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『MCLS標準コース』を開催しました。

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センター長中野です。 6 月 23 日、当院で「 MCLS 標準コース」を開催しました。 写真は当院で定期開催している急性期災害医療コースです。 「 MCLS 」とは、「 Mass Casualty Life Support :多数傷病者への医療対応標準化トレーニングコース」の略で、日本集団災害医学会が開発した消防職員、警察職員、 DMAT 等の医療救護班など、災害や多数傷病者発生時の初期対応者 ( ファーストリスポンダー ) となりうる要員を対象とした災害医療の教育コースです。 2010 年 1 月以降「試行コース」として全国で約 20 回開催(当院でも 2011 年6月に開催)され、 2011 年7月に「標準コース」として確立しました。「標準コース」としては群馬県内初となります。当日は県内の消防職員、医療関係者など 24 人が受講しました。しかし、バス事故の影響もあってか、受講応募者は 80 人を超えており、指導者数の関係より 1/3 以下の方だけしか受講できない状態でした。 指導できる講師を県外者に負う状況で指導者の確保が困難なためで、県内の指導者の養成を行い、県内でも頻回に開催できるようにすることも群馬県基幹災害医療センターとしての使命と感じました。 (群馬県基幹災害医療センター急性期災害医療コースより) 群馬県の消防関係者の皆さんが、先着隊の現場での初動や 現場の配置について真剣にディスカッションしています!

チームワーク!~新スクラブで全員集合~

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町田です。 集中治療室やドクターヘリ、ERにおける救急医療の現場では、とりわけチームワークが重要になります。 先週末に多数傷病者事案があり、その際にドクターヘリとともに防災ヘリでさらに医師、看護師を現場に導入し(いわゆる『防災ヘリ・ドクターヘリ的運用』)、合計医師3名、看護師2名で対応にあたりました。その際には特に現場の消防関係者や防災航空隊の協力をいただきました。また昨日も重複要請があり、それに対して前事案の現場からドクターヘリだけを病院に戻して、次事案に対応する別の医師、看護師(いわゆる『セカンドドクター・ナース』)をピックアップして出動しました。その際には、病院から人を外に出すための院内の協力体制によって対応することができました。 院内、院外ともに常に協力できる関係でいることが、突然起こりうる緊急事態にすぐに対応できる大切な要素であると考えます。 朝から屋上ヘリポートに向かう怪しい集団・・・ 前置きは長くなりましたが、チームワークで大切なことは信頼関係という心のつながりが最も大切です! でもやっぱり見た目も無視することはできないのも本音です・・・ということで、先日完成した新スクラブでのスタッフ全員集合写真を計画しました。4月の新年度全員集合写真は予定した日の5日目でようやく決行・・・新スクラブでの撮影日も今月なんとか全員そろっている3日間を設定しました。そして写真撮影中のICUの留守番をお願いした麻酔科の先生、ICU看護師のご協力、そしてカメラマンをしていただいたドクターヘリクルーの皆さんのご協力のおかげで(これもチームワーク)、予定した第1日目に決行することができました。 全国10道府県から集まっています。そして地元出身若手医師も!! 当科内だけではなく、各関係者の方々とのチームワークも大切にして、これからも日々の診療に励んでまいります。どうぞよろしくお願いします。 診療秘書さん、ヘリクルーも一緒に!

フライトドクターデビュー!

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昨日から藤塚先生がフライトドクターとしてデビューしました。 ドクターヘリは現場で医療を提供する『空飛ぶ救命救急センター』としての責務があり、だからこそドクターヘリのフライトドクターは誰でもすぐなれるわけではありません。 群馬県ドクターヘリのフライトスタッフになるためには以下の条件が設定されています。 フライトスタッフの条件 群馬県ドクターヘリでは、1分でも早く現場で患者に治療を開始する目的でホットラインをCSが 受けてすぐに傷病者情報を入手する前に出動を指示します。フライトドクター・ナースは傷病者 情報を現場に向かう途中で入手することになり、そのため どのような外傷、疾患に対しても初期 対応が出来る救急科医師・看護師を必ず出動するようにしています。 ・フライトドクターの条件 現場で対応出来る救急医療に関する知識と経験を有していること。 BLS、(ICLS)、ACLS、(PALS)など蘇生コースのProviderを取得していること。 JPTEC、(ITLS)、JATECなど外傷コースのProviderを取得していること。 前橋市消防局救急車同乗実習、群馬県防災ヘリコプターピックアップ訓練を受講していること。 日本航空医療学会ドクターヘリ講習会を受講していること。 第3級陸上特殊無線免許を取得していること。   ・フライトナースの条件 看護師経験5年以上、救急看護経験3年以上あること。 BLS、ICLS、(ACLS)、JPTEC、(ITLS)、JNTECを受講していること。 前橋市消防局救急車同乗実習、群馬県防災ヘリコプターピックアップ訓練を受講していること。 日本航空医療学会ドクターヘリ講習会を受講していること。 第3級陸上特殊無線免許を取得していること。 フライトドクター・ナースに共通して求めることは 現場でチーム医療を行うため、リーダーシップがとれることが大切です。 群馬県ドクターヘリ事業が担当する地域の病院前医療体制を理解している必要があります。 多数傷病者、災害への出動に対応するため、日本DMAT隊員養成研修を受講しています。 このような厳しい条件がありますが、もちろん藤塚先生はこれらを十分に満たしています。さっそく昨日から6件の要請に出動し、現場でしっかりと高度の救急医療を提供してくれていました!

『Advanced MIMMS 大阪コース』に参加しました。

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町田です。 昨日当院で『MCLS標準コース』が開催されました。このコースについては某新聞社にも取り上げていただき、災害医療に対する取り組みがますます注目されています。 *MCLSとはMass Casuality Life Supportの略で、消防職員・警察職員などが、災害現場で実施するべき医療について理解を深めることを目的としたコースです。 当院で開催されたMCLSコースについては後日報告する予定です。 6月22~24日に国立病院機構大阪医療センターで開催されたAdvanced MIMMSコースに、高橋先生と僕で参加しました。(高橋先生はインストラクターとして、僕は受講生としての参加です。) MIMMSとはMajor Incident Medical Management and Supportの略で、イギリスにおける大事故災害時の医療支援システムです。このMIMMSの原則は日本をはじめ各国の災害医療における準備と対応の基準になっています。 北海道から沖縄まで全国から24名の受講生が集まりました。医師、看護師、薬剤師、検査技師、消防隊員、ボランティアスタッフ、自治体関係者など多職種のメンバーが入り混じって、災害時のMedical ManagementとMedical Supportについて3日間みっちりとdisucussionが続きました。 今回は受講生としての参加のためあまり詳しいコースの画像はありませんが(真面目に受講していましたので)、今回のコースで学んだことは病院や地域の災害対応や防災計画に反映していかなければならないと感じました。 災害対応の合言葉、『CSCATTT』を何度も何度も繰り返しました! ・C:Command ・S:Safety ・C:Communications ・A:Assesment まずはMedical Management(指揮命令系統、安全、情報伝達、評価)をきちんと確立です。 ・T:Triage ・T:Treatment ・T:Transport CSCAが確立してから、つづいてMedical Support(トリアージ、治療、搬送)を行います。 在大阪英国総領事サイモン・フィッシャー氏の挨拶を いただきました。懇親会にも参加していただきました。 実際に大阪の町中をチー

チームユニフォーム完成!~集中治療科・救急科新スクラブ~

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新スクラブのデザイナーは、 当科のファッションリーダーの小倉先生です! 当院救急外来では昨年度よりナースの新スクラブが完成し、おそろいのユニフォームでかっこよく仕事をしていました。昨年度末からは手術室でもスクラブが統一されました。 救急外来ナースのスクラブ 当科は基本的に水色のスクラブを使用していましたが、個人使用のスクラブ、ケーシー白衣などやや統一感がない感じで仕事をしていました。 新年度の当科集合写真も、よく見ると仕事着は自由な感じで・・ 仕事同様に見た目(!)でもチームワークの良さをアピールしようと、小倉先生を中心に当科でも新スクラブの作成を昨年度より始めていて、今月に入りようやく完成しました。 色あせたスクラブをなぜか好んで着ていたセンター長ですが、これからはスタッフの服装への心配が軽減されるでしょう! なかなか病院のスタッフからの評判も上々・・・!実習に来ている学生さんにも着ていただき、さらに実習気分を高めてもらっています。 じめじめした梅雨のこの時期ですが、新スクラブで気分一心で日々の診療に取り組んでいます!

『第26回日本外傷学会』『第38回日本熱傷学会』に参加しました。

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台風明けの今日はとても暑い1日になり、一昨日に引き続き最高気温は30度を超えました。 昨日は台風で運休となったドクターヘリも、本日は8件要請をいただき6件出動しました。また重複要請で群馬が出動できなかった2件には北関東3県広域連携を結んでいる栃木県ドクターヘリに対応していただきました。 いつも隣県の栃木県、長野県、埼玉県には患者さんの受入に関してもお世話になっており、本当にいつも助けていただいてばかりです。 いつもお世話になっている栃木県ドクターヘリです。 ありがとうございます。 先週末の日本臨床救急医学会学術集会の前に、5月下旬に日本外傷学会、日本熱傷学会が開催され、こちらにも当科スタッフが参加させていただきました。演題発表に対して多くのコメントをいただきありがとうございました。 ☆第26回日本外傷学会総会・学術集会  日時:2012年5月24日~25日  会場:リーガロイヤルホテル東京  会長:木村昭夫先生(独立行政法人国立国際医療研究センター病院) ・藤塚健次医師:ポスター展示 『閉塞性喉頭外傷の1例』 ・小倉崇以医師:一般口演「手技」 『外傷患者に対するIABO挿入例の検討:前橋赤十字病院における過去4年間の解析』 ☆第38回日本熱傷学会総会・学術集会  日時:2012年5月31日~6月1日  会場:京王プラザホテル    会長:山口芳裕先生(杏林大学) ・中野実センター長:ポスター「症例(化学熱傷・電撃傷)」 座長 当科スタッフからの発表はありませんでしたが、熱傷患者さんに合同で診療を行っている形成・美容外科の先生や診療秘書さんの発表がありました。 ・林稔先生:一般演題「培養表皮・人工真皮」 『自家培養表皮ジェイス使用症例に対する瘢痕の検討』 ・小野寺剛慧先生:一般演題「培養表皮・人工真皮」 『自家網状分層植皮を組み合わせた自家培養表皮の治療経験-病理検討も含めて-』 ・平井佳子さん:一般演題「治療経験・工夫」 『凹凸に対してのメディカルメイク』

『第15回日本臨床救急医学会』に参加しました。

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日本を縦断し始めた台風と、それにより勢力を増している梅雨前線の影響で、今朝から群馬も天気が下り坂です。 昨日は群馬は30度を超す日差しと湿気におそわれた1日でした。暑さのためか事故や病気も多かったようで、ドクターヘリ、防災ヘリ、県警ヘリも空を飛びまわっていました。また日差しが強くグランドも乾いていたため、ランデブーポイントでは支援隊による水撒きも行っていただきました。 先週末は熊本で『第15回日本臨床救急医学会総会・学術集会』が開催され、当センタースタッフも座長や演者として参加させていただきました。 <当センターからの参加状況> ・中野実センター長:一般演題「蘇生法教育」 座長 ・高橋栄治医師:一般演題「急性中毒」 口演 『塩化メチレン中毒に対する,現場から集中治療までの治療経験』 ・町田浩志医師:一般演題「航空機搬送」 口演 『ドクターヘリの早期要請により社会復帰できた重症墜落外傷の2例』 ・藤塚健次医師:一般演題「臨床検査」 口演 『救急外来での結晶沈着性関節炎のグラム染色を用いた診断法』 ・小倉崇以医師:一般演題「外傷対応」 口演 『Damage Control Resuscitation~FFP/RCC高比率輸血の検証~』 ・渡邉晴子看護師:一般演題「救急救命士育成」 口演 『救急救命士の病院実習におけるナーシングケアへの認識調査~第2報~』 各発表において、全国の参加者の皆様から多くの質問や提案をいただきました。今後の当センターの活動がよりレベルアップできるように、皆様からいただいたことを生かしていこうと考えております。 またこの学会には、医師のみならず多くの看護師、救急救命士、薬剤師など多職種の方々が多く参加されていて、いろいろな場面で交流する機会を持つことができました。医療はまさにチームで行う物であることを参加してさらに強く感じました。 ものすごい豪雨に襲われましたが、 会場内では熱いディスカッションが繰り広げられていました。

熊本赤十字病院を訪ねました!

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町田です。 今週末は第 15 回日本臨床救急医学会学術集会が熊本市で開催され、その演題発表のため熊本市に出かけました。ものすごい豪雨で市内のいたるところで道路の冠水がある悪天候でしたが、日本の赤十字病院のなかで災害救護が最大規模を誇り、またこども医療センター併設の救命救急センターが新しくなった熊本赤十字病院の見学をさせていただきました。 雨に濡れない救急車搬入口。 こども医療センターが併設!   新しくなった救命救急センターはとても広い作りで、処置室も大きく活動しやすい作りになっています。また患者さんの状態に合わせた導線になっていて、とても機能的な設計がされていました。当院の新病院建設にあたって参考になるアイデアが満載されていました。 広々とした初療室。 ナースステーションからモニターも良く見えます。 Walk-in患者さん用のトリアージエリアがあります。 帰りは「くまもん」のお見送りがあります! 熊本県は今年1 月16日より熊本赤十字病院を基地病院としてドクターヘリの運航が始まりました。もともと熊本県では防災ヘリを用いた救急活動が盛んであり、昨年度も年間 400 件近くの出動があったとのことです。そしてドクターヘリが導入されてからは、現場出動はドクターヘリ、施設間搬送は防災ヘリ ( ドクターヘリ的運用 ) と役割を分担する『「熊本式」ヘリ救急搬送体制』で運用が行われています。もちろんお互いを補完する活動も行っているそうです。 重症患者の施設間搬送もドクターヘリの重要な役割であり、この「熊本式」は重複要請に対する未出動が増えていることへの一つの解決策になりそうです。 また熊本は日赤発祥の地でもあり、そして熊本赤十字病院は日本だけではなく国際救護活動に積極的に派遣を行っていて、災害救護に関して日本をリードしている病院の一端も垣間見ることができました。 給油設備、格納庫が完備され、スタッフ待機室がすぐ隣りにあります。 格納庫内の救急車は現場での救急車内活動シミュレーション用です! 案内していただいた奥本先生のかっこいいバックショットです! 当院にOJTで来られた桑原先生もセカンドクルーとしてフライトスーツで待機していました。 ヘリポートの下の駐車場に

お帰りなさい、JA6910!

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群馬県ドクターヘリ主機体であるJA6910が、6/14より復帰しました。 さっそくこの2日間で6件出動をしています。 冬の強風、夏の雷雨、そして屋上ヘリポートという環境の厳しい中で、いつも文句も言わず黙々と働いてくれるJA6910、通称『ひとまるちゃん』!これからもよろしくお願いします。    出動コールのPHSがなると、屋上ヘリポートへ一目散に上がります。 1秒でも早く傷病者のもとへ!