2018年9月22日土曜日

平成30年北海道胆振東部地震の活動報告② 『日赤医療救護班』

藤塚です。
この度は、本震災により、被害にあわれた方々のお見舞いをお申し上げます。

町田先生に引き続き、現場で活動する医療救護班として、私、津久井医師(初期研修医)、石栗看護師長、滝沢看護師、小宮山看護師、友野主事、髙麗主事(薬剤師)、中島主事、唐沢主事(日赤群馬県支部)の9名による班員で、本災害の救護活動を行ってまいりました。
現地での医療活動を行うため、診療器具等を持参し、車・フェリーでの移動となりました。同時期に一緒に活動する2ブロック(関東圏と考えて下さい)の他隊員とともに移動となりました。


私たちは、成田赤十字救護班の方と一緒に、安平町の支援をさせて頂きました。
安平町役場にて・・・

避難所の巡回診療を中心に活動し、避難所で活動されている方々と共同しながら、診療を行い、衛生管理・感染症発生動向などを確認しながら病気の発生予防につとめました。
また、保健師さん達を中心に医療保健活動が行われており、そこに多くの医療チームが支援にきている状況でありました。そのため、町の総合庁舎で複数チームが共同できるよう会議を行い、そして私たちの活動を報告、避難所の情報を共有し、今後どのような対策をとっていくかを話合いました。そして、被災に遭われたにもかかわらず、地域のために働いている方々を支援する方法、ケアも考えていきました。

私達ができたことは少なかったかもしれませんが、被災に遭われた方々の健康管理や復興支援に貢献できていたら幸いです。
衛生管理のために、土足エリアなどに仕切りを・・・


個人的には、『人のつながりの大切さ』を改めて強く感じました。
個々で活動するにしても、チームで活動するにしても、そこに『つながり』がなければ大きな力にはならず、むしろマイナス面に働くこともあります。『つながる』ことで何倍にも力が大きくなるのだと感じました。そしてその『つなぎかた』がもっとも大切であることに気がつきました。

様々な発展を遂げた中でも、最終的には人であること、それを実感しました。
思いがけないところで、私的なつながりがあったとことに驚きもありました。


最後に今回の活動に関してサポートして頂いた、当院の皆様、日本赤十字社の方々、ほか多くの皆様、本当にありがとうございました。
一日も早い復興をお祈り致します。

2018年9月20日木曜日

平成30年北海道胆振東部地震の活動報告① 『日赤災害医療コーディネートチーム』

9月に入り“台風21号”そして“北海道胆振東部地震”に伴う大きな災害が続いて起こりました。日本列島に大きな爪痕を残すだけではなく、かけがえのない命が多く失われてしまいました。
亡くなられた方のご冥福を心からお祈りするとともに、被害にあわれた方々のお見舞いをお申し上げます。

台風21号に関しても当院では情報収集を行いながらいつでも支援できるように心構えをしていました。実際には直接お手伝いができないまま「平成30年北海道胆振東部地震」が発生し、最初の最大震度6弱の情報(のちに7と更新)からすぐに院内災害対策本部を立ち上げて本地震に対する活動を開始しました。


僕は地元が北海道ですが、まさかこれほど大きい地震が起こるとは思っていなかったのと同時に約25年前の北海道南西沖地震の際の大きな被害を思い出し、すぐに病院に駆けつけました。
実家にはなかなか連絡が取れず、そしてまさかの北海道全停電・・・何をしてよいかわかりませんでしたが、当院から急な救護班派遣の可能性が低かったことやちょうど北海道に出張予定(その予定は中止)であったこともあり、センター長の許可のもと翌日に地元札幌に帰省させていただき、実家の両親が無事であることを確認できました。ご心配頂いた皆様、心より感謝いたします。

そして日本赤十字社の指示のもと9月8日からそのまま札幌に残り、「日赤災害医療コーディネートチーム」として日本赤十字社北海道支部で活動させていただくこととなりました。チームということで同日当院から高寺看護師、田村主事が駆けつけてくれて、さらに同じくこの日から参加する清水赤十字病院院長 藤城先生とともに、発災当日より日赤北海道支部で日赤災害医療コーディネーターとして活動していた旭川赤十字病院救命センター長 小林先生より任務を引き継ぎました。
 
 
日本赤十字社北海道支部に入る災害医療コーディネーターの任務は、日赤の現地での活動状況を把握し、また北海道庁での会議に参加し他の医療救護組織や保健医療に関わる機関と情報共有し、それらをもとに日赤本社に今後の赤十字医療救護活動が現地のニーズに合わせて行えるように情報提供そして日赤の資材(救護班、物資)の提供を依頼することにあります。
被災都道府県の赤十字支部はとても重要な役割を担っているため、支部職員の負担はとてつもなく大きいものであるためそのサポートをしっかり行うことが大切であり、被災地に入ったコーディネーターや救護班は支部の方針にしっかりしたがって活動する必要があります。

今回9月8~12日の5日間活動させていただきましたが、具体的には被災地から情報が発信しにくい状況のなかから様々な方法で現地の情報を収集し、また道庁の会議で他機関の活動の様子や情報を入手しながら、日赤としての活動も行政や他機関と共有することにつとめました。
また地元の医療機関が再開していたり救護所の受診者数が減少してきていること、その反面で地域の保健師さんや行政職員の疲労など地域の方々の負担軽減も考慮しながら、過剰にならず過少にもならないような救護班派遣計画について毎日支部の方々と頭を悩ませていました。


現地の活動については日赤医療救護班として派遣された藤塚先生から報告してもらいます。
日赤災害医療コーディネーターとして活動してみてまた多くのことを学びました。特に「災害医療救護活動が地域の再興の妨げにならないための活動」を行うために、地元の行政機関、他機関との調整が今後も災害からの復興のキーポイントになることをあらためて振り返ることができました。
最後に今回の活動に関して温かくおもてなしを頂いた日赤北海道支部の皆様、様々な面でサポートしていただいた日赤本社、宮城県支部、そして当院スタッフの皆様、そして北海道のことを心配していただいたすべての皆様、本当にありがとうございました。
がんばろ~、北海道!!

2018年9月19日水曜日

「緩和ケア研修会」に参加しました。

中林です。
今回は院内で開催された「緩和ケア研修会」に参加させて頂きました。

研修会では最近の緩和医療について、痛みやつらさといった主観的要素を多く含む愁訴の評価、症状緩和やロールプレイによる患者さん側の気持ちの疑似体験などを通じて学ぶ機会を頂いてきました。


緩和ケアを受ける対象は必ずしもがん患者さんに限らず困っている全ての患者さんやご家族が対象であること、また緩和ケアの概念は診療の必要があれば早期から導入し、闘病中の患者さんの生活の質が保たれることを目標にして行うことが大切だと教えて頂きました。

救急外来やICUが担う役割の第一は患者さんの救命ですが、その一方で向き合っている患者さんは色んな症状に困ったり、時にはそこで人生に別れを告げる場面になったりすることも多々あります。
そんなとき命を守ることと同じように、患者さんの背景によることなく患者さんの痛みやつらさに寄り添う姿勢とその時に使える自分の引き出しを改めて見直すことができた2日間でした。



ロールプレイでは、医師、看護師、コメディカルに関係なく
受講者すべてに医師役、看護師役、患者役が回ってきます。

2018年9月17日月曜日

From Cambridge・・・vol.2 『イギリスの医療事情』

みなさまご無沙汰しております、内海江里加(妻)です。
7月中旬より主人の留学へ同行させていただき、イギリス・ケンブリッジで生活させていただいております。おかげさまで妊娠経過も順調で8月下旬より無事に産休に入りました。約2か月間子育てをしながらこちらで生活しているなかで、イギリスの医療制度や子育て支援について学んだことや感じたことをご報告させていただきます。


まずイギリスの医療事情についてですが、こちらではNHS( National Health Service)という国民保険制度が完備されています。
基本的には医療費全額タダ!!もちろん、妊婦検診や出産費用も無料です。その分税金が高い(20%)ですが、市民にとってはかなりいい制度だと思います。

今回は2か月のみの滞在でしたので私自身はNHSに加入することができず妊婦検診には高いお金がかかりましたが・・・6か月以上滞在しビザを持っている人であれば旅行者でもNHSに加入できます。ただし歯科・眼科は除外されていて、こちらに住んでいる方の話では、歯科受診はお金もかかる上にクオリティはかなり低いそうです・・・

基本的にはかかりつけ医(GPGeneral Practitioner)を自分で決めて、まずはそこを受診して専門家に紹介されるというシステムです。
GPを決める基準としては、“自宅の近く”“人気が高い”などありますが、自宅近くを選択する人が多い印象でした。
妊娠確定の検査をするのに外科の病院で調べてもらった、なんていう話は日本人にとっては不自然な感じがしてしまいますが、こちらは日本と違ってしっかり自分のGPがきまっています。夜間や時間外に関しては、111callすると、アドバイスをくれたり必要に応じて救急車を呼んでくれたりするそうです。その際に受診する病院はER完備されている大きな病院。ここでは主人もERの見学に行かせていただいたAddenbrooke's Hospitalが中核を担っています。

ちなみに陣痛が来た場合も、まずは電話で助産師に指示を仰いでから病院に行きます。まだ産まれそうにないから自宅待機しろと言われて待機していたら病院につく前に産まれてしまった妊婦さんもいるみたいなので良し悪しはなんとも・・・

話を聞く限り、こちらの出産は無痛分娩を希望する人が多そうです。


次に子育て支援に関してですが、結論から言うと、イギリスとりわけ私が住んでいるケンブリッジはかなり子育てしやすい場所です!!

そして子供が多いな~という印象をもちました。
出産費用がタダであることも大いに関係していると思いますが、子育て支援もかなり充実しています。
地域のcommunity centerplay timeが設けられていて、そこにいくと子供を遊ばせている間に育児に関して問題がないか、とか夫婦関係でトラブルはないか、出産に関して不安はないか・・・・なんてことを地域のサポーターが聞いてくれます。私みたいな短期滞在者にもかなり親切に対応してくれました。
そういったイギリスの体制が論文でも発表されてかなり高い評価を得ているようで、日本で子育て支援に関して研究をしている大学の先生が視察にもいらっしゃっていました。

また、金銭的な支援については子供が1人いると約2万円の補助がでて2人目になると追加で約5000円の補助が出るようです。3人目以降は補助がでないので、2人で子作りをやめてしまう人もいるとか。でもだいたい平均で3人くらい子供がいる印象を受けました。

周囲に公園もたくさんあるし、play time前後に無料で子供用に朝食や昼食を出してくれる施設もありました。子育てしやすいから、という理由でケンブリッジに移住してきている人も多かったです。日本でもベビーカーで電車やバスに乗っても嫌な顔をされないような環境ができてくれるといいなぁと思いました。


イギリスに滞在できる時間も残り少なくなってきましたが、ずっとここに居座りたい~と思える場所でした。夫婦ともに有意義な時間を過ごさせていただき、とても感謝しております。ありがとうございました。