北の大地で病院前外傷診療を学ぶ!~「ITLS Advanced Course」受講報告~

後期研修医の土手です。
2019/9/15-16に北海道は釧路で開催された「ITLS Advanced Course」を受講して参りましたのでご報告致します。
当院、町田先生もインストラクターとして参加されていました。
 
ITLS(International Trauma Life Support)は世界発の病院搬入前の外傷処置教育訓練コースであり、パラメディック(救急救命士)や救急医療関係者向けに1982年より開始されたコースです。
今回はAdvancedということで、緊急脱気や骨髄路確保、対面挿管や瓦礫の下での挿管、喉頭蓋触診に基づく盲目的挿管など発展的な内容も含んでいました。対面挿管や瓦礫の下で挿管はめったにないことだと思いますが、今回の研修でイメージがつき、有意義でした。
2日目は熱傷、高齢者、妊婦外傷と、身構えてしまうような、シミュレーションもあり、勉強になりました。
 
JPTECではどちらかというと「お作法」を学ぶような印象をうけたコースでしたが、こちらはより実践的な内容で、ある程度の基礎知識があることを前提に、チームとして無駄を省いて診療していくことを強調しているように感じました。
具体的な内容は書ききれませんが、基礎知識をある程度身に着けた段階で、ぜひ受講しておきたい教育コースだと思います。
ERもそうですが、より時間の限られた病院前でも、過不足なく活動することが大事だと感じます。自分の日々の診療に無駄がないか、何を優先すべきだったか、今後も振り返って行くつもりです。
 
町田先生も「循環」の講義を担当されており、スライドの内容のみならず、「輸液・輸血だけ入れて止血をおろそかにするな!!」と、実践的なレクチャーをされていました。
最終試験には無事合格し、IP(インストラクターポテンシャル)も取得し、インストラクターコースに進む資格も得ることができました。インストラクターもとろうと思います。
 
 
 
<余談>
これは申し込んだ当初、想定していなかったことですが、毎年、「釧路大漁どんぱく花火大会」がこの時期に開催されており、懇親会は炉端焼きをしながらの花火鑑賞となり、教育コースではありますが、夏休みのような錯覚を覚えました。釧路の魚介は最高でした。
さらにこのコース、開催よりかなり前に申し込みをしていましたが、インストの町田先生に報告をしていませんでした。「何で教えてくれなかったの!笑」と懇親会で軽く突っ込まれてしまいました(笑)
 
また、今回は北海道での開催で、初期研修1年目に、地域医療研修でお世話になった1学年上の麻酔科の先生や、救急隊の方々との再会もあり、昔話もできました。
初期研修医として帯広に2年いたのみでしたが、救急隊の方に覚えていただけており、感動しました。当時は2次~2.5次の救急車は、初期研修医でファーストタッチできる環境で、救急隊の方々との関わりも多く、大変お世話になっていたとことと思います。院内開催の教育コースでも指導頂いていたと思います。今後、何らかの形で恩返しできるように頑張ります。
今回のコースで北海道時代に救急に進もうと決めたころの初心に帰れました。今後、妥協しそうになったときに、この2日間を思い出し、群馬での修行に励もうと思います。
インストラクターの皆様、プロバイダー参加の皆様、どうも有難うございました。ぜひ、群馬、そして当院にも教育コースや研修、見学など、何らかの形でいらして下さい。お待ちしております。
また、北海道に行くことを快諾してくださった中村センター長はじめ、当科スタッフの皆様にも厚く御礼申し上げます。有難うございました。

最後に宣伝?ですが
当院での後期研修は大変ではないといえばウソになります。
しかし、レベルアップのための研修は場所を問わず積極的に受けられ、補助も病院から出ます。プレホス、ERICUの症例は豊富で、指導医、Nsをはじめとする、コメディカルスタッフも高いレベルで診療されており、「もっとこうしてほしい」とフィードバックが得られるため自己満足で終わらず研鑽が積めます。
後期研修先を迷っている先生方、救急・集中治療の研鑽を短期間でも行いたいという他領域の先生方、いずれの期待にも添えると思います。
ぜひ一度見学にいらしてみてください。お待ちしています。

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