『AHA Resuscitation Science Symposium 2018』 vol.2「世界デビュー!」
前編からの続きです・・・
☆3日目 Chicago 11月10日土曜日
さて、とうとうReSS2018の初日です。
この日は、小倉先生、金畑、岡田先生の三人の発表がすべて行われる日でした。時差ボケのせいで、朝4時から起きて、発表練習をしたり、スマートホンをいじったりしていたら、事件は6時頃起きました。PowerPointを使った発表の小倉先生がファイルの確認をしていると、パソコンからUSBメモリにコピーできない、という事態に陥ったのです。どうやらファイルが壊れていて、展開もできず、コピーもできないようでした。さらに、iCl〇udにバックアップされていたファイルも壊れていたようで(バックアップの意味よ…)、手元に開けるファイルが全くない状態でした。
しかし、病院に置いているUSBメモリ内にはファイルが残っていたので、すぐさま前橋日赤に連絡して(日本時間は21時過ぎ)、当直のため病院にいた内海先生にメールで送ってもらい、事なきを得ました。これはかつてないほど焦りながら日本に電話する小倉先生です。
後に知ったのですが、この時、いくつか偶然が重なっていたそうです。
小倉先生がAHA前の最後の勤務が終わった時、PowerPointが入ったUSBメモリを病院に偶然忘れてしまいました。しかし、残り容量が少なく、また同じPowerPointのファイルがパソコンに入っていたので、無理に病院にとりに行くことはせず、その時も病院にいた内海先生にそのUSBを預かってもらうことになりました。内海先生は、一度自宅にそのUSBメモリを持ち帰りましたが、小倉先生から連絡をもらったその日の朝は、台所に置いたUSBがやたらと目に付いて、「このままでは失くしてしまう」と思ったらしく、病院にもっていきました。その日は当直だったので、翌朝まで自宅には帰れない状況でした。更に細かい設定を加えると、自宅には誰もいないし、他の勤務者の関係から一時的にでも帰ることは叶いませんでした。そんな最中、21時に小倉先生からUSBの話を受けた、というのです。
さて、朝7時半にはホテルを出て、朝のChicagoの街を歩き、会場である、Hyatt Regency Chicagoに行きました。道中、街灯にAHAの旗がかかっていて、大きなイベント感がでていました。
発表の順番としては、小倉先生が最初で、金畑と岡田先生はポスター発表であったのに対して、小倉先生は口演でした。しかも、Best of Bestという4人しかもらえない素晴らしい賞を受賞するという、更なる偉業を添えて。毎年YIAを受賞しつづけた後に、Best of Bestを受賞。ほんと、すごいですよね。しかも、僕は中学生の英語の授業で、goodはbetter、bestって変換されて、bestは「最上級、これ以上無いですよ」っていう意味だと習ったはずなのですが。bestのbestって…。最上級of最上級ってことですよ。初めて聞きました。英語って難しいですね。
さて、そんな冗談はここまでとしまして、10時30分から、Best of BestのSessionが始まりました。
小倉先生の発表前に、他の3人の受賞者の発表があり。2つはCardiac Resuscitation、もう1つは、Trauma Resuscitationの発表でした。それぞれ15分で発表と質疑応答をするはずでしたが、どれも質問が多く、延長しがちでした。
そして最後に小倉先生の発表でした。皆さんご存知の小倉先生開発のTBSSという、外傷患者におけるMassive Transfusionの要否を判断するprediction toolの、今回はPre-Hospitalへの応用の発表でした。Pre-Hospital用に少し項目を改変させながら、依然として他より優れたprediction toolとしての質を保っていること、かつ、pre-hospitalではpoint-of-careよりもPrediction scoringの方が重要であることを説いていました。座長や会場からもたくさんの質問があり、盛り上がっていました。やはり注目度を感じさせられました(メディカル〇ンラインでも紹介をされています)。
金畑と岡田先生以外に6つの発表がありましたが、そのうち4つは1つの施設から来た2人のドクターが発表していましたし、残りの二つは、発表者が不在でした(ほかのポスター発表とかぶっていたのかもしれません)。そのため、ただでさえ少ないtraumaブースなのに、発表したのは4人という状況でした。まぁ、その2人がやたらと話した(発表4-5分、質疑応答4-5分なんてお構いなし)ので、時間は規定通りでした。
さて、無事3人の発表は終わりました。ReSS初日の午後3時頃でしたが、すでに午前中の空いた時間に興味あるポスターには目を通していましたし、少し早めの打ち上げをしようということで、ほどほどのところで初日は退散しました。
ホテルで着替え、早めの日没を迎えたChicagoの街に繰り出しました。前日に肉を食らっていましたが、鶏の胸肉といったもので(?)、牛じゃなかったのです。アメリカに来たのですから、“肉”を食べなければだめじゃないですか。僕と違って下調べをしていた他二人が目星をつけていた、Gibson’sというお店に行きました。
後々知ったのですが、有名店だったのですね。そこまでの認識はなく、のうのうと土曜日の夕方に予約なしで突撃しました。夕方6時前後にはついたと思いましたが、既に満席でした。テーブル席とバーエリアがあり、テーブル席は10時まで空かないといわれましたが、偶然バーエリアが空いたので、ほとんど待たずに座れました。発表の終わった解放感から、食欲も出てきていたので、小倉先生と僕は600gの肉を頼み、岡田先生は200gの肉をたのみました。とても美味しく、発表の御褒美としてはもってこいでした。そんな3日目でした。
つづく・・・
☆3日目 Chicago 11月10日土曜日
さて、とうとうReSS2018の初日です。
この日は、小倉先生、金畑、岡田先生の三人の発表がすべて行われる日でした。時差ボケのせいで、朝4時から起きて、発表練習をしたり、スマートホンをいじったりしていたら、事件は6時頃起きました。PowerPointを使った発表の小倉先生がファイルの確認をしていると、パソコンからUSBメモリにコピーできない、という事態に陥ったのです。どうやらファイルが壊れていて、展開もできず、コピーもできないようでした。さらに、iCl〇udにバックアップされていたファイルも壊れていたようで(バックアップの意味よ…)、手元に開けるファイルが全くない状態でした。
しかし、病院に置いているUSBメモリ内にはファイルが残っていたので、すぐさま前橋日赤に連絡して(日本時間は21時過ぎ)、当直のため病院にいた内海先生にメールで送ってもらい、事なきを得ました。これはかつてないほど焦りながら日本に電話する小倉先生です。
後に知ったのですが、この時、いくつか偶然が重なっていたそうです。
小倉先生がAHA前の最後の勤務が終わった時、PowerPointが入ったUSBメモリを病院に偶然忘れてしまいました。しかし、残り容量が少なく、また同じPowerPointのファイルがパソコンに入っていたので、無理に病院にとりに行くことはせず、その時も病院にいた内海先生にそのUSBを預かってもらうことになりました。内海先生は、一度自宅にそのUSBメモリを持ち帰りましたが、小倉先生から連絡をもらったその日の朝は、台所に置いたUSBがやたらと目に付いて、「このままでは失くしてしまう」と思ったらしく、病院にもっていきました。その日は当直だったので、翌朝まで自宅には帰れない状況でした。更に細かい設定を加えると、自宅には誰もいないし、他の勤務者の関係から一時的にでも帰ることは叶いませんでした。そんな最中、21時に小倉先生からUSBの話を受けた、というのです。
さて、朝7時半にはホテルを出て、朝のChicagoの街を歩き、会場である、Hyatt Regency Chicagoに行きました。道中、街灯にAHAの旗がかかっていて、大きなイベント感がでていました。
発表の順番としては、小倉先生が最初で、金畑と岡田先生はポスター発表であったのに対して、小倉先生は口演でした。しかも、Best of Bestという4人しかもらえない素晴らしい賞を受賞するという、更なる偉業を添えて。毎年YIAを受賞しつづけた後に、Best of Bestを受賞。ほんと、すごいですよね。しかも、僕は中学生の英語の授業で、goodはbetter、bestって変換されて、bestは「最上級、これ以上無いですよ」っていう意味だと習ったはずなのですが。bestのbestって…。最上級of最上級ってことですよ。初めて聞きました。英語って難しいですね。
さて、そんな冗談はここまでとしまして、10時30分から、Best of BestのSessionが始まりました。
小倉先生の発表前に、他の3人の受賞者の発表があり。2つはCardiac Resuscitation、もう1つは、Trauma Resuscitationの発表でした。それぞれ15分で発表と質疑応答をするはずでしたが、どれも質問が多く、延長しがちでした。
そして最後に小倉先生の発表でした。皆さんご存知の小倉先生開発のTBSSという、外傷患者におけるMassive Transfusionの要否を判断するprediction toolの、今回はPre-Hospitalへの応用の発表でした。Pre-Hospital用に少し項目を改変させながら、依然として他より優れたprediction toolとしての質を保っていること、かつ、pre-hospitalではpoint-of-careよりもPrediction scoringの方が重要であることを説いていました。座長や会場からもたくさんの質問があり、盛り上がっていました。やはり注目度を感じさせられました(メディカル〇ンラインでも紹介をされています)。
小倉医師 |
小倉先生の発表が終わり、午後はとうとう金畑や岡田先生のPoster Presentationです。
地下の会場に貼られた多くのポスターは、いくつかのカテゴリーに分けられて貼られていて、Resuscitation Science Symposiumですので、ほとんどが心肺停止、蘇生に関するものでした。小児であったり、ECPR、中枢神経予後など…。
その中で、金畑と岡田先生は少数派のTraumaブースで、2日間で200以上のポスターがある中、8つのポスターしかありませんでした。Poster Sessionの時間に自分のポスターの近くにいると、モデレーターがやってきて、特に大きな前置きはなく発表が始まりました。
金畑は、前橋赤十字病院における鈍的外傷患者と鋭的外傷患者において、凝固障害の質が異なるという比較研究を、岡田先生は、Pre-Hospitalでの乳酸値測定が、大量輸血の予測に有用であることを発表しました。
筆者(金畑) |
岡田初期研修医 |
さて、無事3人の発表は終わりました。ReSS初日の午後3時頃でしたが、すでに午前中の空いた時間に興味あるポスターには目を通していましたし、少し早めの打ち上げをしようということで、ほどほどのところで初日は退散しました。
ホテルで着替え、早めの日没を迎えたChicagoの街に繰り出しました。前日に肉を食らっていましたが、鶏の胸肉といったもので(?)、牛じゃなかったのです。アメリカに来たのですから、“肉”を食べなければだめじゃないですか。僕と違って下調べをしていた他二人が目星をつけていた、Gibson’sというお店に行きました。
後々知ったのですが、有名店だったのですね。そこまでの認識はなく、のうのうと土曜日の夕方に予約なしで突撃しました。夕方6時前後にはついたと思いましたが、既に満席でした。テーブル席とバーエリアがあり、テーブル席は10時まで空かないといわれましたが、偶然バーエリアが空いたので、ほとんど待たずに座れました。発表の終わった解放感から、食欲も出てきていたので、小倉先生と僕は600gの肉を頼み、岡田先生は200gの肉をたのみました。とても美味しく、発表の御褒美としてはもってこいでした。そんな3日目でした。
つづく・・・
コメント
コメントを投稿
コメントは管理人が確認の上、公開の判断をさせていただいてます。状況によっては公開まで数日頂くことがありますのでご了承お願いします。