『救急科主治医』~命のリレーのアンカー~

町田です。

先日の『第9回前橋市立前橋高等学校BLS&AEDコース』のブログ記事に多くの反響をいただきありがとうございます。
当院に搬送される心肺停止患者も、最近はほとんどの症例でバイスタンダーによる胸骨圧迫が行われていることが多く、消防の通信指令課の口頭指導の徹底や一般市民へのBLS,AEDの浸透を感じることができます。

バイスタンダーによる心肺蘇生が『命のリレーの第1走者』と先日書かせていただきましたが、それを引き継ぐ走者が救急隊であり、そして救急外来での初療、集中治療室での全身管理をする当科スタッフになります。心肺停止以外でも重症患者さんは救急隊やドクターヘリ、救急外来、集中治療室へと命のバトンが引き継がれていきます。
救急科で入院した患者さん命のリレーのゴールは様々です。残念ながらすべて良い結果とは限らず、救急外来で蘇生できなかった方、入院中に重体の状態から回復できず亡くなる方もいらっしゃいます。そのような中で急性期を乗り切って専門診療科に引き継がれたり、リハビリのために転院になったり、すっかり元気になって退院される方もいらっしゃいます。

集中治療科・救急科では、ドクターヘリ、救急外来、集中治療室の当番とともに『主治医業務』という大切な当番があります。
救急で入院する患者さんの多くは、突然、見知らぬ土地で・・・など、本人、家族のとって不意の入院となることが多く、患者さん自身だけではなく家族も含めて非常に不安な心境になることが多いと思います。また全身状態が悪化している場合も多く、当科のみではなく様々な各専門診療科と連携をしながら診療を進めていく必要があります。
各科との連携のマネージメントを行いながら、その患者さんにとって治療法だけではなく治療を行う環境や今後の道しるべも決めていきながら、すこしでの患者さんや家族の不安を軽減させるのが主治医の大切な役割です。

バイスタンダーや救急隊から引き継がれた命のバトンを、最終的に良い形でゴールに届ける仕事こそ救急科主治医当番に託された任務です!

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