群馬県災害医療コーディネーター。(群馬県ドクターヘリ7月活動実績速報付)

当科中野センター長が群馬県から大きな任務を託されました!

群馬県より、大規模な災害や事故の際に重症患者の搬送先や応援医師の派遣先などの調整を担う『災害医療コーディネーター』を、当院副院長&当救命センター長である中野実医師が委嘱されました。7月30日にその委嘱式が群馬県庁で行われました。
東日本大震災での災害救護活動において、福島県から患者さんの受入の際には、
中野センター長の統括の下、群馬県内9病院からDMAT10チーム47名で活動しました。
関越道高速バス事故の対応において記者会見をする、
当院災害対策本部長であった中野センター長。

『災害医療コーディネーター』の主な役割は、
①災害発生時に、群馬DMATや医療救護班の派遣や、他県からの医療チームの受入時において、効果的な配置などについての助言。
②平時から県の災害医療対策に対する助言や、県が主催する災害医療研修等の企画運営。
です。
*詳細は群馬県ホームページをご覧ください。⇒http://www.pref.gunma.jp/houdou/d1100016.html

群馬県内には災害医療派遣チーム「DMAT」を指揮統制・調整を担当する統括DMAT隊員が8人いますが、うち当院当科に6人在籍しています。中野センター長のもとさらに災害救護活動がより迅速かつ円滑にできるよう日常よりさらに努力していきます。


さっそくですが明日院内で4月末に群馬県内で発生した「関越道高速ツアーバス事故」の事故対応検証会が開催されます。今回の群馬県災害医療コーディネーターの設立への大きな要因の一つにもなったことであるとともに、当院の群馬県基幹災害医療センターとしての現状の理解と今後の貼ってのためにとても重要な会となるでしょう。
また昨日は全国ニュースになるくらいの高速道路での大きな事故が発生しました。いろいろな方から「ドクターヘリや病院はまた大変だったね・・・」という言葉をいただきましたが、ドクターヘリの要請もなく、ERやICU業務に忙殺されていた当科スタッフもニュースで初めて知ったという状況でした。まだまだ「高速道路」というキーワードが様々な障壁になっている現状が続いています。

まだまだ課題が山積みですが、様々な機関が一丸となって災害対応のさらなるレベルアップに向けて進んでいきましょう。


☆群馬県ドクターヘリ7月活動実績速報☆

〇要請:82件(先月-6件)
〇出動:66件(先月-5件)
・現場出動 51件
・施設間搬送 6件
・出動後キャンセル 9件・・・キャンセル率 14%
・その他 0件

〇未出動:16件
・重複要請 6件(信州佐久ドクターヘリ対応 1件)
・救急隊現着後キャンセル 7件
・天候不良 1件
・運航時間外 0件
・その他 2件

<要請消防本部>要請/出動:82/66件
・多野藤岡広域消防 15/11件
・前橋市消防             14/12件
・吾妻広域消防         13/11件
・高崎市等広域消防 13/9件
・渋川広域消防         7/7件
・富岡甘楽広域消防 4/4件
・館林地区消防         4/3件
・桐生市消防             3/3件
・利根沼田広域消防 3/3件
・伊勢崎市消防         3/2件
・太田市消防             2/0件
*北関東3県広域連携(栃木県) 1/1件

<搬送先病院>傷病者:71名(多数傷病者事案 5件:2名 2件、3名 2件、9名 1件)
・33名:前橋赤十字病院・・・U-turn率:46.5%
・8名:群馬大学医学部附属病院
・6名:公立藤岡総合病院、高崎総合医療センター
・3名:太田記念病院、北毛病院
・2名:群馬県立心臓血管センター、公立富岡総合病院、桐生厚生総合病院
・1名:足利赤十字病院(栃木県)、群馬県立小児医療センター、利根中央病院、渋川中央病院、くすの木病院、原町赤十字病院

<ランデブーポイント>
新たに8ヶ所のランデブーポイントへ着陸→使用したランデブーポイントは353ヶ所(群馬県内)
*その他、まだランデブーポイントに指定されていませんが、その地域を管轄する消防本部で初めての学校への着陸がありました。今後多くの学校をランデブーポイントとして申請していただけることを期待しています。

コメント

  1. ランデブーポイントに学校グラウンドが指定されているケースが多いと思います。
    群馬県のように平地よりも山間地の割合が高い場合,どうしても【ヘリが着陸可能な一定の広さ】を有するポイント=学校グラウンドという図式が成り立つのでしょう。
    学校側も要請があれば積極的に受入をしていることでしょうが,運動会や定期試験中等の学校行事の兼ね合いで100%受入というわけにもいかないこともあるでしょう。。。
    私の勤務先は山間部にあり,また,管轄の消防分署は規模が小さく,散水・安全確保のためのポンプ隊を出せるだけの余裕がないという現実があります。そのため,直近ではなくても散水不要のランデブーポイントを選定しているそうです。
    最近,勤務先の隣に高齢者福祉施設が新規開業しました。今後ドクヘリを要請しなければならないケースも出てくるかもしれません。直近のグラウンドが使用できずに他のランデブーポイントを使用せざるを得ない状況もあるのです。
    学校グラウンド等のランデブーポイントも当然ですが,それ以外のポイントを増やしていくことも消防側の大きな役目になってきそうですね。。。
    同時に,グラウンド等以外の道路や休耕地など【現場直近】へのアプローチも考えていかなければならないのかもしれませんね。(着陸許可をとるのが難しそうで,高い操縦技術も要求されると思いますが。。。)
    いずれにしましても,私たち一般市民も【救命の連鎖】を充実させるためにできることがあるはずです。全力でドクターヘリを支えますよ!!

    生意気なことを書いてスミマセン。。。

    返信削除
  2. itakuraさん、いつもコメントありがとうございます。
    ある県のドクターヘリでは、真っ先に傷病者のもとへ医師、看護師を派遣するために原則現場直近(困難であればランデブーポイント)というところもあるそうです。もちろん安全第一ですが、ランデブーポイントの数が増えればそのような問題も少しは解決されるような気がします。
    芝生が傷むことを理由にランデブーポイントを取り消しになった場所があります。もちろん土地所有者の考えが優先されるべきなのでそれに対して特に否定はしませんが、他県のある学校の先生は『芝は痛んでもまた生えてくるけど、人の命は失うと二度と戻ってきません。』といって、ドクターヘリの着陸を好意的に受け入れているところがあります。

    返信削除

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