今年度初の群馬県ドクターヘリ症例検討会を開催しました。

5月21日に今年度初の群馬県ドクターヘリ症例検討会が開催されました。
毎回100名を超す多くの関係者の皆様にお集まりいただいていますが、今回は高崎ドクターカーのスタッフや地域医療の最前線でご活躍されている先生も会場に足を運んでいただき、貴重なご意見をたくさんいただくことができました。(本当は佐久総合病院佐久医療センターの先生にも来ていただく予定でしたが、こちらからの連絡ミスにより急に来られない状況になってしまったことを心よりお詫び申し上げます。)

いつも会場は満杯で熱気にあふれています。

 
今回は2014年度の1年間の活動実績の報告と、運航してから6年間の統計の移り変わりについて紹介させていただきました。
毎年夏に要請のピークが来るのですが、昨年度は秋に最も多くなっていました。
寒さよりも暑さが厳しくなるとヘリ要請が増える傾向があるようです。
要請数の伸びに対する出動数の伸び悩みが一番の問題です。
内因性疾患の要請がもう少しあってもよいと感じています。
 
そして今回も「早期医療接触」「早期決定的治療開始」に向けて、県全体でもっと時間を意識した活動を再確認しました。
年々要請するタイミングは早くなっています。
しかしあくまで目標は「救急隊現着前要請8割以上」です。
平均では「覚知から医師接触まで30分」、「覚知から病院到着まで60分」を達成しました!
しかし件数ではまだ4割を超える事案で30分・60分を超えています・・・
覚知要請基準の話し合い、ランデブーポイント増設のお願いが
続いている日々です。

症例検討においては5事案に関して関係した各機関より発表を頂き、それぞれのポイントについてディスカッションをしました。
特に今後様々な病院前医療チームが連携して活動する事案が増えることを見越して、今回は先に他機関のドクターヘリ、ドクターカーが接触し、その後に群馬県ドクターヘリと連携する事案をとりあげました。また消防本部を超えた連携など、早期医療接触のために“壁を超えて”行った事案も紹介させていただきました。
もちろん症例検討会なので、消防本部や搬送元病院からのリクエストにお応えして、症例に対する治療戦略、経過報告も行っています。



そして多くの連携活動を行っている結果、実際に群馬県内の消防からの要請に対して早期医療接触のために出動したすべてのヘリ・カーを合わせると、昨年度は1000件近い出動がありました。
黄色い部分が他機関による病院間出動です。
群馬県防災ヘリドクターヘリ的出動、栃木県ドクターヘリ、埼玉県ドクターヘリ、
信州ドクターヘリ佐久、前橋ドクターカー、高崎ドクターカー、足からドクターカー
が機体不具合時、重複要請時などにたくさん活躍していただきました。

今回はとことん「時間」と「他機関連携」をキーワードにディスカッションを行いました。実際に連携をとるのにまともに行けばとても時間がかかる場合があります。しかし目の前の患者さんには時間がありません。今できる最善のことを行いながらより良い方法に導いていく必要があります。




『早期接触・病着のために今できること実行せよ!』  


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