壁を突破する!vol.1 ~県境を越えた応援~

町田です。
爆弾低気圧が猛威を振るっていて、北日本や日本海側を中心に大雪の被害が出ています。皆さん、本当にけがや事故に十分気を付けてください。
 
 
先日の新聞に「長野から岡山まで小児重症心疾患のヘリによる転院搬送」のニュースが掲載されていました。長野県の病院に入院中の重症心疾患の小児患者を、手術目的のため岡山県の病院に防災ヘリで搬送していますが、長野県の防災ヘリが大阪の空港まで搬送し、大阪の空港からは岡山県の防災ヘリが引き継いで搬送したとのことです。
燃料の残量、ヘリの帰還時間のことを考慮して、2県の防災ヘリがまさに「命のリレー」を行っています。そしてバトンを引き継いだ場所も大阪府であり、まさに県境を越えた応援活動が行われていました。
 
群馬県ドクターヘリも栃木県・茨城県と広域連携を結んでお互い助け合っていたり、長野県からは応援出動していただいていたり(群馬から長野への応援出動も可能になりました!)、来年は埼玉県とも広域連携を結ぶ予定でいます。
また過去に群馬県防災ヘリのみならず、栃木県、長野県の防災ヘリから患者を引き継いだこともあります。
当院屋上ヘリポートに飛来した栃木県ドクターヘリ
栃木県防災ヘリで救助した患者を群馬県ドクターヘリへ引き継ぎ

県境だけではありません。市町村の境も同じです。
前橋市消防局のドクターヘリ事案で最も近いランデブーポイントが伊勢崎市内であったため、伊勢崎市消防本部が支援に入ったり、全くその逆の場合もあります。その他の地域でも同じようなことが何度かありました。
 
 
地図にははっきりと書かれていますが、空から見ると県境、市町村の境はわかりません。実際の活動中に見えない線をあえて引いていろいろ制限をかけているのは大人の勝手な事情の場合が多いと感じています。
少なくとも医療については、「あの地域ではいいけど、この地域ではだめ」というような地域間格差をできるだけ少なくするために、県境、市町村の境を越えた応援活動はとても重要です。

コメント

  1. 命に地域も県境も無い。
    目の前の命を救いたい助けたいっと思えば、命に線引き等出来ないのではないのでしょうか?。
    今回の命のリレーのお話し、とても感動しました。
    自身も人の命を助けれる人で居たいし、命の最前線で戦う先生方のお役にたてる人で有りたいので、救命救急の講習、自主的勉強を欠かせません。尊敬します。m(__)m


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    1. 岡田さん、いつもコメントいただきありがとうございます。
      地元に根付いた救急医療が展開されている地域を見ると、地元の救急医療のみならず必ず周辺地域との連携がうまくで来ている様子をまざまざと見せつけられます。群馬県ももっと頑張らなくてはいけません。オール群馬、オール関東、そしてオール日本と輪をどんどん広げていこうと思います。

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