2019年12月16日月曜日

“ECMO Transport” とは…?

藤塚です。

当院は、ECMOセンターとして、多くの重症呼吸不全患者さんの治療にあったっています。
病気に対しての治療を進めていくなかで、体の酸素が低い場合、酸素を投与します。それでもダメなら人工呼吸器。それでもダメなら・・・ ECMO になるのです。

しかしながら、高度なデバイスなため、安易にできるものでもありません。合併症もあります。医師ひとりでも管理はできません。多職種のスタッフの熟練された力があって使えるデバイスです。そのため、限られた施設でしかできない治療となっています。


当院は早くからECMOを使った治療に力を入れております。そしてそれを必要としている患者さんを集約し、治療をしています。
その患者さん達は、多くの施設でギリギリの呼吸状態となっており、転院搬送するといっても大きなリスクとなります。場合によっては、病院間移動中に急変することも・・・

そんな状況を乗り切るため、搬送元の病院で、ECMOを導入させて頂き、搬送しようという試みが、ECMO transportなのです。
搬送先で、ECMOを新規導入して搬送する Primary ECMO Transport。すでにECMO導入されている状態で搬送する Secondary Transport
そのどちらにも対応するべく、チーム作りをし、資材をそろえ、対応できる大型救急車を準備し、体制を整えて、【前橋日赤ECMO Transport】を作り上げました。


県内をはじめとする重症患者さん救命のために、我々は常に走って行きます!

2019年12月14日土曜日

‟ECMOと多職種連携” ~「関東ECMOネットワーク懇話会2019・冬」参加報告~

藤塚です。
もう年末となり、あっという間の1年ですね。

さて、12/7 横浜市立大学付属市民総合医療センターにおいて、『関東ECMOネットワーク懇話会2019・冬』が開催されました。
ECMO管理のマニアックな話、検討、最近はTransportについて深く話し合われます。

今回は、横浜市大による開催であり、新しい会の一歩となりました。またテーマも、《多職種連携》ということで、医師だけでなく、看護師、臨床工学士といった多くの参加があり、かつ遠方からの参加もあり、盛り上がりを見せた会となりました。

 
今回は、当院からは
 
藤塚【安全なECMO transportを目指して】
 
栗原【ECMO transportチーム構築に向けた看護師教育の取り組み】
 
の2演題を発表しました。
 
ECMO transportとは・・・ 次回お答えします
当番幹事の横浜市立大学救急医学教室 竹内教授
 
今回の会でも、ECMO transportのメンバーについてや診療報酬・責任問題などが討論にあがりました。当院からもECMO看護師の存在意義をはなさせていただき、必要性を訴えました。看護師いるからこそ、円滑に動かせることがあります。
今後も‟安全”な活動をするために、チームや体制作りをしていきたいと思います。

2019年12月11日水曜日

‟大災害発生!いざ、どう行動するか?”~「愛知県立大学 看護実践センターセミナー」報告~

町田です。
5日間で3回のトークタイムの報告の最終回です。
小学校PTAセミナー、大阪蘇生シンポジウムに続いて、12/8に名古屋で開催された「愛知県立大学 看護実践センターセミナー」の報告です。

このセミナーには昨年度も講師として参加させていただき「局地災害」と「広域災害」についてそれぞれ1時間半ずつの講演でした。
*昨年度のセミナーの様子 → https://drheli-gunma.blogspot.com/2018/12/2.html

そして今年度は講義だけではなく机上訓練をとりいれ、受講者の皆様と一緒に考えながら進める3時間とさせていただきました。

今年度もとても多くの自然災害が発生し、多くの病院が災害対応を請け負うことになったと思います。
災害拠点病院や急性期病院だけではなく、いつご自身が勤めている病院に患者さんが殺到するかわかりません。そのような多数傷病者対応をしないといけない状況が地域で発生した時に、病院はどのような動きをしなくてはいけないか、また個人としてどのような心構えが必要か、避けられない現実に立ち向かうためのきっかけを与える時間としました。

特により迅速な対応が必要な交通災害の局地災害を題材に、病院に第一報が届いてから1人目の患者さんが来るまでの短時間での準備を中心に、おおよし6人1グループでテーブルディスカッションを通して参加者同士の情報交換も行うことができました。


今年もこのような貴重な時間を提供していただいた愛知県立大学看護学部教授の清水先生をはじめ関係者の皆様に心より感謝いたします。

2019年12月10日火曜日

「大阪蘇生アカデミー」にシンポジストとして参加しました。

町田です。
前回のブログで紹介した娘の小学校での講演と授業参観を終わった後、翌日のシンポジウム参加のために大阪に移動しました。ちなみに先日参加した日本航空医療学会総会の際に忘れ物をしてしまい、いつもの東京経由ではなく富山に立ち寄り富山中央警察署の皆様の温かい対応に感激しつつ、続けて大阪に向かいました。皆様、忘れ物には本当に要注意です。(ちなみに大阪のホテルの予約も直前まで忘れていました・・・)


今回は12月5日に大阪のドーンセンターで開催された「第7回大阪蘇生アカデミー~病院前救急医療体制の課題と展望~」への参加報告です。

この会は「第一部:病院外心停止活用研究会」と「第二部:大阪蘇生アカデミー」の2部構成になっており、僕は第一部のシンポジウムで当院の病院前診療体制の紹介とドクターカーによる心肺停止患者の成績を報告させていただきました。話した内容はずばり以下のタイトルがすべてです。

「『心停止の原因を見抜けなければ医師現場派遣の価値はない。』~迅速かつ適切な医療介入により病院前での自己心拍に導く~」

現在は救急救命士の処置拡大等により、心肺停止に対して救急隊でかなり高いレベルの二次救命処置を行うことができます。その状況で医師が現場に行くことは病院内に近いレベルの診断と処置が求められ、それが実行できないといけません。医師がただ乗っているだけのドクターカーは本当のドクターカーではありません。


第二部もかなり興味深いプログラムが組まれていました。
特にりんくう総合医療センターの松岡先生と大阪市立大学の溝端先生の「Pro/Conディベート」セッションはかなりしびれるものがありました!

 
救急関係者にとってはしびれるセッション!

最後には心停止サバイバーの方より、救援者側のことも気遣った印象深いお話も聞かせていただき、時間ぎりぎりまで懇親会にも参加させていただきました。
発表がなかったとしてもまた来年参加したいと心より思いながら大阪を後にしました。
お約束の上越新幹線最終便で帰宅です!

この会の参加に関していろいろ連絡・調整していただいた事務局の皆様、発表のお声掛けをいただいた岐阜大学の名知先生、そしてデータ提供にご協力いただいた前橋市消防局の勝守様に心より感謝いたします。

2019年12月8日日曜日

‟「いのち」について考えよう” ~「小学校PTAセミナー」でお話ししました。~

町田です。
この1週間は3か所(高崎、大阪、名古屋)でお話する機会をいただきました。テーマも「命」「蘇生」「災害」とバラバラですが、どれもいままでの経験をもとに感じたことや伝えたいことばかりです。
これらについて少しずつ紹介させていただきます。


さっそく第一弾は、自分の娘が通学している小学校のPTAセミナーでの講演です。
僕の家族のことに関わる内容のため本ブログでは学校名を伏せさせていただきますが、家族が長年お世話になっている地域の小学校から講演の依頼をいただきました。

今回は小学3~6年生とその保護者を対象に「いのち」に関するお話をしましたが、セミナーの最初に校長先生から「仕事を知る良い機会にもなります!」というキャリア教育も期待するご挨拶をいただいたため、話す内容を途中で調整しつつ脱線しすぎないように自制しながら「生きることの大切さ、素晴らしさ」について、小学生に語り掛けていきました。

目の前に娘や娘のお友達がたくさんいたり(講演中は娘の顔は一度も見られませんでした・・・)、それ以上に知り合いの保護者の方々がたくさんいらっしゃって、今まで以上に緊張した時間でしたが、子供たちの反応がとっても素直で盛り上がったおかげで楽しい時間を過ごすことができました。





最も心配していた保護者の方々からもおおむねご好評をいただき、何よりも子供たちから「〇〇ちゃんのお父さん、面白い人だね~」というコメントが僕にとって最もうれしい誉め言葉でした!

以前にも紹介させていただいた「命をつなげ!ドクターヘリ2~前橋赤十字病院より~」(青い鳥文庫、文・岩貞るみこ氏)も同校に寄贈させていただきましたが、子供たちに大人気で貸し出しがずっと続いているとのことです。子供たちは大人が思った以上に「いのち」について好奇心を持っています。だからこそ大切な命を守るために大人は子供たちと「いのち」について語りあうことが必要だと感じています。
僕自身ももっと若い救急医の皆さん方にもっともっとこのような活動の重要性を理解してもらい、地域の子供たちを「命をつなぐ大切な仲間」にしていくための活動も頑張ってほしいと考えています。

今回このような貴重な機会を提供していただいた、校長先生をはじめ教職員の皆様、PTAの皆様に心より感謝いたします。

2019年12月6日金曜日

「病院前医療体制における指導医等研修(上級編)」に参加しました。

小橋です。
1127日に開催された「病院前医療体制における指導医等研修(通称MC上級研修会)」に参加しましたので報告いたします。

*西村先生が受講した初級編についてはこちら
 
 
救急科医は病院で救急車の受け入れを行うことだけが仕事ではありません。
ここ10年くらいで救急救命士が現場で行うことのできる行為がどんどん増えています。所定の研修を受けた救急救命士は気管挿管、心肺停止前の傷病者に輸液投与を行うこと、血糖を測定すること、ブドウ糖液を注射することなどを行うことができますが、こういった医療行為を「特定行為」といいます。
救急隊の特定行為実施に際して医師が指示、指導、助言等を行うことが必要になりますが、これを「オンラインメディカルコントロール」といいます。また、指示を出すだけでなく救急隊の活動について検証を行い、必要であれば様々なプロトコールを作成することになります。
つまり、「メディカルコントロール(MC)」とは救急現場から医療機関へ搬送されるまでの救急救命士を含む救急隊員が行う応急処置等の質を保証するためのシステムであり、このシステムを理解し、適切に運用することが救急科医には必要とされます。
 
今回はそんなMCを深く学ぶためのコースに参加してきました。さすが上級コースだけあって、参加者は様々な病院の部長、副部長クラスの先生ばかりでした。
3日間朝から夕方まで「MCとは何か?」「若手にMCをどうやって教育するか?」などについて議論を交わしてきました。いろいろな病院の先生とお話しさせていただくなかで、群馬県は医療者と救急隊の「顔の見える関係」がある程度構築されていることを感じました。
 
 
今回学んできたことを当科に還元し、よりよい病院前救急医療体制を構築していければと思います。