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現場主義!~『第70回日本救急医学会関東地方会学術集会』&『第57回救急隊員学術研究会』開催報告~

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太平洋南岸に発生した低気圧と前線の影響で、群馬県も今日の夕方から明日にかけて降雪の予報が出ています。今年は雪が降ることがほとんどなく特に冬道の運転の心構えがあまりできていない印象がありますので、どうしても運転される方は雪道用のタイヤの確認を行い、雪道での多重クラッシュ事故の引き金にならないように十分注意してください。 1月18日に前橋で行われた『第70回日本救急医学会関東地方会』および『第57回救急隊員学術研究会』の報告です。 本学術集会および研究会は当院中野実院長を会長として、「現場主義ーPre-Hospitalから社会復帰までー」をテーマに開催させていただきました。 この日も今日のように朝から底冷えするような日和で、また会場が前橋駅より通りロケーションであったにも関わらず、1000名を超える多くの方々にお集まりいただきました。 外の寒さに負けないほどの活発な議論が各セッションで行われており、座長を担当していただいた方々、そして発表者、聴衆者のすべての皆様に心より感謝いたします。また本会には全国から著明な先生方にお集まりいただき、各種分野での最新の知見や興味深いお話を聞かせていただきました。 当科からは以下のメンバーが参加しました。 <中村医師> ランチョンセミナー  座長 <町田医師> ランチョンセミナー  座長 一般演題:調査・研究・検証(資機材、活動)  助言者 <鈴木医師> 教育講演  座長 <藤塚医師> パネルディスカッション:局地災害 こうすればうまくいく  座長   「迅速さと連携が局地災害で重要である」 パネルディスカッション:本白根山噴火対応救急医療活動報告  座長  「草津本白根山噴火災害 医療本部活動」 <小橋医師> 一般演題:調査・研究・検証(医師出場、多数傷病者対応)  助言者 <金畑医師> パネルディスカッション:ECMO管理 こうすればうまくいく  「前橋赤十字病院 ECMO センターとしての取り組み」 <永山医師> パネルディスカッション:外傷初期診療 こうすればうまくいく  「高度救命救急センターとしての外傷診療における当院の取り組みについて」 また本会を運営にするにあたり、長期にわたって準備に奔走していただいた当院スタッフ、県内消防の皆様、また当...

「小児集中治療ワークショップ」に参加しました。

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中林です。 昨年10月20日に大阪で開催された‟ PICU に入室する患者さんの全身管理に関する議論”に参加してきました。 今回は小児外科学会と共同開催とする試みが行われて、普段より小児外科医の参加が多い印象でした。 PICU の対象患者は半数以上が周術期患者のため、先天性心疾患、胆道閉鎖症や先天性横隔膜ヘルニアの周術期管理やそれを理解するための生理学的知識に関するレクチャーなどが組み込まれていました。 今回は外科系医師の参加も多く、小児外傷に関するシンポジウムやパネルディスカッションが多く組まれていたのが特徴でした。 また、最近では病院避難を余儀なくされる対象施設 ( 直近では国立循環器病研究センター ) も出てきたことから、半日コースではあるが災害医療講習会の開催なども行われていました。 外科系医師のバックアップの元に小児の重症外傷を診療する私たちの医療機関としては、小児専門の医療機関とは異なる特色があることを再認識しました。最近では知識のブラッシュアップが中心でしたが、少しずつ当院の内容も発信して更なる診療レベル向上に繋げていければと思います。 今回の研究会のテーマはコラボレーション。まさにチームで子どもたちを守ることが救命の鍵を握ると日頃から感じています。

「MCCRC in Japan」を受講しました。

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年の瀬に差し掛かっております。後期研修医の奥田です。 「 MCCRC in Japan(Multiprofessional Critical Care Board Review Course in Japan) 」に令和元年 11 月 22 日〜 24 日の 3 日間参加してきましたので報告させていただきます。 会場の東京医科歯科大学   東京医科歯科大学で行われた第7回 MCCRC に参加してきました。当院からは自分以外に二人の先輩医師と参加しました。 内容は日本集中治療医学会が主催となり、 SCCM と提携し、集中治療医学の基礎的な部分をさらに解き解した内容で、講義が主体となっております。   座学をこんなにも長い時間受講することは最近ほとんどありません。 300 人近い参加者で席も限られたため、三人で並んで受講しました。大学の授業を思い出しました。 網羅的な内容で、普段関わることの少ない移植領域などは知らないことも多く、非常に勉強になりました。   もともとアメリカの集中治療専門医認定試験の受験、資格更新にあたって基本事項を再確認するためのコースで、教材や講義資料は全て SCCM から提供されたものらしいです。 アメリカでのコースは5日間あるようで、3日間の日本コースでさえかなり体力を削がれたので、これを5日間なんて想像できません ,,, ですが受講してみたいという密かな欲求はあります。     救急集中治療分野は本当に幅広く、勉強する内容は尽きません。医学全部に言えることだと思いますが、学んでる最中からどんどん新しい論文が出て、スタンダードが変化していきます。世界の流れを感じつつ、常に進み続けて柔軟に対応して行かなければいけません。 日々の診療を頑張りながらコツコツと精進していきたいと思います。

『第47回日本救急医学会総会・学術集会』に参加しました。

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中林です。 先日東京の国際フォーラムで「第 49 回日本救急医学会総会・学術集会」 が開催されました。 当院からはスタッフ8人が計 11 題の報告を行い、 5人 が座長を務めさせていただきました。 内容としては日常臨床で遭遇した珍しい症例の報告をはじめ、より効果的な病院前診療のあり方、熱中症の新しい初期治療、スタッフ自身に生じたメンタルヘルス、救急外来に来た小児患者から社会的な支援を要する患者家族の抽出する方法等、オールラウンドな救急診療を目標に診療を行っている当院の活動をそれぞれのスタッフが報告してきました。 <発表>12演題 ・丹下副院長 ランチョンセミナー:不整脈診断における救急科と循環器内科の連携 「失神(一過性意識消失(T-LOC))に対する正当な評価と対処ー前橋赤十字病院の試みー」 ・中村センター長 ランチョンセミナー:不整脈診断における救急科と循環器内科の連携 「一過性意識消失の鑑別は救急医の腕のみせどころ!」 口演:地域医療連携 「「地域で診る」を目指して」 ・町田医師 口演:その他 「「友人に黒タグをつける」~メンタルヘルスに関する災害対応前のリスク評価と直後からの専門医による介入の重要性~」 ・中林医師 ポスター:ER診療 「当院救急外来でチェックリストを用いて社会的リスクを有すると評価された患者のまとめ」 ・藤塚医師 パネルディスカッション:VV-ECMOを駆使して 「前橋赤十字病院ECMOセンターの現状」 ポスター:高齢者の救急 「地域で取り組む,救急医療と在宅医療連携」 ・小橋医師 口演:病院前医療 「ドクターカーとの連携における,ドクターヘリの効率的な運用を考える」 口演(シンポジウム関連セッション):不断前進,病院前診療 「病院前救急診療の目的を改めて考える~予後改善のためにできることは何か~」 ・丸山先生 ポスター 「外傷性腹部大動脈解離を来したシートベルト症候群の一例」 ・土手医師 ポスター:感染症・敗血症 「原発性水痘肺炎をきたした播種性水痘の1例」 ・山田医師 口演:環境異常 「重症熱中症に対するcold water immersionによる冷却法の検討」 <座長>6セッション ・中野院長 パネルディスカッション:救急科専門医試験...

夏の思い出…~『集中治療』と『呼吸療法』の学会参加報告~

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鈴木です。  秋らしくなってきた今日この頃ですが、この夏、‟集中治療”と‟呼吸療法”の2つの学会に参加してきました。その思い出を・・・ ①「日本集中治療医学会第 3 回関東甲信越支部学術集会(@甲府)」 Pros. vs. Cons. セッション で、「いつ ECMO を開始するか?今でしょ?!」というタイトルで発表しました。 今回は 2 ラウンド制という珍しい形式で、第1ラウンドで Pros と Cons の立場からそれぞれの主張をした後、第2ラウンドではお互いに Pros と Cons の立場を交代して再び主張をぶつけ合うというものでした。‟自分は今、どの立場?!”と少々混乱しますが、面白い経験でした。 ちなみに、学会当日は夜明けとともに車で前橋を出発し、甲府へ向かいましたが、途中、相模原付近で事故渋滞につかまり、まさかの遅刻?!という状況に追い込まれました。急遽、八王子から電車移動に切り替えギリギリ間に合いました。 みなさん、学会へは余裕をもって出かけましょう。 ②「第 41 回日本呼吸療法医学会学術集会(@大阪)」 教育講演「分かりやすく説明!肺保護換気戦略」の座長を担当しました。学会前日から余裕をもって大阪入りしました。 今回は、特に自発呼吸、 PEEP 、 ARDS など僕の知的好奇心を刺激する講演が盛りだくさんでした。聞きたい講演の時間が被って聞けなかったものもあったので、学会員限定で視聴可能なオンデマンド配信が待ち遠しいです。興味のある方は、ぜひ呼吸療法医学会へ入会しましょう。勉強になること間違いなし! はるばる大阪まで行きましたが、学会内容の充実に加えて、あまりにも暑すぎたため、学会会場とホテル以外に出歩くことはありませんでした。大阪らしさといえば学会会場で振舞われた「たこ焼き」を食べたことぐらいでした。 今年の夏も充実していましたが、 2020 年も学会に、オリンピックにと充実した夏にしたいですねぇ。

『第27回群馬県救急医療懇談会』に参加しました。

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集中治療科・救急科の丸山です。 9 月 1 日に群馬県吾妻郡中之条町で開催された「第 27 回 群馬県救急医療懇談会」に参加してきましたのでご報告いたします。本懇談会は、群馬県内の救急医療に関わる人々(医師、看護師、消防士、救急救命士など)が集まって、県内の救急医療の普及発展を目指す会です。   今年は当科から座長・講演・シンポジウム・一般演題合わせて、中村センター長、藤塚副部長、小橋先生、土手先生、丸山の5人 が参加しました。また当院から中野院長の特別講演、小保方部長(精神科)、城田看護師(救急外来)、田中看護師(ICU)、伊藤主事(救急災害事業課)から演題発表がありました。 ☆プログラムはこちら↓ http://plaza.umin.ac.jp/gaem/27haramachi/pdf/program.pdf     様々な演題発表がされましたがその中で、私が最も興味を唆られたものはシンポジウム「救急隊とドクターヘリ / カーの診療協力」でした。 パネリストには群馬県内の救命救急センター 3 病院から新進気鋭の先生方が選ばれ、 Preventable Trauma Death を如何になくすかにつながる「病院前処置の在り方」や「救急隊との連携」について語られました。 明日につながる貴重なディスカッションを拝聴でき勉強になりました。     私は一般演題「 ER/Dr カー・ Dr ヘリ / 災害医療」というセッションで、「脳卒中における病院前救急診療の意義について」と題して当院の 4 年間のドクターヘリ・ドクターカーにおける外傷以外の脳血管疾患出動例に着目し検証を行い、統計を用いて今後の展望について発表させていただきました。 データは当科の小橋先生と当院脳神経外科の先生方を中心に蓄積してきた歴史を引き継ぎ、今回の検証に必要な情報を追加してなんとか発表までたどり着くことができました。 データ集めは地道な作業ですが、このような臨床につながる情報を発信できるよう今後も「気づき」を形にしていけたらと思います。 また、同セッションの演題はバラエティに富んでおり、臨床においてピットフォールを再確認するものや非日常における医療体制について学ぶことができ...