群馬県ドクターヘリ症例における2012年度整形外科的緊急手術統計

Web担当の伊藤です。

筆者は主に整形外科的な外傷・疾病に携わっています。
ドクターヘリの出動統計の中に、傷病者疾患分類というグラフがあるのをご存知でしょうか。
2012年度においての傷病者疾患分類は以下のようになっています。

'12年4〜'12年9月

外傷

熱傷

心大血管疾患

脳血管疾患

中毒

その他

うちCPA

現場出動

333

12

81

102

9

105

63

施設間搬送

11

2

35

8

2

11

0

合計

344

14

116

110

11

116

63

この中の「外傷」という項目に、今回は着目しました。
この「外傷」の中で、整形外科的な緊急手術をしている症例が何件あるのだろうと疑問を持ったからです。

まず、昨年度(2012年4月1日〜2013年3月31日)に、当院整形外科が来院当日緊急手術を行った症例数は全部で115件でした。その症例での、患者さんの緊急手術当日の来院手段です。


このように、救急車が半数を占めています。ウォークインがヘリ搬送より多かったのは意外でした。
次に、2012年度に緊急手術を行ったヘリ搬送症例は、19件でした。この症例の中には多発外傷の患者さんも含まれています。次のグラフは、2012年度にヘリ搬送後整形外科的緊急手術症例に関わった消防本部の症例数です。


では、この症例がどのような内容だったのか見て行きましょう。


この他に、整形外科が緊急手術をしない症例でもヘリ搬送となる場合もあります。
その場合、四肢骨折の他に、頭部・胸部・腹部を怪我していたりすると、重篤な生命の危機を脅かされる状態が予想されるので、まずは全身状態を安定させてからの整形外科での待機的手術となるケースが多いです。
ですので、2012年度の「外傷344件」の中に、待機的な整形外科的手術を行っている患者さんも多く含まれていると思われます。

今回、少し違った視点でドクターヘリを見つめてみました。
整形外科に見学を希望する医学生さん達は、皆、「外傷に興味がある」とおっしゃいます。今後当院に見学を検討されている学生さん達の参考になれば幸いです。

今日9月11日はアメリカ同時多発テロ事件から12年目の秋です。
当時筆者は東京に住んでいて、都内の公共施設に設置されている大ビジョンで、その様子を見ていました。
信じられないような光景を、未だに鮮明に思い出します。
事件に巻き込まれた多くの方々に心よりお見舞い申し上げます。

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