久しぶりに群馬県ドクターヘリで活動しました。

フライトドクターの町田です。


群馬県ドクターヘリは新年度が始まってこの1週間で、15件の要請をいただき14件出動しています。未出動の1件は重複要請で群馬県防災ヘリの活動で対応していただきました。(今年度も群馬県は防災ヘリとドクターヘリが仲良しでです!)


少しばかり個人的な話になります。

石巻市立病院の患者さん搬送で
活動中の群馬県ドクターヘリ。
今日は久しぶりにドクターヘリの当番でした。実は最後に当番だったのは3月11日・・・東日本大震災が起こった日でした。その日は昼過ぎに出動があり、風が強くなってきたため群馬ヘリポートに退避して格納庫内の2階にある詰所で待機していました。そして地震が起きてしまいました。格納庫内は本当に大きく揺れて、“崩れてしまうのではないか・・・”と思いつつもあまりの揺れに動くことができずただ地震が治まるのを祈っているばかりでした。地震が治まりすぐにテレビをつけましたが、目に飛び込んできたのが信じられない津波の映像でした。病院とは電話がつながらず身動きが取れなかったため、群馬ヘリポートでただただその映像を見つめていました。あまりの光景にその日OJTで同乗していた研修医の目には涙が浮かんでいました。フライトナースとともにDMATの出動を考えて、そしてようやく病院とも連絡がつながり正式に出動することになったのですぐに準備を始めました。結局その日は時間と天候の都合でドクターヘリは出動しませんでしたが、その日のうちに病院からDMAT第1班が陸路で出発し、翌朝6時にドクターヘリでDMAT第2班が出動しました。
当院DMATは、第1班が花巻空港SCU、
第2班がドクターヘリ搬送担当、第3班は
石巻市立病院と福島県立医大で、この
当時活動していました。
僕は3月13日にDMAT第3班として出動し、3月14日に石巻市立病院に残された患者さんをドクターヘリで搬送する活動に参加しました。福島県立医大を基地として石巻市立病院へは大阪府ドクターヘリでむかい、現場では福島県、静岡県西部、千葉県北部、山口県、福岡県、大阪府とともに活動しました(前日は長野県ドクターヘリも活動していました)。夕方近くになっても患者さんはまだ多く残っていて、いわて花巻空港SCUから北海道道北そして群馬県ドクターヘリも応援で参加しての活動となりました。3日前に乗ったばかりの群馬県ドクターヘリが懐かしく感じられ、また夕日を受けながら現場に降りてきたときに感じた力強さは今でも忘れられない感覚です。現地での活動では僕自身がドクターヘリに乗ることがありませんでしたが、各ドクターヘリの道府県や航空会社の隔たりが一切なく、互いに協力し合って同じ目標を持って活動している姿がありました。ちなみに翌日に石巻市立病院での活動が終わり福島県立医大へ戻ったのは福島県ドクターヘリでした。


夕日に染まるランデブーポイント
となった小学校。
今日も群馬県ドクターヘリは2件出動がありました。久しぶりなのかまだ被災地に心を置いてきてしまっているのか、1件目の出動コールがなってしばらくはいまいちリズムに乗れない感じがありました。でも本日の2件はともに消防各地同時要請で、なんとか早く患者さんに僕たちを接触させようと活動している様子が無線から伝わり、そして久しぶりに無線から聞きなれた消防指令課や救急隊の声に、“今このドクターヘリは群馬県民の命を守るために飛んでいるんだ!”と我に返ることができました。幸い患者さんは2名ともABCDは安定しており、近隣の病院で快く引き受けていただきました。特に2件目は夕方遅くの出動でしたが、搬送先病院の医師と救急隊のご協力により、時間ぎりぎりのところでしたが日没時間ちょうどに前橋赤十字病院に帰還することができました。

被災地への支援を続けながら、群馬県の救急医療もおろそかにせずしっかりと活動をする・・・あらためてそのことを群馬県ドクターヘリに教えられた1日でした。

働き者のJA6910です!
今日は機内消毒の日で、心を込めて機内を拭きました。
(写真は、給油の間に心を込めて窓ガラスを拭く整備士さん。)

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