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「病院前医療体制における指導医等研修(上級編)」に参加しました。

小橋です。 11 月 27 日に開催された「病院前医療体制における指導医等研修(通称 MC 上級研修会)」に参加しましたので報告いたします。 *西村先生が受講した初級編についてはこちら  ⇒ https://drheli-gunma.blogspot.com/2019/11/blog-post.html     救急科医は病院で救急車の受け入れを行うことだけが仕事ではありません。 ここ 10 年くらいで救急救命士が現場で行うことのできる行為がどんどん増えています。所定の研修を受けた救急救命士は気管挿管、心肺停止前の傷病者に輸液投与を行うこと、血 糖を測定すること、ブドウ糖液を注射することなどを行うことができますが、こういった医療行為を「特定行為」といいます。 救急隊の特定行為実施に際して医師が指示、指導、助言等を行うことが必要になりますが、これを「オンラインメディカルコントロール」といいます。また、指示を出すだけでなく救急隊の活動について検証を行い、必要であれば様々なプロトコールを作成することになります。 つまり、「メディカルコントロール( MC )」とは救急現場から医療機関へ搬送されるまでの救急救命士を含む救急隊員が行う応急処置等の質を保証するためのシステムであり、このシステムを理解し、適切に運用することが救急科医には必要とされます。   今回はそんな MC を深く学ぶためのコースに参加してきました。 さすが上級コースだけあって、参加者は様々な病院の部長、副部長クラスの先生ばかりでした。 3 日間朝から夕方まで「 MC とは何か?」「若手に MC をどうやって教育するか?」などについて議論を交わしてきました。いろいろな病院の先生とお話しさせていただくなかで、群馬県は医療者と救急隊の「顔の見える関係」がある程度構築されていることを感じました。     今回学んできたことを当科に還元し、よりよい病院前救急医療体制を構築していければと思います。

高速道路事案を考える!~「館林地域メディカルコントロール協議会症例検討会」参加報告~

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こんにちは。金畑です。 先日の 10 月 30 日に、町田医師と館林地域 MC 協議会 症例検討会に参加してきました。 当院は前橋市にあり、館林地域は車で 1 時間程度離れている地域です。しかし、館林地域で発生した交通事故に対してドクターヘリが出動した事案があったため、そのヘリスタッフとして、症例検討会に参加してきた、というわけです。 事故内容の詳細は書けませんが、高速道路上で発生した複数台がからむ交通事故でした。 通信指令課( 119 番を受けたり、現場の隊とやりとりをしたりする部署)からの問題点とドクターヘリ側の問題点をそれぞれ提示し、症例検討を行いました。 高速道路上という特殊な環境や多数傷病者事案であること、他県の消防同士がやりとりをしないといけないといったいくつもの難しさがありました。 東北道 館林IC→羽生IC ドクターヘリ活動案 ・高速道路は一方通行なので、救助しに行く隊は事故現場の上流側の IC から進入し、搬送する隊は下流側の IC からでないといけない。ドクターヘリも同じで現場に行く場合と、救助された傷病者を受け取る場合で、ランデブーポイント(ヘリの着陸地点)が変わる。 ・多数傷病者事案であると、医療の供給不足になりがちで、マネージメントが一段と難しくなる。 ・群馬県館林市を通る東北道は、北側の IC は栃木県佐野市、南側の IC は栃木県羽生市と県が変わってくるため、消防は他県の消防とのやりとりもしないといけない。ランデブーポイントの選択肢が増えれば、その分、調整も複雑になるため通信指令課の負担となる。 と、このような問題点、課題が多くあげられました(本当はもっと多いのですが、細かいことを書くときりがないので、このくらいで…)。 現場では長く話している時間は無く、かつ立場や求められる役割も異なるため、消防側が考えていること、医療側が考えていることを(残念ながら)完全に理解し合えていません。しかし、救急科は消防と密に関わる科ですので、これも大切な業務の一環です。 今後も機会があれば参加していきたいと思います。

「病院前医療体制における指導医等研修(初級編)」に参加しました。

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お久しぶりです。後期研修医の西村です。 今回は、 10 月 10 ~ 11 日に大阪で行われた「病院前医療体制における指導医等研修(初級編)」という研修会に参加してきましたので、その報告です。 名前からでは分かりにくいのですが、どんな研修会かというと、救急医療というのは患者が病院に到着する前から始まっており、最近では救急救命士が点滴をとったり、薬剤を投与したり、気管挿管をしたりすることが可能となっています。それらの行為は医師の指示がないとできないことになっています。なので救急に関わる医師は、救急救命士がどんな活動をし、どんな救急処置を行っているか十分理解していないといけません。この研修会では、そういった救急救命士の活動や、活動の指針となるプロトコルの理解、および検証会やフィードバック、教育の仕方などを学ぶものでした。 全国から救急に関わる先生方が参加されており、救急医もいれば、循環器や外科、麻酔科の先生方もいらっしゃいました。また年齢層も大学の講師や診療科の部長クラスの先生方が多く、正直僕は一番の若手でありました。が、当院の場合は高度救命救急センターであり、ドクターカーやヘリもやっているため、救命士と関わる機会が非常に多く、また当院救急外来にも実習で救命士の方が誰かしらいるような環境です。 若手ではありましたが、他の病院と比べると救命士との関わりは比較的多いほうで、当院での救命士との関わり方や現在の問題点、今後の課題など、普段の臨床現場から考えられることは多くあり、それらを発表・議論することができました。 当院で研修することは、救急医を目指す自分としては非常に恵まれた環境なのだと感じました(当院の宣伝です!!)。 この研修を通して、今まで知っていたようで知らなかった救命士の活動やプロトコルを理解することができ、これから救命士の方々とより深く関わっていけるような気になりました。救命士の方と協力することで、より患者の救命率を上げることが可能と思います。 この研修会は、本当は救急科専門医をとってからの人たちが対象のようですが、僕のような救急医を目指す後期研修医も受けるべきと感じました。 最後に余談ですが、開催場所は大阪であり、日本一長い商店街と言われる「天神橋筋商店街」のすぐ近くでした。 1 日目の終わりに、商店街にある美味しいと評判の...

“鉄は熱いうちに打て!”~「富岡甘楽地域MC協議会症例検討会」参加報告~

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町田です。 いつもの気象ネタからの始まりですが、この時期にまさかの「台風になる?ならない?」という話題が上がっています。群馬県も午前中は陽が射す時間もありましたが、妙に蒸し暑く夕方になって土砂降りが降っています。「曇り時々晴れ、夕方から土砂降り、湿度最悪・・・」という天気が連日続いており、天気予報の表示もおもいきって「空のご機嫌次第」とか「?」とかにしてほしいくらいです。 5月10日に南牧村でマイクロバス転落事故ありました。 今まで群馬県では局地災害が起こった際に、管轄の消防内、地域のメディカルコントロール(以下MC)協議会内での検証は行われていたとしても、それに関わった多機関・多職種の検証会がなかなか行われることがありませんでした。群馬県ドクターヘリ症例検討会でなんとかそのような事案をピックアップすることはあっても、その事案に関わった方々の参加が限られていたり、ドクターヘリが関わらないとピックアップもできないような状況が10年近く続いていました。(本白根山噴火災害対応の検証会でさえ1年後に検証・・・) *地域メディカルコントロール協議会とは?(総務省消防庁ホームページより) 地域メディカルコントロール協議会は、都道府県消防主管部局・衛生主管部局、消防機関、郡市区医師会、救急医療に精通した医師等で構成され、病院前救護にかかる消防機関と医療機関の連絡調整、業務のプロトコール、マニュアル等の作成、常時指示体制の整備、検証医の選定及び事後検証票の作成等を含めた事後検証体制の確保、並びに救急救命士の資質向上のための研修機会の確保に関する支援等の役割を担うこと。 しかしながらようやくここにきて各地域での検証に関わった多機関・多職種を交えた検証会を積極的に開く傾向となってきて(しつこく言い続けたせいかも?半ば強引??)、今回の事故対応に関して地域MC協議会主催の症例検討会に多くの関係者を招集して開催されました。 昨日6/26、公立富岡総合病院で開催された「令和元年度 富岡甘楽地域MC協議会 第1回症例検討会」にお招きいただき、当院からは僕のほかに救急災害事業課全員が参加しました。またドクターヘリで応援出動していただいた佐久医療センターの救命スタッフの方々、応援出動した隣接消防の救急隊、共同指令センターの方々も集まりました。 今回の症例検討会...

「病院前医療体制における指導医等研修(上級)」を受講しました。

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藤塚です。 気がつけばもう一年が終わり、新しい年が始まります。 一年どうもありがとうございました、また宜しくお願いいたします。 さて、 12/19 ~ 21 の 3 日間、都内で開催された『病院前医療体制における指導医等研修(上級)』に参加してきました。 地域の救急救命士の活動の質を担保するメディカルコントロールというもののなかで、どうプロトコールを作成するか、評価をどうするか、地域の問題をどう解決していくかを全国から集まった先生たちと一緒に考えていく研修会でした。 ・ 高齢化社会に伴い、救急要請も増加され、どう対応していくか? ・ 蘇生行為を望まない場合の救急車対応をどうするか? ・ 救命士の質を維持するための再教育などをどうするか? ・ 局地災害対応は? などを話あいました。 群馬県、前橋市においてもまだ話し合わなければないらないことがあります。局地災害においては、過去の経験からもかなり先に進んだ対応ができていることを再実感しました。 よりよい救急活動を整備し、地域の皆さんのためになればよいなと思います。 明日からの活動にいかしてがんばります! 最後に、本研修でひと笑いいただきました。ありがたい職を頂きました(笑) 来年皆さんにも、福あれ!

「病院前医療体制における指導医等研修」に参加しました。

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生塩(うしお)です。 ご報告が遅くなりましたが、 1 月 17-19 日に東京で行われた『病院前医療体制における指導医等研修(上級編)』に参加してきました。 内容としてはメディカルコントロール(病院に運ばれる前の救急救命士などの救急隊の行う応急処置の質を保証しようというシステム)で、地域での救急医療体制の構築などを行っている医師向けの、要はベテランの先生向けの研修会でした。 一番若手なのではないかという状態でタジタジでしたが、いつも救急救命士の方と直に接している救急医として、またドクターヘリやドクターカーなどしている病院前診療医として、ディスカッションできればと参加してきました。 感想としては、やっぱり群馬県のメディカルコントロール体制は他県と比べても整っているのだなっと改めて実感できました。起こっては欲しくないですが、特に局地災害が起こった際へのシステム作りは、他県と比較しても劣らず、むしろ進んでいるとすら思えました。 また、メディカルコントロールは地域に合わせた救急医療体制作りが非常に重要で、当院も3ヶ月後の 6 月に移転が決まっておりますが、その後の地域の救急医療体制に影響なく、むしろ良い影響をもたらせるようさらなる検討を加えていきたいと思います! 今後、おそらく病院前で活躍する救急救命士の方の役割は大きくなると思います。その活動の医学的な質を担保するメディカルコントロールの役割も、今まで以上に大きくなるはずです。 これからも救急医として、積極的にメディカルコントロールに関わっていき、地域の救急医療に貢献できればと思っています。