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群馬県防災ヘリコプター「はるな」の就航式に参加しました。

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中村です。 9月8日(水)私は,群馬県防災ヘリコプター「はるな」の就航式に参加しました. 2018年8月10日,「はるな」が登山道の視察中に墜落し,県防災航空隊と吾妻広域消防本部職員計9名がお亡くなりになりました.我々にとっても忘れられない出来事であります. 2019年4月には,防災航空センターが設置され,月命日にあたる毎月10日には「安全運航会議」が開催されることになりました.また,同年11月には防災ヘリコプター運航連絡協議会が開催され,我々,群馬県ドクターヘリ基地病院からも参加しています.2020年12月には新機体が納入されました.新機体は,レオナルド式AW139型,アグスタといわれる機体です.その後,緊急運航再開に向けた教育訓練が開始され,2021年9月7日に全訓練が完了し,9月8日の就航式を行うこととなったわけです.事故から3年,「安全な運航」を目標にいろいろな体制が検討されました.二人操縦士体制を代表される,ボイスレコーダーやフライトレコーダーの設置,バブルウインドーなど安全整備が充実しています. 群馬県では,今まで防災ヘリを用いたドクターヘリ的運用を行っていました.今後は,防災航空センターおよび防災航空隊との隊長および隊員と相談・協力をしながら,医療者の搭乗訓練等を行い,さらに安全に留意した「ドクターヘリ的運用」の再開を考えています. 私は,就航式に参加させてもらい,その中で,「人の命の大切さ」を実感しました.尊い9人の方々の命を想い,さらなる「安全な救命活動」を心掛けて行きます.

最近うわさのデルタ株ってどんなもの?ワクチンは効かないのか!?

こんにちは、丸山です。 新型コロナウィルス感染症は第5波に突入し、全国に再び緊急事態宣言が発令されてしまいました。昨今ニュースで耳にする「デルタ株」。これが第5波の原因だ!なんて言われたりしますが、実際のところ今までのものと何が違うのでしょうか?一番気になる”ワクチンが効くのか効かないか問題”含め、論文の紹介をさせていただきます! まず一つ目は「デルタ株の特徴」についてです。今まで日本で流行っていたのはアルファ株と呼ばれるタイプでした。このアルファ株とデルタ株を比較した研究の紹介です。(The Lancet Infectious Diseases [Internet]. 2021 Aug 27 [cited 2021 Aug 28];0(0).) 今回の研究はイギリスのPHE(公衆衛生庁)が国全体から集めたビッグデータを用いて解析を行なわれました。2021年3月29日から5月23日までの間にアルファ株が34656例, デルタ株が8682例収集されました。時期が後になるほどデルタ株が増え、感染の主体となったようです。14日以内の入院リスクはデルタ株の方が2.26倍(調整後)高く、予防接種を受けていない人もしくは予防接種後21日未満の人の方がワクチン接種を済ませた人達よりデルタ株で入院するリスクが2.32倍(調整後)高くなっていました。ワクチン接種を済ませた人の間ではアルファ株とデルタ株で入院リスクの差はありませんでした。 前述の通り、デルタ株は罹患すると重症化しやすいですが、ワクチン接種によって重症化は抑えることができるようです。 デルタ株は今までのものより移りやすくて重症化する!という情報はニュースで頻繁に紹介されていると思いますが、ワクチンは効くのでしょうか?効かないという報道を時々耳にしませんか? 次の論文はそんな疑問に答えてくれます(N Engl J Med. 2021 Aug 12;385(7):585-594.)。 この研究もイギリスのビッグデータを用いて行われました。期間は2020年10月26日から2021年5月16日までで293393例のデータから調査されています。ファイザー製とアストラゼネカ製のワクチン両方合わせた結果になりますが、1 回接種後の有効性はアルファ株が48.7%、デルタ株が30.7%とデルタ株で顕著に低くなりました。2回接種の場合、ファ