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林先生、ありがとうございました。

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ちょうど年度の折り返し地点にあたる9月末は、半年間の研修が修了したり、ちょうど出向の入れ替わりがあったりなど、お世話になった先生方とのお別れの時期でちょっと寂しくなります。 当科でも半年間の研修が修了した先生がいます。 板橋中央総合病院麻酔科から来られた林祐香先生も、この9月末で半年間の研修が修了しました。 手術室とは異なる環境のERでの初療からICUでの集中治療まで、救急対応のいろいろなことを学んでもらいました。またドクターヘリ・カーにも同乗し、Pre-Hospitalの雰囲気も知ってもらいました。 また林先生からは麻酔科の経験を生かしたAirway managementの講習会を開催していただいたり、実臨床の現場でも鎮静・鎮痛や挿管困難症例など多くの場面でたたくさんのアドバイスをいただきました。心から感謝いたします。 林先生の研修が無事終了したことを記念して、ささやかながら送別会を行いました。 中段右から3番目(両手でピース)が林先生! ますますのご活躍を祈念しています。そして先生とまたいつかどこかでご一緒できることを楽しみにしています。 また内海江里加先生も夫の秀先生の研修の都合で一旦当院を卒業します。 初期研修医時代から持ち前の明るさとガッツで頑張ってきたので寂しい気持ちがありますが、もともと地元群馬のためにこの道を目指しており、また戻ってきて一緒に活動する日が1日も早く来ることを楽しみにしています。 しばらくアウェイでの修行だと思って頑張ってきてください!

「医師救急医療業務実地修練」に参加しました。-“合同研修”編-

こんにちは、金畑です。 先日のブログに続けて、「医師救急医療業務実地修練」という研修に参加してきた話題です。 前回は施設研修のことを書かせていただきましたが、今回は 9 月 18 日~ 20 日に東京で行われた座学を中心とした“合同研修” のことを書きます。 全国から救急業務に関わる医師 43 人(中には麻酔科や脳神経外科の先生もいらっしゃいました)が集まり、各分野の高名な先生方から講義を受けました。 講義のほかに、 7 ~ 8 人の小グループに分かれてのディスカッションもありました。 内容は小児救急、病院前医療体制( pre-hospital や medical control )、災害・テロ対策、救急部門の運営(まだまだ若造には早い話です…)、法的問題など多岐に分かれていました。 救急部門自体が病院内、医療のことから病院外、社会学的な要素を含んだりと広い範囲を網羅する部門であるからこそなんだと思います。 ちなみに前橋赤十字病院 救急科に所属している限り、仕事の内容は、病院内だけであったものが、徐々に病院外へと仕事が増えていきます。理由は上と同じです。 今まで、なんとなく対応していましたが、それのバックグランド、ベースにある、法令や取り決め、その変遷を学べる良い機会でした。かつ、法曹界の先生もいらっしゃっていたので、法律関係がまだその病院前、病院外の活動を網羅しきれていない、といった「注意すべき点」も学ぶことができました。 まだまだ学ぶべきことは多いはずですが、今後仕事が外に向かっていくにつれて必要な知識を学習するよいきっかけになりました。

「医師救急医療業務実地修練」に参加しました。-“施設研修”編ー

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こんにちは、金畑です。 先日、「医師救急医療業務実地修練」という研修に参加してきました。 医師救急医療業務実地修練について、公式的には「地域における救急医療のリーダーの養成が目標」とされる研修で、具体的には、各地域の病院ごとの具体的なとりくみを学ぶ‟施設研修”と日本の救急事情を取り巻く環境を座学で学ぶ‟合同研修”の 2 つに分かれています。 病院での研修は全国の高度救命救急センターや救命救急センターから選択でき、 9 月 12 日~ 13 日の二日間行われました。座学は 9 月 18 日~ 20 日の 3 日間、東京で行われ、各分野の専門家による講義でした。これは、別の記事に書きます。 さて、病院での研修先として、金畑は地元に程近い神奈川県にある「済生会横浜市東部病院」を選択しました。 済生会横浜市東部病院 (恩賜財団神奈川県済生会ホームページより) 横浜市にある救命救急センターのひとつで、 2 つしかない外傷センターでもあります。そして、施設としての特徴としては、 Hybrid ER が導入されていることです。 このブログをご覧になられている方が医療関係者であれば、御存じのことだとはおもいますが、 Hybrid ER というのは、救急外来(処置室)に CT や透視の機械が備え付けられているものです。救急患者に対して、素早く検査、処置、場合によっては手術が行えるようになり、全国にまだ 11 施設くらい(ちょっと定義の問題でぼやかしますが)しかありません。そんな施設の見学やそれの使い方、院内の取り決めも見学させていただきました。また、横浜市東部の地域の救命救急センターとしての役割や他病院との連携も聞けました。   自身が所属する病院と異なり、臨床として興味深いことがいくつもありました。 また、今回の研修では、「救急科としての運営」も学習することが目的の一つで、病院のシステムや働き方、役割、またそれぞれの運営(お金の話)も聞くことができました。まだまだ運営には程通りところで働いていますが、新しいことを学べるとても有意義な研修をすることができました。 (次回は‟合同研修”編です。)

日没との戦いが始まりました!

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町田です。 まだ日中は汗ばむときはありますが、朝夕はすっかり涼しさを感じるようになりました。 秋は空がより高くより青く感じます。群馬もすっかり秋の気配が広がってきています。 秋になると毎年始まる戦いがあります。相手は「日没時間」です。 現在の群馬県の日没時間は17時半ちょっとすぎです。だいぶ早くなりました。 群馬県ドクターヘリは「日没時間までに基地病院に帰還する」という運航規程に則って運用しています。 すでに太陽は山に隠れようとしています・・・ 「ヘリで搬送するか?」「陸送に切り替えるか?」 そこで夕方に要請が入ると、日没時間から所要時間を逆算して「出動できるか否か」を判断します。 もし出動できたとしても、「行きの飛行時間+救急車からヘリへの載せ替え時間+エンジン始動時間+帰りの飛行時間」を日没までの時間から引いた時間が「現場で活動できる時間」となります。 もしその時間がなければ、医療スタッフのみを置き去りにしてヘリは帰還する場合もあります。その際は逆に現場で活動する余裕があるのですが、現場で時間の余裕がなくても早期に病院で決定的治療を行わないといけない場合は、現場でごくごく最低限の活動だけしてすぐにヘリで患者を搬送しなくてはいけません。 いつも日没ぎりぎりまでお疲れ様です。 日没ぎりぎりの要請では、行くまでの間に現場で十分な活動するために残るか、病院搬送を最優先に現場活動をより洗練させておこなうか・・・無線から入ってくる情報と時計の針とにらめっこしながら頭の中で様々なシミュレーションして現場に向かいます。 日没時間は変えることができず絶対に守るべき時間だからこそ、あらためてドクターヘリ要請から基地病院到着までに1分たりとも無駄にできないことを実感します。

首都直下地震に空から挑む!?~「令和元年度政府大規模地震時医療活動訓練」~

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町田です。 今年度も「政府大規模地震時医療活動訓練」の空路地域医療搬送に企画の段階から関わらせていただきました。本訓練の企画に当院スタッフが関わってだいぶ長くなりますが、訓練で取り入れて検討した内容が実災害時にどんどん活用されてきています。このような大切なミッションに関わらせていただいていることに強い責任感と同時にプレッシャーを感じながら約半年を過ごしました。 今年度は首都直下地震で1都3県(東京都、千葉県、神奈川県、埼玉県)に甚大な被害が生じた想定での訓練で、当院からは空路地域医療搬送に関わる全体の企画および神奈川県を町田が、埼玉県を藤塚医師が担当し、訓練当日はコントローラーとして小池看護師、滝沢看護師、内林救急災害事業課長にも参加してもらいました。 大規模災害が起こり多数の傷病者が発生してしまったときに、1人でも多くの人々の救命を目指し傷病者を近くの拠点病院やさらに被災が少ない地域の病院に搬送する必要が出てきます。その医療搬送を地域医療搬送と呼びますが、その中でもヘリコプターなど空路を利用した搬送を空路地域医療搬送として取り扱います。 時間帯や気象条件にもよりますが、大規模災害時には消防、警察、自衛隊、海上保安庁、そしてドクターヘリなど多くの機関のヘリコプターが参集し、そして様々な搬送ニーズが発生します。そのニーズと搬送手段、搬送先とのマッチングが空路搬送の有効性に大きくかかわってきます。  災害時には医療搬送のみならず、空路搬送が果たす役割は 多岐にわたり、ヘリ保有各機関の連携がカギになります。 実際に災害時にヘリコプターを飛ばすためには、被災地に参集できる場所があるか?給油できるか?どのヘリがどこに向かうか?など平時からの準備が最も大切になります。 この企画に関わらせていただいてから、訓練当日よりもその前の数か月の準備が大切なことに気がつきました。災害時に参集できる場所がない!給油できる場所がない!という自治体もあり、その場合はその想定のまま訓練に挑みます。その中で本当に災害が来た時に困らないようにこれから何をするべきなのかを関係者の皆様で話し合うことが一番の訓練の成果になっています。 今年度担当させていただいた神奈川県でも、何度も神奈川県、横浜市、ドクターヘリ基地病院の担当の方と話し合いを行い、訓

「利根川新橋シンポジウム」で講演をさせていただきました!

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町田です。 ありがたいことに毎年度いろいろな講演の依頼をいただいていますが、今年もこの時期から講演ラッシュが始まります。 本日夕方、今年度の第一弾である「利根川新橋シンポジウム」で基調講演をさせていただきました。 ‟何十年も前から前橋市と玉村町を新橋で結びたい”という話があり、新橋が医療に与える影響にについて、「新しい橋によって前橋市と玉村町の医療はこう変わる!」というタイトルで医療からの切り口で話をさせていただきました。 会場には500名近い方々が集まっていました。 今回のシンポジウムは主催が前橋市、玉村町、後援が前橋商工会議所、玉村町商工会ということで、救急医療やドクターヘリ・カーの話もいつもと違う切り口で話さなくてはいけないところがある意味新鮮でした。 基調講演の後のパネルディスカッションには 中野院長が参加しました。 スライドも数日かけて作りましたが、玉村町が利根川をはさんで南北に分かれていること、前橋市と玉村町を直接結ぶ橋はないことなど地理的条件や交通の歴史など新たな発見もありました。また伊勢崎市消防本部のご協力をいただき、玉村町管内の救急搬送の実績からバイパス道の開通や新病院移転による搬送先の動態を知ることができました。 今回のシンポジウムの講演の依頼をいただくことで、いつもとは違う切り口で地域の救急医療や病院前診療について考える良い機会となりました。 貴重な機会を提供していただいた前橋市、玉村町の関係者の皆様に心より感謝いたします。

“命のリレーの第一走者”を育てよう。~毎年恒例、前橋市立前橋高校BLS&AEDコースを開催!~

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町田です。 昨日、前橋市立前橋高等学校にて救命講習会を開催しました。 この救命講習会は一次救命処置を学ぶBLS&AEDコースで、高校1年生約240名を対象に午後2校時を使って行っていて、今回で16回目(16年目)の開催になります。 この講習会の指導者はすべてボランティアで、今年も群馬県に加えて、埼玉県、新潟県、長野県、東京都、そして愛知県から病院スタッフ、消防職員あわせて76名の方に集まっていただきました。 そして毎年行っているデモンストレーションも今回は初めて県外から来ていただいた比企広域消防本部(埼玉県)の皆さんに担当していただきました。 本コース初、群馬県外の方々によるデモンストレーション。 比企広域消防本部の皆様、ありがとうございました! 目の前で急に人が倒れた時に、救急車が到着するまでには日本で平均8.6分かかります。 消防や病院関係者は救命のために全力を尽くしますが、決して第一走者にはなれません。すぐそばにいる人が勇気をもってAED、胸骨圧迫をしていただくことで、命は第二走者の救急隊、そしてアンカーとなる病院まで引き継がれていきます。 だからこそ“命のリレーの第一走者を育てる”ことに情熱を持った方々が、毎年この時期に集ってくれます。また今年も指導者の中にこの学校の卒業生がいらっしゃって、学生時代にこの講習会を受講した時の経験から、命のリレーの大切さを伝えるために今度は後輩たちに指導しにくるという先輩から後輩へのバトンパスもありました。   生徒の皆さんも本当に熱心に胸骨圧迫とAED使用を学んでくれて、とても充実した午後のひと時となりました。     お忙しい中、本当に多くの方々に集まっていただき、そして「命のリレーの第一走者」をまた育てることができました。心より感謝いたします。 またコース開催にご協力いただいた学校の教職員の皆様、熱心に受講していただいた生徒の皆様、本当にありがとうございました。 充実した時間が終わった後には美しい秋空が広がっていました。

今年度も学校教職員への救命講習会を実施しました。~「教職員対象AED&エピペン講習会」~

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町田です。 前橋はまだ日中蒸し暑いことがありますが朝夕はだいぶ涼しい風が吹くようになってきて、ドクターヘリで山間部に向かった際は少しずつ紅葉が始まってきている景色に秋を感じるようになってきました。 台風15号の影響で千葉県ではまだ停電が続いている地域があります。電気がないと本当に困る世の中ですが、将来のことを考えると少しでも節電や電気に頼りすぎない意識も必要です。でも今はまず停電している地域の1日も早い復旧を願っております。 前橋地区養護教諭部会からの依頼で2014年度から始めている「前橋市内高校・支援学校教職員対象救命講習会」ですが、今年度も7校で開催させていただきました。 これでこの6年間で前橋市内14校で47回開催しており、当科指導スタッフも13名にわたっています。 今年度も基本は1時間で「AEDに使用」と「エピペン®の使用」を講義と実技を通して学んでいただきました。 学校によってはすでに6年連続で受講しているところもありますが、このようなことはめったに起こらないからこそ定期的に繰り返し行うことが大切になります。 はじめのうちはこちら側から一方的に教える形となっていましたが、6年もやっていると教職員同士で声を掛け合って実技を行っていたり、このことは生徒も巻き込んでいかないとなど、学校側からいろいろな提案をいただくこともあるようになりました。 この講習会を6年間続けて双方向性の学習になってきたのをうれしく感じます。 バイスタンダーと医療者の連携強化をさらに進めていくのも、我々の大切な役目です。 明日は年に一度の市内高校生240名に対する救命講習会です。ボランティアとして県内のみならず埼玉・長野・東京・愛知からも指導者が集まってくれます!

‟Airway Management”を制する!~集中治療科・救急科勉強会~

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藤塚です。 当院では、いくつかの勉強会があります。 毎週担当者による講義形式の update を行っています。 今回は、実技編。『 Airway management を制する』と題し、初期研修医も含め行いました。短期研修にきている麻酔科の林先生とともに、①ポジション、②各種デバイス使用のこつを学びました。 Sniffing position の理解、肥満体型者の ramped position など。 救急医は、時に体位を選択できない状況で挿管を強いられる場面もあります。が、基本をしっていないといけません。今回はあらためて【ポジショニング】の重要性を理解。 ビデオ喉頭鏡も今や複数あり、それぞれメリットがあります。喉頭展開の方法も少しずつこつがあります。それを実際に確認しました。 私からは、病院前診療時、対面挿管の場面もありうるであろうと課題を出し、みなで経験。 我々にとっては、 airway management 能力向上は、蘇生を行う上で大きな力になります。 今後も技術・知識を皆で磨いていきたいと思います

前橋ドクターカー日赤 2019年8月活動実績

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台風15号による影響がまだ続いています。当院DMAT2班目は一昨日夜に帰還しましたが、活動を日赤救護班に引き継いでおります。 これからも千葉県の皆様のご苦労が1日も早く解消されることを毎日願っているとともに、できる範囲で引き続き支援をしていきたいと考えております。 遅くなりましたが8月の前橋ドクターカーの活動実績です。 ドクターヘリは暑くなると要請が増えたりするなど季節により活動実績に大きな変動があるのですが、ドクターカーは基本的に春夏秋冬で要請数はほとんど一定しています。 ドクターヘリのカーも要請基準は大きく変えていませんが、ヘリは外傷、カーは内因性疾患が多いという差も出ています。 今後これらの差を検証していき、さらに良い運用ができるようにしていきたいと思います! 日没時間が早くなりヘリの待機時間が短くなるこれからですが、前橋市内においてはその分をドクターカーでカバーしていきます。 <前橋ドクターカー 2019年8月活動実績> 前橋ドクターカー:要請 76件 出動 72件(+時間外出動 2件) ・日赤:要請 65件 出動 61件(+時間外出動 1件) *高崎ドクターカー事案の応援出動 1件あり ・群大:要請 11件 出動 11件(+時間外出動 1件)   以下は、前橋ドクターカー日赤の実績 (図をクリックすると拡大表示されます。)  

群馬県ドクターヘリ 2019年8月活動実績

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町田です。 9月10日に出動したDMATロジスティックチームは13日の深夜に無事帰還しました。そして今はDMAT 1チームが引き続き千葉県で活動中です。 昨日夕方と夜に高崎、前橋を中心にゲリラ豪雨に襲われ、高崎では夜に約26,000戸で停電が発生しました。長いところで1時間半ほどの停電で、我が家はたった数分で回復しましたが、「たった数分でもかなりの戸惑いと不便を感じてしまった」のが実際のところで、数日にわたって停電が続いている千葉県の皆様のご苦労をとても痛切に感じました。 一気に強風と雷雨がおそってきました! 電力の復帰に向けて全国から応援が集まって必死の復旧作業が続いているとのことで、本当に1分1秒も早いライフラインの復帰を願うばかりです。 8月のドクターヘリ活動実績です。 7月末から一気に暑くなり、8月に入り昨年同様にドクターヘリ要請がかなり増えました。最もドクターヘリ要請があった昨年度を超す勢いに、本気で「この暑さは群馬県民の健康を根こそぎ奪い取る!」と心配しました。しかしながら後半になって不安定な天気で気温が少し下がり、救急搬送数の落ち着きとともにドクターヘリ要請数も落ち着いています。 群馬県の場合は、平野部の最高気温が34度を超えると一気に救急搬送が増える傾向があり、この傾向は今年度も同様に見られました。 9月に入って台風などの影響で猛暑日があったり、秋風とともに急に涼しくなったりと、体調を崩しやすい時期です。皆様、体調管理に本当にお気をつけください。 <群馬県ドクターヘリ 2019年8月活動実績> 上段:活動種別 中段:搬送先病院 下段:疾病分類   年度別要請・出動数  

台風15号被害への群馬県の医療対応。~DMAT追加派遣しました。~

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台風15号による被害に対する活動が続いています。 この2日間猛暑が続いており、とくに停電が続いている地域の皆様の健康を祈るとともに、1日も早いライフラインの回復を願っています。 群馬県では千葉県からの要請にもとづき、9日に当院と太田記念病院からDMATロジスティックチーム 2隊を派遣したのに続いて、当院、太田記念病院、高崎総合医療センター、伊勢崎市民病院、渋川医療センターよりDMAT 5チームが派遣となり本日未明に出発しました。 また群馬県から派遣するDMATの調整や今後域外搬送があった際に県内の受け入れ態勢がすぐにとれるよう、群馬県医務課に調整窓口(群馬県保健医療調整本部)を設置するとともに医療担当官(災害医療コーディネーター)を指定して活動しています。

台風15号被害への当院の対応。

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昨晩から未明にかけて関東を直撃した台風15号により、主に神奈川県、千葉県、茨城県に大きな被害が出ています。 今回も残念ながら人的被害も発生しており、心よりお見舞い申し上げます。 群馬県はほとんど被害がなく朝から台風一過で蒸し暑い中、通常の体制で平時の医療を行っていましたが、週末に政府訓練で被災地の想定となった神奈川県、千葉県では休む間もなく災害対応に追われています。 また今回は夜になっても60万戸を超える停電が発生しており、1年前の北海道のブラックアウトを思い出してしまいます。 夕方になり千葉県よりDMATおよびDMATロジスティックチームの派遣要請があり、群馬県からは当院と太田記念病院よりDMATロジスティックチームを派遣しました。 災害時はいつも千葉県のスタッフの方々に多くのことを教えていただいており、少しでも恩返しができるように活動してきます。

『第27回群馬県救急医療懇談会』に参加しました。

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集中治療科・救急科の丸山です。 9 月 1 日に群馬県吾妻郡中之条町で開催された「第 27 回 群馬県救急医療懇談会」に参加してきましたのでご報告いたします。本懇談会は、群馬県内の救急医療に関わる人々(医師、看護師、消防士、救急救命士など)が集まって、県内の救急医療の普及発展を目指す会です。   今年は当科から座長・講演・シンポジウム・一般演題合わせて、中村センター長、藤塚副部長、小橋先生、土手先生、丸山の5人 が参加しました。また当院から中野院長の特別講演、小保方部長(精神科)、城田看護師(救急外来)、田中看護師(ICU)、伊藤主事(救急災害事業課)から演題発表がありました。 ☆プログラムはこちら↓ http://plaza.umin.ac.jp/gaem/27haramachi/pdf/program.pdf     様々な演題発表がされましたがその中で、私が最も興味を唆られたものはシンポジウム「救急隊とドクターヘリ / カーの診療協力」でした。 パネリストには群馬県内の救命救急センター 3 病院から新進気鋭の先生方が選ばれ、 Preventable Trauma Death を如何になくすかにつながる「病院前処置の在り方」や「救急隊との連携」について語られました。 明日につながる貴重なディスカッションを拝聴でき勉強になりました。     私は一般演題「 ER/Dr カー・ Dr ヘリ / 災害医療」というセッションで、「脳卒中における病院前救急診療の意義について」と題して当院の 4 年間のドクターヘリ・ドクターカーにおける外傷以外の脳血管疾患出動例に着目し検証を行い、統計を用いて今後の展望について発表させていただきました。 データは当科の小橋先生と当院脳神経外科の先生方を中心に蓄積してきた歴史を引き継ぎ、今回の検証に必要な情報を追加してなんとか発表までたどり着くことができました。 データ集めは地道な作業ですが、このような臨床につながる情報を発信できるよう今後も「気づき」を形にしていけたらと思います。 また、同セッションの演題はバラエティに富んでおり、臨床においてピットフォールを再確認するものや非日常における医療体制について学ぶことができ、明日からの診療に活かしたいものばかりでした。

北海道胆振東部地震から1年が経ちました…

町田です。 昨日昼前に本当に衝撃的な映像が飛び込んできました。神奈川県に12年間住んでいた僕にとっても見慣れた光景でのまさかの電車事故・・・ 亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、けがをされた方の1日も早い回復を願っています。また近隣の消防や医療関係者の皆様、本当に災害対応お疲れさまでした。 9月6日といえばちょうど1年前に「北海道胆振東部地震」が発生した日です。 午前3時台という時間に起こった大地震で地元北海道ということもあり急いで病院に駆け付けましたが、情報がなかなか入ってこないなか日が明けてきてテレビで映された土砂崩れの映像に本当に胸が苦しくなりました。 そしてさらに北海道全体がブラックアウトするという今までなかった事態が発生しました。 僕はこの災害では″日赤災害医療コーディネート”して派遣させていただきましたが、北海道全体に関わる対応と局災害対応の同時進行、そして様々な医療班が集まった際の思わぬ問題発生など、本当にこれらのコーディネートに翻弄され続けながら過ごした5日間で、地元に思ったより貢献できなかったといまだに申し訳ない気持ちでいっぱいです。 いまだに大きな傷跡が残っている地域もあります。だからこそこれからも自分がいまできる範囲で 地元にきちんと貢献したいと考えています。 とはいえ下を向いている場合ではありません。 今日から首都直下地震を想定した「令和元年度大規模地震時医療活動訓練」が始まります。今年度も藤塚先生とともに空路による医療搬送に関わる部分での訓練を運営する側での参加ですが、一つでも多くの訓練の成果物を残せるように気を引き締めていきたいと思います。

夜間照明でお出迎え!~日没時間が早くなってきました。~

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町田です。 9月になり日に日に日没時間が早くなることを感じています。 群馬県ドクターヘリは日没時間までに基地病院に帰還する規定で運航されていて、また要請受付時間は最大18時までで日没30分前がしめきりとなります。 今日は日没時間が18時8分・・・つまり待機終了時間は17時38分となります。 でも人がよく動く時間である夕方にドクターヘリの要請が比較的多い傾向にあり、この時期の夕方の出動はいつも以上に時間を気にしながらの活動となります。 夕方ぎりぎりの出動では、医療スタッフのみ現場に送り込みヘリだけ日没時間までに帰ってくる、通称「ポトン」も増えます。それでも早期医療介入のために「ポトン」覚悟で医療スタッフは現場に向かいます。 ところで天気のあまり良くない日は日没前でもあたりはかなり暗くなります。 ヘリが安全に帰還するために、そのような時はヘリポートに照明をつけて待っています。 新病院になり院内のドクターヘリ通信センター(CS室)の中からスイッチであっという間にヘリポートを明かりが照らしてくれます。 日没前でも空はこの暗さ・・・ ヘリポートの明かりを照らしてヘリの帰還を待ちます。 病院の周りがあまりにも真っ暗なため、夜の空港みたいな雰囲気を醸し出しています。 新病院になってドクターヘリ活動がかなりやりやすくなったところがありますが、この夜間照明設備の設置も一つの大きな進歩です。 さらに明日朝一からでもすぐ出動できるように、照明のもとでヘリに給油を行ってから格納庫にしまわれました。 日没ぎりぎりまでお疲れさまでした。(ちなみにこの日の医療スタッフは日没1時間半後に病院に帰還・・・)

「日本DMAT隊員養成研修@神戸」に参加しました。

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お久しぶりです、後期研修医の奥田です。 今回「日本DMAT隊員養成研修(令和元年度第 9 回 ( 西日本会場第 5 回 )@ 兵庫県災害医療センター」に 8 月 21 日〜 8 月 24 日の 4 日間参加してきましたので報告させていただきます。 群馬県からは前橋赤十字病院1チームでの参加でした。医師として自分、看護師として藤生師長、新井さん、ロジスティックとして大河原さん、長井さんの5名での参加でした。 前橋赤十字病院チーム(4日目実地訓練後の一コマ) 日程は以下の通りです。 ・ 1-2 日目:座学 +机上訓練 ・ 3 日目:座学+机上訓練+試験 ( 筆記、 EMIS 、トリアージ、無線 ) ・ 4 日目:実地訓練 4日間、朝から夜まで非常に内容の濃いものでした。 机上訓練を行う際には色々な県の参加者と混合チームになり、進めて行きます。初日はぎこちなかったコミュニケーションも 3 日目には打ちとけ合い、色々なお話をさせていただきました。 Fチーム。本当にありがとうございました。 (皆さんに了承を得て掲載させていただきました。) また講師として、以前研修していた病院の救命センター長とお会いすることができ、様々な話をさせていただきました。救急を目指した時に何度も相談をさせていただいた先生で、このような機会にお会いすることが出来て、非常に嬉しく思いました。 内容に関しては、診療に関しては普段行なっていることと非常に似ているなと思いました。 災害という状況で物資は限られていますが、延長にあるような印象を受けました。 また局地災害の時に病院内でどのような動きをすれば良いのかについては、実際に前橋赤十字病院で見たり経験することが何度かあり、体験してからの参加だったので、情報収集チームや災害対策本部の立ち上げなどは非常に想像しやすかったです。 今回の研修を機に日本 DMAT 隊員となります。これが災害医療の入り口だと思い、これからも精進して行きたいと思います。 このような機会を与えてくださった上司や前橋赤十字病院という環境に感謝したいと思います。