河内先生の文献がpublishされました!! その1

【院外心停止蘇生後患者における体温管理療法中の筋弛緩薬の有効性】
The American Journal of Emergency Medicineから筆頭論文がPublishされました!
https://www.sciencedirect.com/.../pii/S073567572400192X...
心停止蘇生後患者に行われる体温管理療法(TTM)において、シバリングなどの合併症への介入として筋弛緩薬が用いられます。TTM開始と同時に筋弛緩を用いている施設もあるそうです。
過去の観察研究で筋弛緩薬の使用と良好な神経予後の関連性が報告されていますが、筋弛緩薬への選択バイアス(筋弛緩が要るってことは、もともと予後が良い説)が指摘されていました。ですが、質の高い大規模RCTもないことから意外とエビデンスが乏しい領域でした。

このテーマに対してSOS-KANTO2017で事前の研究申請を以前在籍していた青木先生が行っており、前向きに収集したデータを利用させていただきました。筋弛緩薬使用に対する傾向スコアのOverlap weightを行い、神経予後を比較しました。過去の研究では用いられなかった詳細な項目を傾向スコア作成に追加したのが強みの1つです。
筋弛緩薬使用は良好な神経予後と関連しており、この背景にはシバリングの抑制や目標体温到達時間の短縮などが考えられました。サブ解析からは心停止後患者の重症度と、筋弛緩薬の有効性の異質性が指摘されました。


解析は東京大学の麻生先生と康永先生にご協力をいただきました。青木先生とお邪魔させていただき、とてもいい経験になりました。ご指導いただいた先生方、ありがとうございました!
当院救急科は、幅広い臨床業務だけでなく、研究においても充実した環境です。複数の多施設研究データが利用でき、上級医のサポートも積極的です。救急・集中治療の学びの場を探しておられる方は、是非選択肢のひとつとしてご検討ください!

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