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COVID-19入院患者の死亡リスクはインフルエンザ入院患者の死亡リスクの5倍です

丸山です。読者の皆様、本年もどうぞよろしくお願い致します。 残念ながら新年早々緊急事態宣言が発令されてしまいました。私自身も今までは「コロナは恐れすぎなくて大丈夫」という発信をすることが多かったですが、事情が変わってきました。群馬県でも1日に90人のコロナ陽性者が発生する状態にとうとうなってしまい、群馬県内の重症ベッドはほぼ満床でなんとか調整をしている状況です。隣県でも発熱で救急車を呼んだ高齢者が20件以上の病院に断られた事例もあり、コロナ患者受け入れ困難は東京だけの話ではなくなってきました。 今回はブログのタイトルの通りCOVID-19とインフルエンザを比較した研究の紹介です。論文はComparative evaluation of clinical manifestations and risk of death in patients admitted to hospital with covid-19 and seasonal influenza: cohort study. BMJ. 2020 Dec 15;371:m4677.というものでアメリカにおけるCOVID-19入院患者と過去(2017-2019年)の季節性インフルエンザ入院患者を比較したものです。 結果ですが、インフルエンザと比べると、COVID-19の死亡率は約5倍(ハザード比4.97)、人工呼吸器が必要になる可能性が約4倍(ハザード比4.01)、ICUへの入室率が約2.5倍(ハザード比2.41)でした。そして、インフルエンザと比較し死亡率がより高い患者さんは認知症のある75歳以上の患者、肥満、糖尿病、慢性腎臓病のいずれかがある方でした。 COVID-19は大半の若い人にとっては無症状もしくはただの感冒(風邪症状)でしかないですが、若い人であってもインフルエンザより重症化しやすい上に、高齢者や基礎疾患がある人にとっては致命的になり得る疾患です。そして、エアロゾル感染し得るという特徴のため、患者1人に対して必要な医療資源がインフルエンザの比ではなく、なんとか体制を整えた病院でやっと患者さんを受け入れることができる状態です。飲食・観光・エンタメを含む様々な業界が経済的に切迫した状況にあるのは重々承知の上で、自分のためにそして自分の身近な家族のために、今は外出を控えコロナがこれ以上急速に拡大しないよ