AHA ReSS 2013 in Dallas に参加しました。vol.2
皆様。こんにちは。救急科の小倉です。
去年に引き続き、今年もAmerican Heart Association Resuscitation Science Symposium 2013 in Dallas U.S.A. (AHA ReSS 2013) にて演題を発表してきました。米国ダラス…秋空が奇麗な都会の街でした。前回のブログでは、AHA ReSSについてご紹介しましたが、今回は私の発表演題についてご紹介します。
去年に引き続き、今年もAmerican Heart Association Resuscitation Science Symposium 2013 in Dallas U.S.A. (AHA ReSS 2013) にて演題を発表してきました。米国ダラス…秋空が奇麗な都会の街でした。前回のブログでは、AHA ReSSについてご紹介しましたが、今回は私の発表演題についてご紹介します。
昨年は、独自に開発したTraumatic Bleeding Severity Score
(TBSS)にて外傷性出血の重症度を定量化し、重症外傷における大量輸血療法の予測精度について発表してきました。TBSSは①患者年齢、②収縮機血圧、③腹部超音波検査所見、④骨盤骨折重症度、⑤血清乳酸値の5項目により、出血の重症度を評価し、大量輸血療法になる可能性を予測します。
iPhone®版のTBSS計算アプリケーションも開発されており、App Storeから無料でダウンロードが可能となっております。
今回は、このTBSSをもとに大量輸血のリスクを、低リスク群(TBSS≦12点:大量輸血療法必要確率3%)、中リスク群(13≦TBSS≦16:大量輸血療法必要確率35%)、高リスク群(17≦TBSS大量輸血必要確率95%)の三群に層別化し、「高リスク群では迷わず大量輸血虜法を施行、低リスク群では大量輸血療法を施行せず、中リスク群では経時的にTBSSを反復評価し大量輸血に備えよ」というClinical Decision
Ruleを提唱しました。
☆発表演題:New Clinical Decision Rule to
Activate Massive transfusion Protocol
for Severe Trauma Patients
そして去年に引き続き、今年も小倉はYoung Investigator Award (若手研究者賞)を受賞するに至りました。大変名誉で恐悦至極であります。
現在、このClinical Decision Ruleを用いた大量輸血療法による重症外傷患者の予後改善効果の検討が、院内倫理委員会の承認を得て、前橋赤十字病院高度救命救急センターと自治医科大学本院付属救命救急センターにて行われています。
☆自治医科大学救急医学教室HP → http://www.jichi.ac.jp/emer/rinsyou.html
このClinical Decision Ruleを用い、大量輸血が必要な患者さんを適切にかつ迅速に選択し、遅滞なく充分量の輸血を行うことで、彼らの出血死を防ぐことができると期待されているのです。
正直なところ、昨年はAward受賞後、浮き足立って終わりました。我ながらに醜い限りです。しかし私は今、このAwardの受賞を重く受けて止めています。それだけ重要な医学的問題を扱っているだと認識できたからです。次のチャレンジは、もう既に始まっています。今後も診療を重ね、最善の医療が提供できすよう、努力してゆきます。前橋高度救命の誇りと日本男児のプライドを胸に、また来年も世界を土俵に戦ってゆきたいと思います。このような小さな努力の積み重ねにより、医学は確実に進歩してゆくはずですから。
Learn more, and
Challenge again.
我々の挑戦に、終焉はありません。
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