1件でも多くの要請にこたえるために行うべきことは?
町田です。
夏の猛暑と戦っていたころから2ヶ月ちょっとですが、群馬の冬の風物詩である北から超強風が吹きつける時期がやってきました。
昨日も空は快晴!しかしあまりの強風にドクターヘリはほぼ終日運休・・・屋上では平均でも風速30ノット(15m/秒)、ひどい時では50ノットを超えていました。
夏の猛暑と冬の強風はもう6年もドクターヘリを運航していますが、天気にだけはいつまでもどうしても勝てません。
<黒い数字に関して> 一番上:出動数、真ん中:未出動数、一番下:要請数 <赤い数字に関して> 上:ヘリ出動のうち隣県へのヘリ出動数 下:ヘリ未出動に対する代替え出動数 (1段目)隣県からのヘリ・カー出動数、(2段目)防災ヘリドクターヘリ的運用、(3段目)前橋ドクターカー |
11日間で55件の要請を頂きましたが、出動28件、未出動27件と約半分しか要請にお応えできませんでした。未出動27件のうち12件は「隣県ドクターヘリ」「防災ヘリドクターヘリ的運用」「ドクターカー」で代替え対応していますが、それでも1日1件以上のペースで未出動が発生しています。
ドクターヘリの要請数だけいうと群馬県はすでに1機のヘリだけではこたえきれない状況になっているかもしれません。しかしヘリの要請内容については県内11に分かれているMC(Medical control)協議会でほとんど検証されていません。また基地病院の救急医の数を考えるともっと効率的に運用すればもう少し重複要請にこたえられる可能性があります。また県内ドクターカーの限定さえた出動範囲や時間制限が、応援出動のブレーキになっている要素もあります。
もちろんドクターヘリやカーを運用する主体からの要望、各消防・病院の勤務体系など、そう簡単に変えられるものではありませんが、増え続ける未出動にどのように対応するか真剣に考えなくてはいけません。
未出動を減らすために要請を控えてアンダートリアージが発生したら元も子もありません。ヘリの有効利用のための県全体をあげてのしっかりとした検証体制、そして各機関・周辺県との協力関係の強化、そして何よりも基地病院のスタッフ1人1人が1件でも多くの要請にこたえられるための気持ちを持つことが大切です。
これらのことがきちんとできるようになって、ようやく「キーワード方式導入の検討」「ドクターヘリ2機目導入の検討」を始めていきたいという願いを抱えている今日この頃です。