『第30回日本外傷学会総会・学術集会』に参加しました。

集中治療科・救急科 後期研修医 3 年目の増田です. 4 月末に European Congress of Trauma and Emergency Surgery ( ECTES )に参加し,今回は 5 月 30 日(月)~ 31 日(火)に東京お茶の水で開かれた日本外傷学会学術集会に参加してきました.当院からは,小倉先生と増田が口頭発表で参加しました. 小倉先生は,おなじみ Traumatic Bleeding Severity Score(TBSS :外傷患者の重症度評価・大量輸血開始基準となるスコア ) のさらなる解析結果報告です. TBSS については過去のブログにも掲載があるので,ぜひご覧ください. http://drheli-gunma.blogspot.jp/2014/07/28tbss.html 僕は 1 例ですが症例報告をさせていただきました. ECTES では外傷の治療経過中に腹部コンパートメント症候群のため換気不良となり ECMO が必要となった症例を報告しましたが,今回も外傷と ECMO が関連した症例です. “重症肺損傷に対し V-V ECMO 導入し肺切除・経動脈的塞栓術を行い救命し得た 1 例”と題し, 8 日間にわたる ECMO 管理の末,救命できた青年の症例を報告しました.まさについ先日,外来を受診しに来た彼と数か月ぶりに会いましたが,スタスタと歩き回る普通の元気な青年になっておりました.ここまで回復した姿を見て,本当にうれしく思いました.止血が最大のポイントである外傷と,出血のリスクが常につきまとう ECMO .この相対する事象をうまくコントロールできれば,胸部外傷・呼吸不全のために命を落とす患者をさらに減らすことができるはず.この経験を,同じような患者が搬送された際に活かしていきたいと思います. 会長講演では,“ Preventable Trauma Death を減らすための取り組みを始めてある程度期間が経ったが,未だ残る問題は何なのか,という話題がありました. 印象的だったのは,外傷患者が搬送される病院を集約するという内容です.重症外傷患者の搬入数が多い病院ほど, Preventable Trauma Death の数は減るという研究結果を提示されました.常に重症患者を診療することで,診...