『第22回日本航空医療学会総会』が無事に終了しました。vol.2 ~これからやるべきこと・・・~

町田です。
11月6,7日に開催された『第22回日本航空医療学会総会』では、当院は学会の運営だけではなく発表もしっかり行っています。
今回はこれからフライトドクターを目指している3人の当科スタッフも発表を行いました。

<当院からの参加>
〇饗場庄一 元副院長(学会名誉会長)
・名誉会長講演
 『御巣鷹山・日航機遭難生存者4名の救出をはじめ航空医療に関わった55年を回顧して』
〇中野実 院長(学会会長)

〇中村センター長(学会運営本部長)
・パネルディスカッション:広域災害時の空の連携
 座長
〇町田(学会運営副本部長)
・パネルディスカッション:キーワード方式の功罪
 『今の群馬県にキーワード方式導入は不可能である』
〇城田看護師
・シンポジウム:フライトナース看護実践の共有
 座長
〇小池看護師
・一般演題:教育
 座長
〇堀口医師
・一般演題:災害・DMAT
 『基地病院が異なるドクターヘリ、カーで対応した多数傷病者事案』
〇増田医師
・一般演題:連携
 『群馬県ドクターヘリの他機関との連携の歩み』
〇小橋医師
・一般演題:疾患(外因)
 『外傷性心肺停止の蘇生における、HEMSの有用性についての検討』
本学会初参加の増田先生、堀口先生(小橋先生は病院に直帰のため撮れず・・・)。
学会ホスト県として群馬県の病院前活動を紹介していくれました。

本学会においても各セッションともに活発なディスカッションがおこなわれており、とても盛り上がっていたようです。座長の先生方、全国から参加された皆様のご協力に心より感謝いたします。

僕が発表させていただいた「キーワード方式の功罪」というテーマで行われたパネルディスカッションも、かなりに熱く盛り上がりました。
「119番の通報内容に重症や緊急を示唆するキーワードがあれば即時にドクターヘリを要請するシステム」はいろいろな面で「功」があることは間違いありません。要請までの時間短縮や個人差が出ないなどなんとなくよさそうに感じるところですが、その「功」をきちんと証明できている施設は数限られています。
様々なディスカッションを行っている中であらためて感じたことは、やはりしっかりとした成績を出すこと・・・それを行わない限りドクターヘリのみならずあらゆる病院前に医療チームを送り込む手段の有効性の判断はできません。

群馬県はキーワード方式によるドクターヘリ要請を行っていませんが、キーワード方式の採用に向けてのディスカッションは何年も行ってきました。しかしこの数年の経過でディスカッションをする以前の問題であることがわかりました。
キーワード方式の導入を検討する前に、今の群馬県ドクターヘリの活動内容をきちんと把握したうえで先に歩みを勧めないといけません。
早期医療介入けての県全体の意思統一
基地病院の十分な対応力
症例検証をきちんと行う体制
上記3つが全く整っていない現況ではディスカッションする資格さえ当県にはありません。

 




群馬県には11消防本部・局と同じ数だけ地域MC協議会があります。その協議会の壁を超えてドクターヘリ症例を検証する提案をしても、現時点では「難しい」という回答が返ってきます。発表した翌日から早速「群馬ではしばらくは無理だね・・・」という声さえありました。
しかしその壁を突破しなければ群馬県ドクターヘリをはじめいま県内で展開されている「早期の救急医接触」の有効性は証明できず、本当に有効な活動を一般市民に提供することはできないと考えています。
そのために基地病院が各関係機関と今一度協力し、時として強力なリーダーシップを発揮して推し進めていかなければいけません。そしてそのリーダーシップを発揮するために、基地病院がさらに積極的に傷病者のために頑張る姿勢を見せ続けていかなければいけません。

来年度の同学会で群馬県からもきちんと成績が示されるように、もうすでに動き始めています。すべては患者さんのために!


運営においては当院看護部、事務部の皆様の多大なる
協力を頂きました。ありがとうございました。
また留守番していた当科スタッフにも感謝いたします。
ボランティアでご協力いただいた学生の皆様にも感謝いたします。
素適な笑顔で会場に華を添えてくれました。

コメント

  1. 町田先生学会お疲れ様でした。
    先生のパネルディスカッションの内容に興味が有り詳細を知りたかったので、掲載して頂きありがとうございました。

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    返信
    1. 岡田さん、コメントいただきありがとうございます。ほんの一部だけですがご紹介させていただきました。

      削除

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