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新病院のERもちょっとだけ紹介します。

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町田です。 昨日のブログで「新病院落成記念式典・内覧会」の様子を紹介させていただき、宮崎集中治療科部長から新しいICUについて少し紹介がありました。 ICUに続いて今日はちょっとだけER(救急外来)を紹介させていただきます。 気が付くと今日はゴールデンウィークの初日・・・しかしながら新病院移転を控えた我々に休む余裕はありません。朝から新病院で「外来・入院運用リハーサル」が行われました。 僕も参加したのですが、僕が担当するER(救急外来)は全体のリハーサルとはちょっと別に行わせていただきました。 ERには救急車、ドクターヘリ・カー、walk-in、感染隔離者そして院内急変など様々なパターンで受診があり、さらにERからCT室、手術室、内視鏡室、血管造影室、ICU、救命病棟、そして一般病棟と様々なパターンで送り出す必要があり、あらゆる想定で実際に患者の導線の確認などを行いました。 前勤務地からずっと手狭な初療室に慣れている僕にとっては、現病院ERから新病院ERは「裏の公園から埼玉スタジアムに場所変更」並みの変化がありまだまだ戸惑うことが多いのですが、泣いても笑っても来月末には移転が控えているので準備に頑張るしかありません。 そんな中で本当にちょっとだけですがERを紹介します。  救急外来の受付(主にwalk-in)。 重症患者の処置室。  中等症患者の初療スペース。 最後におまけですが、新病院には地上ヘリポートと屋上ヘリポートの2つのヘリポートが設置されます。基本的には地上ヘリポートでの運用となりますが、災害時など特殊な事態では屋上ヘリポートも活用する予定です。 

「2016年度高度救命救急センター活動実績」の報告

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町田です。 今年は桜の開花が遅いと思ったらあっという間に散ってしまいました。毎年同じことを思うのですが、このはかなさが桜が人々を魅了する理由なのでしょうか・・・ 群馬県では今度は山間部で桜の開花しています。前橋市内はすでに葉桜になってしまっていますが、ドクターヘリで10分飛ぶと桜が満開ということもあり、群馬県は比較的長い期間桜を楽しめます。ちなみに僕の故郷の北海道はGW明けに本格的な桜のシーズンを迎えます。   本ブログではここ何回かで昨年度のドクターカー・ヘリの実績を報告させていただきましたが、今回は高度救命救急センターの活動実績の報告です。 救急外来受診数 約18,000名、救急搬送数 約6,000名と全体的に例年と大きな変化がありませんでした。スタッフが徐々に増えてきている分もっと受入するためのソフトのキャパシティーがあるのですが、病床数の制限や急性期をのり切った患者さんの転院先の確保不足などもありハード的に限度があるように感じています。また当院ICUで管理が必要な超重症患者の紹介も増えており、ICU滞在日数が延長傾向にあります。しかし最後の砦として重症患者さんの当院への集約は群馬県の救急医療において避けられないことです。   今回の報告は数値だけですが、重症患者の救命例や当院での取り組みについては様々な関係学会や論文等で積極的に報告していく予定です。   これからも前橋赤十字病院高度救命救急センターの活動へのご理解とご協力のほどよろしくお願いします。     ☆☆前橋赤十字病院 高度救命救急センター 2016年度活動実績☆☆ この建物での救急集中医療の日々もあと1年わずかとなりました。 新病院建設の状況・・・ 基礎工事が終了後は一気に建物の建築が進んでいます!

「EMA meeting」を受講しました。

みなさん、こんにちは。白戸です。 8 月 6 日に EMA meeting を受講してきました。 (*EMAとは → http://www.emalliance.org/information ) EMA meeting は全国の若手 ER ドクターが開催する勉強会です。毎年 2 回行われており、今回は浦安の東京ベイ浦安市川医療センターで開催されました。 内容に関してですが、 ER ドクターによるものなので、テーマは多岐にわたります。僕が受講したものの中には「中毒」「循環器救急」などがあります。珍しい病気や重症疾患対応を学ぶというよりは、よくある疾患を正しく診療することを追求する勉強会です。 ちなみに今回のテーマは「腹痛」です。 「腹痛」は非常に common な主訴です。いろいろ勉強することはありますが、今回は尿路結石、虫垂炎(いわゆる盲腸)などのよくある疾患について evidnce-baced に学習しました。例えば虫垂炎は一般の方からすると、「よくある病気なので、大きな病院で検査をすればすぐに診断できる、見逃しなんてありえない。」と思われるかもしれませんが、似たような症状で発症する疾患が多く、実は非常に診断は難しいです。 前橋日赤では重症患者対応に力を入れていて、後期研修でもそこを重点的に研修します。しかし、命にかかわる疾患であることが少ないとは言え、軽症中等症の患者さんをきちんと診療することも大事だと思います。 今回の勉強会で症状、身体所見などの evidence が整理出来ました。病院に戻ったら初期位研修医に仕入れたうんちくを垂れようと思います。 ☆EM Allianceのホームページに当院も載っています。 http://www.emalliance.org/industry/establishment/%e5%89%8d%e6%a9%8b%e8%b5%a4%e5%8d%81%e5%ad%97%e7%97%85%e9%99%a2-%e9%ab%98%e5%ba%a6%e6%95%91%e5%91%bd%e6%95%91%e6%80%a5%e3%82%bb%e3%83%b3%e3%82%bf%e3%83%bc-%e9%9b%86%e4%b8%ad%e6%b2%bb%e7%99%82%e7%a7%91

2014年度高度救命救急センター活動実績報告!

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広島空港での飛行機事故のニュースが飛び込んできました。 幸い重傷者はいなかったとの報道ですが、一歩間違えれば大災害に発展していた可能性があり、なかなか心中穏やかではありませんでした。 しかし広島には土砂災害の対応などで活躍した優秀な医療チームがそろっています。おそらく今回も現場での情報収集や病院での患者対応に一生懸命頑張っている仲間たち、そして関係各機関に皆様にエールを送ります!       前橋赤十字病院高度救命救急センターにおける2014年度の実績がまとまりました。(あくまで当科で管理している手元にあるデータをまとめたものですので、最終的に正確な数値がそろい次第あらためてお伝えする予定です。)   2014年度で特筆すべきことは、年間の救急車受入れ台数が5000件前後であったのが、2013年度より伸び始め昨年度にようやく6000台を突破しました。 また16日間にわたる長期運休がありましたがドクターヘリ出動数も運航開始より連続して出動数の増加を記録し、さらに防災ヘリドクターヘリ的運用、ドクターカーによる出動を合わせると、年間1000件を超える症例に対して病院前から高度の医療が開始されるようになりました。 そして救急車受入れ台数や病院前医療の増加に伴ってより重症患者に対応するようになってきており、それにあわせて当科の入院患者数の増加とともにICUに入室する患者数も激増しました。 毎年度記録として公表している数値(上記表中の項目)に関しては、2014年度はすべて前年度より増加傾向を認めましたが、それは当科スタッフの増員もありある意味当たり前の結果であったと感じています。 しかしながら実績の上昇に関しては、当科のみの力では決してありません。 積極的に病院前に医療チームを引っ張り出していただいている消防本部、当院を信頼して搬送していただく救急隊、そして多くの救急患者にいつも協力して診療していただく各病院、各専門科医師、スタッフの皆さんの力なしでは成し遂げないことだと思っています。平時からの救急医療へのご協力のほど心より感謝いたします。 それでは治療成績に関してですが、ずばり“当院の成績はけっこう良いですよ”と言えると思っています。もちろんこの治療成績に関しては、今年度はより積極...

ERの1日!~後期研修医1年目の奮闘記~

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集中治療科・救急科後期研修医1年目の小橋です。 今回は当院の救急外来 (ER) について紹介したいと思います。 当院は群馬県内で唯一、 高度救命救急センター ( 「高度」救命救急センターとは、 救命救急センターのうち特に高度な診療を提供する、厚生労働大臣が定める病院 ) を有する病院であり、その玄関である ER には年間約 2 万人の患者が walk in 、救急車、ドクターヘリなどでやってきます。 <2013年度ER実績> ・救急搬送件数 5703 人 / 年(応需率: 97.4 %) ・救急受診総数 18549 人 / 年 ・ドクターヘリ出動件数 843 件 / 年 ・ドクターヘリ搬送患者数 289 人 / 年 当院に限らず ER の役割は、様々な手段で来院した患者さんを受け入れ、重症度をトリアージし、その重症度・病態に合わせた適切な処置 ( 時には蘇生 ) を行い、その後の行き先を決定することですが、これらのマネジメントを行うのが ER Dr です。 当院では日勤帯・夜勤帯を問わず常に 2 人の ER 専従 Dr がおり、看護師 ( こちらも ER 専従 ) とともに 1 次 ~3 次救急患者への対応を行い、必要に応じて 専門科への相談や紹介を行います。 また、中毒・熱傷などの特殊疾患、多発外傷などの複数の科にまたがるような疾患については、 ER での処置後に引き続き当科にて管理を行います。 ここで、専攻医である私の ER での 1 日を紹介します。 休日は ER 専属医 2 人、研修医 2 人、心臓血管内科医 1 人、外科系医師 1 人、内科系医師 1 人、小児科医 1 人 ( 当番日 ) で対応します。 09:00  朝のミーティング、前日夜間帯からの Dr から、引継ぎの患者さんがいないか確認。 日中はホットライン担当は田中 Dr 、休日であり午前中は walk in が多い。研修医とともに診療に当たる。 09:20   ホットラインが鳴る、「右上下肢麻痺の患者さんの搬送よろしいですか?」 10:00 ホットライン「胸痛の患者さんです」 11:00 ホットライン「嘔吐・後頚部痛の患者さんです」 11:35 ホットライン「急性喉頭蓋炎疑いの方の転院受け入れよろ...

EM Alliance 研修病院に仲間入りしました!

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台風のあおりを受けて四国地方の雨量が大変なことになっています。記録的な豪雨とともに避難勧告も出ています。四国には災害対応関係での知り合いも多く、被害者を出さないような様々な対応を取っているとのことです。早く天候が回復することを祈っております。 当院当科はER型救急を展開しています。若手スタッフもどんどん増えてきています。 ER型救急を目指す若手救急医の集い“EM Alliance”というものが2009年に発足しています。 http://www.emalliance.org/wp/ そして先日当院集中治療科・救急科がこの集いの研修病院のメンバーに仲間入りさせていただきました。 ホームページ上で当院初期研修上がりの若手代表として、星野先生(卒後4年目)、小橋先生(卒後3年目)からのコメントも掲載しています。ぜひご覧ください。 http://www.emalliance.org/wp/hospital_membe/kant/maebashi 当科も「夢」と「若さ」と「情熱」で、前橋から救急医療の熱い風を日本から世界まで吹かせていきます!

キーワードで動く!~ERリーダーのマネージメント~

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町田です。 ERのリーダーをしているときは、目の前のERのことばかりではなく、救急隊との連携、院内の状況を常に考えながら動かなくてはいけません。 急病の患者さんは日常の生活のなかで発生することがほとんどで、すぐそばにいる一般市民の119番通報から救急隊が動き始め、ERでの初療や決定的治療が行われて、最重症患者であれば最終的にICUでさらに治療が継続されます。 特に緊急度の高い患者さんであれば、医療介入の1分1秒の遅れが致命的になってしまうため、特に119番通報で「重症だと思われるキーワード」があれば、躊躇することなくドクターヘリを要請するようにいつも消防本部の通信指令課の方々にお願いしています。 ですがこれはドクターヘリの要請のみならず、救急隊からのホットラインを受ける立場になっても、早く病院に搬送して早期医療介入ができるような対応が必要です。救急隊からのホットラインの中で緊急度が高いキーワードがあれば、こちらから早期搬送をうながすこともあります。つまり詳細情報はあとからでも十分なのです。そしてそのキーワードをもとにERでは救急車が到着する前に必要な緊急処置の医療資器材と“ひと”の招集!そしてそれに続く決定的治療をおこなっていただく専門科、そしてICUのメンバーに連絡を入れます。 例えば、救急隊のホットラインで「接触時、心肺停止。VF(心室細動)です!病院まで5分です。」と言われたら、キーワードは『VF』と『5分』です。VFには早期除細動が有効のため、除細動は絶対に行ってもらいつつも、救急隊が行ってもよいその他の特定行為(点滴、挿管)に関しては、現場滞在時間を延ばすよりも病院での決定的治療開始を早める方が有利と判断し早期搬送を指示します。ERでも『VF』のキーワードから、心肺補助装置の準備とともに心臓血管内科にすぐに心臓カテーテルを行っていただく準備を始めてもらいます。 たった2つのキーワードでここまで動くのです。いえ、動かなくてはいけません! いつもキーワードから予測したとおりにすべてが流れるとは限りませんが、ERに着いた瞬間から初期診療が始まり、最速で決定的治療を開始、そしてICUに引き継ぐために、ERのリーダーはキーワードからその傷病者にとってその時点でベストと思われるマネージメントを行う必要があります。 すべては1人でも多くの重症患...

ER処置室は朝までICUでした・・・

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当直明けの町田です。 スイマセン。相変わらずのベッド不足です。 昨日の日中はドクターヘリの患者さんや隣県の救急車の患者の受け入れを行っていましたが、準夜帯の重症患者については、“まずは初療を当院ERで行いその後転院の可能性もあり”という形で救急車の受け入れを行うことにしました。しかし患者さんの家族の希望で入院対応可能な高崎総合医療センターに受けていただくこととなりました。一昨日も当院でまず初療を行った重症患者を、その後群馬大学医学部付属病院に転院し入院加療していただきました。群馬県は3次対応可能の病院が3か所しかなく、なんとか協力してやっていくしかありません。本当にありがとうございました。 深夜帯近くにも近隣の救急隊から立て続けに3名の重症患者の救急車搬送、walk-in受診があり、唯一残されていた救命センター病棟の1ベッドにどの患者さんを入院させるか大いに悩みました。1名はERでの処置で幸い一般病棟でも対応可能となりましたが、2名のうち1名は朝までER処置室の1部屋をICUベッド化して、当直医とER看護師で朝まで集中治療管理を行いました。 ER処置室の1部屋は、夜中はICUベッドとして管理しました。 きちんと指示表も作りました。(手書きですが・・・) 本日日中にベッドコントロールを行い、ICUのベッドが空き次第ICUに入室予定です。 夜中に医局の机を片付ける予定でしたがまだまだ先になりそうです。医局の中で最も机の上が乱雑していると指摘され続けています。いつも夜はER、ICUから離れられず、“当直中に机を片付けよう”という考えは無残に打ち砕かれています。当直明けで帰る前に、今日こそ片付けをしようと思います。  机の上での仕事は不可能な状況・・・

病院中のベッドがない状態で・・・

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集中治療科・救急科&フライトドクターの町田です。 群馬県ドクターヘリホームページをちょっとだけリニューアルしました。基本的に内容は変わっていませんが、“運航体制”と“出動の流れ”の部分を中心に構成を変更しさらに見やすくしました。     週末の都内の朝も雪でした。 (JATEC会場への散歩中の1枚) 今年は2月に入ってから群馬も平野部でよく雪が降ります。昨晩もかなりの雪が降り、夜中には道路にも雪が積もっている状態でした。昨日は夕方の時点で、救命センター病棟1床以外は病院中に空きベッドが全くない状態になっていました。そのような中で当直帯に突入、しかもこの日は小児も成人も2次救急輪番の当番日でした。救急隊も当院のベッドの状況を考えていただきいろいろ他の搬送先を選定しているようでしたが、やはり救急隊からのホットラインは鳴り続けます。“この連絡で受入要請を行った病院が○ヶ所目です・・・”と言う救急隊の悲痛の訴えを何度も聞きました。重症用だけではなく一般病棟のベッドも全くありません・・・“入院が必要になれば転院の可能性もあるけど大丈夫?”という苦しい言葉を漏らしながら、救急車にて搬送された患者さんに対応していました。  ERでの初療の様子(イメージ) 初期輸液に反応しないCの異常に、 気管挿管、輸血、緊急止血術を施行。 (前日のJATECで受講生に教えたことが そのまま実際の現場で行われました。)  そのような中、救急車で1時間半以上かかる山間部の病院から“肝損傷による出血性ショック”の患者さんの転院搬送の依頼がありました。そのとき救急外来は救出を要した意識障害の患者さんや喀血の患者さん、また近隣のいくつかの市の救急隊から小児の救急搬送で処置室がいっぱいで、またベッドがない状況は変わっていないため受入れは厳しい状態に陥っていました。申し訳ないと思いつつもその時の現状を正直に説明し、“2箇所だけ他の病院に受け入れ要請して下さい”とお願いしましたが、どの病院もベッドがない状態とのことで再度当院に依頼が来たので、“ベッドはないけどこれ以上時間を延ばしたら命はないからまずは診よう!”と決定しました。他の当直医...