第26回急性期災害医療(レベル1)コースを受講して

Web担当の伊藤です。

お盆休みも終わり、我が家に遊びにきていた夏休み中の甥っ子3人組も、ようやくおうちに帰って行きました。賑やかだった家の中も今ではシンと静まり返り、少し寂しい日常が戻ってきてしまいました。

そんなお盆の最中でしたが、昨日8月16日、前橋赤十字病院で第26回急性期災害医療(レベル1)コースが開催されました。
全部で20名受講されるという大盛況で、ロジとしての受講は筆者を含め計4名となりました。

このコースは、群馬県基幹災害医療センター(前橋赤十字病院)が、日本DMAT研修、日赤DMAT研修、MIMMS(Major Incident  Medical  Management and Support)コースを参考に、急性期災害医療の基礎的な知識および技術について習得することを目的として開発した教育コースです。
MIMMS同様、主に座学が中心ですが、コースの最後には実際に大事故災害を想定して、トリアージを行う実習があります。
2年前に筆者が見学した時は、実習時の患者役はインストラクターの方々の熱演だったのですが、現在は受講者も患者役をやることになっていました。
筆者は「黒タグ(死亡)」患者役で、息を止めていなければならなかったのですが、女優の素質はなかったようで、「呼吸あり」「従命反応に応じない」と判断され、見事に赤タグをつけられてしまいました・・・・・。

しかし、災害医療の最終目的は「限られた医療資源の下で最大多数の傷病者の最善を尽くすこと」、救急医療の最終目的は「傷病者個人にとっての最善を尽くすこと」、つまり、災害現場においては黒タグでも赤タグでも、より多くの傷病者をトリアージし、多くの命を救うところに最終目的があるので、そういった救急医療との違いと、災害医療の目的を理解するためにこういったコースがあるのだと実感しました。

こうした講習を受ける中で、筆者が最も感動しているのが、大事故災害時には「職種の壁」がなくなる、というところです。
もちろん、ロジは災害現場での正確なトリアージには限界がありますが、医師や看護師と災害現場に行って、記録をしたりタグをつけたりと、そういったサポートをすることが出来ます。
日常、事務員として医療現場にいると、何かと現場には携われないことが多いです。それはもちろん私たちに「治療行為に対する資格」というものがないからですが、いつもパソコンに向かうだけだと、実際に医療の現場でどんなことが行われているのか知ることが出来ません。
だからこそ、医師や看護師との治療現場においての認識のすれ違いがおこり、どうにもわかり合えないような状況に陥ることも少なくないのです。
しかし、大事故災害という、大きな規模での医療体制となると、そういう職種の「区切り」というものよりも、まずは多くの人を救うことに焦点が当たるので、こうして普段はパソコンに向かっている事務員が、医師や看護師とともに手を取り合って「職種の壁」を超え、現場に携われることが出来るのかもしれない、と思います。
とはいえ、これは小さな範囲(精神論)での考え方でしかなく、災害医療とは、それを行う前の災害マネージメントが必要とされます。
災害マネージメントには大きな大きな視野と、どこまでもどこまでも柔軟な思考、そして他人の意見を素直に受け入れられること、それを冷静に判断できること、そして何より協調性が必要で、より多くの人生経験がものをいうだろうと思います。
私など、まだまだ、ですが、こういった受講の経験を、何かに活かして行けたらと思っています。

左側はBLS&AEDの修了バッジ、
真ん中はMD902のピンバッジ、
右側が急性期災害医療コース修了バッジです。


そして、おかげ様で、試験には合格、キティちゃんの修了バッジを頂くことが出来ました。
これからは、もっと何かの役に立てるように、自分磨きに精を出したいと思います。




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