EuroAsiaのご報告 <高橋先生から>

欧州集中治療学会(ESICM)主催のEuroAsia2024で発表をさせてもらいました。会場はインドのバンガロールで06/20-23に開催されました。
演題名は「Impact of improving decision-making process on ICU nurses: A single-center before-and-after study」です。質の高い意思決定支援は患者だけでなく、終末期に対する看護師の満足度を向上させる可能性があります。昨年このテーマで系統的レビューを行いましたが、各研究における介入方法や対象となった看護師集団のばらつきが原因で結論づけることが出来ませんでした。そこで、当院ICUにESICMが提唱した意思決定支援のフレームワークを導入し、終末期ケアに対する看護師の満足度への影響と、より有効な看護師層の検討を行いました。
発表に関しては初の国際学会だったこともあり、数ヶ月前から英会話、原稿音声作成、通勤時間にリスニングなど準備を行なってきましたが、インドに入国するなりインド訛りに圧倒され自信を喪失しながらの会場入りでした。本番は師匠の助けもあり、間違えながらも胸を張ってできたと思います。AIもあるし英語の勉強は不要という考えは180度変わり、これからも継続していこうと決心した国際学会でした。会場は非常に豪華でBGMなど日本にはない雰囲気でした。平時の臨床業務が世界と繋がっていることを実感し、多くのモチベーションをもらいました。国際学会の準備に有用であったツール、現地で紹介のあった文献を添付いたします。学会に参加する機会をいただき、本当にありがとうございました。
【ツール】
・英語力ゼロからの国際学会成功ガイドブック: 山田 悠史(著)ら: 有用なフレーズがいっぱい
・https://ondoku3.com/ja/ 音読さん: 原稿の読み上げ、発音チェック、音声ダウンロードできる
・podcast: iCritical Care podcast: 通勤中のリスニング
【文献】
① PMID: 34116707
Perioperative liberal versus restrictive fluid strategies and postoperative outcomes: a systematic review and metanalysis on randomised-controlled trials in major abdominal elective surgery: 周術期に輸液を絞るとAKIは増えるか?
② PMID: 38864162
Prolonged vs Intermittent Infusions of β-Lactam Antibiotics in Adults With Sepsis or Septic Shock: βラクタムは持続か間欠か?
③ PMID: 37730622
Variables influencing the prediction of fluid responsiveness: a systematic review and meta-analysis: 輸液反応性の指標はどれが優れているか

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