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7月, 2019の投稿を表示しています

『第41回日本中毒学会総会・学術集会』に参加しました。

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小橋です。 7/20-/21 に埼玉県川越市で開催された「第 41 回日本中毒学会総会・学術集会」に参加してきました。 通常、私たちの参加する学会は、出席者のほとんどが医療関係者なのですが、当学会は警察・科捜研・中毒情報センターの方など医療従事者以外の方も参加・発表されており、様々な視点から中毒というものを知ることができる貴重な機会です。 今回は当科からの発表はなかったのですが、センター長の中村医師が一般口演で座長を務めました。   今年のテーマは「~『わ』で挑む中毒~」ということでしたが、中毒診療における精神科との協働、アジア太平洋各国との協働、病院における他職種での協働などのシンポジウムがあり、どれもとても興味深かったです。 また、近年のエナジードリンク人気に伴い増加しているカフェイン中毒関連の口演、不眠を訴えてくる高齢者に軽い気持ちでベンゾジアゼピン受容体作動薬を処方することがいかに乱用・依存を引き起こすか、などの口演もあり、たくさんの方々が参加していました。 次回は鹿児島で開催だそうです。中毒に興味のある方は参加してみてはいかがでしょうか。

俯瞰的に見て学ぶ!~「成田国際空港エマルゴトレーニング」見学報告~

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こんにちは。金畑です。 先日 7 月 11 日に、同期の吉野先生と一緒に成田国際空港で開催されたエマルゴトレーニングの見学に行ってきました。 エマルゴトレーニングはスウェーデンで開発された救急・災害医療の机上シミュレーションキットです。 机上ではありますが、場所や日時、環境といった条件のもと、災害が起きたときに、各組織(警察、消防、救急、医療など)がどのように動くのかを訓練するものです。 今回で 13 回を迎えたエマルゴトレーニングで、日本の玄関口である成田空港での局地災害を想定しています。当初は、飛行機事故といった多数傷病者案件の訓練だったようですが、今年のラグビーワールドカップや来年の東京オリンピックを控え、テロの脅威も増していることから、今回は CBRNE (シーバーン; chemical, biological, radiological, nuclear, explosive の頭文字で、化学・生物・放射性物質・核および爆発物の総称)災害を想定した訓練内容でした。私は題名にもある通りプレイヤーではなく、見学者として参加させていただきました。 いままで受け た災害訓練では、訓練といえども結構緊張し、視野は狭くなり、思考は鈍くなりました。他の皆も少し焦りや、すこしピリついた状態になり、場の空気に飲まれてしまうこともあり、いつもと同じ状態を維持することが難しかったのを覚えています。実際に「なんでこれができなかったのだろう」と反省することは多々ありました。 今回は、そのような空気に飲まれずに、「自分ではどのように動くだろう」と考えつつ、実際のプレイヤーが何を考え、どのようなアクションをとるのかを比較しながら見学し、自分の反省・勉強につながりました。また、いつもなら自分のことで精一杯でしたが、医療者以外の消防隊や救急隊の動きを見ることができ、とても興味深かったです。 また、災害現場では「 Communication 、情報」がとても大切とされています(金畑も今までの訓練で痛い目にあいました)。 今回の訓練は広い一部屋で行われていて、その中に、災害現場で実際に設置される現場指揮所や救護所、病院といった部門がありました。この部門間の情報伝達も実際に則り、無線や携帯電話、伝達等で情報共有がされていました。そのため、訓練時間が進めば進むほど

「日本DMAT隊員養成研修@立川」に参加しました。

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後期研修医の髙橋です。 この度、 7 月 1 日から 4 日間、立川の災害医療センターにて行われた「日本 DMAT隊員養成研修」に 参加させて頂きました。 この研修は今まで経験した研修の中で最もハードで内容に富んだものでした。 毎日、朝早く、夜遅くまで、座学と実習が山積みで、宿舎に戻ってはすぐに寝入ってしまう状態でした。しかし、無駄な内容などは一切なく、災害対応するにはここまでの知識、技術、そして体力が必要なのだと思い知らされました。 “せっかくなら”と最後の SCU 演習では、リーダーをやらせて頂き、大変貴重な経験をさせて頂きました。 研修が終わって感じたことは、あの草津白根山の噴火の日、救護所で死に物狂いになっていた自分の裏で、こんなにも多くの仕事を上司はこなしていたのかという驚きでした。 本白根山噴火災害対応にDMAT補助要員として出動した時の様子 これからも日本 DMAT の一員として、日々研鑽していきます。

「群馬Local-DMAT研修」を受講しました。

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スタッフブログをご覧の皆さん、こんにちは。救急科の河内です。 7 月 13 ・ 14 日に「群馬L ocal-DMAT 研修」を受講したので、その報告をさせていただきます。 ま ず DMAT(Disaster Medical Assistance Team) とは、医師、看護師、業務調整員で構成され、大規模災害などの現場にて、急性期に活動できる機動性を持った、専門的な訓練を受けた医療チームです。 そして「L ocal DMAT」 とは、県内での局地災害に対して派遣される医療チームです。 研修内容としては多岐にわたり、座学では災害対応に必要な知識を学び、実習では無線機やトリアージの正しい使い方・やり方、災害現場救護所での治療の仕方などを習得しました。 ま た総仕上げとも言える 2 日目の総合訓練では、多数のリアルな模擬患者役を設定したうえで、実際の現場救護所を想定した大規模なシミュレーションを行いました。 ありがたいことに、現場救護所のリーダー Dr 役をやらせていただきました。 が、次々と患者さんが押し寄せ、情報が錯綜し混乱する現場で、実際の現場での難しさを感じました。 大災害でも局地災害でも、災害対応はすべてのスタッフを巻き込んだ総力戦です。 こういった多職種連携の研修や訓練を通じて、災害発生時には少しでも良い対応ができるようにしたいと思いました。 また、今回の研修を通じて群馬 local DMAT 隊員の資格を得ましたので、もし局所災害が起きてしまった際には、少しでも役に立てればと思います。

突然の“避難指示”!~やっぱり平時からの心構えが大切~

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町田です。 九州、四国、近畿、北陸で一気に梅雨が明けました。関東ももう梅雨が明けそうな雰囲気になっています。 しかしながら今年も梅雨の期間中に湿った空気をたくさん受けた前線が猛烈に雨を降らせていました。そして梅雨が明けると今度は夕立が襲ってきます。土砂災害には常に気を付けないといけないですね。 今日のドクターヘリから映した高崎市内のとある川です。昨晩の雨の影響で川の水は濁っていますが、そんなに水位は高くなっていません。 昨日は夕方から榛名山のふもとから東西に線状降雨帯が発生し、短時間で一気に大雨が降りました。僕はそのちょっと南に住んでいるのですが、遠くで雷が鳴っているのを感じながらも雨は降っておらず、自宅で数時間仕事をしていたところ21時過ぎに急に土砂降りになりました。 そして日付が変わる頃に突然携帯電話が鳴り響き・・・ 「群馬県高崎市」 「土砂災害警戒レベル2:避難方法を確認」 そして、 「洪水:警戒レベル4相当:今すぐ避難」 突然の避難指示に驚きました。 「えっ、今から本当に避難?」と戸惑いながら、とりあえず自分がいる場所の安全を確認するために情報収集を行ったところ、高崎市でもかなりエリアは限定的で我が家はこのまま自宅待機としました。 インターネット上ではかなり有効な情報がたくさんあり、このような自然災害にどのようなサイトでどのような情報が手に入るか、日本DMAT隊員養成研修で学んでおいてよかったと改めて思いました。 ちなみに写真の川は洪水に関して「極めて危険(洪水が発生している可能性あり)」という警戒レベルは最高レベルでした。今日の川の様子からは想像がつきませんでした・・・  河川の洪水に関わる情報 土砂災害情報  今回は大きな被害が発生することなく自分がいた場所の安全も確保されていましたが、雨が降って数時間でいきなり避難勧告や避難指示が出る可能性があることを考えると、普段からの備えと災害が発生する可能性を予測するアンテナを張っておく必要性をあらためて感じました。梅雨が明けても土砂災害、洪水には十分注意が必要な夏を迎えそうです。 それにしても突然の“避難指示”の文字に本当にびっくりしました!

‟大学講師”やっています!~群馬大学教養教育科目「地域社会実践論」~

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藤塚です。 毎年この時期がやってきました。中野前センター長(現院長)から引き継いだ、大学講師を現在、町田医師と藤塚で担当し、大学生に講義しています。 群馬大学教養教育科目「地域社会実践論」という講座で、『ドクターヘリ』・『災害医療』・『救急医療』を担当しています。私は、『救急医療』をやらせて頂いております。 “自分が学生のとき、どんな講義にひかれたか・・・” “どう話すと聞いてもらえるのか・・・” “ひとつでも持ち帰ってもらうには・・・” 逆の立場となり、とても勉強になります。 毎年 16 時からの最後の授業時間ですが、約 100 名ほどの学生が参加してくれています。うれしい限りです。その中で 20 人でもしっかり聞いてくれれば、まず合格かなと毎年自分に言い聞かせてます!(いいのでしょうか。。。) 私の内容は、 ・救急医療の仕組み(1・2・3次救急医療) ・救急隊とは ・ MC (メディカルコントロール)とは ・救急医が取り組んでいること ・救急医療の問題点 を話します。 改めて講義をすると、日本は恵まれているなと感じます。 救急要請ひとつにとっても、海外は有料なことが多く、また質も維持されていないこともあります。もっと進んでいる国もあるため、現状に満足するわけではありませんが、日本のよい医療ところは今後も大切にしていきたいですね。