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第35回日本脳死・脳蘇生学会総会:臓器・組織提供ハンズオンセミナー

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ブログを閲覧している皆様、こんにちは。救急科 谷です。 去る7月1日川崎市コンベンションホールにて上記に参加してきましたのでご報告します。 印象的な講演がいくつかあり、その一つは 「一般市民と医療従事者の間の存在としての医学生の知識構造に関する検討」 でした。かなり難しいテーマであり、議論も難しいものでした。「我々医療者と患者・家族の間には知識や経験としての大きなギャップがあり、こちらがわかりやすく説明したとしても理解は難しい」と考察されていました。また「我々もかつては一般市民であり、いつしか医療者になりゆく過程で一般市民の感覚は失われ、もう戻ることはできない。」というようなことも発表されていました。これは本当に共感します。死生観に関しても、毎日のように人の死を経験する我々と非医療従事者の間にはとても大きなギャップがあると感じます。そのことを常に意識して、日々の診療や病状説明に臨まなければと改めて思いました。どうしてもかなりドライよりになりがちと思います。こういうところは看護師さんやコメディカルの方のほうが、患者や家族に寄り添うことが得意だと思います。我々医師も見習わなければいけませんね。 午後は“臓器・組織提供ハンズオンセミナー”を受講しました。 臓器提供の適応や注意点、また選択肢提示のシミュレーションなども行いました。 特に印象的なのは ・患者には臓器を提供する権利がある ・臓器提供する選択肢を提示しないことはこの権利を奪うことになる ・選択肢提示はオプションではなく、原則実施すべき というようなことでした。選択肢提示をより積極的にしようと思いました。 また格闘道府県や施設で臓器提供数に差があるのは、やはりその文化の影響が大きいとのことでした。今回のセミナーを受けて、病院内でも臓器提供に関する文化を醸成するために勉強会などを開催しようと思いました。熱が冷めないうちに・・・笑 当日は生憎の雨でテンション低めではありましたが、やはり学会に参加するとモチベーションがUPしますね! 報告は以上です。