医療における「安全管理」とは?
町田です。
ここのところまた「医療事故」といわれるような話題が世間を騒がせています。
もちろん僕たちはだれも事故を起こしたいと考えることはなく、患者さんの苦痛を取り除き、そして1日でも早く元気になっていただきたいと思いながら日々の診療にあたっています。
医療は「命」を取り扱っています。うまくいかなければ患者さんを「死」に陥れる可能性があります。
うまくいかなかったから、失敗したから「またやり直し!」というわけにはいかない世界です。
まさに病院で取り扱っている「生」は、常に「死」と隣り合わせであります。大げさだと思うかもしれませんが、「病気・けが」というリスクを抱えている患者さんに、神様ではない生身の人間が挑むわけなので当たり前のことなのです。
様々な医療事故の経験から日本でも「医療安全」という言葉が飛び交っています。
医療の安全を守るために現在あらゆる病院で「医療安全管理者」という役職の方がいらっしゃいます。もちろん患者さんの「自分が医療事故に合わずに元気に退院したい」という願いをかなえるために、医療事故の原因になりそうな要素を事前にとり除き、万が一事故が起こった際もしっかり検証して繰り返さないための対策を行うためにも、このような役職はとてもたいせつであり当院にもきちんと医療安全委員会というものが存在しています。
しかし残念なことにもともと英語では“リスクマネージメント”という言葉を、なぜか日本人は“安全管理”と訳してしまいました。
安全は管理できるものではありません。安全とは起こり得るリスクをマネージメントすることで得られるものです。もし重症な患者さんでリスクの高い処置をしなければ助からない時に、その処置を避けてリスクを起こさなければ医療事故は起きません。でも救命のためにリスクを背負いながら戦うのが医師の宿命です。でもそこでよい結果が得られなかったときに世間からのバッシングを恐れるのも現代の医療の悲しいところです。
リスクを避ける風潮からいまはどちらかというとリスクを避けるために若い医療スタッフがいろいろな経験をする機会が減っています。もちろん患者さんを練習にしてはいけないことも重々承知しているので、若い医療スタッフ自身も一生懸命トレーニングしていつでもリスクに立ち向かえるように準備しなくてはいけません。
僕は医療の安全はいかにリスクをマネージメントできる能力があるかにかかっていると思います。
これは医療スタッフもそうですが、患者さん自身もそうです。病気やけがにあわないことが最も医療におけるリスクマネージメントです。またできるかぎり医療が充実している平日の日中に病院にかかるなどできることはたくさんありますよね。
そして何よりも患者さんやご家族は担当の医療スタッフとたくさんお話をしてください。おたがいの信頼関係を高めることが何よりも一番のリスクマネージメントであることにきっと気が付くと思います。患者さんも医療スタッフも「命」のために必死ですからね・・・
ここのところまた「医療事故」といわれるような話題が世間を騒がせています。
もちろん僕たちはだれも事故を起こしたいと考えることはなく、患者さんの苦痛を取り除き、そして1日でも早く元気になっていただきたいと思いながら日々の診療にあたっています。
医療は「命」を取り扱っています。うまくいかなければ患者さんを「死」に陥れる可能性があります。
うまくいかなかったから、失敗したから「またやり直し!」というわけにはいかない世界です。
まさに病院で取り扱っている「生」は、常に「死」と隣り合わせであります。大げさだと思うかもしれませんが、「病気・けが」というリスクを抱えている患者さんに、神様ではない生身の人間が挑むわけなので当たり前のことなのです。
様々な医療事故の経験から日本でも「医療安全」という言葉が飛び交っています。
医療の安全を守るために現在あらゆる病院で「医療安全管理者」という役職の方がいらっしゃいます。もちろん患者さんの「自分が医療事故に合わずに元気に退院したい」という願いをかなえるために、医療事故の原因になりそうな要素を事前にとり除き、万が一事故が起こった際もしっかり検証して繰り返さないための対策を行うためにも、このような役職はとてもたいせつであり当院にもきちんと医療安全委員会というものが存在しています。
しかし残念なことにもともと英語では“リスクマネージメント”という言葉を、なぜか日本人は“安全管理”と訳してしまいました。
安全は管理できるものではありません。安全とは起こり得るリスクをマネージメントすることで得られるものです。もし重症な患者さんでリスクの高い処置をしなければ助からない時に、その処置を避けてリスクを起こさなければ医療事故は起きません。でも救命のためにリスクを背負いながら戦うのが医師の宿命です。でもそこでよい結果が得られなかったときに世間からのバッシングを恐れるのも現代の医療の悲しいところです。
リスクを避ける風潮からいまはどちらかというとリスクを避けるために若い医療スタッフがいろいろな経験をする機会が減っています。もちろん患者さんを練習にしてはいけないことも重々承知しているので、若い医療スタッフ自身も一生懸命トレーニングしていつでもリスクに立ち向かえるように準備しなくてはいけません。
僕は医療の安全はいかにリスクをマネージメントできる能力があるかにかかっていると思います。
これは医療スタッフもそうですが、患者さん自身もそうです。病気やけがにあわないことが最も医療におけるリスクマネージメントです。またできるかぎり医療が充実している平日の日中に病院にかかるなどできることはたくさんありますよね。
そして何よりも患者さんやご家族は担当の医療スタッフとたくさんお話をしてください。おたがいの信頼関係を高めることが何よりも一番のリスクマネージメントであることにきっと気が付くと思います。患者さんも医療スタッフも「命」のために必死ですからね・・・
失敗の許されない状況下で、日々医療を提供して居る医療従事者の皆様を心より尊敬します。
返信削除先生のおっしゃる通り“リスクマネージメント”という言葉を、なぜか日本人は“安全管理”と訳してしまいましたね。
安全は管理できるものではありませんし、安全とは起こり得るリスクをマネージメントすることで得られるものですし、もし重症な患者さんでリスクの高い処置をしなければ助からない時に、その処置を避けてリスクを起こさなければ医療事故は起きません。でも救命のためにリスクを背負いながら戦うのが医師の宿命です。でもそこでよい結果が得られなかったときに世間からのバッシングを恐れるのも現代の医療の悲しいところです。
先生のこのお言葉の通りだと思います。
ちなみに、医者の世界はやっぱり結果が全てなのでしょうか?
救えたか救えなかったと言った感じでしょうか。
岡田さん、いつもコメントいただきありがとうございます。医療のみならずあらゆることはリスクと背中合わせ出ることを忘れてはいけません。安全をつかみ取りに行く気持ちが必要です。
削除やはり救急医は「結果がすべて」という気持ちを忘れてはいけないと思います。難しい局面にも立ち向かう勇気と決断が必要です。しかしながらやはり救けられない時もあります。その時に後悔しないぐらい戦ったかが大事だと思います。