“鉄は熱いうちに打て!”~「富岡甘楽地域MC協議会症例検討会」参加報告~

町田です。
いつもの気象ネタからの始まりですが、この時期にまさかの「台風になる?ならない?」という話題が上がっています。群馬県も午前中は陽が射す時間もありましたが、妙に蒸し暑く夕方になって土砂降りが降っています。「曇り時々晴れ、夕方から土砂降り、湿度最悪・・・」という天気が連日続いており、天気予報の表示もおもいきって「空のご機嫌次第」とか「?」とかにしてほしいくらいです。


5月10日に南牧村でマイクロバス転落事故ありました。
今まで群馬県では局地災害が起こった際に、管轄の消防内、地域のメディカルコントロール(以下MC)協議会内での検証は行われていたとしても、それに関わった多機関・多職種の検証会がなかなか行われることがありませんでした。群馬県ドクターヘリ症例検討会でなんとかそのような事案をピックアップすることはあっても、その事案に関わった方々の参加が限られていたり、ドクターヘリが関わらないとピックアップもできないような状況が10年近く続いていました。(本白根山噴火災害対応の検証会でさえ1年後に検証・・・)

*地域メディカルコントロール協議会とは?(総務省消防庁ホームページより)
地域メディカルコントロール協議会は、都道府県消防主管部局・衛生主管部局、消防機関、郡市区医師会、救急医療に精通した医師等で構成され、病院前救護にかかる消防機関と医療機関の連絡調整、業務のプロトコール、マニュアル等の作成、常時指示体制の整備、検証医の選定及び事後検証票の作成等を含めた事後検証体制の確保、並びに救急救命士の資質向上のための研修機会の確保に関する支援等の役割を担うこと。

しかしながらようやくここにきて各地域での検証に関わった多機関・多職種を交えた検証会を積極的に開く傾向となってきて(しつこく言い続けたせいかも?半ば強引??)、今回の事故対応に関して地域MC協議会主催の症例検討会に多くの関係者を招集して開催されました。


昨日6/26、公立富岡総合病院で開催された「令和元年度 富岡甘楽地域MC協議会 第1回症例検討会」にお招きいただき、当院からは僕のほかに救急災害事業課全員が参加しました。またドクターヘリで応援出動していただいた佐久医療センターの救命スタッフの方々、応援出動した隣接消防の救急隊、共同指令センターの方々も集まりました。


今回の症例検討会では先着救急隊、指揮隊、現場救護所支援隊、共同指令セター、群馬県ドクターヘリ&DMAT、佐久ドクターヘリ、そして多くの患者を受け入れた富岡総合病院から、それぞれの活動の報告、課題、そして改善に向けての方策の発表があり、参加した多くの方々とともに活発なディスカッションが行われていました。
最後の地元MC検証担当の消防職員および医師より総括をいただき、とても良い雰囲気の中で会を終えることができました。

実は今回の事故災害対応については、地元消防、地元災害拠点病院ですでに検証会が行われ、また6/24には信州ドクターヘリ事後検証会議でも話題に挙げていただくなど、災害対応後よりすでに多くの振り返りを行われていました。残念ながら当院では振り返りを行う機会がなく、メーリングリスト上での情報共有だけとなってしまいましたが、いずれにしても災害対応後のまだ記憶が新しいうちにこのような振り返りを、その事故が発生した地域MC主催でその事案に関わったすべての関係機関をあつめて行うことが大切だということを改めて認識しました。
鉄はやはり熱いうちに打たないとだめですね!


災害対応の振り返りに関しては、各地域MC主催の症例検討会に関わった多機関・多職種を参加できる仕組みを作っていただきたいと願っています。残念ながら僕にはまだそれを決めることができませんが、ドクターヘリ基地病院としてはドクターヘリが関係した事案の検証に関しては県内11MCのどこにでも駆け付ける心つもりでいますので、各地域の皆様よろしくお願いします。

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