令和6年度日赤災害医療コーディネート研修会

ブログ担当の永山です。

今回は、日本赤十字社が行っている「令和6年度日赤災害医療コーディネータ研修」に参加してきましたので、その内容をご報告させていただきます。この研修は、災害医療に携わる医療従事者だけでなく、災害時に多くの人や機関が連携して効率的に活動するために必要な「コーディネート力」を養うことを目的としています。

災害時には、医療チームだけでなく、自治体、消防、警察、自衛隊、そして地域住民など、実にさまざまな人々や機関が関わります。その中で、スムーズな支援活動を行うには、全体をまとめるシステムが欠かせません。特に大規模な災害では、現場の混乱を最小限に抑えるための「調整役」が重要です。

日本赤十字社では、この「調整役」を担うチームをコーディネーターチーム(CoT:Coordinator Team)と呼んでいます。このCoTは、被災地での医療活動をはじめ、避難所や地域の支援、さらには県支部やブロック単位での連携も含め、広範囲にわたる役割を担っています。

また、災害医療といえば災害派遣医療チーム(DMAT)が思い浮かぶ方も多いかと思いますが、日赤のCoTはDMATとは少し異なり、地域や避難所に密接に関わり、より長期的かつ継続的な支援活動を行う点が特徴です。こうした背景もあり、CoTとして活動するためには、組織や地域とのつながりを深く理解し、迅速かつ柔軟に対応できるスキルが求められます。

研修は2日間にわたり実施されました。

1日目はCotに必要な災害医療の知識や役割分担についての講義が中心でした。その後、机上訓練を通じて、仮想の災害状況下で各チームがどのように連携を取るべきかを学びました。机上訓練では、地図や災害発生時の情報を基に、どのように動くべきかを話し合いながら進めます。机上訓練とはいえ、情報の洪水の中で迅速に意思決定を行う難しさを実感しました。

2日目はより実践的な総合演習が行われました。県庁、日赤支部、医療圏を含む仮想の災害シナリオの中で、チームとして動く訓練です。状況が次々と変化する中、自分たちの役割を把握しつつ、他チームとの連携や情報共有を行う必要があり、非常に目まぐるしい展開となりました。
特に、「CoTとしてどう動くべきか?」「自分たちの立ち位置や連絡先をどのように明確にするか?」といった実務的な課題に直面し、頭をフル回転させる場面も多くありました。気づけばあっという間に時間が過ぎており、改めて災害時の迅速な判断力と冷静さの重要性を痛感しました。

今回の研修を通じて、日赤CoTが果たすべき役割を改めて理解するとともに、多くの反省点も見つかりました。一方で、他県の日赤の医療従事者(医師、看護師)や、ロジスティック担当の方々と協力して取り組むことができたのは非常に新鮮で、学びの多い経験でした。

今回のような研修を通じて、地域や他機関との連携の大切さを実感しました。災害医療は一人ではできません。
多くの仲間と協力し、支え合うことで初めて成り立つのだと改めて感じています。

このような機会を与えてくださったセンター長やスタッフの皆様に、心より感謝申し上げます。
この経験を今後の業務にしっかりと活かし、地域の安全と健康を守るために貢献していきたいと思います。

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