観光地の救急医療に協力したい!~早期にヘリが着陸できるための試み~

町田です。

今日はあいにくの雨ですが、ここ数日は前橋は30度を超す暑さが続いていました。先日は残念ながら日本一暑い日に・・・。「本当の夏には連日35度を超している」という猛暑のイメージが強い群馬県ですが、実は避暑地もたくさんあります。

前橋市から車で1時間もかからずに車でいける赤城山、そして高崎市から車で1時間もかからずに車で行ける榛名山(両方とも山の上には美しい湖沼があり周遊道路もあります)、また冬はスキーリゾートとして有名な片品地方や嬬恋地方など、風光明媚な観光地になっています。
実は今あげた赤城山大沼・小沼周辺、榛名山榛名湖周辺、そして片品・嬬恋のスキーリゾートは、救急車が到達するまで30分以上かかる場所がたくさんあるところなのです。
特に赤城山は前橋赤十字病院からドクターヘリで5分でつきますが、消防の安全確保のための支援車が到着するために30分以上かかります(山道を登っていかないといけないため)。榛名山も同様にドクターヘリでは7分でつきますが、安全確保までに30分以上を要します。スキー場に関してもどんなに遠いところでもドクターヘリは20分以内に到着するので、消防の支援車よりも早く到着することがあります。

赤城山の新緑と大沼湖畔
榛名山と氷結した榛名湖

現在の群馬県ドクターヘリ運航要領では、「消防関係者の安全確保のもとでドクターヘリはランデブーポイントに着陸する」となっています。ヘリの着陸時にはダウンウォッシュを生じて様々な危険性がありためにこれは安全を最も重視する意味で重要なルールです。しかし、先ほどあげたような場所ではなかなか着陸までに時間がかかってしまい、現場が上空から見えているのになかなか着陸できない、上空待機により燃料を消費して連続出動に対応できないなど、様々な問題も発生しています。
他の道府県では、消防団やスキー場パトロールの方々の安全確保のもとで着陸できる仕組みを作って安全にヘリの着陸の誘導をしているところもあります。群馬県でもこのような仕組みの導入を目指して、県、消防、運航会社、基地病院で話し合いを繰り返して「消防職員以外の者によるランデブーポイントの安全確保実施要綱」を作成し、さらに安全講習会の準備も整いました。

先日このことに関する意見交換会を開催しましたが、消防団の方々も仕事を抱えていたり、スキーパトロールも冬季限定であったり、安全面の保証、資器材の準備など思った以上に様々な課題があることがわかりました。
本来は専門職がする仕事を一般の方に行っていただくには、やはり前向きな気持ちでお手伝いしていただきたいと考えています。どんなに素晴らしい観光地やスキーリゾート、避暑地であっても、救急医療が充実していなければ安心して観光客も来ていただけません。

赤城山を抱える前橋市、榛名山を抱える高崎市、そして山間部の町村と一体となっていち早くドクターヘリが着陸できる体制作りを目指していければうれしい限りです。ちなみにいち早く「アクションを起こそう」というご連絡をいただいた行政のトップの方もいらっしゃいます!
すでに実施している道府県があるということは、群馬県も必ずできると信じています。『安全・安心な観光立国・群馬県』にドクターヘリも協力したいと考えています。
僕の地元は北海道ですが、
群馬にも良いスキー場がたくさんありますよ!

 もちろん今まで通り消防の皆様の心強いランデブーポイントの確保を頼りにしています。さらに群馬県はランデブーポイントから現場に向かう支援車の準備も早く、よりはやく傷病者のもとへ駆けつけるための体制強化を引き続きよろしくお願いします。

このように水撒きが必要なランデブーポイントでは
消防の皆様の力が絶対に必要です!
同時により着陸しやすりランデブーポイントも増設しなければいけません。
 

コメント

  1. 先生方も熱中症にお気をつけて下さい。

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    1. 岡田さん、いつもお気遣いいただきありがとうございます。運航会社のご厚意で、ヘリ内にスタッフ用の水が常備されるようになりました!

      削除
  2. そうだったんですか!
    他県のブログでは、農道や空き地に着陸している例が散見されていたので、何故?と思っていたのです。
    私は時々、「この道なら、ここへ着陸させたら安全かな?」などと勝手に想像していたのですが・・・・。
    やはり、「安全が第一」ですね。

    一文字違い

    返信削除
    返信
    1. 群馬県もまれにあります。しかし消防のランデブーポイントの安全確保&現場派遣の方が早いと判断すればそちらを選択します。現場直近は着陸できると早いのですが、ある程度その予定で行かないと消防の安全確保が遅れてしまい、結局上空でタイムロスをしてしまいます。
      そのためにランデブーポイントのさらなる増設と安全確保できる方々の育成が必要なのです。

      削除

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