んでいく必要性を強調させていただきました。 続いて『最近のトピックス』として現在当院で取り組んでいる「ECMOプロジェクト」の紹介と、それに関わるドクターヘリにより傷病者の転院搬送について、ECMOプロジェクトリーダーの鈴木先生から発表がありました。 平時の転院搬送と救急隊の動きが異なる部分があり、 その点に関して全体で周知させていただきました。 そして最後に4症例について『症例検討』を行いました。 今回は特にドクターヘリの到着が遅れる際の対応や多数傷病者の対応について検討後に、最終的に群馬県ドクターヘリ運休中に隣県ヘリに対応していただいた多数傷病者事案について、群馬県としてどのように隣県とコミュニケーションをとって活動すべきだったか、また今後の連携のためにどのような準備が必要かをディスカッションしました。 今回の症例検討会は、『連携』をキーワードにさせていただきました。特に先日の日本航空医療学会でも当院から発表させていただいた「現場救急隊とドクターヘリクルーとの連携」「隣県ヘリとの連携」について、やはり現場にとっても大事な問題であ...

いつも新しい可能性を探しています!~群馬県ドクターヘリ症例検討会を開催しました。~

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町田です。 8月26日に『平成26年度第2回群馬県ドクターヘリ症例検討会』を開催しました。 毎回100名を超える参加者に集まっていただいていますが、今回はあいにくの雨模様にもかかわらず会場となる博愛館からあふれんばかりの過去最大ともいえる消防関係者、病院関係者、そして行政担当者の方に集まっていただきました。  3か月に1度開催されているこの会は、『おもにこの1年の実績報告』と『5,6件の症例検討』で毎回構成されています。 ①実績報告  要請数は今年度も増えていますが、出動数が減少しています。 長期運休と天候不良の影響が大きいですが、重複要請時に 速やかに他手段での代替え出動が増えていることもあります。 今年度の消防覚知から傷病者接触までの時間は30分、消防覚知から病院到着までの時間は60分。 ギリギリ目標に到達していますが、まだまだ短縮することは可能です。 ②症例検討 今回は5事案に関して検討させていただきました。 症例検討会の目的は、『良いアイデア、方法を紹介して皆さんの次回の活動に生かしてもらう』、『さらにもっと良い方法がないか皆さんでさらに考える』を考えています。 単なる症例の経過報告だけではなく、その患者さんに早期接触するために最大限の努力がされているか、多数傷病者事案の対応で本当に今回の活動がベストであったかなど、さらに高みを目指していくことに意味があると感じています。 最後のまとめにメッセージを込めています。 検討事項があればとことんディスカッションします! 良い活動はみんなで大々的にシェアします! ③今回は5,6月に起こった長期運休間の対応の報告をさせていただきました。そしてその間に感じた周辺各機関との連携の可能性についても、信州ドクターヘリ佐久との連携の可能性を会場の皆さんと考えてみました。 そろそろ隣県と合同の症例検討会も行う時期かもしれません。 実は本症例検討会の直前に『群馬県と埼玉県とのドクターヘリ広域連携に関する打ち合わせ会議』が行われて、それぞれの県庁と基地病院の担当者が集まった話し合いが開催されました。(詳細はまた後日に報告する予定です。) 広域連携の環は確実に広がりつつあります! ④さらに災害対応の...

群馬県ドクターヘリ症例検討会を開催しました。

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町田です。 先月の大雪の影響で延期となっていた『平成25年度第4回群馬県ドクターヘリ症例検討会』を昨日開催しました。年度末の忙しい中での開催となりましたが、多くの関係者の方々にお集まりいただきました。本当にありがとうございました。 <検討事例> ☆施設間搬送  渋川広域消防   『 搬送元病院に医師派遣 』 を行い安定化させてから搬送した症例。 ☆現場救急  高崎市等広域消防  除湿剤誤飲で、当院 ICU での 『 緊急血液浄化、 ECMO により救命 』 した症例。 ☆出動後キャンセル  多野藤岡広域消防  高速道路の事案に対して、要請のタイミングに合わせてランデブーポイントを事故現場より前か後かの設定を調整する必要であった事案。 ☆現場救急 吾妻広域消防  要請内容では外傷を疑ったが、救急隊の観察で内因性疾患の存在がはっきりした症例。さらに覚知要請で早期医療介入がなされた症例。 ☆現場救急  吾妻広域消防  持続する胸痛は覚知要請すべき症例。 ☆現場救急  前橋市消防   CPA を疑う症例の要請について再検討が必要な症例。 今回は初めてキャンセル事案についても検討を行いました。 高速道路事案については群馬県もようやく高速道路上に着陸することができるようにマニュアルが完成しましたが、実際に着陸するための条件や時間を考えると正直降りることは困難なのが現実です。そのような現状の中でいかに傷病者に早期接触するために、医療側と消防側でそれぞれ良いアイデアを出し合うことができました。 医療側からは「スタッフをおろすだけなら1分で十分」と提案させていただきました。 また緊急性の高い内因性疾患に対しては、やはり「消防覚知同時要請」が最も大切であることを再認識していただきました。とくに急性冠症候群では命に係わる合併症(心原性ショック、急性心不全、致死性不整脈)も注意しなくてはいけないこと、脳卒中では気道緊急や誤嚥のリスクがあり早期のABC安定化が特に大切であることを強調させていただきました。 まだまだ現着前の要請が5割ちょっとしかありません。 要請が遅いため医療接触までの時間も遅くなるのです。 そして今回はさらに美原記念病院副院長の谷崎義夫先生から、「脳卒中に対する専門的治療につい...

合言葉は『30分以内で接触&60分以内で病着』です!~ドクターヘリ症例検討会を開催しました。~

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町田です。 10月に台風が続いた日々がウソのように11月は風が強い日はあるものの比較的穏やかな日々が続いています。東京では例年の倍以上の小春日和が記録されているようです。 と言うことを書いていたら、あっという間に強風で屋上ヘリポートから群馬ヘリポートでの待機となりました。群馬の冬期間の強風に悩まされる時期が始まりました・・・ 昨日は当院で『平成25年度第3回群馬県ドクターヘリ症例検討会』が開催されました。今回も多くの方に集まっていただきました。 <内容> ①群馬県ドクターヘリ活動実績報告 全国における群馬の活動レベルもお話させていただきました。 もちろんまだまだ一層の努力が必要です。   ②症例検討(5例)  いつも現場出動した救急隊とドクターヘリスタッフからの発表がほとんどでしたが、 今回は防災航空隊や通信指令課の方々にも発表していただきました。 今回は症例検討の中に防災ヘリとの連携や連続要請に対する対応など、連携の大切さについて主眼を置いた事例も取り上げました。 ③日本航空医療学会の演題紹介 ドクターヘリによる予後の成績をこれからもっと消防関係者に示していきます。 予測生存率50%以下の重症外傷では、消防覚知から30分以内と30分を超えた場合では生存退院率に有意差をもって差が付きました。とくに予測生存率25-50%の範囲では、消防覚知から30分以内にドクターヘリスタッフが傷病者に接触していた場合、当院に搬送した全例で生存退院しています。 群馬県は離陸から20分以内で全県域をカバーすることができるため、要請が早ければほとんどの症例において覚知から30分以内に傷病者に医療スタッフの接触が可能です。特に大量出血などでは何も治療されないと30分で約半分の方が亡くなってしまいます。 また医療スタッフの現場活動時間も出来るだけ短縮することで、決定的治療を行える病院までの搬送を消防覚知から60分以内で行うことができます。 高エネルギー外傷では、決定的治療(手術や止血術など)を開始するまでの時間が1時間を超えるか否かによって生死が分かれると言われています。この最初の1時間はGolden Hourと呼ばれています。消防の覚知から要請までの時間短縮、医療の現場活動時間の不必要な...

群馬県ドクターヘリ症例検討会を開催しました。

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8月22日はいろいろなことがありましたが、とても充実した1日となりました。    号外! 症例検討会のスライドの1枚目に急遽登場です。 まずは『前橋育英高校 甲子園優勝』です!まさにチーム力の強さとあきらめない心に前橋のみならず群馬県中が胸を熱くしました。延岡学園のチームワークも素晴らしく、まさに決勝戦にふさわしい素晴らしい試合でした。 決勝戦の間は救急搬送やドクターヘリ要請も全くなく、外来受付や事務室などでは患者さんや病院スタッフが足を止めてテレビにくぎ付けになっていました。 前橋育英高校の皆さん、本当におめでとうございます。 その決勝戦の余韻を残し、平成25年度第2回群馬県ドクターヘリ症例検討会が開催されました。また症例検討会に引き続いて第56回地域連携学術講演会が開催され、公立豊岡病院但馬救命救急センター長である小林先生をお招きしてご講演をいただきました。 小林先生のご講演とその後の懇親会については、また明日のブログ上で紹介します。(多くの方からリクエストがありましたので、ゆっくり書かせていただきます。) 今回の群馬県ドクターヘリ症例検討会の内容は以下の通りです。 1.活動実績報告 今年度の特徴としては、 ・要請・出動数ともに増加傾向が続いている。(1日平均要請3.2件、出動2.5件) ・現場出動:施設間搬送=9:1と現場出動率がさらに上がっている。 ・キャンセル率は17.8%。 ・ランデブーポイント数は伸び悩み。(目標の1000ヶ所まであと300) ・J-turn率は6割強まで増えている。(現場で安定すればできるだけ医療圏を意識した搬送) ・覚知から要請までの時間、現場活動時間は短縮傾向にある。 2.症例検討 ① 先着救急隊の活動が重要となった多数傷病者事例。 多数傷病者事案では、先着救急隊の活動、情報が鍵です! ② 小児 の CPA 社会復帰例。 特に小児事案は迷わず素早く要請してください! 小児に対する処置(点滴、挿管など)は簡単ではないので、早期の救急医の投入が必要です! ③ ドクターヘリ による早期医療 介入が有効 であった救助例。 未救出 の状態でも可能な蘇生処置はあるので 、やっぱり早期のドクターヘリ 要請が大切 です! 現場では消防、医療の...